ボクシングレヴュー

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ポンサクレック再起戦

2007年10月24日 | 海外試合(その他)
内藤大助に王座を奪われた前WBC世界フライ級王者ポンサクレック・
ウォンジョンカム
が、タイでフィリピン人選手を相手に再起戦を行い、
8ラウンド判定勝ちを収めた。

内藤の次戦は相変わらず未定だが、現在のところ、来年2月に
タイでポンサクレックの挑戦を受ける可能性が高いようだ。
そのため、内藤のことを思い浮かべながらタイのテレビ中継
観戦した。


まずは無難に勝利したという印象だが、時折相手の右をもらっており、
右パンチに対する反応が若干鈍いような気もした。また、基本的には
的確にパンチを当てていたものの、ラフなフックを空振りする場面もあった。

相手はなかなかの好選手ではあったが、攻め口に工夫がなく、
格下であることには変わりない。その選手の右をもらっていた
ことから、内藤ならもっと当てられるのでは、とも思った。
しかしこれは格下相手に油断があったため、とも考えられる。
内藤と戦う時はもっと気を引き締めてくるはずだ。


敵地での試合だということや、これまでの実績などを考え併せれば、
やはり内藤不利という予想は変わらないだろう。年齢的な不安もある。

ただ、内藤は他の日本人ボクサーに比べれば、まだ「敵地慣れ」
している方だとも言える。最初のポンサクレック挑戦を始め、
日本タイトル挑戦や東洋太平洋タイトルの初防衛戦も敵地だった。

その内藤が敵地開催も厭わないと言っているのだ。ジムにお金が
ないから、という理由だけではないのではないだろうか。あるいは
前回の対戦でポンサクレック攻略の「コツ」のようなものを
見つけたのかもしれない。そもそも、内藤は以前から「不利」を
予想された方が戦いやすいと発言している。

人によっては「奇跡」とさえ形容した王座奪取劇。敵地防衛という
大仕事を果たし、またも世間を驚かせることが出来るだろうか。