北海道でノンビリと

タブタブの何処かへ行こう を改題しました。
何処かへ行く機会も減ってきたので 北海道を楽しもうと思ったからです

背を向けるとき

2022-04-18 19:40:42 | 日記
電気ケトルが壊れた。
小型の卓上湯沸かし器のことだ。
早速新しいのを買いに行ったが今まで気に入って使っていた同じ品が無い。

まぁ どれも大差ないだろうと選んだ品物がチョット……だ。

気に入らないことは色々ある。
先ず水量を確認しづらい。目盛りが手前にあるので水を入れながら覗いても見えない。いちいち目の高さに持ち上げてケトルの外側から確認しなければならない。

(何だコレ)と思いながら使ってみたが、沸騰するまでの時間がかかり過ぎる。
水量を少なくすれば良いのだけれど、待っていても 待っていても 沸かないのでイライラ。私の脳みその方が早く沸騰する。

そして、お湯を出すときにショボショボと散らばる。シャーと1本の線になって出ないのだ。

だから「婆ちゃんの小便みたいだ」と云ったらルンバの目つきが変わった。
「婆さんの小便を見たことがあるの?」と凄い声で怒られた。
「爺さんの小便はどうなのさ」と云われたので、年々勢いが無くなっているのを自覚しているから「ショボショボ」ですと応えてうなだれた。

婆さんの小便を見たことがあったような無かったような……と記憶をまさぐる。
私の子供の頃は、コンビニも公衆トイレも無かったからワンコのように電柱に小便を掛けていた。大人も子供もだ。
何故電柱に小便を掛けていたのだろう。今考えると不思議だ。

女の人はどうしていただろうと思うのだがジックリ見た記憶は無い。
もしかしたら草むらの陰で忍者のように気配を消していたのだろうか。

と、ここまで考えていて思い出した。
「見たことがないのに」と云われたのが悔しくて記憶の底を掘り起こしたのだ。

1Fの窓際にあった職場で、窓の外側にある目隠し用の低い木をかき分けて入ってきたお婆ちゃん。
急に私たちに背中を向けて着物の裾を上げて尻を出した。

部屋の中から見ていた我々はギョッ。
見てはイケナイものだと察し窓辺から離れ、クルリと背中を向けたことがあった。

だからルンバの所へ行って「婆ちゃんの小便を見たことがあるぞ」と胸を張って云おうと思ったけれどタイミングが悪かった。

ルンバの手には包丁。キャベツを切っている真っ最中。
危険を感じた私は出そうと思っていた言葉を飲み込み、クルリと背を向けた。