テトキチワールド

 松山在住のテトキチの食べたり、旅したりの記録。ときどき、シャム社長のおともをします。

ちょっとはずした山形の旅③~米沢ラーメンをはしごするも

2013-05-31 08:25:47 | 国内旅行ー北海道・東北
前田啓二 米沢には山形大学工学部があります。同じ地方国立大学でも、見るべき建築物などまったくない愛媛大とは異なり、山大工学部の敷地の中には重要文化財の旧米沢高等工業学校本館があります。しかし、修復中のため、内部見学はできず。上杉博物館につづき、米沢くんだりまで来てなんのこっちゃ、という感じでした。



 この山大工学部の前に「山大前やまとや」という学生向けの安い定食屋を思わせる名前の飲食店があります。このお店が、実はおみやげ用ラーメンまで販売されている米沢ラーメンの有名店です。



 店内は満席でした。



 中華そば(600円)を注文しました。「龍上海」と同様、丼鉢のふちまでスープが入っています。これが山形流なのであろうか。お姉さんが、それをこぼさないようにそろりそろりと運んできます。具は大きめのチャーシューにシナチク、ネギと、素っ気ないもの。スープをすすると、まずニンニクの風味を感じます。全体的には、あっさりしょうゆ系です。



 麺は細めの縮れ麺。ただし、コシはありません。量がかなり多く、有名になる前は、主たる客層が山大生だったんだろうなと思わせました。



 いっぱいに注がれたニンニク風味のスープを飲み干していくと、「おしょうしな」という奇妙の文字が出現します。何の呪文かと思ったのですが、この地方の方言で「ありがとう」という意味なのだそうです。



 こんな中華スープで炊いたご飯というものもありました。頼みませんでしたが、どのようなものなのであろうか。



 「山大前やまとや」の前には、林泉寺というお寺もあります。直江兼続公の廟所があるお寺とのこと。ところが、「天地人」放映でいい気になった住職が関所を設けて観覧料を取りくさるようになっていました。たとえ数百円とはいえ、お墓を見るのにお金を払うのはバカらしいし、ごうつくばりのクソ坊主を設けさせる気にもならなかったので、そのまま帰りました。どうも米沢は、はずしが多いです。



 さて、米沢4中前にある「熊文」です



 こちらも米沢ラーメンの有名店です。
 


 ラーメン専門店です。



 米沢の中心部から外れていますから、店内は広いです。



 中華そば(550円)です。「山大前やまとや」とは異なり、ナルトと海苔が具に加わります。そのかわり、チャーシューは小さくなります。一番の違いは、スープにニンニク風味がないことです。クセがないといえばクセがないのですが、特徴のない単なるあっさりしょうゆスープです。



 麺はやはり縮れ細麺。そして、「きよえ食堂」「山大前やまとや」同様、コシのないクタっとした麺です。そしてこれまた共通に麺の量が多いです。しかし、このラーメンがなんでもてはやされるのか、正直よくわからないなあ。



 最後に、こちらは宮坂考古館です。隆慶一郎先生の『一夢庵風流記』で一躍名前が知れるところとなり、マンガ化によって一般にも知れ渡ることになった傾奇者の前田慶次が着用したと伝えられる赤色の鎧兜が展示されています。まあ、それだけといえば、それだけなんですが。入場料400円を払って入館しました。



 米沢ラーメンの印象は、量は多いけれどコシのない縮れ細麺と、あっさりした醤油スープといったところ。個人的には、大騒ぎするほどおいしいとは思えませんでした。

 

ちょっとはずした山形の旅②~上杉博物館と赤湯からみそラーメン

2013-05-30 07:50:36 | 国内旅行ー北海道・東北
 上杉神社に隣接する稽照澱です。和風の屋根を取り付けたこの建物は、米沢出身で文化勲章受章者の伊藤忠太博士の設計によるものです。登録有形文化財になっています。入場料300円を支払ってちょっと覗いていみました。展示品は多くはありません。謙信公の遺品と伝えられる品々が目玉となっており、重要文化財も展示されています。その手のものが好きな人にはいいでしょう。



 こちらは旧上杉伯爵邸。現在は郷土料理の店になっています。



 こちらも登録有形文化財になっている建物です。上杉神社の近くにあります。現在は米沢牛のステーキ店として営業しています。あとからこの「吉亭」の「食べログ」評価を見てみると、散々な内容でした。観光客相手のボッタクリ営業しているのかな。「食べログ」の悪い評価は、かなりの確率で正しいですから。



 さて米沢観光最大の目玉・上杉博物館です。なんといっても狩野永徳作の国宝「洛中洛外図屏風」が必見です。織田信長公から謙信公へ送られたといういわれのある作品です。ところが、展示してあったのは複製のまがいもの。ホンモノは黄金週間の時とか、1年のうちでもごく限られた時期しか展示しないのだそうです。保存上の措置なんでしょうが、肩透かしをくわされました。



 ちょっと街中からはずれたところにある「龍上海 米沢店」です。赤湯にある本店は行列でたいへんだそうです。カップラーメンも販売された超有名店ですね。米沢店は、時間帯をはずしたせいもありますが、すぐに入れました。



 赤湯らーめんということでか、店内は赤色を基調にしています。



 提供の品はわすか4種類。言葉の厳密な意味でのラーメン専門店です。そして、なんといっても呼び物はからみそラーメンです。



 その赤湯からみそラーメン(780円)です。ナルトがかわいいです。スープが丼鉢のふちまで入っています。そのスープを、からみそを溶かさずに一口すすってみると、かなり脂っぽさを感じる濃厚スープです。からみそを徐々に溶かしながら食べ進んでいくと、複雑な重層的な味わいになっていきます。全部溶かしきると、それなりの辛さになって、頭から汗が出ます。油たっぷりの濃厚スープだから、からみそを受け止められるんだろうな。地元の人の中には、「からみそ半分で」なんて注文をしている人もいました。



 麺は太めの平打ちで、縮れ麺です。スープにからんでおいしいです。なるほど人気が出るのもわかります。麺の量が、ここも多いです。



 「龍上海」へ行く前にみかけたもの。黄色い装置で古紙の重さを測ると、自動的に買い取り金額が支払われる仕組みのようです。お金を受け取ったら、青い籠に腰を放り込んで終わりという、無人古紙買取装置です。こんなの、初めて見たなあ。



 こちらは駅前旅館の「音羽屋」さん。木造3階建ての本館は、登録有形文化財です。こんなところに泊まるのもよかったかな。



 行ってから知ったので、今回はダメでしたが。


ちょっとはずした山形の旅①~牛肉ラーメンと上杉神社

2013-05-29 07:07:47 | 国内旅行ー北海道・東北
 「つばさ」にて、山形県へ。福島で「やまびこ」と切り離されてからは、とたんにゆっくりとなりますねえ。これがミニ新幹線というものか。



 米沢駅のホームに着くと、牛くんが「もお~、もお~」とお出迎え(ほんとに鳴きます)。ここ米沢は、米沢牛というブランド牛の産地です。



 NHKのおかげで、一躍、全国的な観光地となった「愛と義のまち・米沢」です。



 米沢ラーメンも有名とのこと。市内に何軒もラーメン店があります。こういう場合、県外からやってきた人間にほしい情報は、「1軒だけ行くのだったら、どのお店がいいか」ということになると思います。某『勝手に松山グルメガイド』には「県外の人へ」オススメのお店が列挙されていますが、「県外の人」である私からみて疑問だらけ。何か機会に疑問を開陳してもいいのだけど、「目の敵にしなくても」とも言われそうだしなあ。



 今回は、上村一真さんという方が著した『旅で出会ったローカルごはん』という本にでてくる「きよえ食堂」に行ってみました。こんなふうに、出版物の情報はなんとなく信頼性が高そうだと思うのは、私だけではないのでは。まあ、20代の人たちなんかは別かもしれませんが。



 昼食時間としては遅めだったので、店内は空いていました。座敷、机に、カウンター席もあります。



 品書きです。



 オススメであり、米沢の名物でもある牛肉ラーメン(950円)にしました。たっぷりとのった牛肉は、塩コショウで味付けされています。ただし米沢牛ではないとのこと。米沢牛を用いたら、こんな値段ではできないんでしょう。具には、牛肉と一緒に炒められたきのこも入ります。スープは、基本的にあっさり醤油味です。ただ、牛肉から出る脂分で、こってり感が加わります。



 自家製麺だという麺は、米沢ラーメンの特徴そのままの縮れ細麺。ただし、コシはありません。麺の量が多いですね。



 ちょいと上杉神社まで。米沢というとNHKの『天地人』放映前までは、むしろこのお方、上杉鷹山公の方が有名だったのでは。藤沢周平先生の『漆の実のみのる国』の主人公です。



 こちらは鷹山公をはじめ、藩祖上杉景勝公、執政直江兼続公など、米沢藩オールスターを祀る松岬神社です。上杉神社に隣接しています。



 松岬神社にある鷹山公の「伝国の辞」です。隠居に当たって、統治の基本理念を継承者に伝えたものだそうです。



 上杉神社の入り口にある石造りの橋は、有形登録文化財でした。柱が自然石で面白いです。



 こちらは上杉謙信公。言わずと知れた上杉家の家祖ということになります。



 NHKドラマに触発されてたてられたのではないかと思われる景勝公と兼続公の銅像。威厳があまりなくて、学生さんの仮装に見えてしまうのが、なんだかおかしいです。



 シャム社長のような中小企業の社長さんたちが大好きな「なせば成る なさねば成らぬ何事も」の名文句。貧苦にあえぐ米沢藩の藩政改革に一生を尽くした鷹山公の言葉です。『漆の実のみのる国』を読んで、言葉の背景がわかった後だと、いっそう味わいが増します。



 上杉神社へ。



 この神社では、なにを祈ればいいのだろうか。謙信公の活躍から、武運長久に霊験がありそうだけど、今の時代にはねえ。

『勝手に松山グルメガイド』に寿司店が載ってないのはなぜか

2013-05-28 08:26:45 | 寿司・海鮮丼
 初めてのお寿司屋さんに入る時というのは、ちょっと緊張させられます。価格表がないお店も多く、どのくらいとられるんだろうかというのもありますし、お店の人がどんな性格の人なのかというのもありますから。マンガなんかには、客を怒鳴る寿司屋なんていうのも登場しますからね。その上、味の点でもピンきりで、おいしいのかまずいのか。信頼のおける飲食店批評があると助かるのは、実はこういう領域なんですけど、自称超有名グルメブロガー著の『勝手に松山グルメガイド』というガイド本には、なぜか1軒も寿司店が掲載されていません。



 ということで「鮨の間」へ。
 


 きょうも盛況でした。入れてよかった。『勝手に松山グルメガイド』に寿司店がないということは、松山には自称食べ歩きの達人のお眼鏡にかなうお寿司屋さんがなかったということなのだろうか。松山のどの寿司店も、『勝手に松山グルメガイド』に載っているどうでもいいような居酒屋よりも、おいしくないということなのか。



 寿司店の場合、どういうネタが置かれているかなんていうのも入ってみるまでわかりませんので、ほんとはガイド本があると助かるのですが。関東人にとっては、あるのかないのか、かなり重要なネタであるコハダです。


 
 いくら。主人の握るところをみたら、独特の握り方をしますね。左手でシャリをつかむと、しばらく左手の掌の中だけでシャリを成形してから、右手も用いて握っています。何か意味があるんでしょうが、素人にはわかりません。



 中トロ。文句なくおいしいです。



 うには、お店によって差が出がちなネタのように感じますが、いかがでしょうか。ひどいところになると、どぶくさかったり、にがかったりしますから。おいしいお店にあたると、ねっとりあまい、あの味が味わえます。



 穴子も、関東風のやわらかく煮られた穴子かどうか、非常に重要。もちろん、こちらは関東風です。ツメは、あまり甘くありません。



 白身にアコウがありました。珍しいのでたのんでみました。やわらかみのある身で、クセがありません。



 私はひかりものが好きなので、それがおいてあるかどうかも知りたいところ。サバです。



 マグロのづけです。中トロがおいしいので、当然赤身もおいしい。



 みる貝。



 ひかりもののアジ。



 きす。すだちをひとしぼりして。



 さよりです。サヨリよりも、きすの方が好みにあいました。



 ちょっと贅沢をして中トロ鉄火。「鮨の間」さんの場合、こんな感じで、お好みで食べて飲んで、1人1万円弱というところでしょうか。「一朗」だとか「すみもと」だとかよりも、少し安いぐらいではないかと思います。



 ところで、「鮨の間」をネットで検索してみたところ、「滅多にカウンターに座る鮨屋さんに行く事のない、基本B系の私ですが」というリード文の記事がありました。これって、まさか『勝手に松山グルメガイド』の著者のサイトじゃないよなあ。もしそうならば、「滅多にカウンターに座る鮨屋さんに行く事のない」ような人間が飲食店ガイド本を刊行し、「おいしいお店の探し方」を指南し、その取り巻きたちが大絶賛して提灯持ちをしているということなのかあ。なんか、松山というところは、トンデモない土地だなあ。

クロッキオ~イカ墨スパゲティありました

2013-05-27 08:01:36 | イタリア料理
 安い発泡性ワインをおいてあるので、きょうは泡ものを飲みたいというときは、足が向く「クロッキオ」です。この日も満席に近いお客さんの入りでした。



 アサリとムール貝の白ワイン蒸し(880円)。ちょうどいい味の出汁をスープのように飲み干したい誘惑に駆られました。



 マイカのイカスミスパゲティ(1280円)。コクがあっておいしいのですが、お歯黒状態の上に、唇まで黒くなってしまうのが難点です。そんなこと気にしなければいいのですが。



 4種のチーズのピッツァ(1480円)。いろいろお店で、これを注文してみると、チーズをのせて焼いているだけにみえたこのピッツァに、各店がそれぞれく工夫をこらしているのがわかってきます。「クロッキオ」では、小さなトマトを加えていました。トマトはおいしいのですが、チーズのピッツアに必要かといわれると、若干疑問も…。



 この日は、初めて豚肉料理を頼んでみました。厚切りポルケッタ サラダ添え(1680円)です。臭みもなくや適度な歯ごたえです。中をレアに仕上げる牛肉とはちがって、火が通る分、肉の味わいがでてきます。



 本日もおいしゅうございました。イカ墨のスパゲティがとくによかったかな。