こんにちは。3年470スキッパーの小野です。
先日行われた全日本470のレースレポートを書きます。
まず全日本470という大会について。
今年の参加艇数は海外選手含め83艇でした(2つのフリートに分けるので、実際のレースは40艇ずつくらいです。)
2020年オリンピックのセーリング競技会場が江ノ島であり、またワールドカップも江ノ島で開催されることから、「全日本」と名のつくこの大会にも昨年度から海外選手が多く参加するようになりました。
ちなみに私は関東予選に参加した女子ペアの中で4位までに与えられる「全日本女子枠」で参加しました。とはいえ、全日本も全日本女子も参加するレースは同じです。
私と水石さんは470の適正体重130kgに対し100kgない軽量ペアです。
せっかくの全日本、少しはいい順位も取りたいと思い、吹かないように吹かないようにと願っていましたが参加した6レースのうち5レースがオーバーコンディションでした。
1日目は平均6m/sくらいで3レース、2日目は平均7〜9m/sで2レース行われました。
私オーバーコンディションの走りに今はまだ自信がありません。
体重だけでなく技術的にたりてない所も多いのです。
結局その5レースすべて下には数艇しかいないという順位で帰って来てしまいました。
かなり吹き上がった5レース目に関しては世界王者ベルチャーの素晴らしい走りのおかげで、最初にゴールした艇から10分以内にフィニッシュせよというリミット・タイムに引っかかりDNFです。
微風でもないのに時間制限をここまで気にして走ったのは初めてでした。笑
ベルチャーおそるべし。
3日目は台風の影響による暴風雨の中、傘の骨を何本も折りながら江ノ島に行きましたが、結局ノーレースでした。
前日の風とうねりが残る4日目はゴールドフリートに振り分けられた選手だけがレースにでることができました。「スマホでヨットレース」といって船の航跡をスマホで追えるシステムがあるのですが、その日は陸でひたすらそれを見ていました。羨ましいなあと思いながら…。
迎えた最終日、待望の順風域でのレースが1レース行われました。今回こそはスタートちゃんと出ようと思っていたのですが、下の船が高くて、「リコールしたくない」「フレッシュで出る」の2つを天秤にかけて「リコールしたくない」がまさったために、一歩遅れてスタートしてしまいました。結局その船はジャストスタートくらいだったようで、隣ででた私より1上を30艇ほど前で回航してました。
YAMAHAセーリングチームに携わっていらっしゃるLB藤井さんに現地でお会いした際、「スタートの技術があればコースがそんなによくなくても勝ちやすい」とおっしゃっていましたが、その通りです。秋インカレまに最も大きく飛躍できるのはスタートなのではないかと思うので、あと1ヶ月で改善したいです。
最終日、もう1つの楽しみだったのが上位10艇だけが参加できるメダルレースの観戦でした。レース委員会が自分のレースが終わったらそのまま見てていいよと言ってくれたので、470の上から観戦しました(みんな帰ってしまい何故か我々1艇しか観戦してなくて寂しかったです)。メダルレースを見て感じたのが、神々同士で戦っていても、勝敗を分けているのは学生のレースとあまり変わらないなということです。結局スタートが良かった船が早く回航していくし、マークルームをちゃんと取れた船がフィニッシュも早いのです。
世界レベルの神々はさておき、関東のトップレベルの人たちとの差は得体の知れない大きな差が何個かあるというよりも、小さな差が無数にあるのではないかと思います(違うかもしれないですけど)。
全日本470が終わった次の日に一対一で小松コーチに走りを見ていただくことができ、今までヒールトリムやセンターボードの上げ下げをいかに鈍感にやってきたか気づかされました。秋インに向けて、急に神コースを引こうとするなどよくわからない大きな違いを焦って埋めようとするよりも、確実に変えることができる小さな違いを埋めていくほうが性にあっているのではと思っています。
とにかく、全日本470で楽しそうにセーリングをしている上手くてカッコいい選手をたくさん見れたことはいい刺激になりました。
悔しさも上手くなる要素の1つだとは思いますが、憧れも心を動かすと思います。
来年もまたこの大会ですごい選手とレースができるように、そしてまずは関東女子イン、全女、秋インカレに向けて週6練習をこなして行きたいと思います。
3年470スキッパー
小野万優子