ボクシングレヴュー

「TM」はタイトルマッチ、階級名につく「S」はスーパー、「L」はライトの略です。

WBCインターSフェザー級TM マニー・パッキャオvsマルコ・アントニオ・バレラ

2007年10月07日 | 海外試合(その他)
4年ぶりとなる再戦は、パッキャオが3-0の判定勝利
バレラを返り討ちにした。なおバレラは試合後、引退を表明

バレラは、攻め過ぎず引き過ぎずの巧い試合運びでパッキャオの
台風のような攻めを封じたが、自らがポイントを取るには至らなかった。
一方のパッキャオは、バレラの巧さの前にいつもの爆発力は出せずじまい
だったものの、終始攻め続けてポイントを挙げて行った。

本来こういった戦法はバレラの必勝パターンであり、これで勝てなかった
のだから、バレラが引退を口にするのも無理はない。彼にすれば、
やるだけのことはやった、という思いがあるのだろう。


試合前、僕はパッキャオのコンディションが気になっていた。
今やスーパースターの地位を築き上げたパッキャオが、慢心や
ハングリー精神の欠如から練習を怠り、不十分な体調でリングに
上がるのではないかという懸念だ。

しかし、この日の動きを見る限り、ちゃんとやるべきことは
やってきたようだ。必ずしも自分の思う通りの攻めが出来なかった
にもかかわらず、辛抱強く戦って爆発のチャンスを伺っていた。
こういう勝ち方も出来るなら、パッキャオの天下はもうしばらくは
続きそうだ。

パッキャオの目下の敵は、WBC王者のファン・マヌエル・マルケス
ということになるのだろうか。両者は3年半ほど前に対戦し、激闘の末
引き分けている。決着戦はぜひ見たいところだ。


それにしても、パッキャオには不思議な人柄の良さがある。
「リングを降りればバレラとは友達だ」と言ったり、3度に渡って
戦ったエリック・モラレスと、CMとはいえ仲良さげに映ったり
している。

押しも押されぬスーパースターでありながら(その童顔の
せいもあるだろうが)、どこか親しみやすい、人懐っこい雰囲気を
常に漂わせているのだ。