新・日曜炭焼き人の日記

炭遊舎のホームページで書いていた「日曜炭焼き人の日記」を引きついで書いていきます。

店員さんの「神対応」

2016年11月30日 | 日記



 伊勢丹立川店の文具売り場へ赤のボールペンを買いに行った。その店員さんの対応に感心したのだった。
 私が愛用している赤のボールペンは1本100円の安いもの。しかしその使い心地は他のどのボールペンをもってしても代えがたい。ボールの滑り具合のよさは抜群だし、インクがぼたぼたと垂れる心配がない。1.6ミリの超極太な芯は手に負担をかけない。私は試験答案を採点するためにこのボールペンをもう20年ほど使い続けている。他のボールペンやサインペンを使うと、採点をしているあいだじゅうずっと右手の指先に不快を感じることになる。約10時間ものあいだその不快感とともに仕事を進めていくのは気が重い。
 ところがこのボールペン、いつも買っていた店の店頭から姿を消してしまった。電車の駅に隣接した書店が文具売り場を併設しているのだが、すでに2か月まえ、もはやこのボールペンを置いていないことに気づいた。他のファンシーなボールペンにその場所をあけ渡してしまっていた。
 それなら大きな文具店で探すしかない、と立川の伊勢丹へ入った。丸善が出店していた。パイロット製のSUPER-GPというこのボールペンはたしかに置いてあった。しかし1.6ミリの芯の赤ボールペンは2本しか店頭にない。レジの店員さんにあと5本ぐらい欲しいが在庫がないか、と尋ねてみた。するとその店員さん、「在庫があるかどうか調べてまいります。替え芯もあるかどうか見てみましょうか」といってくれた。私は替え芯のことなど夢にも考えていなかった。1本100円の安いボールペンに替え芯があるとは・・。しばらくして店員さんが替え芯を6本もって戻ってきた。替え芯は1本80円とのこと。本体ともども買うより替え芯のみ買うほうが20円安い。替え芯があることなど思いもしなかった私は、この20年間でおそらく120本以上の本体を捨ててきている。
 ところでこの店員さん、私をよほどマニアックな使い手とみたのだろうか。自分の店が扱っている商品を知悉しているばかりか、客の一人ひとりにゆっくりと対応できるだけのゆとりがある店なのだろう。レジに並ぶ客の対応に忙しく動き回っているだけの店なら、このように客が期待しない商品知識を披露しようという気にならないだろう。歴史と品格を誇る丸善の名に恥じない店員さんの接客ぶりに、私は「これ全部ください」と応じてしまった。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿