AKB48 チームBのファンより

鈴木紫帆里さんを中心にAKB48 チームB について語るサイトです。

『ラッパ練習中』とカップリング曲。(ときめき研究家)

2013-07-20 06:00:00 | ときめき研究家
『ラッパ練習中』。
この曲について、既に何回も記事を書いた。これまでの3枚のシングル曲とは全く違う、新しい曲調にチャレンジし、見事にこなしている。オレスカバンドのお姉さんたちとのコラボも楽しそうだ。「ここじゃないファミレスで」という言い回しが新しい。「聞こえるよ」「吹いてみよう」「音を出そう」というセリフが可愛い。メロディーに乗っているようで乗っていない、絶妙な言い方だ。

『制服アイデンティティー』。
失恋して渋谷の街を徘徊するという内容は『109』と共通。麻友の曲では、場所は違うが『新宿優等生』とも雰囲気が似ている。制服で守られている今への漠然とした不安感は『制服レジスタンス』と同じテーマ。そういった曲を下敷きにしているが、クオリティは非常に高い。このままシングル曲にしてもいいような風格のある楽曲だ。
重厚なイントロから、緊張感のある麻友の歌唱へ続き、楽曲の世界に引き込まれる。歩道橋から車を見降ろし「涙で轢かれた」というイメージが鮮烈。1曲を通じて緊張感が切れることなく、エンディングまで引っ張っていく麻友の力量を改めて実感する。ユーロビート?の荻野目洋子風のサウンドは、古くて新しい。感情をぶつけるような歌唱だが、麻友のドライな声質のため重苦しくなっていない。
タイトルにもなっている制服への思い入れは、正直に言うと共感できない。何をしても満たされない、自分に自信が持てない苛立ち、不安、虚無感といった青春のじたばたには共感できるが、「制服」がそれを助長しているのか、緩和しているのか、読み取ることもできない。それでも、この曲の魅力が減殺される訳ではない。小道具として使われている「ハリボーのグミ」は固いことで有名で、(大人)ジェリービーンズと似て非なる、ハードな青春を象徴している。

『強情な純情』。
『制服アイデンティティー』とやや被った内容。こちらの方がややアンニュイで、甘ったれた印象がある。
「パパと喧嘩」して悪い友人と夜遊びをするというのはむしろ可愛らしいくらいの行動だが、「パトカーで帰る」とは穏やかではない。
『強情な純情』とは、歌詞中では「ピュアすぎて譲れないずるい生き方」と要約されているが、逆説的な表現だ。ピュアで譲れないのは若者にありがちな特質で、簡単に譲ってしまう大人は「ずるい」というのが一般的だろう。でも彼女は、絶対に譲らず自分の世界に閉じこもることで安心している自分を「ずるい」と分析している。単に甘ったれているのではなく、自分を冷静に評価している。この点が新しい。

『キスのソナー音』。
一転して、明るく楽しいアイドルソング。男性視点の歌詞で、『シンクロときめき』に通じる世界観。
「こんな気持ちは初めてだ」から始まる説明調の歌詞だが、麻友が歌うとスッと入って来る。相手のちょっとした仕草で気持ちを探るような、恋愛の駆け引きの楽しさを歌っている。「麦わら帽子が飛ばされて」という場面は、『奇跡は間に合わない』『潮風の招待状』を彷彿とさせる。電線にひっかかった帽子を取ってあげて、恋がはじまったのか。感電には注意した方がいい。
間奏の「ズンズンズンズン、ズンズンズンズン」という部分が、コミカルで盛り上がる。

『太陽と散歩』。
今回の中では一番苦手な歌。恋する女の子の、散歩中の一人言、鼻歌のような曲。

『カズン』。
題名どおり、いとこの歌。久しぶりに会い、見違えるように大人になったいとこの女の子へのときめきと、少し後ろめたい気持ちを歌っている。ありそうでなかったテーマの勝利。素朴なサウンド、甘酸っぱい歌詞に、麻友の可愛らしい声がよく似合っている。
いとこ同士でも結婚できるし、付き合うことも問題ない。「ミニスカートが君らしくない」などと分別くさいことを言っていないで、普通の異性として接すればいいと思うのだが、それができないのが「親戚」の不思議さだ。私にはそういう年頃のいとこはいなかったが、想像できる感情だ。
1つだけ難を言うなら、サビで「カズン、カズン、カズン、カズン、カズン」としつこく繰り返すが、途中「ズンカ、ズンカ」と聞こえる。確かにここは、心地よいメロディーを聴かせるサビで、半端な歌詞ならない方がいいが、それでも適切な歌詞をつけられなかったものか。

ところで、CDの特典として、抽選でソロライブ招待というのがあった。
9月に名古屋と大宮で計4回開催。4回の中でこれまでのソロ曲を全曲歌うという。『二人の夜明け』や『三つ編みの君へ』や『軟体恋愛クラゲっ子』の生歌も聴けるのだ。歌唱が安定している麻友ならではの、これはいい企画だ。もしかしたらスペシャルゲストとのデュエットで念願の『姉妹どんぶり』が聴ける可能性もあるのではないか。
名古屋には行けないが、大宮に申し込んだ。あえなく抽選に外れた。
かくなる上は、4回分まとめてDVDとして発売してほしい。
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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (瓶の蓋)
2013-07-20 14:50:23
制服アイデンティティーいいですね
正直「また制服か」と思いましたが、この曲のまゆゆの声すごく好きです
かわいい路線は極めたかなと思うので、次はこういうかっこいい(ツッパリ?)路線をA面に用意してみて欲しいです

ところで、ちょっと前の話題になりますが、前回のAKB紅白でまゆゆは「君は僕だ」を歌いその様子がSo long!のタイプBの特典に収録されています。
声が合っているのか、とてもいいパフォーマンスだったと思います。
シングルの複数タイプは買われていないということですが、ときめき研究家さんの感想を読んでみたいと思うので、機会があったら見てみてください
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見て良かった! (ときめき研究家)
2013-07-21 18:49:40
瓶の蓋さん

コメントありがとうございます。

お勧めいただいた『君は僕だ』、早速見てみました。
完全に自分の歌にしていましたね。前田敦子のそっけないオリジナルも彼女らしくて良かったですが、まゆゆ版は1フレーズ1フレーズに気が行き届いていて、素晴らしいパフォーマンスでした。

どんな曲も、自分らしい表現に持ち込んで仕上げてしまう、能力の高さを感じます。それを敢えて「歌唱力」と言わず、「総合的な表現力」と言いたいと思います。
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最近、ファンになりました (Mayoyo)
2013-10-03 20:06:54
最近、渡辺麻友さんのファンになりシングルを買いました。
ネットでときめきさんのブログを拝見し、過去に発売された曲の評価を楽しく拝見させていただきました。
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コメントありがとうございます (ときめき研究家)
2013-10-03 23:34:15
Mayoyoさん
コメントありがとうございます。過去の記事まで読んでいただいたようで、とても嬉しいです。
まゆゆの曲は、どれもクオリティが高く、文章を書きたくなります。自分でも後で読み返すこともありますが、Mayoyoさんのような方に読んでいただけると、一層励みになります。

最近まゆゆのファンになられたのなら、カップリング曲ですが『三つ編みの君へ』と『二人の夜明け』、渡り廊下走り隊の『青春のフラッグ』は、彼女の歌唱の魅力を満喫できると思うので、未聴でしたらぜひお薦めします。
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