こんにちは。2年の江村です。
先日行われた東北大・横国大との交流戦について僕個人の反省を書き連ねていきます。長文になる予感がしますがあらかじめご容赦ください。
今回の2日間の東北大戦に出場して自分なりに考えることが多々ありました。冒頭で「東北・横国大との交流戦についての反省」と書きましたが、話はおそらく「秋イン後の練習についての反省」にまで広がっていくような気がします。書いてみないと分かりませんが。
1日目は2年の山本と2レース出場しました。スナイプ班からは山本をはじめ3年の海野主将と1年の笠原の合わせて3人がJ24全日本のキャンペーンに参加しており、その経験を経てどのような技術や知識を手に入れたのか八景島の地からずっと気になっていました。彼らが手に入れたものやヨットに対する意識の変化についてはブログを読んだり実際に話を聞いたりしていたので、土曜日の山本とのレースをとても楽しみにしていました。
実際一緒に乗ってみて、数ヶ月前に一緒に乗ったときよりも大きく変わっているな、とひしひしと感じました。山本のブログにもあったように前を見て走ることへの意識が強くなっている、僕には見えない細かなブローが見えている、タクティクス・ストラテジーに対する考えが深くなっている・・・ 仰秀で培った技術を確実にディンギーにフィードバックできていると強く感じました。
じゃあそれに対して僕は? この1ヶ月半何を学んできた? 胸を張って“これだけは上手くなった これだけは誰にも負けない”と言えることは何かあるのか?
秋インが終わり、八景島で活動しているスナイプ班の上級生は僕と菅原の2人だけになりました。そして来たる東北戦に向け1年生の練習を中心に行なっていくにあたり、上級生クルーとして1年生スキッパーと一緒に乗ることで得られるものを最大限引き出し自分のものにしていこうと決めていました。
もちろん1年生と乗って得られるものはたくさんありました。これまでは同期や先輩スキッパーと乗っていたので(自分の知識・判断力)=or<(一緒に乗っているスキッパーの・・・)という形でしたが、1年生と乗ることになるとこの不等式が必ずしも成り立たない、ということは自分が乗っている船に対して自分自身が適切な判断をし、責任は自分自身が負わなければならない ——当たり前なことだけれども無意識のうちに目を背けていたことに気づきました。同期や先輩と乗っているときにも自分の意識の持ち方ひとつでこの力は培っていくことができたはずなのに・・・ 他人任せになっている自分の態度に気づき、反省し、改めていこうと決めました。この点に関しては1ヶ月の練習で多少なりとも改善できたと思っています。
また、スキッパーの“動き”に対しても意識を向けられるようになったと感じています。僕は入部してからずーーーーーーっとスナイプクルーをやっているので、スキッパーの動作について何にも知らずにいました。タックのときの舵が前回しなのか後ろ回しなのか(←いや、これはさすがに知っていた気がする)、クルーのランチャーUP/DOWNのときにどういうことを意識しているのか等々。上級生スキッパーとの「違い」については感じることができるのでその原因を明らかにして1年生スキッパーにフィードバックすることを心がけていました。そうすることで普段スキッパーがどういうことに気をつけているのかが何となく理解できたような気がします。
一方で、僕が1年生と乗っているときに「100%のクルー」でいられたかどうか、この点に関しては情けないことに「ノー」としか答えることができないと思っています。1年生のための練習だからという理由で、インカレ前まで練習していた自分が出せる100%の動作をせず無難な動作しかしていなかった、コース練習で相手と競り合っているときに勝利に対するこだわりが薄れていた等々。
当然のことながら安全に気を配るということは最重要であり決して忘れてはいけないことですが、「安全」という言葉の裏に「限界」を重ねてしまっていたような気がしています。そしてその「限界」は本当の「限界」ではなかったと今になって感じています。自分が出せるはずの力を出さずに1年生スキッパーと乗っていた僕は、自分自身の練習機会を奪っていたどころか1年生のための練習も台無しにしてしまっていたということに対して本当に申し訳なく思っています。
僕がこのような考えに至った直接的な原因は、東北戦2日目の強風で1年生スキッパーとともにレースに出ることの不安から僕がリタイアを決めてしまったことにあります。レース海面に向かうまで、1年生スキッパーでは体験したことのないような風が吹いており、この中でレースに出るという僕個人の不安が高まっていました。その後ランチャーポールのトラブルがありまた2回の沈があって僕たちの船はリタイアするという決断をしました。
反省するべきところは多々あります。まずはマリーナの天気予報をしっかりと確認しておくべきだったということ。八景島マリーナに掲示してある天気予報では午後にかけて風が落ちていく予報だったので、それを確認しておけば海面で待って風が落ちてから参加するという判断がとれたかもしれないと思っています。大ざっぱな風の予報だけではなくよりローカルなより詳しい予報を確認することの大切さに気づきました。
また整備不足も挙げられます。特に僕はクルーというポジション柄、違うスキッパーと乗るときに前の日と違う船に乗るということが多いので、それぞれの船の整備状況を把握し、また出艇前やその前日に船の状態を確認しておかなければいけないと感じました。
最後に東北戦までの約1ヶ月半の練習で100%の力を出すべきだったということ。自分が持っている知識・経験・信念を総動員して練習に取り組むこと。そうしておけば自分に対しても一緒に乗るスキッパーに対しても自信を持つことができレースでより有意義な経験が積めたのではないかと思っています。
上に書いたことはすべて当たり前のことで、今まで1年半ヨットをやってきてようやくそのレベルか、と思われるかもしれません。実際自分でもそう思っています。この文章をブログに載せるということに対して若干のためらいと恥じらいがあります。でもあえてこの文章をここに載せることでこの経験を無駄にしなくて済むと思っています。上に書いたような反省を二度とすることのないように、ここに戻ってくることのないように、これからの冬の練習を100%の力で頑張ります。
2年 江村大樹