東京大学運動会ヨット部

東大ヨット部の現役部員によるブログです。練習の様子、レース結果、部員の主張から日記まで。

学生マッチ2015(ヘルム編) ~ヘルムスマンの回顧録~

2015年04月08日 20時04分42秒 | Weblog
こんにちは。
新3年生になりました松山です。無事、本郷 法学部に進学できました。


おすすめ動画です(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=5SJe70YetMs

学生マッチが終わってからというもの、すぐ次の週に運動会総務部の仕事でまた名古屋へ3泊で行ったり、帰ってきたと思ったら風邪をひいて寝込んでしまったり、新歓が始まったりで怒涛のように過ぎて行ってしまいすっかり書くのが遅くなってしまいましたが、学生マッチの感想やらお礼やらを書かせていただこうかと思います。


まず、結果はご存じのとおり、7位。目標としていた昨年の4位以上には遠く及ばず悔しい結果になってしまいました。あれからもう一ヶ月近く経つわけですが、本当に悔しいです…。なぜこんなに悔しいのか、というとそれは3,4位になれるチャンスが十分にあったから! 戦績としてはあと2勝することができれば3,4位に食い込めたはずで、その2勝のチャンスも十分にありました。
青木や師田、上村が書いてくれたブログにもありましたが、二日目、対九州大学戦、対金沢大学戦のことです。それぞれポールのパロットピークが折れる、ジブタックの金具が飛ぶ、というトラブルをきっかけに2連敗してしまいました。ともにトラブルが直接の原因というかはトラブルに対して僕たちが動揺して正しい対処をできなかったことが原因です。どちらのレースも自分たちがリードして進めており、特に対九州大学戦では相手がワンペナルティーを持っている、という非常に有利な状況だったのに、です。
九州大学戦ではパロットピークの損傷によりスピンが上げられない、という判断がでたのですがよくよく考えれば、マンポールでもすれば上げることは可能です。当日は風もそれなりに吹いており、スピンの有無がスピードに大きく影響しました。
また、対金沢大学戦ではジブタックの損傷によりジブハリテンションがまともに入れられず、上り角が全く取れない状態とはいえ、2上前まではリードしていました。しかし、ペナルティーを取られていて、その解消の仕方に失敗しました。セオリー通り、ダウンレグで解消すればよかったところ(実際、それは可能でした)、上りレグ中に何とか解消したい、と考えて、自分でもよくわからない動きをしてしまったのです…。
これは、経験の問題、なのでしょうか。やはり、ヨット力、の不足なのでしょうか。ヨットという競技はとてもクールな競技だと思っています。なぜなら、アツくなればなるほど遅くなるから。常に冷静にひたすら風に合わせて走る、ということが大事だと思います。
が、しかし、マッチレースというのはですね、その競技の性質上、とーってもアツくなるんです。精神的にも高揚しているうえ、時間的に余裕もない、そういう状態での判断が求められます。先に挙げた2つの失敗もゆっくり落ち着いて考えれば、絶対そんなことはしなかった、といえます。
引き出しが足りない。 そう感じます。まだまだ経験が足りない。

とはいえ、こんな経験をさせてもらっている(当時)2年生はなかなかいない、と思います。今回の大会ではTOKAI マッチレーシングのヘルム山本やO セーリングのヘルム小倉が奇遇にも同期、ということでしたが、彼らはともに普段は個人で活動しています。一方、僕たちは部活として、部やLBの皆さまからご支援をいただいたうえで活動させていただいています。なかなかこのようなチームはありません。日頃より僕たちの活動にご理解いただき、皆さまから様々な形で多大なご支援をいただいていることに心から感謝します。特に、練習に際して多大なご協力をいただいた高野さん、宮本さん、中山さん、東郷さん、蒲郡にまで応援に来て下さった田端さん、大河原さん、高野さん、川口さん、そして資金面や事務面で援助してくださった監督、ありがとうございました。


先程、経験が足りない、と書きましたが、それはこれから勝っていくうえでのことで、なんだかんだこのマッチを通してとても多くのことを学ばせて頂けました。
なにかの記事に、「ヨットが三倍の早さでうまくなるマッチレース」と書かれていましたが、まさにその通りです。マッチレースはスタート前の激しいマニューバ、ストップ&ゴー、クローズスピード、クルー動作、そしてRRSに関する正しい知識のすべてがそろっていないと勝つことができません。もちろん、フリートレースでもこれらは絶対的に必要ですが、マッチレースは一対一の超接近戦であるが故に、それらがより如実に表れると感じます。例えばルール面だと、もちろんRRSはフリートレースでもマッチレースでも適用されますが、マッチレースではRRSを利用して相手に対しペナルティーを奪いにいきます。攻撃の為にも防御の為にもRRSの知識が必要ですから随分勉強しました。特に17条について、なんかだと関東の学連ヨット乗りの誰よりも詳しい自信があります。
もちろん、技術面での成長もありました。マッチレースはスタート前の攻防でセオリー通りやると少なくとも一回のストップ&ゴーが入ります。僕はとても苦手なところではありましたが、だいぶ経験を積んでマシになったと思います。実際、スナイプに乗った際にはド微風でもすごくスムーズにサークリングなどで船をあおって動かせるようになっていたことに自分でも驚きました。他にも強風で如何にヘルムニュートラルを保ちながら船を走らせるのか、などなどたくさんのことを学びましたが、枚挙の暇がないのでこのくらいにしておきます。
一方で、まだまだ、微風時の挙動には不安があります。やはりJ24は船が大きく重たいので微風時に船を止めてしまうと絶望的な展開が待っているのですが、本番のマッチでもやってしまいました…。ついでにクローズも苦手です。これは今後の一番の課題です!

さて、とても長くなりましたがそろそろ終わりにしようと思います。
今回のマッチレースはとても悔しい内容、結果に終わりました。しかし、思うにこの悔しさこそが明日の努力につながると思うのです。思い返せば、僕のJ24での活動は成功続きでした。昨年の学生マッチでは4位、全日本J24でも14位…などなど、予想より良いという結果が続いてきました。今回の大会はそんな僕にとって、大きな課題を突き付けられた形になった大会でした。悔しい分だけ、強く記憶に残っています。一生忘れることはないでしょう。
さて、改めて、皆さま、この学生マッチキャンペーンにご協力いただきありがとうございました。部員のみんなも、仰秀チームの活動に協力してくれてありがとう。

東京大学運動会ヨット部
松山

追伸
 僕たちがかっこよく映っているのでほんとぜひ見てください!メディア戦略って大事ですね。blogを観てくださったみなさん、ありがとうございます!
https://www.youtube.com/watch?v=5SJe70YetMs