返さなくてもよい借金など、
世界中どこを探してもない。
否たぶん世間にはたくさんある。
恐らくきっとそうなのであろう。
あるにはあるのだが、
この場合はその限りではない。
札片を刷りまくり、
湯水のごとく使い、
道理に合わないことを、
当たり前のようにやりたい放題、
無節操且つ無責任に、
懲りずにやり続けて来たのが、
つまりこの場合である。
あっという間にA君は消えてしまって、
K君も終わった人になった。
張本人は知らん顔して、
いなくなったのである。
もはや責任はだれも取らない。
不況とバブルが混在し、
分断され尽くした上に、
混迷を深める社会の構造だけが
根無し草のように揺れている。
だれかが言っていた、
正に新しい戦前の到来である。
パズルをしていたら、
懐かしい言葉に出会ってしまった。
その名も「敗北主義」
こちらはもう半世紀以上前に、
よく聞いた言葉である。
完全に忘れていた言葉であるが、
それこそ妙に、
今この時代に、
しっくり来るのである。