太田裕美さんのアルバムはアナログ盤で何枚か持っていますが
この「背中あわせのランデブー」は聞いたことが無かったのです。
ところがハードオフのジャンク盤コーナーで見つけたので即購入!
30年以上過ぎた今になって、初めて針を降ろすことになりました。
アルバムA面の作曲は全て吉田拓郎さんで、作詞は1曲目から3曲目までは松本隆さん。
4曲目、5曲目は、フォーライフからアルバムを出していたシンガーソングライターの
小林倫博(こばやしみちひろ)さんの作詞です。
さて、A面1曲目の「失恋魔術師」はシングル盤とは別テイクで、アルバム発表後に
アレンジを変えてシングルカットされました。このパターンは「木綿のハンカチーフ」
と同じですね。正直言ってシングル盤より、このアルバムバージョンの方が
歌謡曲っぽくないので個人的には良いと思います。
それにしても松本隆さんは凄いです。「失恋」と「魔術師」と言う
言葉をくっつけて、そこから物語を作っていくのですからね。
このアルバムの収録時期は太田裕美さんの声の調子が良く無かったのですね。
かすれ気味の声なのですが、それがまた切なくも聞こえてきます。
時に「花吹雪」は今の季節にぴったりですね。
友だちでいようよ 友だちでいましょう
何度も繰り返されるフレーズですが、この言葉はグッと来ますね。
彼女の声がとても切なくて、想い出の扉を開けそうになります。
誰かカバーしてくれないかな。埋もれてしまうにはもったいない気がします。
「朝(あした)、春になあれ」カントリー調の曲で、いわゆる拓郎節ですね。
そして小林倫博さんの詩がまた繊細で優しくて良いです。
ところで小林倫博さん、今どうされているのでしょうか。アルバムも持っていますし
コンサートにも何度か行きました。ホント、機会があれば歌が聞きたいと思っています。
アルバムをひっくり返してB面は、全曲太田裕美さんの作詞・作曲の作品が並びます。
目だつような曲とか、派手な曲は少なくて、夜に疲れたからだを休める時の
BGMとして聞くのには適している、癒し系の曲が多いと思う。
ボサノバっぽい「走馬燈」ゆったりとした感じで、聞いていて楽しくなります。
「Moon Night Selenade」この曲は可愛くて、歌声にそそられるものがあります。
ただ1曲「クロスワード・パズル」だけはPOPなナンバーで、ぐいぐい押してくる
この力強さは意外と似合っています。ラストの「あなたに……」はピアノの
弾き語りの1曲で静かにアルバムを締めてくれます。
初めて「背中あわせのランデブー」のアルバムを聞きましたが、良かったです。
お気に入りの一枚になりました。
A1.失恋魔術師
A2.花吹雪
A3.鍵
A4.朝、春になあれ
A5.ONE MORE CHANCE
B1.走馬燈
B2.Moon Night Selenade
B3.一人ぼっちの海
B4.白い朝
B5.クロスワード・パズル
B6.あなたに……