浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

ライオネル・ターティスのアヴェ・マリアはいかが

2007年10月06日 | 器楽奏者
アヴェ・マリアは何度と無く取り上げたお気に入りのショート・ピースだ。今回の演奏はターティスなので当然ヴィオラでの演奏である。ときにはセロのやうに幅のある響きで迫ってくる演奏は、ただ甘美なだけではなく、提琴では表現できない男の色気のやうなものを感じるのだ。 . . . 本文を読む

デニス・ブレイン&ロスバウトによるモーツァルト第3番

2007年06月16日 | 器楽奏者
モーツァルトのホルン協奏曲は、休日の晴れた朝に良く似合う。梅雨空の続く中、久しぶりに陽の光を浴び、聴きたくなった。5月にはワイキキの青い空を堪能したが、30度の気温も爽やかな風の為か暑さを感じなかった。しかし、日本の夏は湿度が高く、体調管理だけでなく楽器やレコヲドの管理にも気を遣う。今日は嫁さんは子供を置いて別宅に行ってしまったので、クーラーの効いた音楽室で一日静かに音楽でも聴くことにしよう。 . . . 本文を読む

セゴヴィア メンデルスゾーン四重奏曲からカンツォネッタ

2007年06月14日 | 器楽奏者
メンデルスゾーンがスコットランド旅行で得たインスピレーションは後の彼の創作活動に大きな影響を残してゐるが、弦楽四重奏曲作品12も「フィンガルの洞窟」「スコットランド交響曲」などと同じ時期の作品である。この第2楽章「カンツォネッタ」は特に僕の好きな名旋律だ。これをセゴヴィアがアレンジした演奏が残されてゐる。 . . . 本文を読む

ゴールドベルク/カザルス/ゼルキンによるベートーヴェンのトリオ第6番

2007年02月03日 | 器楽奏者
ベートーヴェンの作品番号1番はご存知だらうか。3曲から成る洋琴三重奏曲集であることは、あまり知られてゐない。有名な「大公」「幽霊」などの番号付きの他に、七重奏曲や弦楽五重奏曲の編曲や習作を含めると全部で十数曲の洋琴三重奏曲を残してゐる。その中で、第6番は演奏頻度の少ない作品だと思ふ。このあまり知られてゐない名作を豪華な顔ぶれで聴くことができる。おそらくこの作品のCDでは最も優れたレコヲドの一つだらう。 . . . 本文を読む

探せばあるものです マレシャルによるマスネのエレジー発見!

2006年11月20日 | 器楽奏者
以前にエンマ・イームズとヨーゼフ・ホルマンのセロによるマスネ作曲「エレジー」をご紹介し、ホルマンのセロ独奏がマレシャルのやうだと書いたことがあったが、実のところマレシャルの演奏は聴いていなかった。このたび、入手したCDにそれが収められてゐたのだ。 . . . 本文を読む