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韓国料理というと、日本人がすぐに思い浮かべるのは、焼肉やモツ焼き、あるいはホルモン料理といったところだろう

2017-12-23 03:52:31 | 韓国旅行

韓国料理というと、日本人がすぐに思い浮かべるのは、焼肉やモツ焼き、あるいはホルモン料理といったところだろう。


しかし、基本的に日本の焼肉文化と韓国料理は重なっていても、よく見るとそこには大きな差異があり、その差異から民族的、文化的な違いが見えてくる。


日本の焼肉文化は、敗戦直後の物資欠乏のおりに、在日韓国人が市場に捨ててあった牛や豚の内臓を使って、ホルモン料理というのを始めたのが一般化の始まりである。

「捨てるもの」、つまり大阪弁で「放るもの」という言葉からホルモンと呼ばれるようになったという説がある。

真相はもはや分からない。


しかしこうした説を生み出し、それを信じてきた人々の心性の歴史は、それ自体として検討に値する。

もちろんこれは栄養、あるいは活力という意味でのホルモンもかけているわけである。


内蔵はフランスやイタリアなどヨーロッパでは高級料理の食材であるが、一般の日本人はそれを日本料理として使いこなすことができず、捨てていた。

これを貧しかった在日韓国人が集めて、ゴマ油や唐辛子やニンニクや醤油で味付けして焼いてみたところ、材料費が安いわりには美味しくて栄養価もある。

というわけで、焼き肉は在日韓国人の集落を中心として、戦後の日本社会に広がっていった。


民族の持つ味覚の正当性などというものは、存在しない。

それは五十年で簡単に変化してしまうものである。

ホルモン料理は、今日では日本の焼き肉屋において立派な日本料理になったと同時に、日本人の味覚というものを決定的に買えてしまった料理でもある。

そういう焼き肉文化というものが、確固として日本に存在している。


ところが、ホルモン料理は本来韓国になかった。

在日韓国人の多くにとって、生活は貧しかったわけで、カルビ焼きのような肉料理はけっして庶民が日常的に食べることができるものではなかった。

だからこそ戦後の混乱のなかで内臓を焼くという料理が新しく考案されたのである。


日本人が通常考えている焼き肉料理は伝統的な韓国料理だと信じてしまうと、そこには大きな間違いが生じてしまう。

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