AKB48 チームBのファンより

鈴木紫帆里さんを中心にAKB48 チームB について語るサイトです。

AKB48『ここがロドスだ、ここで跳べ!』。ソロ曲以外。(ときめき研究家)

2015-03-01 19:00:00 | ときめき研究家
AKB48のアルバム『ここがロドスだ、ここで跳べ!』は、ソロ曲の印象が強く、既に記事を書いた。
今回はそれ以外の曲について。

その前に、いつもながら同一タイトル複数タイプ発売について不満を表明したい。
今回は3種類発売で、タイプA・タイプBは2枚組。ディスク1は共通で全て既存曲、ディスク2はほとんど新曲だが、タイプA・タイプBで内容が全く異なる。つまり、新曲を全て聴くには両方購入しなければならないのだ。それだったら、いっそ3枚組で発売してくれればすっきりする。
それから劇場盤はディスク1のみだが、ここにも新曲が1曲だけ(『最初の愛の物語』)収録されている。
何が何でも全タイプ購入させたいのだろう。それでも私は1種類だけ購入し、残りの曲は配信で購入した。

ソロ曲の個性が強い中、それ以外は地味な曲が多い印象だ。その中でも好きな曲は、以下の3曲。

『涙は後回し』(チーム4)。
爽やかな別れの歌。夢に向かって旅立つ幼馴染をバス停で見送る数分間を、鮮やかに描き切っている。
明るい曲調に、よく練られた歌詞が合っている。「パピコ」「イッテQ」という固有名詞が、「まだ何も変わりたくない」という2人の寂しさを表現するのに効いている。「キャリーバッグ」が2回出て来るのも計算されている。聴いていて自分が中学生に戻ったような気分にさせられる。
「頑張るな」というラストが秀逸だ。特別なことを何も言わなくても分かり合える2人だから、敢えて「頑張るな」と言えるのだ。

『へなちょこサポート』(チーム8)。
「ぐーのね」「アッカンベー」「へたっぴ」。近年あまり使わない、ちょっと可愛げのある言葉を発掘するのが、秋元康は得意だ。ピーナッツさんが言うように「へなちょこ」が殺し文句なのかは分からないが、自分で自分を「へなちょこ」と言う子は、変にプライド高くなくて、付き合いやすいかもしれない。
同性または異性の友人を励ます歌だが、押しつけがましくなく、そっと見守っているという内容だ。
曲調は古いフォーク調で、どこか懐かしい感じがする。

『To goで』(チームB)。
辞書で調べたら「お持ち帰りで」という意味らしい。
コーヒーショップのバイトの女の子が、客の男子大学生を好きになる歌。私をお持ち帰りして、という妄想を歌っていて、これもAKBグループ伝統の片思い妄想ものだ。このテーマの歌には非常に安定感がある。

それ以外の曲は、聴いていてやや重苦しい気分になる。

『Reborn』『生き続ける』『ここがロドスだ、ここで跳べ!』。
この3曲は三部作だと思う。3曲とも純粋に楽曲として評価すれば、とてもいい曲だ。
しかし、これらの曲の歌詞は、AKBグループのメンバーの境遇を想起させるような内容で、かつ歌っているメンバーがその歌詞に相応しいようなメンバーなのだ。じゃんけん以外で一度も選抜メンバーになったことのないメンバーに「生まれ変われ」と告げ、中堅・ベテランの域に達したメンバーに「泥水を飲んで生き続けろ」と諭し、期待されながらもう一歩の感あるメンバーに「ここがロドスだ、ここで跳べ」と命じていると解釈できる。そういう余計なことを考えると、純粋にいい曲だと楽しんでもいられなくなる。
だから、こういう「楽屋落ち」「自己言及ソング」はあまり好きではないのだ。
アルバムタイトル曲である『ここがロドスだ、ここで跳べ!』がタイプAにしか収録されていないというのも、このメッセージ色の強いタイトルに思い入れがあるのかないのか、何だかなあという気がする。

『Conveyor』(チームK)。
ベルトコンベアーの上で流されているような人生は御免だという、いかにも古めかしいテーマの曲だ。モノクロのチャップリン映画か。
歌い出しの「コンベアー」というメロディー、歌唱が何だか楽しげに聞こえるのもいただけない。

『Birth』。
自殺防止ソングなのだろう。前半に早口で歌われる「自殺したい理由」に結構説得力があって、後半に歌われる「自殺を思いとどまらせる理屈」が負けている。「とりあえず明日まで生きてみたら、明後日はもっといいかもしれない。」とか、確かにそれ位しかないのかもしれないが、防止ソングになっていない。
伴奏のボイパというか、男声が数字を連呼するアレンジは、斬新ではあるが正直耳障りだ。そういう違和感を敢えて惹起しようとしているのかもしれないが。

『ダウンタウンホテル100号室』。
かつてSDN48が歌っていたような曲だ。松田聖子のアルバム曲『マンハッタンでブレックファスト』も同じ状況を歌った曲だ。酔って目覚めたベッドに知らない男を発見し「あなたは誰?」と問いつつ、あまり気にせず、「良く見れば好みのタイプ」とうそぶく。初めて聴いた時は衝撃を受けたが魅力的だった。
『ダウンタウンホテル100号室』も異色曲であることは間違いないが、歌っているメンバーは結構若手だ。岡田奈々は「清純を守りたい」と歌った同じ口で「脱ぎ散らかした下着を取って」と歌う。創作の世界だから何を歌っても構わないのだが、そのフレーズはちょっと下品過ぎないか。

『Oh! Baby!』。(チームA)
チームAにありがちなスタイリッシュで難解な曲ではないのが幸いだ。
別れた恋人が久しぶりに帰って来て歓迎するという歌詞。大袈裟に「僕は世界一のラッキーマンだ」などとはしゃぎながら、いずれ彼女はまた去っていくことを予感している。大人の男の複雑な心情をカラリと歌っていて、こんな曲があってもいい。

『パナマ運河』。
ムード歌謡調のねっとりした曲調があまり好きになれない。ちょっと平尾昌昭と畑中葉子の世界の旅シリーズを思い出させるようだ。
峯岸、松井玲、渡辺美、川栄という個性的な4人で歌っているが、私の不勉強もあって4人の声を明確に聴き分けられない。これが分かれば味わいが違うのだろうが。
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「Green Flash」メンバーポジ... | トップ | AKBグループの中で、最もMCの... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ナッキー)
2015-03-02 13:16:03
平尾昌晃と畑中葉子は軽快なポップスでしたが、
畑中葉子ソロはムード歌謡でした。

「カナダからの手紙」「後ろから前から」二曲しか記憶にない人の感想でした。
返信する
畑中葉子 (ときめき研究家)
2015-03-05 06:15:10
平尾昌晃と畑中葉子は四部作。
「カナダからの手紙」
「エーゲ海の旅」
「サンフランシスコ行き」
「ヨーロッパでさよなら」
この中で最もポップなのはサンフランシスコ。「パナマ運河」に近いのはヨーロッパ。
カナダ以外は忘れ去られていますが、どれも結構好きでした。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

ときめき研究家」カテゴリの最新記事