新・日曜炭焼き人の日記

炭遊舎のホームページで書いていた「日曜炭焼き人の日記」を引きついで書いていきます。

ベトナムコーヒー

2018年02月15日 | 日記

 友人からベトナム土産にコーヒー(粉)をいただいたので、1月は毎朝ベトナムコーヒーを飲んだ。ベトナムでは最高級のコーヒーに属するShalomという銘柄だった。
 ベトナムというコーヒー・ブランドはない。キリマンジャロ、ハワイコナ、ブルーマウンテン、モカなどあげればキリがないほどコーヒー・ブランドがあるが、ベトナムという名前は一度もみないし聞かない。それでも決して味が劣るわけではない。
 むかしコーヒールンバという歌があった。「♪♪ 昔アラブの偉いお坊さんが、恋を忘れた哀れな男に ♪♪」コーヒーの発祥地はアラブということになっているようだ。じつはエチオピアで見つかったコーヒーノキがアラビア半島西南端のイエメンあたりに伝わった。イエメンにはモカ港があった。モカ港からヨーロッパや新大陸に向けて出荷されたコーヒー豆をすべてモカと呼んでいた。残念ながらモカに押し寄せる土砂がいつのまにか港を埋めてしまい、いまは港として機能しなくなっている。今のモカコーヒーは近くのアデン港などから出荷されている。
 話をエチオピアへ戻す。むかしヤギ飼いの少年が自分のヤギを観察していた。ヤギがある木の実を口にするとやたら興奮することに気づく。自分でもその木の実をかじってみる。案の定、心がうきうきするのをおぼえた。その少年の名前をカルディといった。吉祥寺駅の周辺に3つもの店舗を構え、東京都内だけでも80あまりの店舗数を誇るKaldiは、その少年の名前を店名にしたものだ、と店のホームページが明かしている。多種目にわたる輸入食料品を商うその店は、もとはコーヒー販売店だったのだろう。
 ベトナムがコーヒーの生産量、出荷量においてブラジルに次ぐ世界第2位を保っていることをご存知だろうか。1999年に2位に躍り出て以来、その地位を維持しつづけているようだ。じつはベトナムはコーヒーのなかでもコーヒーさび病に強いロベルタ種の栽培に適している。一般によく知られるコーヒーはたいていアラビカ種だ。ロベルタ種はアラビカ種にくらべると品質が劣るとされ、インスタントコーヒーの原料にされてきた。インスタントや缶コーヒーの原料としての需要はおそらく相当なものだろう。
 このたび友人からいただいたものはアラビカ種とロベルタ種を混合したもので、ベトナム人がするような練乳をたっぷり入れて飲むような飲み方をする必要がなかった。コーヒーパックに書かれた説明書きからして、メーカーのプライドをのぞき見ることができる。We take time to get to know the growers to understand the process and challenges they face, and work together with them to make the best coffee we can.ベトナムは英語国ではないので、この英語にはいささか日本人の英語によく見られる気負いのようなものが感じとれ、親しみが沸く。
 ベトナムコーヒーがなくなり、いまは別のコーヒーを飲んでいる。ベートーベンは几帳面にも毎朝60粒のコーヒー豆をミルでひいたというが、私は計量スプーン2杯分をミルに入れることを毎朝の日課にしている。至福の一杯は、コーヒーへの愛着と知識、経験から生まれると思っている。





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