テトキチワールド

 松山在住のテトキチの食べたり、旅したりの記録。ときどき、シャム社長のおともをします。

春まだ遠い北東北の旅⑥(十文字ラーメン)

2010-03-31 09:18:40 | 国内旅行ー北海道・東北
 横手に泊まった翌朝、ふれあいセンターにいってみました。地元物産品の販売コーナーがあるということなので。ちょっとした観光施設も付属していて、かまくら体験もできます。かまくらの中なんて、入ったことはないので、ものすごく体験してみたかったのですが、男1人で行くのはあまりにも気恥ずかしかったです。まわりに、観光客はだれもいないし。どやどやとみんなが入っていくような雰囲気だったら、それにまぎれこめたのですが。ということで残念ながら断念。自意識過剰かな。



 今日は帰るだけの日なので、十文字にいってから帰ることに。十文字駅周辺は、みごとにさびれていました。



 このさびれきった街に足を伸ばしたのは、もちろん十文字ラーメンを食べるため。まず、インターチェンジそばの「三角そばや」へ。十文字の人すべてがこの店でラーメンを食べるのか、というぐらいの広大な駐車場をそなえています。店内も広いです。おそらく、観光バスとかが乗りつけるのではないかと思われます。



 十文字ラーメン(650円)。具に麩がのるのが特徴です。スープは魚介系の澄んだしょうゆスープ。きれいに縮れた非常に細い麺が入っています。あまりにも細いので、なんだかカップヌードルのようでした。ちょっとスープはうすく感じました。



 次は「マルタマ」。



 ラーメン(500円)の基本構造は「三角そばや」と同じです。「マルタマ」の方が味が濃く感じられ、魚系の風味も強かったように思います。私は、こちらの方がよかったです。値段も150円安いし。



 最後に、駅に近い「丸竹食堂」。



 こちらは450円と、一番やすい分、具がちょっと貧相な感じがします。薄い色のスープは、みかけによらず、しっかりと魚介系の味がでていました。



 十文字ラーメンのおみやげ版は、秋田でも横手でも売っていました。でも十文字ラーメンは十文字で買うのが本道だろうと、本日まで購入していませんでした。マヌケでした。寂れた十文字には、おみやげ屋らしきものがみあたりません。駅の構内も、何もありません。かすかに長方形の線が、かつて売店があったことを物語っていました。



 しかし、だれが最初にこの田舎町のラーメンに目をつけたのでしょうか。後追いで行くのは簡単ですが、最初に十文字ラーメンの存在を世に知らしめた人は偉いなあと思います。それほど、さびれた街でした。

春まだ遠い北東北の旅⑤(横手やきそば)

2010-03-30 09:06:07 | 国内旅行ー北海道・東北
 東北の最後の晩は、秋田でも角館でもなく、横手に泊まりました。横手駅では、釣りキチ三平がお出迎え。今や、どこにいってもマンガは立派な観光資源です。ところで、「釣りキチ」の「キチ」は、「○○ガイ」の短縮形だと思うのですが、どうでしょうか。これは、言葉狩りにあっていないのですね。まあ、「釣りオタク三平」じゃ、人気がなくなりそうですもんね。



 わざわざ横手に1泊したのは、もちろんこれが目当て。昨年のB1グランプリの覇者・横手焼きそばを食べるためです。駅構内に、しっかりと案内板がありました。



 1軒目は、有名店の「出端屋」さん。横手市役所のそばでした。



 これが人生初食べの横手焼きそばです。大で600円です。最大の特徴は、ゆでた麺を使うことと半熟目玉焼きがのっていることでしょうか。つけあわせは福神漬けです。食べ方がわからないので、お店のお姉さんに聞くと、卵をぶっつぶして混ぜ合わせてたべる、とのことでした。



 つづいて「ゆう」へ。店内に入ると、おかみさんが1人でボォーっとしていたので、一瞬たじろぎました。横手市内では、毎年、市内のやきそば店のなかから、おいしいお店上位4軒を選出して、「四天王」の称号を授ける催しをおこなっているそうです。この「ゆう」は、何年か前の四天王です。



 これは、ふつうで500円です。横手の焼きそばは、全体的に(といっても3軒ですが)麺の量が多いように感じました。



 最後は駅前にある「食い道楽 駅前店」。連続して四天王に選ばれている実力店です。本店よりも評判がいいのですから、なんか変な感じですね。



 こちらも500円です。「食い道楽」は完全な飲み屋ですので、仕事帰りのサラリーマンが一杯やっているおなじみの光景が展開しています。そのなかで、焼きそばだけ食べているというのは、なんか浮きまくりでした。



 翌朝ですが、有名店の「ふじわら」の前を通りました。たしかに、民家のようなつくりです。夜はやっていないので、今回は時間があわなくて行くことができませんでした。夜の間に降った雪が積もっています。



 ということで、3軒とも基本的な形式の横手焼きそばでした。どこがうまいとかなんとかという、微妙な違いはわかりませんでした。だいたい似た感じです。横手やきそばは、ゆで麺ということで、麺はやわらかいです。ソースもやや甘め。ということは、松山人の嗜好にピッタリではないですか! 松山の方々、ぜひ横手に行ってお試しください。私個人としては、麺にコシのある富士宮焼きそばの方が口にあいます。これは、あくまで個人の好みの問題です。

まだ春遠い北東北の旅④(秋田・角館)

2010-03-29 09:49:15 | 国内旅行ー北海道・東北
 ちょっと驚いたのですが、青森(弘前)から秋田へ行く路線の本数の少ないこと少ないこと。高松と松山を連絡する予讃線の比ではありません。おそらく東北では、仙台と各都市を結ぶ路線は活発なのでしょうが、その路線上をはずれた地方都市同士を結ぶ線は、もうしわけ程度に走らせているだけなんでしょう。ということで、まず大館止まり。ホームに降りると、ハチ公神社が。なつかしの渋谷駅の忠犬ハチ公のふるさとが、ここ大館なのだそうです。



 駅前に出てみると秋田犬の像が。あおもり犬の次は、秋田犬か。犬好きのシャム社長だったら、だきついていることでしょう。



 駅の売店にはハチ公グッズが。今はどこも鵜の目鷹の目で、少しでもひっかかりのあるものは、観光資源やみやげのネタにしようとしていますね。



 大館から秋田へ。途中、八郎潟を通過。小学校の社会科で出てきて、暗記した場所です。実際にみるのは初めて。地平線まで田んぼがつづくという風景も珍しいのでは。秋田県の海岸部になると、だいぶ雪も少なくなるようです。



 秋田では、仕事のあいまをぬって平野政吉美術館へ。藤田嗣治作品の収集で有名な美術館です。入館すると、感じのいいお姉さんが受付にいます。いやいや、秋田おばこを見にいったのではなく、超大作「秋田の行事」を見にいったのです。入口から左手へすすむと、大画面が展開していて目をうばわれます。秋田駅からも近いし、大きな美術館ではないので、ちょっと時間があったら、行くといいと思います。



 そこから、せっかくなので角館に足をのばしました。道中、列車で隣あわせたおじいさんになまりの強い日本語で話しかけられました。「自分の家は築数百年の萱葺きの家だ」「古い家で親族が多いので交際費が年間70万円かかる」「国立1期校をでた息子が全然帰ってこない」というような話を聞かされながら行きました。



 角館は武家町として伝建地区に指定されています。枝垂桜が多く、桜の名所でもあるそうです。弘前城と並んで、東京の駅に観光ポスターが貼られていました。この家は、無料開放されていた古い建築物です。おそらく雪から守るためでしょう、板が張り巡らしてあって、写真に収めるにはちょっとね。



 この地区は、修景保存の手法をもちいているようで、黒い板塀を統一的にめぐらすことで、昔風の景観にしようとしているようです。ですから、板塀の後ろにはふつうの現代的な家屋があることも、けっこうあります。



 こちらのお宅の場合は、ガレージを黒く塗って周囲にあわせています。自転車と傘まで黒いのは、偶然だと思うのですが…



 角館に行こうとしたため、忙しかったのでお昼は駅弁。これは、鶏わっぱ(1000円)です。秋田の特産品の曲げわっぱにつめられているという趣向です。本物の木工品の曲げわっぱは、7000円から1万円ぐらいしていました。これは、当然プラスチック系のニセモノです。



 こちらは白神浪漫(850円)という駅弁。



比内鶏をつかっているとか、ホタテやとんぶりがはいっているとか、いろいろ能書きはあります。しかし、どちらも駅弁の常として、値段にみあったおいしさかというと疑問。まあ、駅弁は気分で食べるものですから。

春まだ遠い北東北の旅③(弘前)

2010-03-28 08:45:32 | 国内旅行ー北海道・東北
 翌日、弘前へ。弘前駅について観光案内所で市内地図をもらおうとすると、貸し長靴とご対面。弘前の人は、心優しいというか、たいへんな気候というか…



 屋根には、突起物がたいてい取り付けられていて、急な落雪を防ごうとしています。いたるところに、「落雪注意」の看板が出ていました。



 時間があまったので、ねぷた村にはいってみました。弘前のねぶたは、青森なんかと比べて地味めなんだそうです。今頃から設計を始めて、夏に間に合わせるのだそうです。



 こちらは金魚ねぶた。館内では、津軽三味線の実演もしてくれました。



 弘前城です。宇和島城や丸亀城なみの小ささでした。本来は、桜の名所のようで、東京の各駅に弘前城と桜の観光ポスターが貼られていました。しかるに現在、館内は冬季閉鎖中。まあ、登ったところで、平城だから眺めはたいしたことないし、展示品もどうということはないことが予想されるので、これで江戸時代以来の12の天守閣をすべてみたということにします。



 弘前城公園そばに伝建地区に指定されている仲町があります。しかし、内子のように連続して古い建物が残っているわけではありません。ふつうの住宅街の中に、ぽつんぽつんと昔の家がある感じです。伝建地区というには、無理があるような気がしました。



 弘前市内には、古い洋風建築がいくつも残っていることで有名です。これは、日本キリスト教団弘前教会。



 旧弘前市立図書館。



 旧東奥義塾外人教師館。



 青森銀行記念館。



 日本聖公会弘前昇天協会。



 旧偕行社。陸軍の社交施設だったそうです。まだ、たくさんあるのですが、無料開放しているところが多いのがいいですね。



 ということで、弘前は「洋館とフランス料理の街」をうたったまちづくりをしています。「坂の上の雲のまちづくり」より、ずっと洒落ていますよね。で、昼食はフランス料理にしてみました。弘前大学医学部前にある「ポルトプラン」です。



 主菜は、仔羊の煮込みを頼みました。くどくないドミグラス系のソースで煮込まれていて、お肉はほろほろしています。満足です。夜にいきたかったところですが、男1人で夜のフルコースっていうのもねえ。



 仏教系の重要文化財も市内にあって、最勝院の五重塔です。



 現代美術もありました。



 ということで、なかなか趣のある街でした。津軽の中心は、本来、城下町であった弘前だったというためでしょうね。青森よりも、よっぽど観光資源にめぐまれているようでした。しかし、雪さえなければ、気候さえよければ、という感想はどうしてもつきまといますね。

春まだ遠い北東北の旅②(青森)

2010-03-27 09:24:25 | 国内旅行ー北海道・東北
 青森市にやってきました。青森駅前は、東北新幹線の新青森駅延伸が間近ということもあってだと思うのですが、整備がすすめられています。駅前に建設中のこの建物は、「ねぶた」関連の観光施設です。



 駅のすぐそばの海辺には、「津軽海峡冬景色」の歌碑が。「津軽海峡冬景色」の歌が繰り返し流れていて、しみじみとマヌケです。後ろに見えているのは、青函連絡船の八甲田丸です。今は役割を終えて博物館になっています。が、冬季閉館中でした。この冬季閉館中、閉鎖中というのが、東北の観光施設ではけっこうあるのだということが、今回わかりました。



 朝からやっているラーメン店の「くどう」へ。焼干しをつかった魚介出汁のきいたラーメンということで、行ってみました。お店の前には、たしかに魚の出汁の香りがただよっています。



 ふつうのラーメンが500円で、特大ラーメン(2玉)だと550円とのこと。これは、特大の方がおトク感があります。迷わず特大ラーメンを。味は濃いめにつくってもらいました。スープをすすってみると、意外に魚介系の味が感じられません。ごくふつうのしょうゆスープ。店頭では、あれだけ香りを強烈に感じられたのに。麺は細めの縮れ麺です。2玉といっても、ふつうに食べられたので、そもそも1玉が少なめなのかもしれません。今、東京でも関西でも、魚介スープの味を強く打ち出したラーメンがでているので、それになれると、この「くどう」のラーメンでは物足りなく感じてしまいますね。



 仕事がはやめに片付いたので、バスで青森県美術館にいってみることに。バスのなかには、スコップが常備です。雪国のきびしさが伝わってきます。



 青森県美術館は、雪国を象徴させてか、真っ白の現代的な建物でした。しかし、この雪、いつになったら溶けてなくなるのかなあ。



 この美術館は、今をときめく現代美術界の人気者・奈良美智氏が青森県出身とあって、その作品を収集しているそうです。これは「あおもり犬」という作品です。その他にも、ウルトラマンのデザインをてがけた成田亨氏の作品だとか、寺山修司氏の演劇のポスターの展示だとかがあって、なかなか楽しい美術館です。青森と比較して、同じ郷土作家の作品の収集でも、愛媛県美術館は地味な感がいなめません。



 近くの三内丸山遺跡へも。最大級の縄文遺跡といっても、穴ぼこがあったところに、萱葺きの建物を復元しただけですから、たいしたことはありません。青森県の偉いのは、無料開放していることですね。



 さて、市内に戻ってきてアウガへ。再開発ビルの1つのお手本としてテレビでもよくとりあげられていたものですね。商業施設と市の図書館や男女共同参画センターが同居している独特の建物です。



 そして、地下には新鮮市場。これが、市立図書館と同じ建物にあるというのは、たのしいというか、笑えるというか…。



 この新鮮市場の食堂で、鉄火丼(1600円)を。つねづね、海辺の食堂の海鮮系の料理には疑問をもっているのですが、今回も…。きた瞬間、赤身が5切れかよお、と愕然としました。まあ、厚めに切ってはあって、近海ものをうたってはいるのですが。私の舌には、松山の「すし水軍」の冷凍マグロをつかったマグロ尽くし丼の方が、あうようです。



 最後に、行くかどうか迷ったのですが、「味の札幌 大西」へ。このときまで、はずかしながら、みそカレー牛乳ラーメンなるご当地ラーメンが存在することを知りませんでした。行くのを迷ったのは、もちろんとてつもなくヘンテコなものが出てきたら困るからです。まあ、食べられなかったら残せばいいということで、入ってみました。



 これが、そのみそカレー牛乳ラーメン(780円)です。たべてみると、ほとんど味噌の味は感じられません。カレー味がすべてに勝っているという感じ。牛乳とバターで、コクというか、まろやかさというか、そのようなものが出ているという感じです。麺は札幌ラーメンらしく、やや太めの黄色い麺で、コシがありました。



 結果的には完食しました。こうして、膨れ上がったお腹をかかえてホテルに戻りました。