ボクシングレヴュー

「TM」はタイトルマッチ、階級名につく「S」はスーパー、「L」はライトの略です。

日本ミドル級TM 江口啓二vs叶栄治

2007年10月20日 | 国内試合(日本・東洋タイトル)
江口が4ラウンドに2度のダウンを奪い、TKOで3度目の防衛。
終わってみれば圧勝だったが、叶のパンチを浴びてヒヤっとする
場面もあった。

江口はパンチもスピードもあり、またディフェンス勘も良い。
その反面ガードがやや低く、打ち終わりなどに相手のパンチを
被弾してしまうことがある。見ている方とすればスリリングで
面白いのだが、今後も勝ち進んで行こうとするならば、そこは
改善すべきだろう。


ところで、叶って誰だろうと思って戦績をよく見てみると、
本名は中村頴司。過去に日本タイトルマッチに2度、東洋太平洋
タイトルマッチに1度出場し、いずれも敗れている中村の
ことだった。つまりこれが4度目だったわけだ。
叶は34歳。これが最後のチャンスと決めていたようだ。

試合予定

2007年10月20日 | その他
今後予定されている、日本のジム所属選手が出場するタイトルマッチを
列記してみた(専門誌「ボクシング・マガジン」より)。
ちなみに今日は、東京と兵庫で日本タイトルマッチが行われる。

注目は、前の試合で敗北を喫した選手同士の生き残り戦となる
日本バンタム級タイトルマッチや、挑戦者が16連続KO勝ちの
日本記録更新に臨む日本ウェルター級タイトルマッチなどだろうか。
また、難攻不落の王者に、内藤大助を擁し勢いに乗る宮田ジムから
苦労人ツカモトが挑む日本ライト級戦も楽しみだ。


10.20 日本ライト級タイトルマッチ(後楽園ホール)
      長嶋建吾(18古河)vsリッキー・ツカモト(宮田)

    若い頃の派手さがなくなった分、隙のないボクシングをするように
    なった長嶋。対するツカモトは地味なファイターだが、格下相手
    とはいえ6連続KOと波に乗っている。


10.20 日本ミドル級タイトルマッチ(姫路市中央体育館)
      江口啓二(姫路木下)vs叶栄治(大阪帝拳)

    日本のミドル級選手にしてはスピードのある江口。パンチもある。
    決して穴がないわけではないが、試合ごとに自信を増している印象。
    叶の試合を見たことがないので展開は予想できないが・・・。


10.29 東洋太平洋スーパー・ウェルター級王座決定戦(後楽園ホール)
      日高和彦(新日本木村)vs野中悠樹(尼崎)

    元東洋太平洋ウェルター級王者の日高が、2階級制覇に挑む。
    野中は、フットワークと右パンチに上手さのあるサウスポー。
    予想は日高有利だが、油断すると番狂わせもあり得る。


11.3  日本フェザー級タイトルマッチ(後楽園ホール)
      粟生隆寛(帝拳)vs上野則之(ワタナベ)

    将来を期待される粟生だが、このところ冴えない試合が続く。
    今回の相手は戦績こそ悪いものの、最近は勢いがある。
    どちらが自信を持って攻められるかが一つのカギになるのでは。


11.3  東洋太平洋ミニマム級タイトルマッチ(名古屋国際会議場)
      和賀寿和(畑中)vsガオフラチャーン・シットサイトーン(タイ)

    網膜裂孔のためブランクを作っていた和賀の初防衛戦。
    攻防ともになかなかのセンスを持つ和賀だが、打ち合いの際に
    若干ガードが下がる傾向がある。


11.4  WBA世界フライ級タイトルマッチ(さいたまスーパーアリーナ)
      坂田健史(協栄)vsデンカオセーン・カオヴィチット(タイ)

    数多くの苦しい戦いを経て、地味ながらしっかりと実力をつけてきた
    坂田。今回も楽な勝負にはならないだろうが、WBC王者内藤との     
    統一戦を夢見るためにも、ぜひ勝ってもらいたい。


11.20 東洋太平洋ライト・ヘビー級タイトルマッチ(後楽園ホール)
      クレイジー・キム(ヨネクラ)vs(相手未定)

    ミドル、スーパー・ミドルを飛び越えて、まさかの東洋王座
    2階級制覇を達成したキムの初防衛戦。ライト・ヘビーで再び
    試合をするとは思わなかったが、それなりの手応えを感じたのだろう。 


11.23 日本バンタム級タイトルマッチ(神戸ファッションマート)
      三谷将之(高砂)vs菊井徹平(花形)

    東洋太平洋タイトルに挑んで敗れた三谷と、世界挑戦に失敗した
    菊井の生き残り戦。地味ながらなかなかの好カードだ。
    まずは序盤のペース争いに注目したい。


11.29 WBC世界ミニマム級タイトルマッチ(タイ)
      イーグル・デーン・ジュンラパン(角海老宝石)vsオーレイドン・シットサマーチャイ(タイ)

    これが5度目の防衛戦となるイーグルだが、母国タイで世界戦を
    行うのは初めて。普段通りの力が出せればいいのだが、緊張感が
    悪い方向に出ないことを祈りたい。


12.1  日本スーパー・バンタム級タイトルマッチ(後楽園ホール)
      下田昭文(帝拳)vs小林秀徳(角海老宝石)

    センス溢れる若き王者・下田の2度目の防衛戦。小林は掴み所の
    ないボクシングをする選手だが、特に怖さは感じられない。
    多少手を焼くことはあっても、王者有利は動かないだろう。


12.6  日本ウェルター級タイトルマッチ(後楽園ホール)
      湯場忠志(都城レオ)vs牛若丸あきべぇ(協栄)

    日本タイトル3階級制覇の湯場と、連続KOの日本記録更新を
    目論む牛若丸。多くのファンの注目を集めることになるだろう。
    どちらも強打を持っているだけに、目の離せない戦いになりそうだ。


12.8  日本フライ級タイトルマッチ(後楽園ホール)
      吉田健司(笹崎)vs佐藤常二郎(角海老宝石)

    初防衛戦でラフプレーを連発し、批判を浴びた吉田。高い身体能力を
    上手く活かせていない印象がある。どんどん前に出てくる佐藤が
    相手では、また乱戦になりそうな気もするが・・・。


12.15 東洋太平洋ミドル級タイトルマッチ(後楽園ホール)
      佐藤幸治(帝拳)vs小松学(ワタナベ)

    両者とも元アマチュア王者という対戦。プロでも早々とタイトルを
    獲得した佐藤に対し、小松は決め手に欠けるせいか、なかなか星が
    上がらない。しかし地力はあり、決して侮れない相手だ。


12.15 WBA世界スーパー・フェザー級タイトルマッチ(メキシコ)
      エドウィン・バレロ(帝拳)vsファン・カルロス・サルガド(メキシコ)

    全勝全KOの「怪物」バレロの、3度目の防衛戦。
    本場アメリカでも噂になりつつあるというバレロが、豪快な
    KOシーンを見せられるか。大方の興味はそれだけだろう。


12.15 WBC世界フェザー級タイトルマッチ(メキシコ)
      ホルヘ・リナレス(帝拳)vsガマリエル・ディアス(メキシコ)

    天才リナレスの初防衛戦。こちらもバレロ同様、綺麗に倒して
    その実力をアピールしたいところだ。若いリナレスの世界戦略は、
    まだまだ始まったばかり。今後の飛躍に繋がる勝ち方を期待したい。


1.3?  WBA世界スーパー・フライ級タイトルマッチ(横浜?)
      アレクサンデル・ムニョス(ベネズエラ)vs川嶋勝重(大橋)

    かなり前から「ほぼ確定」と言われてきたカードだが、決定の報は 
    まだ届いていない。攻撃力を全面に出していた頃のムニョスと、
    頑強な川嶋。出来れば3~4年前に両者の対戦を見たかったが・・・。


1.10  WBA世界バンタム級タイトルマッチ(大阪府立体育会館)
      ウラジミール・シドレンコ(ウクライナ)vs池原信遂(大阪帝拳)

    31歳のベテラン池原の世界初挑戦。ここまで無敗、5度の
    防衛を果たしている王者有利の予想は否めないところだが、
    池原の強打と根性が波乱を起こすことに期待している。


1.10  WBC世界バンタム級タイトルマッチ(大阪府立体育会館)
      長谷川穂積(真正)vsシモーネ・マルドロッツ(イタリア)  

    ジム移籍の問題でブランクを作ってしまった長谷川だが、 
    多くのボクシングファンがこの男の試合を待っていたはずだ。
    身辺がすっきりしたところで、爽快なファイトを見せてもらいたい。