Kou Farm

畑の話と日々の雑談

価格

2017-11-30 20:07:16 | 畑の事
先日 直売所でホウレン草の値段を上げてください と頼まれた
もともとワンコインよりちょっと高く設定してるし 直売所の値段としては安くは無かろう
と思っていたので ちょっと当惑
野菜の価格が上がってるから との事  そもそも野菜の値段は常に変わるもの こんな依頼をうけるとは
よっぽどの事かと思い
念のため市内の主なスーパーを回って価格をチェックすると なるほど葉物が高め
レタスなんか高級食材になっている リーフレタスにいたっては 半割で350円ほど 一個だと700円か!
誰が買うんだ・・?
まぁ 近年は年に一度ぐらい こんな事があります 異常気象が頻発してますので 
これからは 例年通りの異常気象の影響で野菜価格の高騰が続いています なんてよく分らんアナウンス
がされるかもしれません

近郊では ホウレン草でも小松菜でも10月初め頃に種蒔きしたものが出てくるので
本来なら売り場一杯に並び 価格もお手頃なはず
曇天長雨の影響だとするなら 品薄はまだしばらく続くかもしれません

これを採り終ると 年内はぐだぐだになりそうです
長雨のなか無理して播いた畝は ま~ぁ発芽が悪い

使う身になれば 野菜は日常品 少しでも安い方が良い そう思うのが普通です
ある程度 それに応える形で発展してきたのが現代農業
僕も消費者の気持ちは分からないではないですし それに応えたい気持ちもあります
一方で 現在の僕のやり方は 長い目で見た場合 合理的で効率的だと思うのですが
短期で見ると 人力にたよる事が多く 労力(手間) 時間 共にかかるので 
ちょっと本音を言うと 1円でも高く売りたい

農業も経済活動の一部です なにより継続できる価格が重要 そして それが一般家庭において
購入できる事が必要です
当たり前の事ですが それを実現するために皆工夫をこらし鋭意努力している訳です
僕も知恵が無い分 身体を張って・・いや・・最近無理がきかなくなってきたので・・ちと怪しいが 
ともかく それなりにやっております(笑)


話は変わって

後蒔きの人参

綺麗です
先に播いたモノは病気になりましたが これは しみ腐病にかかっていません
同じ畝にもかかわらず・・
理屈で考えれば なるほど そうかと思えるのですが 
こうも違うと 何と言うか ちょっと気持ちがざわついてきます
畑では しばしば よく分からん といった事にぶち当たりますが
それは 僕が知らないだけで そこには自然の理が貫徹している
今回 ちょっとだけ それに触れたような気がして・・なんか・・こう
ざわつくのです(笑)
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2017-11-23 20:06:33 | 日々の事
久しぶりの雨 10月の様な長雨はこりごりですが
欲しい時に振ってくれた 畑の野菜も さぞ喜んでいる事でしょう

さて

最近 『共有する』 という言葉がしばしば耳に入ります
会社の様な組織 ラジオ TV などなど
いつ頃からだろう? 正確な事は分かりませんが
PCの普及と共に それを聞く頻度が高くなってきたようなきがするが 気のせいか?
蓄積されたデータを沢山の人が利用できるようになった
つまり データを共有する そんなところか・・(勝手な推量です)

何事かの情報や事象を共有する
言葉にすると とてもスマートに聞こえるのですが これが なかなか面白い
同じ情報や事象を得ても 人によって受け止め方は様々
ある人は赤と認識するが ある人は明るい茶色と認識したりする 結果 その場では分かった様な気がするが
形になった時 微妙な違いを感じる
僕なんぞは酷いもので 聞いても 思い込みでAという場所をCという場所だと信じて疑わず
トンチンカンな事をやらかす(笑)

まことに 伝える のは難しい

有機農業 というモノも 一般的にはどう理解されているのだろうか
法律(JAS規格)で規定されている農業と言えば 正解かもしれないが
スーパーの買い物客で それを知っている人が何人いるだろう ほとんどいないのではなかろうか
法律とはいえ マニアックな世界 世間では何とはなしのイメージで理解されていると感じています

しばしば農薬を使わないから大変でしょう とか 農薬使わんでできるわけねぇべ と言われますが
僕的には 重要なのはそこではなく 有機質肥料を使う事に最も意味がある と思っています(有機農業ですから 笑)
しかし これまで分かり易さから そこ(無農薬)に力点を置くような説明をしてきてしまった
改めなければなりません

詳細は省きますが 僕が思う健康な野菜を作るために有機質肥料を使っている

思い返せば この世界に足を踏み入れて以来 有機 という言葉を 何かシンボリックなものとして使っていた
様な気がする
時が経ち 経験を経るにつれ 様々な事を具体的に知るにつれ カテゴリーなんてものはどうでもよく
呼び方 呼ばれ方 にあまり関心が無い どんどん無頓着になっていく こまったものだ(笑)

食べてくれるお客様がいて 作っている僕がいる
もしかしたら それだけの事と思ってる節がある
だから農園の名前すら浮かばない・・こまったものだ(笑)




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いや まいったねぇ

2017-11-16 20:06:30 | 畑の事
朝夕の冷え込みが強くなり 出かける時は上着をもう一枚
畑では 人参の葉が見事に繁り 緑の林ををつくっています

これから甘味が増して 旬を迎えます
今年は初期生育が順調で 香も一段と良く 爽やかな風の様です

それなのに・・ああ それなのに・・

しみ腐病(あるいは しみ症)です
肥大期に過湿状態で広がる病気 原因はピシウム菌
最初は何だかわからず 普及所に持ち込み分かりました
(ベテランの職員はすごいです 病名ばかりか人参の品種まで当てました)
水はけの良い畑ですが 10月の異常な長雨で広がった様です
根本原因は やはり堆肥が未熟であった事でしょう ここも まだコツをつかむ前に作った堆肥を撒きました
そして品種 僕が使っているのは大手の種苗会社ではないのですが 香 食味 甘味 栄養価 色合い
どれもが優れた品種 しかし しみ腐病に弱い 職員に言われ 調べてみると なるほどそうでした
やはり パーフェクトというのは無いんですねェ
A品で出せるのは半分程度 2割はB品 残りは売り物になりません

堆肥作りや土中微生物について 浅いとはいえ知識はあるのですが(まだ勉強中 十分とは言えない)
知識は知識 こうして具体的な経験をしていくと(できればしたくなかったが・・)
知識がリアリティをもって五臓六腑に染み渡ります

何ですねぇ 今は土作りに主眼をおいてやってるわけですが
土には土の都合と時間がある・・それを思います
堆肥を作ったり ボカシを作ったりするのは少しでも人間時間に近ずけるため
しかし 僕時間(こんなもんだろう こうあってほしい という一方的で自己中心的な考えからでる時間)
には 何の躊躇もなく無視してきます 厳しいですねぇ(笑)

幸い 人参以外に伝播する事はないので 他の作物は大丈夫


これで また一歩一人前に近ずきました・・か?(笑)
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高萩の田んぼ

2017-11-09 19:23:03 | 日々の事
先日 テレビ東京の某番組で 高萩 が特集されました
地元での感想は・・まぁ・・それぞれ有るようでして・・
言えるのは 市内での視聴率は 往年の紅白を上回ったのは間違いない
番組開始の土曜夜9:00には繁華街を歩く人もなく 街は静まり返り・・いや・・いつもの事か(笑)

そんな日に 僕は堆肥の材料牛糞をもらいに畑と山の中の牧場を行ったり来たり
途中 見慣れぬバス停を見かけ

近寄って見ると

朝ドラ『ひよっこ』でみね子とトキ子が駆け込んでいたバス停が そのまま復元されてました
番組放送と紅葉での観光客増を見込んでの事でしょう
街も必死です

しかし それより僕の関心を引いたのは この風景

おだがけ です
典型的な中山間地の小さな田んぼ
今では ほとんど見る事がありません 近代的な広い農地でしたらなお更です
その昔は 稲を収穫し この様に天日に干して乾燥を進めていたのです
観光用なのか毎年やっているのか分かりませんが いずれにしても ひと仕事です
機械が進歩している今なら コンバインで稲刈り脱穀 乾燥機にぶち込んで 後精米すれば
皆が見慣れた白米になります

おだがけ するにはそうはいきません
手刈りもしくは小さな機械で根本から刈込み 結束し おだ(呼び方は地方により色々)に掛ていきます
やった事がある人なら分かると思いますが なかなかの重労働です
時間をかけて自然光で乾燥させるのでアミノ酸と糖の含量が増え 逆さまに吊るす事で藁の油分や栄養分が
米粒に下り 栄養分と旨味が増すと言われます(Wikipediaより)

コンバインの登場は衝撃的であったろうと思います 時間や労力を大量に投入してやっていた稲刈りから
脱穀までの作業を 父ちゃん母ちゃんだけでやれるようになったのですから
長時間の大変な労働から解放されたのです その意味は大きい

一方で この効率的 合理的な仕事から秋祭りは生まれただろうか?
一番有名なのは宮中祭祀の新嘗祭(収穫を祝い感謝する祭礼)ですね
遠い昔 おそらくは何十人という人々が鎌を手にせっせと刈り取る光景が浮かびます
顔に泥をつけ 時々腰をのばしたり なかには足を滑らせて泥団子に 皆がいっせいに笑う
何にせよ 無事収穫にたどり着いた安堵と喜びが誰の心のなかにもあった事でしょうね

昔は良かったと言っているのではありません 時代は変わるのですから
ただ伝えるという事 大切と思える何事か(本質とも言える)を 何かの形で残していく事
大事と思うと同時に難しくもある 昨日何を食べたかも忘れてしまう(笑)自分を見返れば そう思えるのです


山の木々が色付いてきました
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2017-11-02 21:59:16 | 畑の事
今夏のトマト ど~も引っかかる 何かが違う   
そんな訳で ちょっと検証してみる
材料は作前と作後の土壌診断と観察結果

観察で言うと やや栄養成長過多(茎葉が茂りすぎる) 実はこれまで自分が作ってきたものと 
比べると 甘味が足りない 旨味が足りない よってインパクトが無く 味の余韻が残らない
また 8月の裂果(これは今までもあり 季節柄しょうがないと思っていた)と青枯れ病の増加

これらの事から 窒素とカリの過剰 堆肥熟成の不足を疑う

作前後の土壌診断を比べてみると それを裏付けるデータがでる
残存硝酸態窒素が多い またカリも石灰や苦土と比べると過剰になっていた 
データにはないが完熟してない未熟堆肥が青枯れ病の原因と思われる まだ牛糞ベース(カリの
過剰になりやすい材料でもある)の堆肥作りのコツが掴めず十分な熟成が出来ぬまますき込んだ
その時も不安があったので長めの養生期間をとったのだが あまり効果はなかったようだ
ただ未熟とはいえ効果はありCEC(土の胃袋の大きさの様なもの)が上がり これから良くなっていく
可能性は見えた

来年に向けて考えなければならない事は 栄養成分のバランス
つまり投入肥料の組み合わせ 
そして できる限り良質の堆肥を作る事

資金上 環境上 難しい事もあるが まだやれる事は少なくない まずはそこから


未知の畑で栽培すると 思うようにいかない事も多いが おかげで色々調べ 知識が増えて理解も深まる
ぐうたらな僕にはちょうどいいのかもしれません(笑)
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