先日、不要雑物整理廃棄処分中に、記憶から完全に喪失していた小冊子2冊が出てきた。
表題は、「日本縦断お国ぶり・民謡文庫」
何時頃、入手したものやら、ページを開いてみても、まるっきり記憶が無く、巻末を見ると、
制作・発行は NHKサービスセンターで、1981、1982、(無断転記禁ず)となっている。
どうも非売品のようで、表紙には、「朝日新聞」と印刷されていることから、何かの進呈品だったのかも知れない。
「民謡」・・・、最近は、とんと聴く機会が無くなってしまっているが、子供の頃は、よくラジオ等から流れていて、NHKの素人のど自慢等でも、盛んに民謡が歌われていたような気がする。
子供のこととて、しっかり覚えるようなことは無かったが、なんとなく脳裏に焼き付いている民謡が、かなり有り、懐かしくもなる。
昭和20年代後半から30年代、小学生、中学生の内から、民謡が好きだった祖母と一緒になってNHKラジオ第1放送の夜8時台の放送番組、「民謡はこころのふるさと・・・・♫」のナレーションで始まる「民謡をたずねて」という番組をなんとなく聴いていたこともあって、どちらかというと、民謡に親しみを感ずる人間になっている気がする。
昔のことを懐かしがるのは、老人のもっとも老人たるところだが、
この冊子のページを捲りながら、
ボチボチと ランダムに、
日本全国の「民謡をたずねて」・・・、
ブログ・カテゴリ-「懐かしいあの曲」に、書き留め置こう等と、思い込んだところだ。
民謡をたずねて・その27
「お立ち酒(おたちざけ)」
(宮城県)
やはり、NHKの「あなたが選ぶ民謡ベスト100」等で、常に上位にランクインされる民謡のひとつに「お立ち酒」が有る。
「お立ち酒」もまた、なんとなく、子供の頃から、ラジオ等から流れてくるのを聞いていたはずではあるが。曲調等が難し過ぎ?で、脳裏には焼き付いていなかった気がする。
今更になってネット等で調べてみると、
「お立ち酒」は、宮城県大和町宮床地区が発祥の地とされる婚礼等に歌われる祝い歌だった。嫁ぐ娘と縁切りの儀式の終わりに歌われる歌なのだそうで、嫁方の親族が、娘が二度と実家へ戻ってくることがないようにと、大きな茶碗に冷酒を注いで、客はそれを飲み干すと、その茶碗を地面へ叩きつけて帰ってしまう風習が有るのだそうだ。
お祝いの喜びを明るく表現する唄というよりは、どちらかというと、大切に育てた娘が嫁ぐ日、親族のしみじみとした別離の哀感が漂ってくる、思わず泣けてしまう民謡であるような気がする。
「お立ち酒」についての詳しいYouTubeを見付け、「へー!、そうだったのか・・・」、
目から鱗・・・になっているところだ。
お前お立ちか お名残惜しい
なごり情けの くくみ酒
今日のめでたい 花嫁すがた
親も見とれて うれし泣き
目出度嬉しや 思うこと叶うた
末は鶴亀 五葉の松
「お立ち酒」 (YouTubeから共有)