津軽海峡を渡る日が来た。
フェリーのスマートチエックインは車に乗ったまま予約票のバーコードを読み込ませると発券されるシステムだ。便利にはなったけれど何でも初めての時はドキドキする(笑)
乗船する車列の後尾に誘導され、乗船まで20分程自由時間があるらしいのでフェリーターミナルを散策。
オブジェのハートは健在で、昨日上がった函館山を入れてシャッターを押した。
ついに乗船。私よりもT代さんの方が緊張しているようだ。狭い空間へ導かれて排気ガスの充満する船倉からエスカレーターで客室へ上がった。
「出港する時、立待岬の横を通る」と教えたのだが彼女は座敷でゴロリと横になるとスマホで忙しそうにメール。多分、「これから大間へ渡る」とでも送信しているのだろう。
私はヒマなのでカメラの画像を確認していてふと考えた。
(今が並んで寝るチャンスじゃん)
あわてて枕を持って来て彼女の横にゴロン。少しずつ距離を狭めてさりげなく足を絡めれば・・・・・と思うのだがなかなか勇気が出ない。
その時ヒョイと起き上がって「もう出港したみたいだね」と甲板へ出て行く彼女。それをあわてて追う私。
少しずつ遠ざかる函館山と立待岬。
逆に少しずつ確認できるようになってきた下北半島北端、大間の岬。
2時間後に先ず向かったのは大間崎。ルートには入れていなかったのだがここへ行って有名な「大間のマグロ」を食べると云うT代さん。私は2回大間を訪れたのだがマグロを食べようと思ったことは一度も無い。何しろ目の玉が飛び出る値段だからだ。
それで観光案内所へ行って係のオネエサマに「目の玉の飛び出ないマグロが食べられる店を」と苦笑いされながらのオネガイ(笑)
「タブタブさんって、誰とでも気軽にオハナシが出来るわよねぇ」とT代さんは感心するのだが、(自分だってタクシーの運転手に腰を触られていたじゃんか) と思う私。
ま、とにかく目玉が少しだけ飛び出ない店を紹介してもらいウニの載ったマグロ丼を見ながら彼女と来なければ絶対に食べないマグロを口に。
T代さんと来て良かったと思いながら大間の味を堪能し、かなり老けたグレゴリーペック風と元気なヘプバーン風の「オーマの休日」はこうして始まった。