インスタントラーメンの作り方にも日本と韓国では料理法が違っている。
インスタントラーメンを買ったときに、日本人は必ずそこに書かれている説明を律儀に読んで、三分間とあるときちんと三分間待ち、ネギとタマゴを入れろとあると、ネギとタマゴをきちんと準備してから調理する。
できるだけ説明に沿った形で、そっくりに作ろうとする。
ところが韓国人は最初に袋を破ってしまって、説明などいっこうに読もうとしない。
まずインスタントラーメンの麺をむき出しに出してしまってから、勝手にいろいろな料理に利用してしまう。
鍋物を作ったあとで、鍋の底にスープが残ってしまうと、そこにインスタントラーメンを入れて、あっという間に即興的な料理を作ってしまう。
インスタントラーメンとご飯を同時に入れて鍋物を作る場合さえある。
つまり、あらかじめ定められているような用法などは平気で無視し、その場のあり合わせもので独創的に料理を作るのである。
料理が家々で違っていたり、その場その場で違っているというのは当然のことであって、これをしなければいけない、これをここに入れなければいけない、これがないためにこの料理ができない、といった日本人的な律儀で生真面目な発想を、韓国人は最初から捨ててかかっている。
この即興性は料理にかぎらず、日常生活の全般においていえることでもある。