新・日曜炭焼き人の日記

炭遊舎のホームページで書いていた「日曜炭焼き人の日記」を引きついで書いていきます。

カリブ海は穏やかな海だ

2016年11月04日 | 日記

 ディズニーランドに「カリブの海賊」というアトラクションがある。同名の映画もあったが、観ていない。カリブ海地域は海賊が跋扈するところという印象程度しかない。
 ジェームズ・ミッチェナー「カリビアン」を読みながら、あらためて地図を眺めている。
 カリブ海地域は大西洋とはっきり区別された海域だ。北側はキューバをはじめ、ハイチ、ドミニカ、ヴァージニア諸島が北アメリカ側との塀になり、プエルトリコから南へ弧を描くようにグアダロウペ、マルチニク、トリニダド・トバゴらが連なって北大西洋の荒波を遮っている。さらに南には南米大陸のベネズエラがあり、西にはパナマからメキシコにかけての中米大陸で完全に閉じられた空間ができあがっている。ちょっとした内海であり、波が荒い北大西洋とは一線を画していることが分かる。かつてスペインがこの地域をthe Spanish Lakeと呼び、のちにはイギリスがthe English Lakeと名づけたのも頷ける。大西洋がハリケーンを発生させる荒海であるのに比べ、カリブ海は波が穏やかな内海だった。
 カリブ海地域は私にはあまり縁がない地域だったが、それでもすこしは知識がある。キューバのフィデル・カストロが語った自伝を読みながら、キューバ島のようすを調べたことがある。親の出身地スペインに比べて楽園のように描かれていた。ニカラグアで反政府勢力コントラの活動が収束したころに海外青年協力隊と一員として赴任した人から話を聞いたこともあった。最近まで一緒に仕事をしたアメリカ人女性の父親がトリニダード・デ・トバゴの出身だといったので、その位置を調べたことがあった。
 この穏やかな内海を舞台にして、西洋の列強が勢力争いを繰り広げる。その一環が海賊行為だったようだ。

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