テトキチワールド

 松山在住のテトキチの食べたり、旅したりの記録。ときどき、シャム社長のおともをします。

椿乃

2010-01-24 11:43:25 | 和食
 朝生田のジャスコに行く途中に、ふと目に飛び込んできた「関東風」の文字。ふだん散漫にすごしているもので、今の今まで気がつきませんでした。私はネコ系の人間ですが、「関東風」の文字を見ると、パブロフの犬のように反応してしまいます。



 それは「椿乃」というお店でした。店の正面を見るかぎり、ウナギ屋兼焼鳥屋兼居酒屋のようです。



 ウナギ専門店というわけではなさそうだったので、うな重の並(1200円)で、一球様子をみることにしました。ちなみに特上は1900円です。夜の営業が主なのか、昼に入ったところ、お客が全然いませんでした。という次第ですので、調理器具に火をつけるところから作業が始まりました。ウナギを素焼きにして、いったん蒸して、再びタレをつけて焼くという工程を、一とおり見させていただきました。食べてみると、一度蒸しているので、ふっくら柔らかで、たしかに関東風です。タレが甘めなのは、松山風です。「うな一」や「天きん」のうな重は、ご飯が重箱の底に、うすく上品にもられています。この「椿乃」では、ご飯の量が多かったです。そのため、並のウナギの量だと、ご飯とウナギの均衡がうまくとれませんでした。気をつけて配分しているつもりでも、ご飯があまり気味になってしまいます。勢いよく特上で真っ向勝負すべきだったかもしれません。



 さて、本日のびっくりネタは、付属のお吸い物でした。肝吸いというくらいだから、ふつうはお澄ましの中に肝が浮いていると思います。ここ「椿乃」では、松山独特の白味噌あまあま汁のなかに肝が入っていました。これにはあきれるというよりも、笑ってしまいました。所変われば品変わる、ってやつですね。



 ところで、私が並なんていう気合の入らない品を頼んでしまったため、1匹焼いたウナギの3分の1以上があまってしまいました。あれは、つくりおきということになって、次の人には温めて供されることになるのでしょうか。とすると、このお店には、ちゃんとつくってもらえる時間帯に入店する必要がでてきます。今回は、いい頃あいに偶然あたってよかったです。

「椿乃」 松山市中村5-4-13  089-932-3043

出雲屋

2010-01-23 09:30:20 | 大衆食堂
 大街道に面してお店がドォ~ンとある「出雲屋」さん。「伊予屋」ではなくて、なぜか「出雲屋」です。創業者が島根出身なのでしょうか。そこらへんの謎は、お店の人にでも聞いてみなければわかりません。いつでもいけるようなところにあるのですが、「もぎたて」でみかけたこともないし、かといって『Komachi』や『タウン情報』に宣伝をうつわけでもないので、今の今まで行ったことがありませんでした。しかるに、カキフライがあることを発見したので、入ってみることにしました。



 外の暖簾には「創業100年」とありました。明治からつづくお店なのでしょうか。品書きには、和食系のウナギ、天ぷらから、エビフライなどの洋食系のものまで、幅広く並んでいてなんともつかみどころのないお店です。雑多な料理構成は大衆食堂的ですが、大衆食堂でウナギや刺身が看板の品になっているかというと、これもまた違うようで…。



 カキフライ定食です。ついているソースは、タルタルではなく正真正銘のマヨネーズでした。ここらへんはいかにも大衆食堂的な感じなのです。



 カキフライは、数としては7粒なのですが、1個が極端に小さかったので6.5個と数えたいです。この不均一さは、手づくり感がでているといえば、でています。比較的めの細かいパン粉を用いて、高温で揚げているのか、衣が固めでした。私は、衣がガサガサしている形態のものが好きなので、好みのものとは違いました。



 店内の品書きには、カキフライ定食950円とありました。価格設定としては、トンカツ専門店や和食店のような値段で、大衆食堂的な値ではありません。しかし、なぜか850円にまけてくれました。店のオバちゃんに気に入られるような顔はしていないので、どうしてまけてくれたのかは謎です。



 昼時なのに、店内は閑散としていました。場所代の高い大街道で、経営が成り立つのだろうか、と思ってしまいました。でも飲食店ができては消える松山で、100年つづいているのだから成り立っているんでしょうね。老舗なので、土地とか店舗が自分のものなのかなあ。色々と謎のあるお店でした。表にもありますが、ウナギ料理とかがウリのようですので、何か機会があれば試してみたいと思います。また、鯛めしもありますが、このお店の鯛めしは今治風の炊き込みご飯系です。

バール・コーヴォ

2010-01-22 09:14:22 | イタリア料理
 松山市内では、イタリア料理店の攻防(こうぼう)が激しいようです。そんななか、「コーヴォ」にいってみました(ジョー小泉風)。県民文化会館のそばに、わりと最近できたお店ですね。2日つづけてのイタリア料理になってしまいました。席に着くと、給仕係のおじさんに、「きょうは何かの記念日ですか」と聞かれました。松山のフランス料理店やイタリア料理店に初めて行ったときに、よくこういうことを聞かれます。そして、いつもどう答えたらいいのか、とまどいます。松山の人間って、何か特別の日でもないと、フランス料理やイタリア料理を食べないのですかねえ。



 赤ワインを注文しましたが、どこまでとりに行っているのか、なかなか給仕係の人が帰ってきません。そして、もどってくると「その銘柄はきらしています」。こんなことが2度あって、やっとでてきました。まちくたびれました。加えて、「冷えすぎているので香りがたちませんから、少しずつお飲みください」とのおことわり。この言葉、昔なつかしい「シャトーリヨン」でよくきかされました。「コーヴォ」も「シャトーリヨン」も、赤ワインが冷えているのはまずいという自覚はあるようなのです。なのに、なぜ冷やすのか。いつもながら、不可解極まりない土地です。



 オリーブとピクルス(500円)ですが、ワインが出てくるまで、こちらもおあずけでしたので、かなり手持ち無沙汰の時間がながかったです。オリーブやピクルス自体は、他店よりもよっぽどおいしかったです。



 品書きに、いかにも松山らしい但し書きを発見! 笑ってしまいました。松山人って、麺も柔らかめが好きならば、リゾットも柔らかめがすきなんだろうなあ。「マルブンdk」のリゾットなんて、おかゆ状態だったもんな。



 ということで、カキとごぼうのリゾット(1400円)。芯が残るような状態で、教科書どおりの仕上がりでした。カキもプリプリでおいしかったです。



 生ハムとルッコラのピッツァ(1300円)は、うすうす、パリパリタイプ。松山で受け入れられるか心配してしまうようなピッツァでした。自分としては、好きなのですが。



 パスタは手打ちのフィトチーネに、牛もも肉の赤ワイン煮込みをあわせたもの(1600円)です。フィトチーネは、もちもち感があって、赤ワインソースがよくからみます。お肉は、くどくない味にしあがっていました。



 パスタで牛を食べたので、肉料理は鴨メス肉のロースト(1600円)にしてみました。品書きとちがって、ハンガリー産の鴨とのことでした。オレンジソースということで、松山的に甘いものを予想していましたが、それほど甘くはありませんでした。むしろ柑橘系の酸味を感じました。



 定番ドルチェのティラミス。



 パンナコッタです。



 料理自体はどれもおいしいです。一皿一皿の量は、少なめです。料理以外のところで、つっこみどころ満載のお店でした。おおらかな気持ちで、そういうものも楽しんだらいいと思いました。

「バール・コーヴォ」 松山市道後町2-3-14  089-924-8939

イル ベヴィトーレ

2010-01-21 09:28:38 | イタリア料理
「トレンティーノ」敗退の一因ではないかと思われる「イル ベヴィトーレ」に行きました。予約なしで訪ねられて、夜も遅めまであいているところがいいですね。



 まず、さわやかな発泡性のランブルスコで、のどをうるおしました。



 前菜にすぐでてきそうなオリーブとピクルス(350円)とイタリア産ツナ詰めの丸唐辛子です。二人でやっているお店なので、料理が出るまで、時間がかかるのはいたしかたありません。



 ホタテ貝柱のマリネ(700円)です。この時点で、ランブルスコはゴッキューしてしまいました。



 ということでキャンティ(2800円)。安めの価格設定なのがありがたいです。 



 鮭を使ったパスタで、アメリケーヌソースです。ちょっと幅広のパスタですね。愛媛風にやわやわ、ということはありませんでした。ちゃんとしたパスタでした。アメリケーヌソースというと、エビからつくるソースではないかと思いますが、濃厚な味わいが幅広パスタにあいます。



 鶏の悪魔風(1200円)ですね。悪魔風ということで、ピリっとする辛さに味つけされています。いい鶏をつかっているようで、ブロイラーのような臭みはありません。カリとした表面と汁気を含んだ内部の柔らかい肉とが一緒になっているところがいいですね。



 冬らしく牛ほほ肉の赤ワイン煮(1800円)です。洋食屋さんのドミグラスソースとは異なり、あっさりめですが、お肉はよく煮込まれていてぷるぷるしていました。



 デザートにチーズの盛り合わせ。



 こちらは定番のティラミス。



 鶏が1200円で、牛が1800円というお値段は良心的です。これは、はやるわけです。ワインも安いので、つい飲みすぎてしまうのが、よくないですね。

かし月 壱番町 田てまり

2010-01-20 09:15:24 | 和食
 忙しくて映画館にも足を運べないので、映画もテレビで、ということになってしまいます。今週は、好きなイーストウッドの「チェンジリング」をやっていたので見ました。画面が全体的に暗くくすんでいて、不条理な目にあわされている主人公の女性の心象風景がつたわってくるようでした。実話がもとネタだというので、びっくりしますね。どこの国でも、警察は腐敗しているようです。「チェンジリング」では、子どもが行方不明になりますが、「かし月 壱番町 田てまり」は、空港通りの「かし月」の息子さんがやっているようです。空港通りの方は、一度だけ行ったことがあります。安普請のプレハブづくりのようなお店でした。一番町のこちらは、きれいなお店です。シャム社長といってみました。



 「かし月」は、珍しいマグロ料理の専門店です。『ホットペッパー』に載っていた3500円のまぐろ尽くしコースを頼みました。最初に出てきたのは、ザクです。ザクといっても、モビルスーツではありません。古いシャム社長には、このネタは通じませんでした。



 お刺身3種盛り。赤身、大間産本マグロの大トロ、たたきです。



 大間産本マグロの大トロだけ、よってみました。トロといいますが、ほんとうにとろけるような食感です。トロいシャム社長は、自ら「共食い」といって、うまそうに食べていました。



 マグロの朴葉焼きです。シャム社長は、「朴」の字がわかりませんでした。なんとなく香りがつくような感じで、濃い味噌とあいました。



 こちらは竜田揚げです。さっぱりとした梅酢のソースがかかっています。いろいろと考えるものです。



 こちらはウニソース和えです。ウニのもつ苦味が感じられ、刺激になります。



 こぶ締めです。いろいろな調理法があるものです。



 お寿司。



 茶碗蒸し。飲み放題1500円をつけていたので、ここまでで一時停止。1500円という金額は、何か微妙なセンですね。1000円ならば、まちがいなく飲み放題にしたほうがおトクという感じです。でも、さしてお酒に強くない身としては、1500円となると飲み放題にしたほうがいいかどうか、迷うところです。まだ、モトをとったという感じではなかったので、デザートをもってくるのを待ってもらって、飲み飲み攻撃に入りました。



 最後にお吸い物とデザート。お吸い物だけ、最後に残すというのも、何かへんなものでした。



 このお店も、少量ずついろいろな料理が出てくるので、オヤジ同士で行くよりも、女性連れで、あるい女性グループでいったほうがよさそうな感じでした。空港通りのお店とちがって、内装もきれいですから。シャム社長は、土足禁止の店内に靴のまま上がりこんで、迷惑がられていましたけれど。



 ところで、この日、「かし月 壱番町 田てまり」のすぐそばにあるイタリア料理店「トレンティーノ」が閉店しているのを発見しました。近くなので、昼にあらためて撮影しました。最近、もっと普段使いできるようなイタリア料理店が市内に増えたあおりでしょうか。宮寺シェフはどうしていることでしょう。

「かし月 壱番町 田てまり」 松山市一番町1-4-7 089-945-6776