テトキチワールド

 松山在住のテトキチの食べたり、旅したりの記録。ときどき、シャム社長のおともをします。

創作茶寮 西村

2010-07-30 10:03:56 | 和食
 新空港通り沿いにある「西村」。ちょっと一戸建ての民家のようなお店です。常套句風にいうと「大人の隠れ家」ってやつですか。しかし、こんな気恥ずかしい言葉、よくつかえるなあ。



 以前は、ふつうに入口から入店していたのですが、増改築されたため意味不明の回廊を通って入口にたどりつきます。



 月替わりのコース(5000円)を注文しました。頼めば、7000円、1万円といったコースも可能だそうです。



 ワインリストを見てびっくり! シャトー・ぺトリュスが45万円でおいてありました。海老沢泰久氏の『美味礼賛』にでてくる俗物大蔵官僚がたかったワインですね。このようなもの、誰が注文するのでしょうか。芸能人かプロスポーツの選手でもくるのかなあ。



 庶民は、ぺトリュスと2桁ちがうワインで…



 鱧と焼きなすの冷製和風ジュレ。いかにも夏らしい料理です。鱧も、こっちにきてよくたべるようになったなあ。関東では、ほとんど食べないから。



 細巻えび、鮭、鯛、海ぶどうのマリネ。単なるお刺身ではなく、オリーブオイルとかを使ってあって、ここらへんが「創作」ということなのでしょう。



 とこぶしの茶碗蒸し。餡がかけられています。



 キングサーモンの幽庵グリル。



 牛タンの柔らか煮とキャベツのミルフィーユ。これが、この日一番よかったと思います。タンが柔らかく煮られていて、よく味もついていました。



 逆に、この日一番いけてなかったのは、これ。タラバガニのアメリケーヌリゾット。味つけはいいのですが、とにかくご飯がやわやわ。「創作料理」だから、わざと柔らかくしたというわけではないと思うのですが…



 アイスと桃のコンポート。コンポートは、やっぱりフランス料理店のものの方が柔らかくなっていて上かな。



 ということで、この日は個室だったので、落ち着いた雰囲気の中で食事ができました。まあ、カウンター席でも雰囲気は落ち着いているお店なんですが。以前、「創作」がいきすぎるきらいがあって足が遠のいていましたが、今回はリゾット以外は満足でした。

「創作茶寮 西村」 松山市北斎院町641-4 089-953-3033


南予のご当地麺

2010-07-29 10:47:46 | 麺類
 きのうは南予に出張でした。ところが、同行の者が訪問先の地図を忘れてきました。アムロが乗り移って「うかつなやつめェー」と、思わず切りつけてしまいました。早めに仕事が終わったので、肱川に向かい、「ふかせ」で昼食をとることに。ところが、なんと臨時休業! 松田優作がのりうつって「なんじゃあ、こりゃあ」と叫んでしまいました。



 しかたがないので、さらに肱川を遡上し、道の駅へ。



 道の駅の中の「華の森」で、肱川ラーメンを食べることに。



 店内は、木が生かされたつくり。



 窓の外には、ひさしぶりの雨にけむる緑の山がみえます。



 お取り寄せラーメンのとんこつ部門で1位になったというとんこつラーメン(650円)です。麺も比較的コシがあり、スープは濃い味にしあがっています。チャーシューが「おが多」のように香ばしくておいしかったです。



 本来ならば、これで小薮温泉にでもつかって松山に帰ればいいところです。しかし、労働強化が進み、八幡浜でもう一仕事。こちらも順調に終わり、帰る前にちょっとちゃんぽんでもと、フェリー乗り場のそばにある「フジ観光」にいきました。



 田舎の食堂ですから、いろいろな品が用意されています。



 ちゃんぽんでまちおこしというのは、ある程度の成果を示しているようで、「フジ観光」にもお取り寄せ用のちゃんぽんがあります。



 「フジ観光」はカレーちゃんぽん(650円)があることで有名です。どのようなものか、同行者が頼んだものをちょっともらいました。そんなに変な感じはなく、ちゃんぽんのスープを生かしながら、カレー風味を加えましたという感じでした。



 こちらは、ふつうのちゃんぽん(600円)。麺が太いです。スープは、八幡浜の標準的な味わいで、あっさりとしたものです。具にじゃこ天とかが使われているのが、いかにも南予らしいです。個人的には、人参が多すぎだと思いました。



 店内にはちゃんぽんマンダラ(?)が。この前で、記念写真を撮る人たちもいました。



 「フジ観光」に入ったとき、高校野球の愛媛県大会決勝が緊迫した場面を迎えていました。9回裏1死で、宇和島東に3塁打がでたところに出くわしたのです。1本出ればサヨナラです。斉美の上甲監督は満塁策をとったのですが、センターフライが上がり、万事休す。サヨナラで牛鬼打線復活となりました。試合終了後、斉美のベンチを映したテレビカメラは、上甲監督が帽子を地面にたたきつけて悔しがる衝撃的なシーンを流しました。「さわやかさ」を旨とする高校野球にあっては、流してはいけないシーンだったのでは。偶然とってしまったテレビ局も、けっこうあわてたのではないかな。でも、上甲スマイルといわれる作り笑いよりも、監督の人間くささが出ていて、私はこれで上甲監督が好きになりました。

《閉店》 てん屋

2010-07-28 07:09:46 | 和食
 関東で「てんや」といえば、天丼の格安チェーンです。職人的技術が必要とされるてんぷらでは、ファストフード業態のチェーン店展開は無理、といわれていたのを技術革新によってやりとげた会社です。松山では、発音が同じ「てん屋」が新立にあります。さびれきった新立の商店街をぬけると現れます。



 天ぷらを中心とした和食のお店のようですが、田舎の街道脇のドライブインのようなランプ付きの看板がなんともいえません。



 お店に入ると、和食店だから和装の女将さんでも出てくるかと思いきや、ジャージ姿のおねえちゃんが現れたので、ますます田舎の街道脇のドライブインっぽくなりました。それはともかく、あなごとえびの合わせ天DONが、品書きの中で特別仕様になっていました。そこで、これを注文することにしました。それにしても、「天DON」という表記が、田舎くささを漂わせます。



 あなごとえびの合わせ天DON(930円)です。天ぷらはサクッと揚っており、しかもタレは松山特有の甘いやつではなく、関東風の濃いたれでした。タレは、適量を自分で丼にかける方式でしたが、関東人の私にはもう少し量があった方がありがたかったです。天だねの大きさや数は、このまえ「もぎたて」にでていた、大衆食堂の「まるみ屋」の方が上なんでしょうけど、タレや天ぷら自体の揚り加減ではこちらの「てん屋」の方が、さすがに一日の長があると思います。



 ついているのが、白味噌汁ではなく、お吸い物だというのも、評価に値します。



 ということで、中心部からちょっとはなれていますが、再訪してもいいお店だと思いました。しかし、あらためて思ったことは、天丼チェーンの「てんや」だとか、牛丼チェーンの「松屋」だとか、コンビニの「セブンイレブン」だとか、関東の街にありふれているものが、この松山にはないんだなあ、ということです。特に「てんや」は代替物がないので、さびしいかぎりです。

「てん屋」 松山市新立町4-32  089-931-7361


居魚屋 網元(昼)

2010-07-27 09:08:04 | 大衆食堂
 土用丑の日だからウナギでも食べればいいのですが、わざわざ混む日にいかなくてもいいので、「居魚屋 網元」へ。ここも居酒屋さんが昼の定食を始めたということで、試してみることに。



 独特の雰囲気の店内はあいかわらずですが、夏場は水槽の魚もへたるのでしょうか。お魚くんたちがあまりいませんでした。名物のでかいカメだけが、悠然と泳いでいました。



 天窓も開け放たれ、夏ですねえ。



 さて、昼の品ですが、いかに「網元」とはいえ、うどんは避けた方が賢明でしょう。海鮮丼は夜に食べて、すでにその値段のわりの豪華さは体験済みです。ということで、日替わり定食(650円)にしてみることに。



 待つことしばし、やってきたのは魚尽くしの定食でした。



 お刺身3種盛り。



 甘じょっぱっく煮付けられた煮魚。



 塩焼きにされた焼き魚で、3役そろい踏み。650円は安いと思います。



 ご飯の量が少なめなので、おかずの方があまりぎみになってしまいました。うに丼とか、うにいくら丼、網元丼なんていうのも品書きにあったので、機会をみつけて制覇していきたいものです。毎日来れば、すぐなんでしょうが、こういうものはじわじわ行くほうが楽しみが持続するような気がします。

≪閉店≫ のり庵

2010-07-26 09:11:25 | 洋食
 毎日、暑いです。トリでも食べて、きゅいーっとビールでも飲もうか、ということで骨付鳥が看板の品らしい「のり庵」に行ってみることにしました。ワシントンホテルの裏手にあります。「はなや」や「釜焼鳥」は行ったことがあるのですが、こちらは初めてです。



 入口には暖簾がかかっていて、居酒屋風ですが、三色旗をあしらった看板も。



 店内では、三色旗を着たイチロー選手が、おでむかえ。しかし、本来ならば三色旗にひきよせられてくるはずの女性客の姿が、店内に見当たりません。モロ、オヤジばっかり。



 品書きを見ると、骨付鳥のほかに、ステーキもあれば、ピザもあれば、スパゲティもあるという、なんともとらえどころのないお店です。



 で、でてきましたつきだし。つきだしがあることや、客層から見て、洋風居酒屋という範疇に分類するのが、一番妥当でしょうか。



 おすすめの若鶏タレ味(800円)と親鳥タレ味(800円)を1つずつ。



 一口食べてみると、アマっ。タレがやたらと甘いです。トリ本体には、胡椒をけっこうふりかえているようなのですが、とにかくタレがアマアマ。「はなや」や「釜焼鳥」の骨付鳥の味つけと全然違います。甘口好みの松山人の舌に合わせて味を調整したのでしょうか。ちょっと、これは関東人からは敬遠したい味です。



 これで帰るのもなんなので、エスカルゴ パイ包み焼き(880円)。



 パイ生地を破ると、こんな感じです。



 ゴルゴンゾーラピッツア(950円)。これは、ピッツアのふちがこんがりと焼けたカリ、サクっというタイプで、やや酸味を感じさせるゴルゴンゾーラチーズがいい具合に溶けていて、まずまず。



 牛ヒレ肉のカツレツ(1600円)。牛肉は、薄めに切られていました。一緒に行った友人は、トマトソースが微妙だといっていました。ドミグラス系のソースの方がいいのではないかとのことでした。



 帰り際、「のり庵」の名前を入れたワインがあるのを発見。どんな味か興味を持ちましたが、実際のところどんな味のものなのでしょうか。



 結論として、本来の骨付鳥のニンニクなどの香辛料がきいた味を楽しみたかったら、迷わず「はなや」か「釜焼鳥」に行くべきだと思いました。