今回の、この地方にしてみれば、
大雪の話は、既に、終わっていたはずでした。
然し乍ら、実は、まだ、続きがあったのです。
我が家の墓所は、隣町にあって、
町とは言っても、田圃ばかりが、目立つ場所なのですが、
その山の中腹に、在るのです。
新年になって、先日もお参りをしようと、
山の下までは、行ったのでしたが、
急な雨で、そのまま帰ってしまっておりました。
昨日は、今日こそはと、
掃除も兼ねて、お参りに出かけたのでございます。
ところが、そこには、
全く、足跡がない、別世界があったのです。
隣町と申しましても、峠を越えると、気候も違います。
みかん畑には、もう、雪はないのです。
またしても、引き返そうかと思います。
それでも、今日こそはと、山を登り辿り着いたのですが、
お墓も、雪の中でございます。
辛うじて、拝むことと、お水の取替だけは、致しました。
それが、こちらとしては、勝手乍、精一杯で、
雪の坂を、早々に降りて帰ろうとします。
そこで、悲劇は、起きるのでした。
左足を、滑らせた父は、
雪坂の階段で、見事に、すってんコロリン、転げます。
ご先祖様は、喜んでくれたのだろうと、思うのですが、
何が起きても、不思議はありませぬ。
無理は、矢張り、禁物でございます。