新・日曜炭焼き人の日記

炭遊舎のホームページで書いていた「日曜炭焼き人の日記」を引きついで書いていきます。

「汚名挽回」は「間違えた」言いかただ

2014年05月14日 | 日記

 言葉づかいが乱れているなどと野暮なことを書くつもりはない。語学屋が独りごとをつぶやくだけだ。
「名誉挽回」と「汚名返上」を混同して「汚名挽回」というラジオのアナウンサーがいる。「汚名」は返上するべきものであり「挽回」してはいけない。名誉と汚名は相反するものだから、返上するか挽回するかで真逆の意味になってしまう。私は「汚名挽回」という表現が1978年の雑誌「言語生活」に採録されているのを見て吹きだしてしまった。それ以降なんどとなくテレビやラジオで「汚名挽回」を耳にしてきた。落ち着いて文字を見れば誤った言葉づかいであることがわかる。
「間違えた」についてはそれほど単純ではない。私が正しいと思っている動詞は「間違わない、間違います、間違う、間違えば、間違えろ、間違おう、間違った」と活用するものであり、名詞は「間違い」になる。ところが最近、多くの人が「間違えない、間違えます、間違える、間違えれば、間違えろ、間違えた」と活用させて使い、名詞には「間違え」を使う人さえいる。これら2つの動詞は共存しているようだ。私自身も両方を使う。使い分けてはいない。どちらかといえば、「間違える」を多用するようになってきた。日本全体でも「間違う」から「間違える」に移行しつつあるのではないか、と思われる。

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