会いに行くと、いつも文句ばっかり言っている母。
「あのねお母さん、
今日もおいしい物が食べれて良よかった。
娘が会いに来てくれて良かった。
そう言ってれば、もっともっと幸せになれるよ。
みんなやさしくしてくれるよ。」
子供の頃から、下町の肝っ玉母さん風の母が、ちょっと恥ずかしかった。
友達の品の良いお母さんが羨ましかった。
病気で車椅子の身体になり、若い頃のように飛び歩け無くなってしまった母。
「毎日、一所懸命、がむしゃらに生きてきただけなのに、なんでこんな罰が当たるんだろ。」
と私が、言うと、
「それは、あなたのお母さんに天罰が下ったんじゃ無くて、子供達の天罰がお母さんに下ったのよ。」
と人から言われてしまった。
ねえ、本当なの? お母さん。
こんな身体になったのは、私のせい?
私だって、私なりに懸命に生きてきただけなのに・・・
きっと、働き過ぎたから、ちょっとゆっくり休みなさい。って事だよね。
そういう事にしておいてね。
「この百合のちぎり絵、上手にできたね。」
と言うと、
「なあん、いいがにならんかったから、あわれてやったら、手伝ってくたはれた。」
(いいえ、うまく出来なかったら、あばれたら、手伝って下さった。の意味。)
そうそう、それが私のお母さん。
がらっぱちで、いつも元気な、気力だけは以前のままのお母さん。