新・日曜炭焼き人の日記

炭遊舎のホームページで書いていた「日曜炭焼き人の日記」を引きついで書いていきます。

カモンイスの棺

2015年01月06日 | 日記

 カモンイスの棺はリスボン近郊のジェロニモス修道院に置かれ、ヴァスコ・ダ・ガマの棺と並べられている。棺に刻まれた文字が読めるだろうか。PARA SERVIR-VOS, BRACOと読める。「貴方のお役に立つためには腕が・・」はカモンイス自らが書いた「ウズ・ルジアダス」の最後の一節にある。貴方とは若きポルトガル王セバスチャンを指す。腕とは戦争で敵をやっつける武力のことで、詩才と並べて自分には両方が備わっていると自賛している。
 カモンイスはいまでこそヴァスコ・ダ・ガマと並び称される存在だが、生前は貧窮に苦しんだ。若いポルトガル王セバスチャンは経験が乏しく、権力欲のみ旺盛な側近たちのいいなりで宮廷内の士気があがらず、国の財政は火の車になっていた。カモンイスは詩のなかで若い国王に苦言を呈するかのような節を織りこんでいる。
 文字を読むことは見たものを正確に把握するためには必要なことであり、読める文字はできるかぎり読む。町の看板や案内板、落書きまでもが文化理解の助けになる。またいつか町に溢れる文字を写真にとりに行きたい。



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