東京大学運動会ヨット部

東大ヨット部の現役部員によるブログです。練習の様子、レース結果、部員の主張から日記まで。

全日本所感。

2018年11月12日 01時12分39秒 | 全日本インカレ2018

ついに最後のブログとなりました。

全日本でのこと、今までのこと、これからのこと。

書きたいことはたくさんあるように思います。

それでもなかなか筆がすすまないのは、最後のブログなのに伝え残しがないか、言いたかったことをちゃんと言えているかいちいち考えてしまうからで。

そんなことを考えていてもきりがないので、田原ではないですが、徒然なるままに、書いてみることにします。

                                                                                                                              

 

 

…と思っていましたが、書いてみたら全日本のパートが長くなってしまったので、今回は全日本のブログです。引退ブログは次の記事です。ご容赦ください。

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こんにちは、4年の西坂です。

 

今からちょうど一週間前、第83回全日本学生ヨット選手権大会が閉幕し、自分たちの代は引退する運びとなりました。

 

すでに秋の関東インカレで現役選手として引退していた自分は、今回の大会はサポートとして臨みました。

秋インカレで敗れたときの感情はもちろん吹っ切れているわけはありません。その時の感情については、その当時ブログで書いた通りなので割愛します。それでも、その時の悔しさだったりとか、無念だったりとかが今大会に臨むうえで自分にとって強い原動力となっていました。

負けて改めて気づく勝ちへの執念。関東で負けたからこそ、代の引退を迎えるこの全日本の舞台では絶対に勝ってやろうと。自分にはサポートしかできないなら、勝ちたいという思いはチームで一番強く持ってやろうと、思っていました。

サポートという役回りをしたのは、二年生の秋以来二年ぶりでした。サポート能力はずっとサポートをしてきてくれていた後輩たちが優秀で、自分は自分にしかできないことをやろうと思っていました。セーリングに関するアドバイス、注意喚起をしてやってくれ、ということはコーチや先輩から頼まれていました。ただ、自分が一番やるべきことはサポートチームの士気をいかに高められるか。レースメンバー以外の全員を集めて、士気が高まるような言葉がけを意識して話してみたり。自分はこんなにサポートに本気なんだぞっていう姿勢を見せるように意識していました。

でも、やっぱり強い学校のまとまり具合はうちのチームよりはるかに上で、個人個人がそれぞれ自分の役割、やるべきことをはっきり認識できていることがはたから見てもわかる。

即興でサポートに回った自分の非力さを痛感しました。

 

そして、海上ではもっともどかしい思いをすることになります。

レース艇と接触できる機会は限られていて、海上にいるほとんどの時間、自分は何もすることができない。できることと言ったら、回航順位を取ったり、レース展開を観察したり、海面の情報を集めようとしてみたり。でも、自分が直接レースを助けてあげることはできない。なにも出来ない自分が悔しくて仕方がない。なんてサポートってつらい役回りなんだろうって思いました。

でも、そこであることに気が付きます。自分はレギュラーである時、サポートメンバーの心情を推し量ったことがあったのか。なぜ今初めて気が付くのか。

自分は、レースメンバーであったとき、サポートのみんなも同じ方向を向ける、全員が本気で勝ちたいと思える、そんなチームであったらいいなと思っていたし、強いチームとはそういうチームだと思っています。確かにそういうチームであったらいいと思っていたはず。

でも、もし本当にそういうチームだったとしたら、一番つらいのはサポートメンバーのはず。直接海上で戦っているレースメンバーよりも、勝ちたいと強く思っているのに、陸上でその戦いを見られない陸番のメンバーや、直接戦えないサポートボートメンバーの方が、辛い思いをしていたはず。

自分は、レースメンバーであったとき、サポートメンバー1人1人にまっさきに感謝の言葉とねぎらいの言葉を伝えていたのか。一部の人に伝えることはあっても、合宿所のミーティングで全員にまとめて伝えることはあっても、着艇後すぐに全員には伝えてこなかった。

サポートメンバーがいるから、自分たちはレースに集中できるし結果が残せると、感謝しているつもりになっていた。でも、見えていたのは実利的な部分だけで、最後の最後まで何も気が付かなかった自分が恥ずかしい。

こんな人間が理想とするチームを作れることがないのは、あとから考えれば明白です。

チームのメンバーには未熟者の先輩を反面教師として、これから強い、全員のためのチームを作ってほしいです。

 

 

今回の全日本でもう一つ痛感したことがありました。

片クラスで戦わなくてはいけない難しさです。

たまに「東大片クラスにしたら強いんじゃない?」って言われることがあります。確かにレギュラーは3,4年でも余るくらい層は厚くなるなぁとは思いますが、スナイプ、仰秀を復活させた先輩方を見てきた身としては、どんなに人数が少なくても両クラスで戦って総合を目指すことが東大ヨット部のプライドだと思ってきました。

でも、今回初めて両クラスで戦えないレースを目の当たりにして、両クラスで戦うことの大切さを今まで以上に実感しました。

今回、スナイプチームは孤独に戦っているように映りました。おそらく、同じ海面で違うフリートで戦っている仲間がいるというのは、与える安心感が大きいと思います。

実際関東のインカレなどでは、自分自身スナイプチームの結果を気にしながら戦い、違うフリートで戦っている仲間を思うことで、自分たちも頑張ろうと思っていた。オレンジ旗が上がってしまってからもそう。サポートボートが近づけない状態で、近くにいる仲間と健闘を祈りあう時間はすごく心強かったように思います。

自分はサポートボートに乗りながら、自分はサポートボートに乗っているよりも470であの海面に一緒に浮かんでいる方がよっぽどスナイプチームの力になれるのに。そう思っていました。

実際スナイプチームがどう思っているかはわかりませんが、両クラスであることの意味は、それぞれのチームに与える結果という面でも、重要だと思います。

来年以降は、なんとしても両クラスで全国の場に立って、助け合いながら上を目指してもらいたいです。

 

 

全日本で久しぶりにサポートをして、思っていたことを書いておこうと思ったら長くなってしまいました。

頑張って戦ってくれたスナイプチーム、サポートチームは、本当にお疲れ様でした。

(次記事に続く)

 

4年前副将

西坂惇之


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