昨日は、そうでなくても、
雨が降る予報でした。
車を洗えば、雨が降る、そういう決まりがある、
うちの車ですが、
ところが、それなのに、
しばらく洗っていなかった泥にまみれた車を、
だれかさんは、慌てて洗って、磨いています。
思わず私、悶絶です。
五木寛之さんは、
「雨の日には車をみがいて」の第一話、
「たそがれ色のシムカ」の中で、
主人公の、良くも悪くも、ひとこと多い、彼女に、
こんなことを、言わせているのです。
靴が、雨に濡れるのを嫌がって、
カバーをつけたりする人許せないし、
洗車したあと、雨に降られて、
舌打ちをするような嫌な男も、許せないの。
ぴかぴかに磨いたボディに、
雨の滴が玉になって走るのって、
すごくセクシー。
と自説を我が物顔で、喋り続けるのでした。
これで、彼女はレギュラーの道を閉ざされ、
消え去ることになるのですが、
これはこれで、
ひとつの見識であり、美学なのではあるのでしょう。
しかし、だからと言って、
だれかさんが、泥まみれの車を洗って、
彼女に気に入られてどうなる、のでしょう。
洗車中には、早くも小雨が降り始め、
私も、セクシーな雨の雫が、玉になって走るところを、
思わず、妄想したのでしたが、
雨は、その瞬間限りで、終了してしまいました。
洗うと雨、のジンクスは敗れて、
カンカン照り、になってしまったのでした。
鉄板のジンクスさえも、
いとも容易く、打ち砕いてしまうくらいですから、
よほど、セクシーには、だれかさん、
縁がないもの、と思われます。
これからは、車を洗えば晴れ、になりそうです。