広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

仙台→福島→山形

2022-10-10 23:09:46 | 旅行記
久しぶりの新幹線旅行の続き。
今回は狙ったわけではないが、H5系を除く、東北新幹線を営業運行するすべての車両に乗ることができた(E5系は帰りに乗車)。
秋田から新幹線(盛岡・仙台)回りで山形まで行くのなら、仙台で仙山線に乗り換えたほうが早くて安い。しかし、今回の破格のポイントキャンペーンだと、時間はともかく消費ポイント数では、福島で「つばさ」に乗り換えたほうが少なく済む。【12日追記・今回は乗り換え時間を含めて4時間43分かかった。】
201~400キロの区間は3900ポイント。新幹線回りで秋田~福島は389.8キロだから、秋田~仙台と同ポイントで最大限乗車できる。※同じ方向なら、改札を出ずに列車を乗り継げ(ただし、えきねっとで乗り継ぎ候補として示された列車)ば、通し距離で計算される。
なお、つばさの福島~山形は1000ポイント、仙山線回り仙台~山形は1170円。

そんなわけで、「こまち」を仙台で降りて「やまびこ」に乗り換え。仙台始発で、福島でつばさを連結する列車。
E2系
E2系は1997年、長野新幹線(北陸新幹線)「あさま」用と、秋田新幹線こまちと連結する「やまびこ」の一部用(当初はE2’(ダッシュ)と呼ばれていた)として登場。
その後、追加製造されて八戸開業時(2002年)には「はやて」にも使われ、上越新幹線にも入り、200系に代わってJR東日本の新幹線の主力になったが、今は置き換えも始まっている。
上越新幹線からは今年度で引退するそうだが、東北新幹線はもう少し走りそうな感じ。でも仙台以北の運用はないから、今後乗る機会は少ないだろう。
1000番台・J63編成
八戸開業時に登場し、今は東北上越で運用されるのが1000番台J編成。搭載機器、帯色、座席などが北陸用N編成とは異なる。
J編成のロゴマーク

普通車車内(6号車)
後期製造のE2系の大きな特長が窓。2席分で1つの横長の窓。新幹線では珍しい。眺望性のためとされているようだが、コスト削減もあるのかも。
座席は座面がスライドするタイプ。そして、座席の生地の柄と色が独特。写真では紫ベースだが、同じ柄で色が違う緑みたいなオレンジみたいな車両もある。号車の偶数/奇数で違うらしい。落ち着いているような、ごちゃごちゃしているような、よく分からない色柄だと思う。
北陸用では、座席の形状が違い、1つの号車内で青系統の色違いの座席がランダムに並ぶものだが、柄は東北用とちょっと似ていて、同じような雰囲気。同時期製造のE3系とはまったく違うセンスの座席だが、2000年前後らしいデザインのような気もする。
上の写真の車内誌の位置で分かるように、今回乗った車両は、座席前の網が袋になっていない(底が固定されていない)。初期のE3系こまちではゴムバンドだったが、これらの使い勝手が悪く、後の新形式(もしかしたらE2系の末期製造分も?)では、網袋に戻った。

E6系から乗り換えた直後だから、違いがよく分かった。
当然、窓は大きい。ちょっと下寄りに感じたが。
座り心地は、以前から感じていた、背もたれの腰の辺りがきゅっとホールドされる感覚。きゅうくつに感じる人もいそうだけど、僕は好き。今回分かったのは、座面が、E6系と比べて、反発力があるというかふわっとした感触。

総合的にE2系は、シンプルでカジュアルな新幹線車両といったところだろうか。
あっという間に福島到着。
乗り換える山形行きは、同じホームだが、eチケットの都合上、いったん改札を出て入り直さないといけない。
その前に、乗ってきたやまびこと山形から来るつばさとの連結を見ようと待っていたが、5分以上遅れているとのことで、あきらめた。
ホームの発車標
すっかり当たり前の存在になった、フルカラーの発車標。

秋田近辺では、角ゴシック体で表示されるが、仙台や福島では明朝体で表示されていた。3色LEDの時代と同じ。発車標のメーカーや機種が違うのか、各支社・駅の判断でフォントを変えているのか。【14日補足・発車時刻の数字は、昔のワープロ、シャープ書院の低価格機種の印字文字でも使われていた、JIS規格24ドットの書体(写研の石井明朝体がベース?)ではないだろうか。新幹線車内の文字装置でも現役だが、フルカラー・高精細の表示装置なら、より視認性が高い、21世紀のフォントでも良さそうなのに。】

ホーム足元の乗車位置表示
左からE6系、こまち用E3系、つばさ用E3系。【19日補足・2015年に仙台駅にあったのと同じデザイン。】
E6系はやまびこ運用で停まる。こまち用E3系は、秋田新幹線からの撤退後、やまびこで使われていた車が2編成だけあったが、2020年10月で運用離脱(コロナによる利用減が名目らしい)し、2021年で廃車。ひっそりと消えた車両の乗車位置が、ひっそりと残る。

あっという間に福島発。
つばさを先頭にやまびこが続くかと思いきや、つばさだけ。今は、昼間を中心に、フル規格区間もつばさ単独で走る列車が増えていた。
つばさのE3系は、2000年前後に初代400系の増備として造られた1000番台が3本(うち2本は、元・こまち用からの改造。また、別に2本は廃車済み)と、2000年代後半に製造された400系置き換え用の2000番台が12本ある。両者で細かなデザインや座席が違う。
乗ったのは、2000番台のL68編成。

実はつばさに乗るのは今回で3度目のはず(うち1回は新庄→山形)。19年ぶりでE3系化後初。
そして、奥羽本線・福島~山形の板谷峠を越えるのも3度目のはず(うち1回は普通列車)。17年ぶり。さらに、以前2回は山形から福島の上り列車だったので、下りは初めて。
山形駅にて。2000番台はライトが横一直線でなく、ややツリ目なのも特徴
山形新幹線E3系といえば、個性的な塗装。
E3系登場当初は、400系から引き継いだ銀色緑帯だったが、2014年以降、山形県知事の意向だというこんな塗装になった。E6系も手がけた、山形出身奥山清行氏のデザインで、オシドリやベニバナをモチーフにしたというけれど、先頭部は紫のマスクを着けたみたいで、なんとも… 山形県知事はこの塗装を見て、満足されているのだろうか。

車内。
座席の色柄以外は、基本的にこまち用と同じ。奇抜なデザインではなく、こまちを知る者としては懐かしい。※こまち用E3系の車内(リンク先中ほど)。
壁や天井が白く、窓が大きい
細かく見ると、こまち用E3系の最終グループ、2002年以降製造のR18~R26編成を踏襲している。荷棚にアーチ状の柱がない、座席の形状、普通車にもフットレスト付きといった点。
こまち用になかった装備も追加されている。E6系で装備された、窓際壁面の充電用コンセント(1箇所につき1つ)、座席背面の小物掛けフック、座席網袋の傘固定用ゴムひも、通路ドア上のフルカラー文字表示装置があった。
ロールカーテンは分かりにくいがサクランボ柄
E6系にもない装備があった。上の写真で、荷棚に2つずつ並んでいる円形のもの。読書灯。
JR東日本の普通車で読書灯があるのは珍しい。E3系の車内に、暗い印象は特になかったけれど。

座席の布地は、ベニバナ、サクランボ、蔵王の紅葉にちなむという、赤の濃淡。薄い地に濃い■が規則的に並ぶというか、濃い地に薄い線の格子が入るというか、そういう柄。
E6系の黄色の色違いとも言える(格子の間隔は違うかもしれない【27日訂正・E6系のほうが、■がずっと小さかった。】)。そうそう、秋田市営バスの2人がけ席通路側席の模様にも似ているが、市営バスのほうが格子の間隔が広く【11日訂正・格子の線が細く、■が大きい】、色はエンジ色に近い(他のバス会社にも採用例あり)。
目に刺さるような赤ではなくて、暗すぎず、落ち着いた印象さえして、いい。
そして、E3系もまた、窓が大きい。1席に1窓だが、天地方向が広く感じる。
座り心地は、目立った特徴はないが、いちばんしっくり来るかも。E3系は完成度が高い車両だ。

そんなE3系も、先は長くない。山形新幹線には、2024年~2026年にかけて「E8系」が投入され、E3系を置き換えることになっている。E8系の最初の編成は、今年度中に落成するような情報もある。今後、E3系に乗る機会はあるだろうか。

福島発車直後
大きく左にカーブしながら、地平の奥羽本線へ下りていく「アプローチ線」。
現在の線形では、14番線のみにしか入れず、新幹線の本線を2度交差するためダイヤが乱れた時の影響が大きいので、2026年度末完成予定で新しいアプローチ線を建設中。

福島・山形県境。ビューポイントと呼べるものは少ないが、山深かった。田沢湖線の秋田・岩手県境(仙岩峠)よりも、開けている(山と山の間が広い)感じもした。線路と比べて建物が斜めに建っているようなのや、スイッチバック跡らしきものも見えた。
平地へ下りると、こまめに停車しながら農村地帯を進む。この列車では、米沢以外の途中駅では、降りる人も乗る人もほぼいなかったようで、皆さん山形まで乗車。

ところで、板谷峠に新しいトンネルを造る構想があるという。長さ21.9キロで、山形県のほうから言いだして、JR東日本もやぶさかではなさそう。
一方、秋田新幹線でも、仙岩峠に15キロの新トンネル構想がある。これはJR東日本のほうから出て、秋田県と「秋田新幹線新仙岩トンネル整備計画の推進に関する覚書」を結んでいる。
どちらも、具体性は低いが、まったくの夢物語ではなさそう。しかし、人口が減る地方、新型コロナで鉄道業界が変化を迫られる状況の中、実現するのだろうか。


帰りの仙台駅のホーム。
床面の「編成のご案内」
ここにも、やまびこ用として、元こまちE3系が残っていた。
上の全体画像とは左右が逆です


山形市はほぼ泊まっただけ。以前も泊まった蔵王温泉の宿に、県民割(ブロック割)で安く泊めさせてもらった。続きは山形の食べ物や帰路について。→山形駅弁とそれを売る仙台駅の駅弁屋について
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久々の新幹線

2022-10-05 17:39:06 | 旅行記
先週、久しぶりに新幹線で旅した。
2022年が、JR東日本の多くの新幹線の開業周年であることを記念して、「JRE POINT特典チケット 新幹線YEARスペシャル」が、期間を定めて設定された(10月7日で終了)。
Suica、ビューカード、駅ビル店舗などで貯まるJREポイント(1ポイント=1円相当)を使って、新幹線指定席に乗車できるJRE POINT特典チケットが常設されている。その特別版で、本来必要なポイント(=正規運賃+料金より少し安い)の半分以下で利用できてしまう。100キロ以内なら1000ポイント、秋田~東京など401キロ以上でも6000ポイントなど、普通乗車券相当額以下という破格の安さ。
マイナポイントをJREポイントでもらったこともあり、ありがたく利用させてもらった。
秋田→(仙台乗り換え)→福島、福島→山形、仙台→一ノ関、一ノ関→盛岡、田沢湖→秋田と乗車して、計7900ポイント使用。山形→仙台、盛岡→田沢湖は、普通乗車券で普通列車利用。
秋田駅12番線
そんなわけで、新幹線、特にフル規格の東北新幹線区間を久々に堪能した。
ここ数年は、「いなほ」「つがる」の在来線特急ばかり乗っていた。新幹線に最後に乗ったのは、3年前・2019年の上越新幹線だけど、「現美新幹線」という特殊な車両に短区間。2016年も上越新幹線2駅。2017年はミニ区間の盛岡→秋田。
盛岡以南に乗ったのは、2015年以来らしい。
7年ぶりの本格的な新幹線は、速かった!
そして、変化していた点もあった。

2020年頃かと思う。秋田駅の新幹線改札口内に、自動券売機っぽい機械が新設された。
中央改札口を入ってすぐの所にあるのだが、在来線側や改札外からは、機器の背面と側面しか見えないという絶妙な配置。やっと確かめられた。
中央改札を背後に。奥の改札は在来線乗り換え改札、左が在来線側
「きっぷ・チャージ」と表示がある通り、やはり近距離券売機。Suicaチャージも可能なのは、改札外の同種券売機と同じく、2021年からだろうか。
IC乗車や秋田までのきっぷしかない人のための、乗り換え先在来線乗車券購入用であるとともに、Suicaで新幹線に乗車して残高が足りなくて出場できない人のためのチャージ用だ。
※きっぷ購入はおそらくSuica残高使用可。チャージは現金のみ。モバイルSuica非対応。また、新幹線改札ではオートチャージはされない。
ちなみに、以前は次項の座席票発行機の位置に、無人駅にあったのと同じ食券券売機風の近距離券売機があったそうだ。


券売機の奥(券売機と乗り換え自動改札の間)には、少し小さい黒と緑の端末もあった。「新幹線eチケット座席票発行機」。
新幹線eチケットとは、座席を予約して、紙のきっぷを発券するのではなく、予約をSuicaなどICカードやスマホに紐づけて、そのSuicaを改札機にタッチして乗降するもの。Suicaの残高は差し引かれない(ただし、初乗り運賃分の残高がないと、自動改札を通過できないそうで、そのためにも上記券売機があるのだろう)。
列車名や座席番号はカードでは分からない(予約サイトや自動送信メールでは、当然分かる)から、知りたい時はこれにタッチすれば、レシート状の紙に予約内容が印字されて出てくるらしい。

今回のJRE POINT特典チケットも、eチケット限定。
きっぷなし&Suicaで新幹線や座席指定車に乗るのは初めて。在来線でのSuica乗車を思えば、改札通過には違和感はない。でも、その後、席に着く時、座席指定を証明する実体としてのきっぷがない状態なのは、なんだか不安。席を間違えるおそれと、うっかりしていると、発車/到着時刻を勘違いして、乗り遅れ/乗り過ごす可能性もありそうで、ちょっと緊張。
そんな場合に備えて座席票があるのだが、いちいち印字するのもスマートじゃない。そこで、あらかじめスマホにメモするとともに、紙の手書きメモも財布に入れて旅行した。手書きメモがいちばん便利だったのは、なんだかアナログ。※改札通過時に、座席番号などがメール送信されるサービスもある。
Suica1枚で、旅行の全行程を済ませることも可能だから便利ではある。これからは主流になっていくのかしら。

それにしても、秋田駅の座席票発行機は、置く位置が悪い。
改札を「入って」、これからホームへ「下りる」人が使うのに、この位置では側面(在来線から乗り換えた人は背面)しか見えないし、そもそも奥すぎて視線が向かないかもしれない。もっと右側の階段寄りの位置に、改札口向きに置くか、せめて近距離券売機と場所を入れ替えたほうがいいのでは。


冒頭の、秋田駅12番線で発車を待つ、E6系こまち。この写真も、以前と変わった。
(再掲)2013年の同じ位置
ホームと反対(東側)の線路の外は、草も茂る空き地。その向こうに、東口の駐輪場(秋田駅東自転車等駐車場)が見えていた。
今は、薄っぺらで高いビルが建ち、見た目としては少し都会的になった?

2020年にできた、10階建ての「ディークレスト秋田駅前」。食事付きの学生用マンション80室と合宿所からなり、JR東日本が建てた(運営は別会社らしい)。
ホームから見える側が居室のようで、ベランダもある。しかし、ベランダに洗濯物を干すことは禁止されているらしく、カーテンは備え付けの同じもののようで、生活感がなく、知らない人は何のビルか分からないだろう。
ただ、正体を知っている者としては、それを背景に写真を撮ったり、発車待ちの間に車窓から見るのは、なんだか気が引ける(と言いつつ撮ってますが)。
16・17号車の車窓。外側の線路は木製枕木の狭軌
今さらだけど、もっと南など、ホームにかからない位置に建設することはできなかったのでしょうか…

マンションはグレー系の外壁だが、部分的に赤い棒状のものが付いている。
E6系を意識したカラーリング?

マンションの北側に目をやると、大部分が隠れてしまった駐輪場の一部と、秋田駅東西自由通路ぽぽろーどが見える。

そのぽぽろーどの窓に、
竿燈が上がっている?!
窓枠というか窓の間の柱に貼られた写真だ。こういうふうに見えることも狙ってデザインされているのか、たまたまなのか。
(再掲)2014年撮影。ホームからはこの反対方向が見える


ここは変わらぬ風景かつベストシーズン。発車して40分強、大曲から田沢湖線に入ってまもなく。
田沢湖線・羽後四ツ屋駅(大仙市)で反対列車と行き違い
駅の東側に広がる水田は、一部は稲刈り済み、残りは黄金色。その中に建つ、米の集荷施設「JAおばこライスターミナル」。「大自然の美味しさ 秋田おばこ米」の文字とともに、壁に大きくキャラクターが描かれる。

秋田おばこ農業協同組合(JA秋田おばこ)のイメージキャラクター「おばこ娘」。だいぶ以前(ライスターミナルは2004年頃竣工)に同組合の職員が考案して描いたそうで、ここのJAは不祥事と経営難もあったが、車窓風景としてはすっかりおなじみ。

それにしても、乗車した秋田11時07分発「こまち22号」は、行き違いの運転停車が多い。和田、羽後四ツ屋、刺巻、大釜と4駅。雫石駅通過で秋田→盛岡は、速い列車だと1時間34分ほどのところ、1時間42分かかった。


車内もいくつか変わっていた。
車内の通路ドアの上に表示されていた「文字ニュース」は、2021年春で終了。目に入るとついつい見入ってしまうが、なくてもいい。

車内の自動放送は、日英とも、不審物対応やSOSボタンの文言が加わっていた。
さらに、英語の自動放送が、いきなり「Wellcome on board the ○○ Shinkansen」や「We will soon make a brief stop at ○○」から始まるようになっていた。冒頭「Ladies and Gentlemen」がなくなった。
ジェンダーとか多様性の観点から、航空業界で言わなくなったそうだから、同じ趣旨だろう。
日本航空が2020年10月、東海道新幹線でも2021年3月から使わなくなったそうだ。全日空やJR東日本については分からなかったが、JR東日本は今年春辺りからかもしれない。その頃のツイッターで、東北新幹線区間では言わないが、山形新幹線区間では引き続き言っているという投稿があった。今回は、東北、山形、秋田の各新幹線とも、1度も言わなかったと思う。
この翌11月に乗った「あずさ」では、「Ladies and Gentlemen」も、最後の「Thank you」もまだ言っていた。一斉に変えたわけではない。

恒例の放送に続いて、車内換気の説明や、車内での過ごしかた(会話は控えめに、座席回転するな)を説明する、日英の自動音声が流れた列車もあった。従来の自動放送とは違う声で、おそらく車掌用タブレット端末から出る音声を、車掌用マイクで拾っていそう。


始発駅発車直後や終点到着前の、肉声放送で、ちょっとだけ英語をしゃべる車掌に遭遇。奥羽本線の在来線でもいるし、新幹線でも言わない人もいたから、所属や各自の判断か。
「ウエルカム~」とか「サンキュー フォー トラベリング ウィズ アス」程度。

行きの秋田発では、車掌だけでなく運転士の所属(秋田運輸区)と姓も紹介された。
JR西日本では、運転士の紹介がわりとあったかと思うが、JR東日本ではとても珍しい。国鉄末期だったかJR東日本になった直後には、されていたかもしれない。
次の大曲駅で運転士が交代する(スイッチバックの時間短縮のため)が、その紹介はなかった。


座席の網袋に入っている車内誌「トランヴェール」。
前より薄くなっていた。28ページ。巻末の路線図もなくなった。


それでも、新幹線の速さと快適さは変わらず。続く。
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つばさ・こまち料金改定

2021-11-18 23:03:40 | 旅行記
2021年11月16日、JR東日本から「山形新幹線の全車指定席化と山形・秋田新幹線の特急料金の改定について」が発表された。2022年春から適用。
※以下、秋田新幹線沿線住民の視点での中身です。山形新幹線側では受け取りかたが違う点もあるかと思います。利用の際は公式な情報を確認願います。

内容は大きく2点。
まずは、自由席もあった山形新幹線「つばさ」が、全車指定席になる。福島~山形~新庄のミニ新幹線区間では、空席に自由席料金相当で乗車できる「特定特急券」制度を導入。
2002年の秋田新幹線「こまち」と同じ動きであり、秋田ではすでに行われていることなので、この件は関係なし(横手・湯沢などから新庄で乗り継ぐ場合は関係しますが)。


もう1点が、分かりにくいけれど、秋田新幹線にも関わる。
ミニ新幹線区間における特急料金が、全面的に変更される。 といっても、購入方法は変わらず、金額も激変ではないので、以下、読み飛ばしてください。
「従来よりもわかりやすく、ご利用しやすい特急料金体系に見直します。」として、「新幹線と在来線の区間をまたがってご利用の場合または在来線区間のみをご利用の場合」「指定席特急料金の価格見直しにより、わかりやすくお求めやすい料金体系とします。」。
※ここでの「新幹線」とはフル規格である東京~福島/盛岡、「在来線」とはミニ新幹線規格の福島~山形~新庄、盛岡~秋田のこと。以下、フル、ミニと表記します。

こういう場合、料金改定を口実に、実質値上げしてしまうことがあるが、本件はそうでもないと思う。ただ、つばさで現行の自由席と比べれば、当然値上げにはなる。また、こまちも含めてグリーン車を使う場合は230~280円値上がりするらしい。さらに末尾の通り、つばさ/こまちの進行方向と逆方向へ乗り継ぐ(V字)場合も値上がり。
少なくとも「わかりやすく」なるのは事実だと思う、のだけど説明が難しい。

NHK秋田放送局のローカルニュースでは、18日に「来年春 秋田新幹線の特急料金見直し 最大280円値下げへ」として報道。プレスリリースを元にそつなくまとめている。いい意味でさすがNHK。
NHK NEWS WEB より
ところで、NHKの報道の背景に映った資料映像。ミニ区間複数箇所で撮影したこまちの走行シーンなのだが、最後の↑シーン。秋田駅からいちばん近い「館の越踏切」付近だ。画面奥が秋田駅で、右フレーム外が踏切。速度が遅いことから、車両基地へ引き上げる回送列車だと思われる。
また、画面のすぐ奥で、左方向に線路が分岐していて、それが羽越本線。1961年の運行開始当初の特急「白鳥」と「つばさ」は、秋田駅を同時刻発車だったそうで、この場所(もっと奥の分岐点ギリギリ)で撮影された、左右に分かれていく両列車の写真をネットなどで見ることができる。しかし、現在、分岐点内側はJR東日本の保線関係の倉庫みたいのや民家などがあって、立ち入って撮影などできなくなっている。館の越踏切に続く道路が、いちばん分岐点に近いが、分岐点は見通せない。でもNHKは、その道路より分岐点寄りで、しかも高い位置から撮影している。民家の2階に上がりこませてもらうか、倉庫か何かの駐車スペースに高所作業車でも入れさせてもらって撮らないと、↑このアングルにはならないはず。

一方、17日付 秋田魁新報。第3社会面で小さな配信記事「秋田新幹線 来春、料金見直し/山形新幹線、自由席廃止へ」を載せ、こまちに関しては具体的な金額すら挙げていない。仙台支社のコメントとして増収を狙った改定ではないことには触れている。魁の記者たちは本件を理解できていないのかもしれない。
実際、乗車するにしても、今はえきねっとなど大幅な割引や、宿泊込みのパックを使う人が多いだろうから、今回の改定での影響は軽微になるだろう。秋田新幹線「こまち」の場合は、さほど気にすることでない(ととらえる人が多い)だろう。


以下、細かい話で、具体例。間違っているかもしれません。
現在、通常期の正規料金で、秋田~東京間でこまちの普通車指定席を利用すると、乗車券10010円+指定席特急券8110円=計18120円。乗車券は今回関係ないので、特急券8110円のほう。

JRの新幹線・特急列車に乗り慣れている人ならば、「自由席料金は、通常期の指定席特急料金の530円引き」は半ば常識。グリーン車などの料金も、自由席と同額をベースに加算される。
裏を返せば、「座席指定料金は1列車につき530円」と取れる。

では、全席指定なのであり得ないが、仮にこまちに自由席が存在した場合、秋田~東京の料金は8110円-530円=7580円となるかと思いきや、そうならない。
7200円。つまり座席指定料金として910円も取られている。
910円に内訳があり、フル規格区間で530円+ミニ区間で380円。すなわち込みだとフル6430円+ミニ1680円=8110円。
つまり、フル・ミニそれぞれで指定料金を取られ、ミニ区間のほうは530円の約3割引という感じ。

そんな内訳を知ってしまうと、同じ席に座り続けるのに、他列車の1.7倍も取られるのは、不公平じゃないでしょうか。
「いなほ」や昔の「たざわ」など在来線特急との乗り継ぎでは、実際に2つの席を使うことになるし、基本的に乗継割引制度があったから在来線側は半額になっていたのだから、ミニ新幹線化による値上げの一因だった。

また、指定相当額に限らず特急料金全体で見ても、同じことだった。
在来線の特急料金は、50キロ刻みで決まっていて、在来線特急時代の「たざわ」や「つばさ」は、安い「B特急料金」が適用された。速度や設備で劣るからだと思う。ミニ新幹線化で、「A特急料金」に変わって、ここでも値上げとなった。

ミニ区間のみを利用する時は、A特急料金そのまま。秋田~盛岡だと、指定席2390円、特定特急券1860円。
フル区間へまたがって利用する時は、専用の別の料金体系が存在し、それはA特急料金の約3割引の値段。今回のリリースでは「幹在特」と表記してある。たしかに券面にもそう表示される。秋田~盛岡(指定席)だと1680円。

安い高い、不公平感は別としても、この“二重の料金体系”がとても分かりづらかった。
料金案内サイトでも明確には出てこないし、旅行業務取扱管理者とかの資格試験でも難問とされるらしい。
趣味で旅行計画するにしても、閑散期・繁忙期、特定特急券、さらにグリーン車やえきねっと割引(旧)も絡んでくると、何がなんだか…
たしか、繁忙期にフル区間に少しだけまたがってグリーン車に利用(秋田~新花巻【19日訂正】雫石~新花巻とか?)すると、同区間の普通車指定席より安い料金になってしまうような、おかしなこともあったはず。


2022年春からは、ミニ区間の二重体系を一本化。A特急料金とも幹在特とも異なる「新特急料金(正式な呼称かは不明)」が設定される。そして、フル区間へ乗り通す場合は、指定席料金相当額が含まれない(重複徴収されない)額になる。50キロ刻み。
秋田~盛岡など100~150キロ区間の場合。
 現行 A指定席2390円、A特定1860円、幹在特指定1680円
  新 ミニ区間のみ指定2110円(-280円)、ミニ区間のみ特定1580円(-280円)、フル区間へ乗り通し1580円(-100円)
フル区間に行くかに関わらず、指定席を取るか/取らない(特定特急券)かどうかで530円違うという、他の特急料金と同じ感覚の体系。
秋田~東京ではミニ1580円+フル6430円=8010円(-100円)。絶妙な価格設定といったところか。大差ないけれど、適正な料金体系になったととらえて、歓迎するべきだと思う。



今回のリリースでは、あまり分からないこと2点。
1.閑散期・繁忙期の増減額
カレンダーで定められた時期は、指定席特急料金が増減する。普通は繁忙期+200円、閑散期-200円。
ところが、これでもミニ新幹線直通では重複適用されている。ミニ区間分の200円は3割引(140円)で加減され、繁忙期+340円、閑散期-340円【19日補足・上記繁忙期グリーン車での、普通車との料金逆転現象の一因がこれ】。来春からは明示されていない。

2022年4月には、JRグループ全体でこの制度が変更される。
新型コロナウイルス対策として利用を平均化すべく、再繁忙期・繁忙期・通常期・閑散期の4区分になり、期間も現行と変わる。当然、重複適用はなくなって、他列車と同額になるはず。


2.直通運転でない方向への乗り継ぎ(V字乗り継ぎ)
ここまでは、つばさやこまちが走るルート(方向)での、ミニ~フルのまたがり。
では、つばさ・こまちと反対方向のフル区間へまたぐ場合。つまり、福島で白石蔵王・仙台方向、盛岡でいわて沼宮内・新青森方向と、つばさ・こまちとの乗り継ぐ場合。

現行でも、JR東日本公式サイトではこの点があいまいで、運賃検索サイトでは通しでない別々の料金で計算されてしまうのだが、実際には幹在特が適用される。遠方の駅窓口では発券に手間取ることもあるらしいが、秋田新幹線沿線では指定席券売機でも購入できる。

今回のリリースに、「今後は直通方向のご利用に限り、新幹線区間のみの料金(通常期の場合530 円)とします。」とあるし、そもそも幹在特が廃止されるので、今後は別々の料金になり、ここは値上げになる。

秋田~盛岡~八戸の場合。指定席どうしの場合と、特定特急券どうしで比較。
・現行 指定席 ミニ(幹在特)1680+フル2400=4080円
・現行 特定特急券 ミニ(幹在特)1300+フル1870=3170円

・新 指定席 ミニ2110(新料金)+フル2400=4510円(+430円)
・新 特定特急券 ミニ1580(新料金)+フル1870=3450円(+280円)

なお、V字でなく秋田から盛岡や仙台で乗り換えて福島や郡山に行く時のような、フル区間各駅で、こまち/つばさと他の新幹線(はやぶさ、やまびこ等)を乗り継ぐ場合でも幹在特は適用されるが、その場合は改正後も新料金が適用されるのだろう。「直通『方向』のご利用」だから。
このケースの現行では、ミニ区間は特定特急券にしておけばその分380円安くなる。改定後は、フル区間が自由席であっても、ミニ区間の料金は固定になるようなので、指定を取らなきゃ損ということになるのか。


2016年に、秋田駅の指定席券売機で、八戸→盛岡→秋田の特定特急券を買っていた。
きっぷは3枚出てくる。発券番号順に
新幹線特定特急特急券(立席)八戸→盛岡 当時の特定特急券料金1840円

特定特急券(立席)盛岡→秋田「幹在特」表示あり 当時の幹在特料金1280円

指定券(立席)盛岡→秋田 値段なし
盛岡を境にはっきりと分かれていて、盛岡駅で改札の外へ出ることも可能だった。
3枚目が、指定券なのに指定されていない無意味な券片だけど、2枚目と同時使用の必要あり。例外的な料金体系の、さらに例外的な利用ならではの変わったきっぷなのだろう。
来春以降は、盛岡を境にした普通の2枚の特定特急券(当然盛岡で下車可能)になるはず。


山形、秋田に続くミニ新幹線は、全国各地に構想はあるようだが実現はしていないものの、両新幹線はすっかり定着している。整備新幹線構想もなかなか進まないし。
JR東日本では、山形新幹線への新車両E8系電車導入、福島駅でのアプローチ線の改良(大がかりになりそう)を行うことになっている。秋田新幹線でも、岩手秋田県境・仙岩峠に新たなトンネルを掘って、安定運行と時間短縮する計画が出ている(発案はJR東日本側。費用負担は両県もすることになりそうだけど)。そんなわけだから、2つのミニ新幹線は、この先も当分走り続けるだろう。
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五能線GV-E400系

2021-09-27 23:37:18 | 旅行記
リゾートしらかみで東能代へ着いて、五能線にちょっとだけ乗車。岩館で折り返す列車に往復とも乗る行程。
五能線の普通列車は、今春、キハ40系(厳密にはキハ40形とキハ48形)気動車からGV-E400系電気式気動車(※ハイブリッドや蓄電池電車ではありません)に置き換わった。※昨年の試運転風景
GV-E400系は先に投入されている新潟で乗車したし、1日2往復ある東能代~秋田間の奥羽本線での営業運行にも実は何度か乗っている。
東能代3番線。留置されたキハ40系は青が五能線用、緑が男鹿線用
岩館行きは1両(単行)のワンマン運転。GV-E400系では、1両単位で運用する両運転台のGV-E400形にも編成番号を付与しており、この「GV-E400-11」は「T111」編成だった。
行きは13時で、2時間ぶりの列車。東能代と次の市街地の能代から、計10人弱くらいの乗車。以降の各駅でぽつぽつ降りていく感じ。
帰りは(リゾしらを除いて)4時間ぶりの上り列車。能代以前はわずかで、能代からたくさん乗ってきた。
青森県内には行かないし乗り継げないため、旅行客よりも地元の人中心で、子どもから高齢者まで幅広い客層。

五能線でGV-E400系に乗った感想は、性能を発揮できているのだろう「五能線にしては速い」。エンジン音はわりとするので、知らない人は新しいだけの普通のディーゼルカーだと思ってしまいそう。
奥羽本線で乗ると、電車と比べると加速は劣る。上りでは、土崎駅を出て草生津川手前付近で95km/h、泉外旭川駅を出て泉踏切付近で70km/hに達する程度。

のんびりした車内で、今までチャンスがなかった、ボックス席に座ることができた。
4人掛けボックスシート
基本的には、最近のJR東日本の普通列車の標準かな。窓際の小さなテーブルはなし。
長らくキハ40系に乗せられた者としては、間隔がだいぶ広く感じる。壁際の暖房の出っ張りも、脚もないので、足元も広々。

座り心地に関しては、感想は分かれそうだけど、悪くはないと思う。キハ40系よりは柔らかいが、若干スカスカする(この点はロングシートも同)。
気になったのが、窓際では、窓枠の下辺(窓かまち)が485系電車のように飛び出して迫っていて腕や肩に触れてしまって、少々きゅうくつ。

窓は少し小さい印象もあるが、景色が見づらいとか車内が暗いとかは感じず。
窓は上下で分割されていて、上だけが車内側に倒れて開くという、鉄道車両にしては珍しいタイプ。棒状のものを90度回転させるストッパーが2つ付いている。
導入直後、秋田駅にて
↑導入直後には、秋田の車内整備の人たちが、やけに苦労して窓を開けていた。

天井と2人掛けボックス
4人掛けの反対側は2人掛け。キハ110系でおなじみの配置だが、上記の通り、体格によっては狭く感じそう。
天井中央部、防犯カメラやスピーカーがある部分には、一直線に色が塗られている。新潟では朱鷺色と思われるピンク色。五能線もピンクに見えるが、いわゆる肌色で細かい木目模様が入っていて、秋田杉がモチーフか。
2両1組の編成では分からないが、この編成では海側が2人掛け。

窓は着色されていて、機種にもよるがスマホのカメラでは、
青黒く写ってしまった
リゾートしらかみも色ガラスだけど、色合いは違うようだ。気安く窓を開けられ、閉めていてもそのまんまの色で景色を楽しめたのは、キハ40系で終わってしまった。

運転席周り。
後部側
キハ110系、701系など以前のJR東日本の車両では、運賃箱を仕切りに兼用し、壁がなくアクリル板があるような、簡素な構造だった。
E721系など最近の車両では、壁とドアで客席としっかり区切られるようになっていたが、GV-E400系もその流れ。
ワンマン運転時の後部でも、扉が閉められて写真右の助士側にも立ち入れないし、運賃箱は左の運転士側背後に格納されている。

従来は消灯していた、後部の運賃表示機は、駅名案内として機能するようになった(前側は運賃も表示)。他形式やバスで採用されているレシップ製だと思われるが、一般的な角ゴシック体ではないフォントに変わった。上の写真ではユニバーサルデザインっぽい角ゴシック体、運賃表示画面では丸ゴシック体?【10月23日訂正・運賃表示も同じUDっぽいフォント。ダイナフォント製か?】

写り込みがありますが運転席
ちなみに、
男鹿線用だったキハ40 575。ワンマン機器が後付けされたこともありゴチャゴチャ
キハ40系とは隔世の感だが、今の車両としてはごく普通の機器か。
GV-E400系拡大
加減速とも左手のレバーで行うワンハンドル。
右手側には、従来タイプのブレーキレバーかと見まがう、棒状のもの。これ自体は、ただの握り棒のようだ。右手が手持ち無沙汰というか収まりが悪いから?
そのバーの左面に、緑色のボタンが付いている。順手で握った時に親指で右側へ押す形。
これは「勾配起動ボタン」だそう。加減速レバーが一体化したので、いわゆる坂道発進ができなくなったための坂道発進補助装置。押すことでブレーキが保持され、その間に左手で加速する。

握り棒の右には、緑色の小さな四角い押しボタンに「EB」と書いてある(その前方のパネルにも緑のEBランプがあるが、押せるかは不明)。
「EB(Emergency Brake)装置」=緊急列車停止装置のリセットボタン。
運転士の体調変化等で運転できなくなった時に、自動で列車を止める装置。加減速や警笛が1分間操作されないと「プー(ペー?)」とブザーが鳴る。リセットボタンを押せば解除され、押されないと非常ブレーキがかかる。※ブザーが鳴ること自体は異常ではなく、平坦な線路を安定走行している時など耳にできる。
キハ40系(ワンマン改造時の後付け?)や701系など、JRの多くの車両では、胸~おへその位置に「タオル掛け」のような細い棒があって、それを押しこんでリセットしていた。
GV-E400系では、普通のボタンに変わっていたのが意外だった。と思ったら、E721系やリゾしらのHB-E300系でも、すでに同じようなボタンになっていた。タオル掛けだと、体が倒れただけで反応してしまいそうだから、より確実に確認するためか?

おへその位置にある赤い丸いボタンは「停止」。上に「システム停止」と表示がある。
キハ110系のような従来型の気動車にはないボタンで、電車では同じ位置に「下」と書かれた、パンタグラフを降ろすボタンがあったはず。
パンタ下げボタンがこの位置にあるのは、事故などでどうしようもなくなった時に直ちに押して、パンタグラフを下げて通電を止めて、被害を避ける(軽減する)ためのものだと思う。電化製品がおかしくなってコンセントを引っこ抜くような。
GV-E400系も、“電気式”気動車であるだけに、同じ趣旨の緊急ボタンがあるか。

世代交代
地域の足として、多くはないが着実に利用されている五能線も、やっと現代的な車両になったと感じることができた。
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リゾしら くまげら編成

2021-09-25 20:37:13 | 旅行記
秋田駅から奥羽本線~五能線で八峰町方面へ行った道中の話。
行きの奥羽本線は快速「リゾートしらかみ3号」と普通列車がある時間。指定席券は閑散期で200円引きの320円だし、普通列車より空いているだろうと、東能代までリゾしらを利用。
予想通り【26日補足・というか予約時のえきねっとの画面で分かっていたのですが】両手で数えられる程度の乗客、だったのは1~3号車。先頭の4号車は、小学生の団体で満席だった。小規模校の修学旅行?
秋田駅ホームには駅弁の立ち売りもなく(車内販売もなし)、駅員2名が見送ってくれただけ。

今回は「くまげら」編成。ハイブリッド車HB-E300系気動車ではなく、キハ40系気動車(形式は4両ともキハ48形)。
JR東日本では、男鹿線・五能線はじめキハ40系のほとんどが廃車されたので、最後の最後の残党。僕はキハ40系は嫌いなので、今回、好んで選んで乗ったのではありません。たまたま。と言いつつ、名残惜しい気持ちもなくもなく…

くまげら編成は、リゾートしらかみ3編成(他は青池、ブナ)のいちばん最後、2006年登場。※ただしボックス席2号車は1997年改造の初代青池編成からの転用、3号車は2011年の追加改造。
2010年に東能代→秋田で乗って以来、まだ2度目か。

前から思っていたが、エンジンなどは男鹿線用と変わっていないのに、乗り心地は良くなっている。原型と内装が大幅に変わっていて、窓が固定されていることもあるだろうけれど。
加速もいくらか良いような気もするし、減速~停車時に床下からゴリゴリゴリギギギーと振動や音がすることもない。ある程度速度が上がると、左右に小さくゆらゆら揺れる(701系のふわふわとは違う)のも、普通列車では経験したことがないような。

車内。ハイブリッド2編成よりも、このくまげら編成のほうが優れていると思うのが、客席の窓。
窓の外の水田は稲刈り終了
窓が縦方向に広い。ハイブリッド編成も決して小さい窓ではないが、ここまでではない。
(再掲)ハイブリッド青池編成。座席の間隔は同じ
頑丈なキハ40系だからこそ、ここまで大きくできたのか。現場や設計陣の熱意の現れだったのか。
向こうはE751系 特急「つがる」

ネットでいろいろ見て気がついたが、2人掛けシートの1、3、4号車の内装は同一ではなく、床や天井の構造やデザインは微妙に異なるのだった。3号車は改造時期が5年違うから当然として、1号車が車椅子対応ということもありそう(1号車は通路と座席に段差があり、他は客席全体がかさ上げされているようだ)。
3号車にはなく、1・4号車の天井にあるもの。
1号車
初代ブナ編成には、通路部分の照明カバーの中にブラックライトも入っていて、(蛍光灯を消灯し、ブラックライトを)点灯させると星空が浮かび上がる「ファンタジーライト(参考記事)」なる装備があった。作動中の補助光として、座席上の天井に丸いスポットライトのような証明が埋まっていた。
くまげら編成にファンタジーライトはないが、丸いライトはある。
こういうの
凹凸の模様が付いたガラスの中に、小さな球形のオレンジ色の発行体が入っているようだ。イクラを連想してしまったけれど、形・土地からすれば、ハタハタの卵塊「ブリコ」?

3号車と2号車の連結部
キハ40系には「運転席がない車両」は存在せず、リゾートしらかみ改造で中間にされた車にも、運転席が残っている。塗装以外は変更されず、普通列車時代の形そのままで。初期の青池編成では、検査時や閑散期に2両編成に短縮して、その運転席を先頭に営業運転したこともあった。

乗務員用ドア付近のラインの上に記された四角。
搭載された自動列車停止装置(ATS)の種類を示すもので、3号車は「PS」、2号車は「SN」。
今は秋田でもATS-PSが使われていて(いずれATS-Pへ移行予定)、ATS-SNは過去のもの。だから、おそらく2号車が先頭での本線走行はできない。2号車先頭で走る機会は長いことなく、改造不要とされていたのか。

東能代駅3番線
東能代駅構内には、今春、男鹿線・五能線から引退したキハ40系が10両前後だろうか、留置されている。
ほかに土崎の秋田総合車両センターにも留置されている。それらの中から千葉県の小湊鐵道や兵庫県の北条鉄道へ譲渡された車も。
五能線色キハ40 521には「ありがとう」マーク貼付、タラコ色はキハ48 544
くまげら編成自身も同型であり、引退・留置された車と車齢は変わらない。
JR東日本では、リゾート列車に改造されたキハ40系でも廃車が進んでいる。
初代ブナ編成は、2018年に塗装を変更し、秋田港のクルーズ船寄港客輸送用「あきたクルーズ号」となったが、新型コロナウイルスの影響もあるのか、2020年9月付であっけなく廃車(土崎に留置中)。
残るは初代青池だった「クルージングトレイン」、仙台の「びゅうコースター風っこ」、新潟の「越乃Shu*Kura」、そしてくまげら。

JR東日本ホームページでは、2022年3月までのリゾートしらかみの「運行カレンダー」、何号にどの編成が入るかの予定が公表されている。例年、冬場は弘前止まり1往復減の2往復で、週末を中心の運行に縮小されるので、2編成で回せる。
この冬は、2021年12月7日を最後に、くまげら編成が走らないことになっている。
ネットでは「くまげら編成が引退か?」という投稿も見られるが…
※「『来年度の』運転計画に、くまげら編成が入っていない」というのは間違い。来年度の計画自体が未発表。現時点では確実なのは、2021年末から2022年3月までの間でリゾートしらかみとしては走らないということ。

他路線での臨時列車等に充当される可能性もあるので、少なくとも冬の臨時列車発表までは判断できないだろう。【10月15日追記】冬の臨時列車が発表。くまげら編成は2022年2月の冬まつり用として、秋田~大館で運行される。少なくとも2021年12月がラストランではないのが確実に。【2022年1月21日追記】2022年度のリゾートしらかみ運転計画が発表され、これまでと変わらず3編成体制が続くことになった。
また、くまげら編成は、2021年2月に定期検査である全般検査を通っており、大至急廃車の必要もないだろう。一方、今春引退した普通列車用では2020年中に全検を受けた車もあった(それが3セクへ譲渡されたのだろう)ので、廃車は当分ないとも言い切れない。
仮に引退となれば、2編成同様、ハイブリッド化されるものだと思っていた。2016年7月に新しくなったブナ編成では、2015年5月にその旨の発表があった。だから、発表がない現時点では、くまげら編成ハイブリッド化されるのは、すぐではないことになろう。

でも、新型コロナウイルス流行や(コロナ以前から)必ずしもいつも満席ではない利用実態を考えると、くまげら編成を廃止・1往復減らして、2編成・2往復体制にする可能性もなくはないかも。
あるいはJR東日本のことだから、ポストコロナ・ウィズコロナを踏まえた、次世代リゾート列車としての新・くまげら編成を構想中なんてこともあるかも。
現・くまげら編成の先が長くはないのは間違いないはずだが、それがいつで、その後どうなるかはまだ分からない。

東能代からは五能線に乗り継いだ。続く
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東北DCのMaaS

2021-04-03 18:08:31 | 旅行記
2021年4月から9月いっぱいまで「東北デスティネーションキャンペーン(DC)」が開催中。東北6県一括で対象になるのは、1985年以来2度目らしい。
新型コロナウイルス感染症が、東北地方の一部でも拡大し、変異株が現れ、一般向けワクチン接種もまだという現状。コロナを理由として、DC関連のイベントや臨時列車の中には中止されたものもある。
感染が少ない地域内で、注意して旅行する分には問題ないと考えるが、広域なキャンペーンはそれと相反するのでは。今、実施して意味や効果がどれほどあるのかと思わずにはいられない。

さて、本DCで行われる、事業の1つに「TOHOKU MaaS」がある。それが今回の本題。
「MaaS(マース)」とは「Mobility-as-a-Service」で、さまざまな交通手段の検索、予約、決済までを、スマートフォン1つで一括して行える仕組み、みたいなものらしい。
今回は、公共交通機関のフリー乗車券、空港リムジンバス乗車券、観光施設の入場券、観光地を中心としたオンデマンドタクシー利用などができる。実施されるのは全域ではなくエリアが決まっていて、内容もエリアごとに違うので、使う前に調べたほうが無難。
でも、TOHOKU MaaS公式サイトは、パソコンからでは詳細ページ(値段など)にアクセスできず、JR東日本公式サイトには断片的な情報しかない。マスコミも報道しない。非常に分かりづらく、使ってもらいたくないのではないかと思える状態。
場合によっては、旅行客でない地元在住者でも、便利に安く使えるものもあり、もっと宣伝すればいいのに。
※JR東日本の3月16日付プレスリリース「「東北デスティネーションキャンペーン」にあわせて観光型MaaS「TOHOKU MaaS」がスタートします!(https://www.jreast.co.jp/press/2020/20210316_ho02.pdf)」に、全体像は掲載されています。
【4日補足】秋田魁新報には、50日だったか99日前? から、小さい枠ながら1面にDC開始をカウントダウンするJR東日本の広告が毎日掲載されていた。しかし、その内容の周知は少ないと感じた。

使い方等。
専用アプリは不要、会員登録必要、決済はクレジットカードまたはモバイルSuica=要電話手続き、使用時は画面を提示=自動改札不可、5名分まで購入可=同一行動しないといけない、という感じ。
利用日を指定せず購入手続きだけ事前にできる。

過去のDCでは、JR東日本秋田支社管内でもJRや3セク鉄道のフリーきっぷが出ていたものだが、今回は他支社も含めて発売されない。MaaSのフリーきっぷが代わりなのだろうが、ラインナップは寂しい。
今回のMaaSのうち、JRを利用できるフリーきっぷに限れば、JR東日本のおトクなきっぷのフリーワードに「デジタルフリーパス」で検索すると、7つ表示される。


ここでは、秋田市と青森県津軽地方・弘前市のものを見てみる。※利用の際は各自、公式情報を確認願います。
秋田駅自由通路の変な位置(交番の上付近)に立看板は設置された。「専用冊子」もあるらしい
【5日追記・秋田駅にはTOHOKU MaaS全体の、ホームページとおおむね同じ内容の冊子と、「はじめてMaas」という観光先の説明もある青森・弘前、秋田・男鹿、角館の3地域別の冊子があった。】
立看板には出ていないが、秋田市内~秋田空港の秋田中央交通のリムジンバス乗車券も対応。市中心部まで片道950円で、割引はなし(市南部の安い運賃区間は設定なし)。来春になれば交通系ICカードが使えるが、現状ではこれにより多少便利になるか。

立看板3項目の真ん中は、秋田市内の文化施設共通観覧券「みるかネットくるりん周遊パス」。たまに循環バス「ぐるる」と混同する人がいる(ぐるる車内に告知が貼ってあるので)ようだが、乗り物券ではない。
既存の紙の券のMaaS化のようだ。紙の券は、500円で有効期限1年間で、9施設を1回ずつ入館できるもの。面倒で調べていないが、MaaSだと半年間有効になるのか? 入館済み施設の記録はどうするのか?【5日追記・有効期限は、利用開始日に関わらず一律9月30日。市民が時間をかけてじっくり訪れるのには使いづらい。】

立看板の下の段は、秋田市中心市街地循環バス「ぐるる」の1日フリー乗車券
これも紙券があり、同額の300円。ぐるるは小学生以下は無料なので、こども用はない。
紙版は日付部分がスクラッチカードになっていて、印刷コストがかかりそう。それがない分、多少安くしてくれても…
紙版の欠点が、発売場所が秋田駅前のバス案内所(東西とも)だけであること。車内販売せず、運行エリア西側では売っていないから、我々秋田駅西側住民が、当日急に思い立って使いたくても難しい。MaaSならばどこでも購入できる。
20分間隔(一部40分)、早朝や夜は運行しないので、ご利用は計画的に。
【30日追記】その後、ぐるるの車体側面に、MaaSフリー券の告知が貼り付けられた。


立看板上段は、MaaS独自のもの。JRに乗車できる「秋田・男鹿フリーパス(秋田・男鹿デジタルフリーパス)」。
ぐるると、秋田~追分~男鹿のJRが2日間フリーで、おとな1600円、こども500円。
こどもはぐるるが無料なわけだから、500円全額がJR分。とするとおとな用のJR分は1000円か? +ぐるる1日券×2日分=600円、計1600円で計算が合う。
ぐるるには乗らない人もいるだろうから1600円全体で考えると、秋田-男鹿の乗車券は片道770円だから、1往復だけでは元が取れない。この沿線には、降りて観光できるような場所もさほどないから、そういう使い方もしづらい。
でも、2日連続で、例えば秋田と上二田以遠を行き来するのなら、損しないし、場合によっては回数券・1か月通勤定期券などよりも得になるかも。

これ以外で、秋田で鉄道に乗車できるものはなし。
デマンドタクシーが運行される角館周辺とか、3セク鉄道用もあれば良かったのでは。
【3日追記】秋田~仙台の高速バスにも、追って対応するらしい。
【5日追記】冊子「はじめてMaaS角館」の表紙には、「角館オンデマンド交通」用の車両のイラストが描かれている。緑ナンバーのワゴン車と、羽後交通一般路線車塗装の日野ポンチョ。場合によっては300円でポンチョを貸し切り同然で利用できるということなんだろうか。ちょっと楽しそう。



津軽。
まず角館同様、弘前でも「弘前オンデマンド交通」として、乗降地点限定の予約式タクシーが運行される。
弘前市内47か所が乗降ポイント(乗降地点)で、その2点間を1人1回300円で乗車できる(角館も同額だが、宮城秋保など土地によっては500円)。
郊外の相馬や岩木などは含まれないものの、けっこうな距離、直通バスがない2点間の移動が、好きな時間に300円なら、安い。乗降地点が指定されるとはいえ、市民の日常の買い物や通院にも使えるかも。
なお、昨年末の陸奥新報の報道では、住民の利用も想定し、電話予約もできるようなことが書いてあったが、実際は不明。

乗降地点は、観光施設のほか飲食店が目立つ。レストラン山崎や三忠食堂はもちろん、聞き慣れない店、そして懐かしのケララもある(弘前大学にはここが最寄りか)。
鉄道駅は、弘前、弘南鉄道大鰐線・中央弘前、弘南線・弘前東高前の3駅が乗降地点。弘高下や弘前学院大前(大学の宣教師館は含む=ここも弘大最寄りになる)は含まれないのに、弘前東高前が含まれるのがおもしろい。
イオンタウン弘前樋の口もあるが、あの辺って観光施設は… 買い物用か? だったら安原のマックスバリュとか、アルカディアのいとくなどでも乗降できればいいかも。


青森空港リムジンバスや十和田湖周辺のバスのフリー券もある。
鉄道が対象なのは、紙版なしのオリジナルで2種。「青森・弘前フリーパス(青森・弘前デジタルフリーパス)」の「ベーシック」と「セミワイド」。2日間有効。
どちらも、JR東日本のおトクなきっぷサイトによれば、普通列車指定席利用時は、乗車券として有効(リゾートしらかみなどは指定券を買い足せば利用可)だが、特急列車の自由席では乗車券としても使えないらしい。

ベーシックは、青森~弘前のJR奥羽本線と、弘前市内の弘南バスの土手町循環100円、城東環状100円、ためのぶ号(ねぷた村、りんご公園方面※)が対象。おとな1250円、こども620円。
※ためのぶ号は区間によっては運賃が200円になる。また100円区間があっても、さくら野~駅城東口~アルカディア~安原の路線は対象外。

セミワイドは、ベーシックに加えて、JRが弘前~大鰐温泉、バスは弘前市内の一般路線のうち「弘前~嶽温泉」「弘前~西目屋村役場前」、青森市の「ねぶたん号」も。
おとな1820円、こども910円。


JRの乗車券は青森~弘前が680円、青森~大鰐温泉860円。弘前市内100円バス共通1日乗車券(ためのぶ号含む3路線対象)が500円。
ベーシックならJR往復で元が取れる。秋田・男鹿同様、2日連続で往復する場合は検討の価値あり。
セミワイドも、青森・新青森から来て、弘前公園と大鰐へ行って、青森へ戻る程度で、元が取れる。ただし、弘前~大鰐温泉の列車本数は少なくて利用しづらい。弘南鉄道(大鰐線)も乗車できればいいのに。

となると、やっぱり「津軽フリーパス」。もう発売開始16年になるのか…
2日間2100円で、JRは奥羽本線・碇ケ関まで、さらに五能線・五所川原まで(リゾしら指定、特急券との併用可否は同じ)、バスは弘前市周辺の一般路線ほぼ全路線と黒石方面や五所川原市内も、さらに津軽鉄道の一部と弘南鉄道全線も乗車可能。
よほど範囲を絞った行動でなければ、津軽フリーパスを買ったほうがいい場合が多くなろう。というか津軽フリーパスをMaaS化すればいいのに。
セミワイドがあるのに「ワイド」がないのもヘンだけど、津軽フリーパスこそワイドだ!
【2023年3月17日追記】その後、実際に津軽フリーパスがMaaS化されることになった。
紙のきっぷは2023年3月30日発売・利用開始分で終了し、4月1日から「TOHOKU MaaS」による電子チケットに。価格は2100円→2460円と値上げ。(以上追記)


バラバラの情報を集めて行程を組み上げていくのも楽しいものではあるが、それが好きな者でもまどろっこしく思えたり、現地に行くまで、もしくは行ってもなお分からずじまいだったりすることもある。でもこれからは、こういう旅行のしかたが普通になっていくのだろうか。初歩的なこととして、スマホの充電残量は確保しておかないといけませんね。
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新津の隣 古津の柵

2020-02-03 00:10:26 | 旅行記
まだ残っている昨夏の新潟の話題。
駅や団子を紹介した、新潟市秋葉区の新津。その隣(信越本線上り)の駅の話。今回、ちょっといろいろあって降りることにした。

新津から3.2キロ、毎時1本普通列車が停まる小さな駅で、地元や鉄道路線に特に詳しい人でないと、存在は知らないだろう。
その駅名は、
「古津(ふるつ)」
新津と古津、新と古が隣り合っているとは知らなかった!
岩手県の北上線に「立川目(たてかわめ)」と「横川目(よこかわめ)」が隣り合っているのと同じような、きれいな(縦と横だったらもっときれいだけど)つながり。

詳細は省略するが、古くからの地名が由来で、その地名も新津と古津が対になっているようだ。
新津駅は明治時代開業、古津駅は1943年に信号場として開設、1949年に駅になっている。
地元での(車内放送も)アクセントは、新津も古津も、最初が高く「モルツ」「ヘルツ」と同じ。

古津駅上りホーム
2面2線の無人駅。どちらのホームにも出入口があるが、上り側のほうがメイン。
上りホームはいちおう改札口もある。出入口も窓も角にアールがついたデザイン
Suicaリーダライタ、きっぷ回収箱兼運賃箱。中には食券タイプの自動販売機【5日訂正】きっぷの自動券売機もあった(昨秋、JR東日本エリアでは、同タイプ券売機の乗車証明書発行機への改造が進んだので、現状は変わったかも)。
駅正面
駅周囲は農村の中に新興住宅地ができた感じ。美術館、植物園や新潟薬科大学なども近い。
駅前の案内地図によれば「平核無/平無核(ひらたねなし)柿の原木」も近くにあるらしい。※いずれも近いといっても、新津駅からバスのほうが便はいいのでしょう。
「おけさ柿」「庄内柿」などのブランドで呼ばれ、民家の庭にもよく植えられ、北日本でおなじみの、平べったくて種がなく果肉が滑らかな渋柿は、ここ生まれだったのか!
後で調べると、平無核は山形県鶴岡で発見(つまり庄内柿として)されたが、そのルーツをたどってみたらここだったということらしい。この辺りでは「八珍柿」と呼ぶようだ。


古津を訪れていちばん気になったのが、駅のホーム外側向きの「柵」。古津以外にも、近くの似た環境の駅では同様の所もあるようだ。
ネットで「古津駅 柵」で検索すると、2017年に車がその柵に衝突してホームに突っこんだ話題が、「新潟 駅 柵」だと新潟駅のホームドアのことばかりで、役に立たない。
実際の写真を見てもらおう。
古津駅上りホーム
白い縦方向のパイプからなる柵で、それ自体はどこにでもありそうだけど、その下辺がそろっておらず高低差(パイプの長短)があり、デコボコ・ガタガタ。
下りホーム。直江津駅から118キロポスト(古津駅の位置は117.9キロとされている)
上下ホームとも、たぶん端から端までこうなっている。
駅敷地外側から。線路は築堤上にあり高くなっている

以上の写真から、柵下辺の高低差に法則があることが分かる。
ホーム面にささる支柱と支柱の間を1スパンとすれば、下辺がより下まで伸びている(パイプが長い)のが2スパン続き、その次が上に上がった(パイプが短い)のが1スパンの繰り返し。
JR東日本秋田支社管内では、似た感じの縦方向白パイプの駅はあったかと思うがそろっているはずで、こんなデコボコは見た記憶がない。

デザインとしてこうするとは考えにくい。何か別に理由があるのだろう。
真っ先に思い浮かんだのが、ホーム上に積もった雪を捨てるため?
でも、築堤の下は道路の部分もあり(車が突っこんできたくらい)、敷地外にむやみに捨てたらそっちが困る。
それ以前に、雪は除雪機で吹き飛ばすだろうから、柵の下を開ける意味はなさそう。
さらにそれ以前に、ホームの除雪は、線路際は行うが、敷地外寄りはほぼ積もったままにしていることが多いと思う。
雪捨てではないか?

じゃあ、何だ??
資材を出し入れするため、だったらこんな3つに1つの必要はないだろうし、工事する時だけ柵そのものを撤去するのでは?
このすき間の意味って…
むしろ、いっそ、全部を短くしても、問題ないのでは?
3つに1つが短いのだから、人の転落防止とか、すき間をくぐって侵入する者(そもそも無人駅ではあまり意味がない行為)対策とかでもないだろうし。
謎。
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酒田駅飲料自販機

2020-02-01 00:16:09 | 旅行記
昨年夏の新潟旅行記が未完結で取りこぼしていたネタがありました。
この記事(リンク先後半)では、JR新潟駅在来線改札内の飲料やお菓子の自動販売機が独特なことに触れた。
うち、飲料は、JR東日本エリア他地域と同じ、JR東日本ウォータービジネスの「acure」ブランドではあるが、ボディがグレーで「N PROJECT」と書かれたものであった。取扱商品は別段普通。

「いなほ」で新潟県内を東へ進んだ、新発田駅と村上駅ホームの自販機は、他地域や新潟駅新幹線ホームと同じ、白に水色が入ったボディのacureだった。
山形県へ入って、大きな駅である鶴岡駅と酒田駅はまた違った。酒田駅を例に以下に紹介。
酒田駅2・3番線
酒田はJR東日本新潟支社エリア末端の駅。入線しているのは秋田でおなじみの車両だけど、ここはホーム上の自販機に注目。
現在のJR東日本、しかも主要駅としては信じがたい光景ではないだろうか。


キリンとコカ・コーラが1台ずつ、つまりacureじゃない自販機なのだ。
実際にそれぞれで発売される商品は、それぞれのブランドのみだったはず。

改札口と直結する1番線(さらに0番線につながる)では、
やはりacureじゃない2台
こちらは2台並んで右はコカ・コーラ。左はキリンではない。
左の扱い商品
キリン、大塚、アサヒの混合。

つまり、酒田駅(とたぶん鶴岡駅も)には、acureブランドの自販機が1台もなく、acureオリジナル商品も自販機では取り扱っていないことになる。また、Suicaが使える自販機もない。
acure自販機では、acureオリジナル商品以外にも伊藤園(おしることか)やポンジュースをわりと扱っているが、酒田駅ホームでは買えない(改札外のNewDaysでは扱っているものもあるはず)。

JR東日本秋田支社管内では、普通列車しか停まらない小さい駅でも、JR管理地にあるものはおそらくすべて【2020年3月25日訂正】大部分がSuica対応のacureになったはず。【2020年3月25日補足・秋田でも酒田から近い羽越本線羽後本荘駅はacureがなく、2020年3月時点でも各ブランドの自販機だった。ただしベンダーは大手系で酒田とは事情が違いそう。2021年に新駅舎になるので、その後どうなるか。】
弘前駅は比較的最近まで、ダイドーの自販機(電子マネーは使えず、市中と同じくポイントカードがあった)ばかりだったが、今はacureに替わっている。

さて、1番線左の白い自販機。
「Sato Drinks」?!
伸ばす記号がついているから「サトー」で、サトウさん?
時間が限られていて、連絡先表示を見ることまで頭が回らなかったが、ネットで分かった。

本社が酒田市にある「山形・仙台の自販機オペレーター 佐藤総業」だった。
自販機の管理を行う「ベンダー」の1社で、JR東日本ウォータービジネスとは競合関係にあることになろう。
公式ホームページの「取り扱いのあるメーカー一覧」には、ポッカサッポロ、サントリー、UCC、ダイドーなども出ているが、伊藤園はない。コカ・コーラやキリン等は、そのブランド専用機(つまりコカ・コーラなら例の赤い自販機)にも対応するとしている。
ベンダーの業界団体「JAMA 日本自動販売協会」の会員にも、コカ・コーラ系やジャパンビバレッジ系とともに名を連ねている。JR東日本ウォータービジネスは非会員のようだ。


じゃあ、酒田駅では佐藤総業が独占している、と結論付けそうになるが、それは早とちり。
酒田駅のコカ・コーラの自販機が大きく写った写真を、ツイッターで見ることができた。それの連絡先がJR東日本ウォータービジネスになっていた。
となると、キリンの自販機がどこ管轄か知りたくなる。
また、1番線の2台の自販機の横の空き缶入れは、コカ・コーラのものしかない。もしかしたら1番線のコカ・コーラは佐藤総業だったりするのかも??

ということは、酒田駅では、JR東日本ウォータービジネスと佐藤総業が共存していることになる。
それはすなわち、営業拠点がない等で、酒田をJR東日本ウォータービジネスの管理下に置けないから、代わりに佐藤総業を入れているということではなくなる。

JR東日本(新潟支社)が、地元企業である佐藤総業へ配慮しているのだろう。
でも、自社系列も入れたくて、一部はウォータービジネス管理として棲み分けているのか。
かといってacureにすれば、佐藤総業以上に多くのブランドを扱えてしまうから、そこでもまた配慮しているということだろうか。
さらに、Suicaを佐藤総業側で対応させるのは難しくて、ウォータービジネス側もあえて非対応にして(コカ・コーラでは電子マネー対応自販機があるけれど)、公平(?)な条件にして客を奪わないようにしているのかも。(完全な憶測です)

普通列車の運転系統は、酒田駅で完全に分離される(全列車が酒田始発・終着)から、乗り換え時に飲み物を買う青春18きっぷ利用者、あるいは車内販売が縮小された特急に乗る前に買う客も多いはず。
いろいろ事情はあるのでしょうが、Suica対応くらいはせめてやってはいかがでしょう。
【4月15日追記】秋田市内のacure自販機の商品補充は、「ネオス」という全国展開のベンダーがやっていた。トラックにはJRやacureのロゴは見当たらなかった。ネオスは、山形県には営業所がなく、秋田県内では秋田、横手、本荘に営業所がある。

旅行記の続き
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正月の五能線

2020-01-07 00:18:31 | 旅行記
正月に弘前に行った話の続き。順番を入れ替えて、帰りに乗った「リゾートしらかみ」について。
※元日かつ区間運休という特殊な日の乗車記ですので、その点をご了解の上、ご覧ください。
荒れ模様ながら五能線でも運休にはならない程度と予想して(後述の理由もあって)、前日に指定席券を購入。

乗ったのは、青森始発の「リゾートしらかみ4号」。弘前14時30分発、秋田18時56分着。
冬場は弘前折返しの3・6号は運行されないため、4号が上り最終。
この時の使用編成は、ハイブリッド車の2代目「ブナ(正式には漢字)編成」。
千畳敷駅(後述)にて
2018年春デビューの新ブナ編成には乗ったことがなかったし、久々に冬の日本海を見るのも悪くないと思って乗ることにした。なお、五能線内で4号に乗るのも初めて(東能代→秋田は経験あり)。

予想通り、弘前を定刻で発車。
しかし、この日の午前中は五能線内で速度規制(強風のため?)がされ遅延と一部運休が出ていた。折返し4号となる1号も遅れて、1・4号とも弘前-青森間で区間運休=弘前折返しになっていた。
ちなみに、青森・新青森から乗る予定だった人は、15分ほど後の普通列車に乗れば、川部駅で弘前から来た4号を捕まえることができるダイヤ。

元日のリゾートしらかみの利用状況が予想できなかった。青春18きっぷ期間だし、正月の観光列車だし、でも正月から五能線に乗る人なんているかとか…
前日に予約できた席は、五能線内でいちばん前の車両の前のほう、しかも海側窓際と、なかなかいい席。空いているのかな?

結論としては、海側の窓際が全席埋まるほどではなかったが、なかなかにぎわっていた。
団体客はさすがにおらず【7日補足・いずれも1~2人旅がほとんどだった】、地元の人、国内旅行客、外国人もちらほら。五所川原で降りる人はいつものように多く、ウェスパ椿山で降りて不老ふ死温泉の送迎バスに向かった人(時間的に宿泊か)や、もちろん乗り通す人も。
【7日追記】極端に空いている場合に、普通の座席に座っていると、車掌が来て「よろしければボックス席をお使いください」とコンパートメント風の1区画を独占させてくれることがある。今回はそれをするには多すぎる客数だった。


ブナ編成の形式はHB-E300系。2010年末デビューの2代目青池編成と形式としては同じ。
相違点は、内装に木材(秋田スギや青森ヒバ)を多用したこと、3号車に売店「ORAHO(おらほ)」カウンター を設置したこと。JR東日本エリアの車内販売縮小により、2019年4月からリゾートしらかみでも車販は実施されなくなったが、この売店は継続。

車内。

座席の柄は、青池編成では、盛岡支社「リゾートあすなろ」や長野支社「リゾートビューふるさと」と共通。ブナ編成は「東北の夏祭りをイメージ」した暖色系の四角のパッチワーク風で鮮やか。
床や壁は、青池編成(これも盛岡・長野も同じ)では、床はフローリング、壁は最近の列車に多い白系の樹脂。
ブナ編成では、床・壁とも板。床は青池とは色やはめる向きが違っている。窓枠部分は白い樹脂で、少し違和感もあるが、目障りなほどではない。天井は木と樹脂が両方使われている。
全体として、温かみがある車内に感じた。

床板にはぽつぽつと傷のようなもの
2年でこうなってしまったのだとすれば、メンテナンスが大変そう。

運転席直後の「展望室・イベントスペース」。
ここも従来とは違う
まず目を引くのが、右奥の「シンボルツリー」。
椅子やランプシェードには、弘前の「ブナコ」や秋田木工の製品を採用。

上の写真で、いちばん前・右側の席は、上りで海側最前席となる4号車11A席。
しかし、目の前に大きな出っ張りがあって視界をさえぎり、シンボルツリーも前の大きな窓も、隠れてしまっている。反対の1号車側にはなく、4号車だけこうなっているようだ。気動車の宿命である排気筒でも入っているのか。
横の窓はあるし、逆向きの下りでは無関係だけど、前面展望を期待して上りでこの席を取ると、がっかりすることになりそう。この日の11Aはずっと空席だったので、優先的には予約されないことになっているのかも。

天井の液晶ディスプレイには、以前は沿線紹介のビデオや運転席のカメラからの前面展望映像が放映されていた。今回は、ずっと黒いまま何も映らず。
座席前のポケットには、以前は東能代運輸区お手製の沿線ガイドが入っていたこともあったが、現在は何もなし。
駅などでも手に入る冊子「五能線の旅」を手元に置いておくと、途中駅の時刻などが分かって便利。以前は展望スペースにあったが、現在はデッキ付近にしかなかった。

車内放送は、自動放送は従来同様、JR東日本の新幹線と同じ。
チャイムは、これまではクラシック曲4曲(5曲?)だったのが、聞いたことがない曲に代わっていた。音色はよりリアルなオルゴール風。
帰ってから調べたら「リゾートしらかみ3兄弟のテーマ」。JR東日本秋田支社社員が考案したキャラクター(過去の記事)に、さらに社員が作った歌もできて、それがチャイムになっていたのだった。
場違いではない音だけど、何の曲か気になる人もいるだろうし、車内で説明がないと分からない。


五能線に入ってしばらくはリンゴ畑や田んぼが多い津軽平野を走る。
展望室から
架線がない分、まさに真っ白い世界を貫いて進むのは、雪国に暮らす者でも少し感動。

木造(?)駅で遅れていた反対列車を待って5分強の遅れ。
例によっては車掌は鰺ケ沢、運転士は深浦で交代。
海が見えてくると、もちろん荒れている。漁港の漁船には、日の丸が掲げられていた。

リゾートしらかみは、千畳敷駅で15分停車し、乗客は岩の海岸を散策できる(1往復は通過)。この時は、遅れの影響で8分ほどに短縮。
以前乗った時は、到着前の放送で、発車5分前に汽笛(警笛)を鳴らすので戻ってくるようにという注意があったが、今回はなし。千畳敷海岸の説明(殿様が畳を敷いたうんぬん)と、長く停車することだけだった。
何より寒いから、乗客たちも降りたくないだろうなとも思った。

実際には、多くの乗客が降りて、道路を渡って海岸へ行っていた。
波は高いが、風も寒さもそこまでは厳しくなく、秋田市のひどい時に比べればマシに感じられたが、暖かいところから来た方々ならば…と考えたが、皆さん旅慣れているのか。

僕も降りたけれど、海辺はパス。冬の千畳敷駅のもう1つの見どころを見ることにした。
線路の海と反対側は段丘の崖になっており、そこからしみ出た水が凍結して、氷のカーテンを作るのだ。※いつも水が流れる「滝」ではない。
千畳敷駅。左が海
今年は寒さが厳しくないせいか、前に写真で見たほど発達してはいないが、崖全面が凍り始めていた。

到着前の放送での予告はなかったが、発車の何分か前に警笛が長ーく、大きく、3度鳴った。【8日補足・予告なしだったので、車内にいて何事かとびっくりしている人もいた。】
以前乗った時は、たしか2度で、駅出口に近い下り列車の後部・車掌側で鳴らしていたようだ。今回は、逆向きであるせいか前・運転士側で鳴らしていた(車掌も前へ来ていた)。
それと、車掌がまもなく発車する旨を、車外スピーカーを使ってアナウンスしていた。海辺までは聞こえないだろうけど。
千畳敷駅ホームから海
1組が千畳敷駅で下車した(=散策して戻るのでなく、戻らずにそのまま降りたという意味)のには驚いた。弘南バスに乗り換えるのか、1時間後の下り5号に乗るのか、民宿に宿泊するのか。
遅れを解消して16時13分千畳敷発車。向かいの民宿兼イカ焼き屋の人が1人だけ、手を振って見送ってくれた。

日暮れが迫ってくる中、海の車窓はクライマックス。ほんのちょっとだけ雲が切れて、陽の光が見えた。
 
夕日もいいけれど、こんな風景もいい。16時半を過ぎた深浦から先は、真っ暗になった。【8日補足・暗くなったとたんに眠くなり、岩館から能代の間だけ寝て、東能代からは奥羽本線での高速走行を楽しんだ。】


これまで、HB-E300系には3回乗っている。滑らかで電車と同等の加速の、いい車両。
今回気になったのは、エンジンが動いている時間が、前に乗った時より長く感じたこと。ほぼ絶え間なく稼働していた。
そのため、エンジンの音と振動は感じるが、客室内では防音防振されているのか、あまり気にならなかった。
暖房でそんなに電気を食わないと思うから、寒さでバッテリーの持ちが低下していたのか。


最後に、車内販売のこと。
上記の通りワゴン販売が廃止されたため、その代わりという名目で、沿線の人たちが入れ替わりで区間を限って乗りこんできて、食べ物やお土産を車内販売する「ふれあい販売」が実施されている。
曜日や列車によって内容や有無が異なるが、この日の4号は一切なし。
ちなみに、津軽三味線演奏など車内イベントもなし。元日だからそれはしかたない。

したがって、ORAHOカウンターが頼り。
駅弁は4種類くらい売っていると聞いていた。しかし、この日は最初から期待していなかった。
なぜなら、通常の上りでは青森駅で積みこんでいるはずで、区間運休でできないと思われたから。案の定、駅弁は何も置いていなかった。
ちなみに、弘前駅改札外の地元の弁当(駅弁としては非公式)「津軽弁」の出店もなかった。

飲み物。
パンフレットの写真では、ペットボトルのお茶やコーラもケースに並んでいる。
しかし、この時はそれらはなく、沿線の瓶入りリンゴジュースとサイダー(と酒)だけだったようだ。ひょっとしたら、区間運休の影響かもしれないが、ペットボトルが全部売り切れていたとは考えにくい。
これではちょっと物足りないし、ペットボトルがあれば確実に売れるだろうにもったいない。
【7日飲まないのですっかり忘れていたので追記】定番のホットコーヒーも扱っていたようで、カウンター内の海側窓に向かったビュッフェ風スペースで飲んだり、紙コップを自席へ持ち帰ったりする人が見られた。あらかじめポットに淹れたのを注いで売るのでなく、都度、ポーションを白神山地の水のお湯で希釈する方式らしい。じゃあ、その「白神山地の水」だけを売ってくれても??

それからアイスクリーム。スジャータと地元のものと、何種類かあるという情報を得ていた。
現在はスジャータはなくなり、いずれも秋田関係の4商品。
「枝豆アイス(JAあきた湖東・花立牧場工房ミルジー)」、「華の里こまちアイス」、「平鹿林檎と濃厚ミルクのソフトなアイス」と、
「ぶなの森アイスクリーム 緑茶味」※裏面の表示では「ブナ」とカタカナ表記
「リゾートしらかみ限定」つまり今はブナ編成でしか購入できないことに引かれて買ってしまった。2代目ブナ編成デビュー時にできた商品だそう。
秋田市の「ノリット・ジャポン」雄和工場製。100ml330円、無脂乳固形分12.0%、乳脂肪分8.5%で種類別アイスクリーム。
「緑茶味」を称しながら、原材料名欄にはそれらしき材料は使われておらず、「緑茶風味」か。
そもそも、ブナと緑茶の関連が不明。単に色が同じだから?

ほんのりお茶の味(風味)がして、おいしいことはおいしかった。
でも、リゾートしらかみ限定をうたうのならば、もっと関係が深い味や材料にしたほうがいい。例えば、緑茶にこだわるのなら、能代の北限のお茶「檜山茶」を使うとか。
これなら、他の3つのアイスのほうが魅力的だ。


ORAHOカウンターのレシートを見てびっくり。
レシートの上と下の抜粋。冒頭に「LiViT」
担当する企業が、日本レストランエンタプライズ(NRE)でなく、JR東日本東北総合サービスに代わっていた! ネット上の情報では、少なくとも2019年10月の時点で変更済み。
表示された連絡先は「秋田支店トレインクルーセンター」なる初めて聞くセクションで、所在地は秋田駅の中。しかも電話番号は、かつてNREの秋田列車営業支店と同じ。

NRE秋田支店を、そっくりLivitに移管したようだ。
秋田の列車で、車内販売が行われているのはこのブナ編成ORAHOカウンターのみ。そのためだけにNREの拠点を置くのは効率が悪いのだろう。(ただLivitとしても、効率はどうだろう。多くても1日1往復で運行しない日もあるのだから)
秋田から引き上げてNREの青森側で担当しているのかなと思っていたが、こういうやり方か。
【7日補足】2019年7月で、JR東日本管内すべての車内販売業務がNREから「JR東日本サービスクリエーション」という企業へ移管されていた。秋田列車営業支店では、サービスクリエーションではなくLiViTを移管先にしたということかもしれない。車両の基地は秋田ということもあるし、秋田側での商品搬入拠点も必要で、秋田から引き上げずにこの形になったのかも。

メニュー一覧が少なくとも目立つ場所にはなかったり、スナック菓子類がなかったり、聞いていたのと若干内容が違ったりしたのも、担当会社変更が関係しているのだろうか。
何も地元のものだけを売る必要はない【7日補足・「おらほ」の趣旨からは外れてしまうけど】、というか4時間以上も走る列車でこれでは物足りない。工夫次第でもっと売れると思う。
【7日追記】そこそこ売れていたコーヒーや酒をさらに支える売り上げを追求したほうがいいと思う。青池編成にはカウンターはないが、いずれ新造されるであろう2代目くまげら編成でどうなるか注目。


飢えたりエコノミークラス症候群・熱中症にならないよう、飲食物には注意【7日補足・五能線内を乗り通す場合は、ペットボトル1本と腹の足し(今回は工藤パン商品)を確保して乗車することをおすすめします】だけど、やっぱり五能線の風景は良かった。
※正月の弘前の続きはこちら

【2023年1月11日追記・リゾートしらかみの車内販売について】この後、新型コロナウイルス感染症や大雨による長期運休があった。2022年12月24日からは、セルフレジによる無人販売が始まり(2021年10月から試験搭載)、ORAHOカウンターは廃止された。
「飲料や菓子類、鉄道グッズなどを販売し」「ホットコーヒーやアルコール類は販売しません」とのこと。弁当やアイスはないのでしょうね。

2023年6月の千畳敷海岸。 その他リゾートしらかみブナ編成乗車記
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元こまち 現美新幹線乗車

2019-09-28 23:03:54 | 旅行記
新潟旅行記※前回の記事
今回の旅行の大きな目的が3つの乗り物に乗ること。GV-E400系電気式気動車、連節バス、そして「GENBI SHINKANSEN(現美新幹線)」。

JR東日本が「のってたのしい列車」と称する、乗ることを楽しむ列車=ジョイフルトレインの1つだが、新幹線区間なのが珍しい。
しかも、その車両は、秋田新幹線「こまち」として使われていた初代(E6系の先代)E3系電車(のうち、比較的新しい1本「R19」編成)を改造したものなのも、秋田県民としては気になる。
2016年の運行開始間もない頃、長岡駅で向かい側のホームから見ることができた。今回はそれに乗る。


現時点では、現美新幹線は、土日祝日に越後湯沢-新潟間(つまり上越新幹線の新潟県内区間のみ。所要時間は50分ほど)を1日3往復する。※例外あり。利用の際は都度、確認願います。
「とき」451~456号で各駅停車。指定席が1両、残りは自由席扱いなので、通常の新幹線と同じ料金で乗車できる。びゅうプラザ経由の旅行商品もある。

さて、何号にどの区間で乗るか。乗車券部分は、新潟県内の上越新幹線全区間で有効な「えちごツーデーパス」だから問題ないけど、新幹線だけに特急料金はバカにならない。といって短距離ではせっかくのたのしい列車を楽しめないだろう。別段目的地もないだけに、かえって困ってしまった。
結局、長岡駅前のホテルが安く取れたのを理由に、下り始発451号(長岡8:50発)で新潟(9:14着)まで乗ることにした。30分以下に指定席ではもったいないから自由席で。
発車標

(再掲)
2016年は時計の下に「とけい」というご丁寧な説明があったのがなくなっていた。

発車標の列車名の欄では単に「とき451」の表示。
下のスクロール表示で「とき451号は「現美新幹線」車両で運転します。」と案内。いつも出ているわけではないし、下りは全列車新潟行きだから、知らずに乗ってびっくりする客がいそう。
指定席券では「現美新幹線とき451号」と表記されるようだ。

乗車位置案内。上から2番目が451号
とき451号に10分ほど先行して、東京始発の「Maxとき303号」が走っている。高崎は通過、越後湯沢以降各駅停車という、新潟県内行きに特化したダイヤで2階建て8両編成。
乗車位置案内では、ミニ新幹線車両のサイズ感がうまく出ている。停車位置は中央のやや新潟寄り、号車番号はこまち時代のまま11~16号車。上越新幹線では唯一のミニ新幹線車両として、存在感は放っている。


長岡の街は、イトーヨーカドー丸大が閉店するなど以前より少し寂しくなった感じもしたが、駅の中は人が多い。土曜の朝だから、東京や新潟にでも行くのか。
現美新幹線に乗る人は、10分前に定期列車が出た後だし、多くはないだろうと予想していたが、予想よりは多かった。旅行客ではなさそうな地元の人もいたから、定期が混雑するのか、あえて現美新幹線に乗りたいのか。
※車両先頭の外観などは、黒っぽくてつるんとしてうまく撮れないし、前回もアップしたので今回はなし。
来た列車の自由席部分は、ちらほら空きがあったのが、長岡から乗った人で埋まった感じ。
越後湯沢方面から乗っている人たちは、特に子ども連れの旅行客が多い。これは想定済み。
「土日きっぷ」が使えるし、新幹線の特急券は、列車を乗り継いでも改札を出なければ通しでいい。ダイヤ的には、東京から来て越後湯沢でこの列車に乗り継ぎ、新潟で乗り換えて新津まで行けば、「SLばんえつ物語号」に間に合う。現美新幹線&SL目当ての人がけっこういたようだ。「新潟で降りる? それとも新津でSL見る? SLは見るだけで乗るんじゃないよ」と、親に選ばされている子どもも(SLを選んだ模様)。
ちなみに、上り最終456号は新潟16時42分発で、SLからは接続しない。もしかしたら、この下り始発451号が、いちばん乗車が多い現美新幹線かも。

最後尾11号車が指定席。とりあえず先頭車の16号車に乗りこむ。こまち時代は青い座席(元自由席)で、秋田発時点で大曲側だった車両。
車内の銘板(シール)は「Kawasaki2016」「E322-702」
R19編成は2002年に新造されたそうだが、その表示は車内にはなくなっていたようだ。2016年に川崎重工で現美新幹線用に改造されたことだけ示している。
製造番号も-19から-702に改番。JR東日本では、リゾートしらかみのキハ40系などのように、ジョイフルトレイン向けに改造した車両に700番台を付けるのを好む。E3系の-701は、山形新幹線「とれいゆつばさ」。
編成番号はR19のまま。

いよいよ車内へ。
16号車
細長いから列車の中なのは分かるかもしれないけれど、片側に窓がなく、窓際はソファーという、およそ新幹線とは思えない光景。窓が半分ないこと、照明が暗めなことにより、朝にしては落ち着いた雰囲気が漂う。
これが元「こまち」だと思うと…
(再掲【29日追記・こまち時代の車内】)「金萬」なんかの広告があった車端の壁も

こうなった(この向こうはデッキではなく運転台なので、扉は元から別物)
通路扉の幅や上の文字情報装置は、こまち時代のままだと思われ、ちょっとだけ懐かしい。


さて、改めて「GENBI SHINKANSEN」とは。
「世界最速の芸術鑑賞」として、車両ごとに異なる注目のアーティストが、この列車のために作った現代アートを展示するもの。
13号車は半分ずつ、それに外観も作品なので、計8つの作品が鑑賞できる。

というわけで、乗ったら座りっぱなしではいけない列車ということになろう。写真のように乗ってすぐに、もしくはある程度見たら座ってしまうお客さんも多いけれど。
一般に、列車内でうろちょろするのは迷惑だけど、この列車では基本的には迷惑がるほうが迷惑がられるだろう。

自由席車として扱われる12、14~16号車は、作品展示と着席スペースを兼ねる構造。
窓を背にするソファが並ぶ、ある種のロングシートになっていて、そこに座る人たちの前を通りながら鑑賞することになる。
ソファに座った眺め
ソファーは革張り(?)で座り心地は悪くない。テーブルもあり、車両によって配置が若干違う。荷棚はない。各号車とも新潟に向かって左側が窓、右側が作品。
ソファーなのでリクライニングしないけれど、1時間弱程度なら座っていても疲れない。これを好んで現美新幹線に乗る人もいるようだ。

各号車を順に巡る。
15号車
15号車は作品に厚みがあるせいか、ソファーは凹凸がなく1列に並んでいる。まさにロングシート状態。

14号車

13号車
13号車は、おそらく定員外。
半分がカフェ、半分がキッズスペース。それぞれでデザイナーが違う。
カフェでは、地元のコーヒー、新潟県産品を使ったオリジナルスイーツ、グッズが買える。テーブル1つに椅子4つしかないから、席へ持ち帰るのが原則か。10月以降の消費税率は?
キッズスペースはプラレールを取り入れて、その周辺環境をデザインした感じ。
どちらもけっこうにぎわっていた。というか人が多く、通路も狭めで、ちょっと大変。

12号車

そして11号車が、指定席。
ここは「こまち」時代グリーン車だったわけだが、その座席はそのまま使って普通車扱い。グリーン車時代は、ミニ規格なのに1列に2席+2席で、必ずしも評判が良くなかったけれど、それが普通車なら、むしろ乗り得。だから指定券を買おうか、ちょっと迷ったのだった。
そして、この車内も作品の1つ。デッキの案内板に作者名が書いてあったし、指定券がない者は立ち入るなといった表示もなかったから、ここも自由に入って鑑賞していいと解釈できる。
でも、入室してみると、けっこう乗客がいて、その人たちに見られている気がして、早々に退出。そこで新潟到着後に車外から。
車体は長岡の花火のドアップで、ここは青系
こまち時代は、座席や床は黒系統だったのが、蛍光の黄色をメインにしたものに張り替えられてとても鮮やかに!
座席やロールカーテンは、ロールシャッハテストみたいな柄で、動物の顔らしきものが隠されているみたい。
床は黒と蛍光黄色のランダムなうろこ模様。ずっと乗ってると、座り心地はいいけど目が疲れるかも…
E3系客席の特徴(末期製造分を除く)である荷棚と天井をつなぐアーチ状の構造は、他の号車では撤去されているが、11号車は色も変わらずそのまま。


アートが分からない者の感想。※作者の制作意図などは調べていません。
まず、やっぱり人が座っている前、他の人も歩き回る走っている列車の中で、じっくり鑑賞するのは難しい。落ち着かない。
その意味では、動画や写真を展示した14、16号車は、この展示方法には合わないと感じた。
なお、2018年春に、14、16号車、カフェの展示(上映)内容がリニューアルされているようだ。

一方、15号車は気楽に見られて、眺めているだけでも楽しかった。
色鮮やかな花のようなものを何層にも重ねてぶら下げた作りで、列車の走行によって軽く揺れる。

それに12号車も、座ってぼーっ見ていたくなった。
壁際に、金属を凹凸や鏡面/くもり加工したものが張ってあり、車内と反対側の車窓が写る。
写りこんだ車内と車窓
狭いミニ新幹線の車両が広く感じられ、新幹線の大きくはない真四角な窓越しに新潟の水田が時速240km/hで流れていくのが、おもしろい。


車内をひと通り見て気づけば、ソファーは区画ごとに誰かが座っており、座りに行きづらい。新潟まで大した時間じゃないので、デッキに立って外を眺める。
普通に見てもきれいな水田

車内放送は、自動放送は他の列車と共通のチャイム(東北方面とは違う曲)&日・英のアナウンス。
新潟到着前には車掌による放送もあり「優雅な時間をお過ごしいただけたでしょうか」「ご来場ありがとうございました」と言っていた。
新潟駅に到着。
2020年度には全廃されるらしいE4系Maxと

乗車口案内
折り返し越後湯沢行きになる表示が出ているが、ミニ新幹線だけに表示機とドア位置が一致していない。

幅が狭いミニ新幹線車両では、フル規格のホームではすき間が大きく空く。
ミニ新幹線ならではのステップが出る
新潟駅ではホーム全面に柵があるわけではないから、車体の美しさに見とれたり、記念撮影したり、色が違うから感覚が狂ったりして、うっかり落ちてしまいそう。気をつけて。

降車が終わり、ドアが閉まっても、ホームに残って鑑賞や撮影する人たちもちらほら。特に15号車に集中していたので行ってみると…
これはきれい
花のようなものが吊り下げられた展示が、窓越しに外からもきれいに見えていた。万華鏡のような、顕微鏡でのぞいているような、そんな雰囲気。車体外観の赤系統の花火との組み合わせもきれい。
外から鑑賞するのもまたいい
反対側だったら、窓がないので見られないけれど。


現美新幹線の定員は6両で105名。おそらくうち23名が指定席で、残り82名がたぶんソファーの座席数。
この編成の「こまち」時代の定員は394名もあったから、現美新幹線は、とてもぜいたくな新幹線だ。

車内の座席を取り払って、展示スペースにするということでは、国鉄時代1980年代に在来線で全国を巡回した「サイエンストレインエキスポ号」や「アメリカントレイン」に通ずるものがある。(どちらも秋田駅にも来て、どちらも見に行った記憶がある)
これらは走行中は客を乗せず、停車中に内部を公開する方式だったから、乗りながら見るというのもまた楽しい。

最近、現代美術、現代アートが何かと注目されるけれど、素人にはなんだかよく分からない。秋田公立美術大学の先生も、魁のインタビューで「難しい」と認めていたはず。
現美新幹線に乗っても、結局はよく分からなかったけど、まあ楽しいものを見ることができた。まさに「のってたのしい列車」。
ついでがあって、時間が合えば、乗ってみてはいかがでしょうか。
あと、“里帰り”して秋田へ来てくれるのもいいのでは。

これで今回の旅行の大きな目的は達成。こまごまと続く

【2020年7月28日追記】現美新幹線は、2020年12月で運行を終えることになった。車両はその後、どうなるだろうか。
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新潟の連節バス

2019-09-25 00:35:49 | 旅行記
新潟旅行記(食べ物カテゴリーの前回の記事)。
今回の旅行で、乗ってみたい乗り物が3つあった。1つはGV-E400系電気式気動車
2つ目に取り上げるのが、新潟市内で運行されている路線バスなのだが、
こんなの

「万代シテイ」バス停にて
タイヤが3軸で、長い車体の中央に蛇腹があるバス。
 
後部には「全長18m追い越し注意」。ちなみに日本で一般的な大型バスは長さ10.5メートル、秋田市に多い中型バスは9メートル。

車体が前後2つに分かれてくっついている「連節バス」というもの。【25日補足・トレーラーではないので、分割しても走行できるとかいうことではない。運転席は前だけにあり、連結部を客が行き来できる。】
日本では、終戦直後にいすゞ製のものが八戸市営バス→弘南バスで使われたのが、純国産の唯一の事例らしい(あの狭い弘前の街のどこをどう走っていたのか気になるけれど、史料は少なそう)。【2024年6月2日追記・2019年5月にいすゞ「エルガデュオ」と日野「ブルーリボン ハイブリッド連節バス」が「国産初の連節バス」として登場していた。納車は2020年の日野製が最初とのこと。】
1985年以降、ボルボのものを富士重工で組み立てた連節バスが何種類かあって、つくば万博などで走行。20年ほど前に幕張で走っていたのは実物を見たことがあった。

その後、新規導入はいったん途絶えたが、2010年代に入ると、全国各地にちらほらと連節バスを導入するところが出てきた。
規制緩和とか公共交通体系の見直しの影響だろうか。車両は完全な外国製(新潟も含めて、なぜか赤い車体が多い)。
制度上は大型免許で運転でき、牽引免許は不要であるものの、牽引免許も取得した(させた)ドライバーを乗務させているバス会社が多いとのこと。


その1つが新潟市で、2015年9月から、新潟駅と7キロほど離れた青山地区を結ぶ基幹路線「萬代橋ライン(路線名)」の快速便に、「ツインくる(連節バスの愛称)」として4台が投入されている。新潟市が車両を購入し、運行を新潟交通が行っている形。
新潟市の街やバス路線事情は、後日取り上げることにして、今回は連節バスそのものにしぼって紹介。
ナンバープレートは1~4
日本では今のところベンツ製の連節バスが多いようだが、新潟のはスウェーデン「スカニア」製シャーシを、オーストラリア「ボルグレン」が架装。車両後部に両者のロゴが出ている。前はSCANIAだけ【25日訂正・前にも両者のロゴがありました。】。この組み合わせでは、新潟が日本初導入のようだ。

萬代橋ラインは「BRT」と称しているが、専用道路を通る区間はない。昼間でも10分間隔程度で頻発しているが、多くは普通の大型バスが走る各停便。連節バスは「快速」便限定で、1時間に2本程度(普通のバスが代走することもあるようだ)。

新潟市街地探訪を兼ねて、乗り降りしながら青山まで行き来してみたが、連節バスには短い区間で3回しか乗れなかった。
新潟駅前の乗り場は、万代口を出てまっすぐ。他路線とは少し離れた0番乗り場。※駅周辺の整備によって、今後変更されるかもしれない。
新潟駅前で長時間待機することはなさそうで、青山から来て降車扱い後、すぐに(せいぜい5分程度待機して)折り返し青山行きになるのが原則のようだった。
新潟駅で乗車扱い中
このバスのドアは、前の箱に2つ、後ろに1つの計3つ。前から出口・入口・入口となっていて、つまり中(+後)乗り・前降り、運賃後払い方式。新潟の普通のバスと同じ。【25日補足・SuicaなどIC乗車券対応で、乗降時にそれぞれタッチ。運賃は駅~万代シテイ間は100円。それ以外は青山までどこでも210円均一】
後ろの箱に乗ってみた。
前方を見る。手前左がいちばん後ろのドア
もちろんノンステップバス。上の写真の床が白い部分が連結部。ターンテーブルのようになっているが、フルフラット。連結部は路面電車の連接車と同じ構造かな。
天井のオレンジ色の部分は、横転した時の非常脱出口だそう。

車内は国産車と似ているようで、違う点も多い。
座席は前向きとロングシート混在。降車合図ボタンは国産のレシップ製【25日補足・その他ワンマン機器もレシップ製か】。
側面には非常口がないようで、窓の上には、
緊急脱出ハンマー。外すとブザーが鳴るとか書いていたか
窓を割って脱出する。昔の国鉄の寝台車にもあったな。
窓の開き方、クーラーの吹き出し口(?)、スピーカーの位置なんかも、国産車とは違う。
上の写真では、オレンジ色のパイプから吊り手(つり革)がぶら下がっている。それが後方では、
天井から直接ぶら下がる
しかも、パイプから下がるものも含めて、つり革自体の作りが違う。
国産では三角か円形のプラスチックの握りがあるものだけど、これは三角形の上2辺はベルト。底辺の直接握る部分だけが、木のようなものでできている。


新潟駅前からはそれほど乗客はいなかったが、(快速便では)次の万代シテイやさらに次の繁華街の各バス停でたくさん乗ってきて、席がほぼ埋まった。普通便の大型バスでは立ち客が出ていることも多く、連節バスが収容力を発揮している。
ただ、長い車体だけに、後ろに乗っていて途中で降りる時は、少々大変。距離が長いだけでなく、2つの入口ドアから乗りこんでくる人の波をかわさないといけないから。

長くてくねくね動くバスでは、道路幅やカーブ角度に制約があるのは想像が付く。萬代橋ラインのルートは、基本的には広くてカーブが少ない道ではあるが、そうではない部分もあった。
途中の白山駅周辺では、幅はあるものの片側1車線で歩道がない道。白山駅のロータリーも、新しいものの旋回がきついかもしれない。
路上駐車とか、積雪時(新潟市はそれほど積もるわけではないそうだが、積もる)はどうなんだろう。
歩道橋から。下りが万代シテイを発車する時はこんなくねり具合
乗り心地は、至って普通。前でも後ろでも国産の大型バスと目立った違いはなかった。居住性としては座席がちょっと狭くてきゅうくつな気がしなくもない。
上と同じ状況を向かい側地上から

正面は真四角
正面のデザインには、かつての国産バスを彷彿させられた。フロントウインドウが1枚のいすゞLVキュービックとか、角張りながらもふっくらした富士重工7Eボディとか。
ヘッドライト部分下の線状に点灯しているのがデイライトで、ウインカーも兼ねている。


さて、我が秋田市でこんな連節バスが走ったら…
路線の距離的には、秋田駅から自衛隊入口や美術大学前辺りとほぼ同じ。幹線道路を選べ(大町経由新屋線では無理)ば、道幅やカーブも大丈夫そう。でも、秋田駅西口のバスのりばがダメかも。東口なら余裕でしょう。
だけど、新潟より積雪は多い。そして何よりも新潟より人口もバス利用者も少ない。中型バスが1時間に数本走れば間に合うのだから。

※旅行記の続きは3つ目の乗り物
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新潟駅工事の現状

2019-09-02 17:46:44 | 旅行記
いなほで新潟駅に到着
これまで新潟駅には、数時間途中下車したり、改札を出ずに乗り換えたりで何度か利用している。駅も街も、今回初めてじっくりと見ることができた。
ただ、何年も前から、高架化や駅舎と周辺の整備がずっと続いており、訪れるたびに造りが変わっているし、今回は特にごちゃごちゃとしていた。工事中だから仕方ないけれど。周辺整備まで含めると、まだ当分かかりそう。
以下、2019年8月の状況です。

新潟市街地は駅北側「万代口」側。反対の「南口」が新幹線側で、改札口の名称としては東口と西口。
万代口駅舎
今の万代口側駅舎は、いかにも国鉄駅舎らしい造り。4階建て(客は立ち入れないはず)で大規模なのが、駅(または鉄道管理局や街)の規模を示し、壁が真っ白いのは珍しいかな。
新潟地震の前年1963年にできたそうで、いずれは解体されて新しくなる。

工事前は、万代口の改札を入るとすぐ在来線1番線で、各ホームへつながる跨線橋の階段があった。これも典型的国鉄駅の造り。
現在は、かつての地上在来線ホームはすべてなくなり、万代口寄りには仮の在来線地上ホームが1面2線(8・9番線)あるだけ。残りの在来線ホームは新しくなって3階に高架化されて、新幹線ホームの隣になった。万代口から新ホームへは、2階へ上がって従来の跨線橋~仮設通路みたいなのを相当歩かされる。
狭い部分もある。先を右折すると新ホーム上がり口
仮の通路は90度曲がって、さらに少し進むと、新しいコンコースへ出て、在来線各ホームへ上がることができる。万代口から見て逆「コ」の字の移動。
新コンコースは別世界。正面奥の人が多い部分が万代口への仮設通路
新潟駅は在来線の利用者もかなり多い。そのためか在来線各ホームへつながるコンコースも相当広い印象を受けた。今のところ、片隅にNewDaysが1つあるだけ【2日21時追記・トイレや待合室もある】で、自販機もなくがらんとしているようにも感じた。
床はグレー系の落ち着いた色合い。
発車標に内蔵された時計が、蛍光黄緑色のよくあるヤツ(セイコーファインクロック)でない、白地に黒い文字盤・針なのが珍しい。


ところで、改札に入らずに南北を行き来する自由通路もある。見た感じ古そうなものだったが、そちらでの行き来もなかなか遠く感じた。今回はフリーきっぷ「えちごツーデーパス」を買ったので、入場券として使って、いくぶん近い(気がする)改札内で何度か行き来した。ただ、自由通路の窓から、高架化工事の状況がよく見えたのはおもしろかった。
右が万代口方向
↑地面がかつての在来線ホーム跡。それが左上へ高架化されたということのようだ。左右の渡り廊下のようなのが、元跨線橋=延々と歩かされる通路のはず。
反対側
↑地上に残る在来線仮8・9番線。いずれ高架に移るのだろう。

新潟の駅ビルは「CoCoLo新潟」。建物がやたらと分散していて、これも分かりにくい。万代口側、南口側両方に、本館、○館、さらに「西N+」等々7つの建物に分散している。テナントは土産物屋からビックカメラまで多種多様で、初めて訪れた人は目的の店がどこにあるのかが把握できない。
東(館が付かない)はマツキヨと飲食店
東の2階入口前には、犬の銅像。雪崩に遭った飼い主を2度も助けたという昭和初期の柴犬「忠犬タマ公」。前から知っていたけどメスだったんだね。柴犬なのに尾が巻いてないのは珍しい。
前で待ち合わせする人は見かけなかった。タマ公像はハチ公より親しまれているのか、新潟県内にはここを入れて4基、横須賀市にもあるそうだ。

以上、改札内での移動距離や買い物を勘案すると、南側から出入りしたほうが何かと便利。でも、北側・万代口のほうに用がある旅行者が圧倒的だろうから、いかんともしがたい。工事完了まで辛抱。

再び改札内。新しい在来線高架ホームへ。
現時点では、在来線が高架で2~5番線、地上仮で8・9番線、新幹線が11~14番線。うち2番線は、工事現場との境目のためか異様に狭く、階段に列を作って乗車待ちし、駅員や警備員も張り付くという、異様な状態。
いなほが同一ホームで乗り換えできることから分かるように、既存の新幹線ホーム11番線の隣に、新しく造った在来線高架5番線がくっついている。新/在ともすっぽり屋根で覆われているが、屋根はそれぞれで別物。
左端が2番線。115系が1本、残り3本はE129系
普通列車で4つのホームが埋まっているのも、需要と本数の多さの現れ。
115系電車は残り7編成で、それぞれ歴代の6種類の塗装をまとっている。これは115系本来の「湘南色」「カボチャ色」で、3両で越後線へ向かうところ。

新在の乗り換えが容易になった新ホームではあるが、問題もあるように感じた。
5番線にいなほが入線
上の写真は5番線のいなほ自由席(5号車?)の乗車位置。乗車待ちの列ができている。
5番線と11番線の間は、2か所の改札口以外は柵などで行き来できないようになっている。1面2線構造ではあるが、実質は1面1線×2。だから、在来線ホームの専有面積(通行や滞留できるスペース)は、一般的な1面2線ホームよりも少ない。
さらにこの位置では、ホーム内側にキオスクがあるため、キオスクと黄色い点字ブロックの広くはないスペースに並ぶことになる。キオスクの裏側(ホーム内側)は新幹線ホームとの仕切りを兼ねており、在来線側の客は通れない。
だから、この状態でここを通過しようとする人は、黄色いの外側に出るしかない。
上の写真撮影前には、黄色い線の上を歩いて通ろうとする人がいて、まさに入線してきた電車に警笛を鳴らされていた。駅員が配置されたり、肉声放送で注意喚起するようなことはなかったと思う。
まずは監視と注意喚起、さらには停止位置・乗車位置の変更、さらにはホームドアの設置などできることは多い。
なお、5番線はいなほ専用でなく、普通列車なども発着。
【2日21時補足】この時並んでいる方々が、床面に示された線と逆方向に並んでしまっている(本来はもっとも狭い部分には並べないようになっている?)ような感じもする。どちらにしても広いとは言えない幅だし、逆に並んでいるのなら駅員が正しく誘導すべきで、これでは危険。

もう1つは、供食設備。新幹線もいなほも車内販売が縮小され、乗り換えの時に何か買いたい人もいるはず。
それなのに、このホームには、売店はこのキオスク1つしかないようだ。自動販売機はいくつかあるが、もう少し台数があってもいいと思う。


最後に新潟駅在来線ホームの自販機。よそとは違った。
5番線の自販機、柵の向こうが新幹線ホーム
上の写真で新幹線側のホームにかすかに写っているが、白に水色の模様が入った、JR東日本ウォータービジネスの「acure」の飲料自販機。秋田駅などJR東日本エリアではおなじみ。
一方、在来線側の自販機はグレーのボディ。
「acure」のロゴはあり、そういうデザインなのかとも思うが、側面には「N PROJECT」とある。新潟のNっぽいけど、何?
2018年春に、CoCoLo西N+のオープンに併せて発足したもので、「新潟の多様な自然・歴史・風土に培われた豊かなショク(食・職)文化を軸に、新たな価値創造と地域の発信を進めるプロジェクト」。なんだかよく分からないけど、どっちにしても自販機のラインナップはごく普通で、新潟らしさはないのでは?


その隣に、同色ボディで飲料ではない自販機があるのも特徴。在来線側では飲料とこれがセットで置かれているのが多かった。
紙パック飲料とかパンなどを売るのは全国的に見かける、テンキーで商品番号を入力するタイプの自販機。Suicaは使えない。
「プチモール」とある
扱う商品は、アルフォート、チョコあ~んぱん、きこりの切株、フェットチーネグミ、プチ、味ごのみ、羽衣あられ等々。新潟に本社があるブルボンの製品ばかり。
賞味期間が長い菓子パンが3種類ほど発売されており、愛知県の「COMO」ブランド。場所や時期によりパスコなどが入っていることもあるそうで、パンだけはブルボン以外。
どうもJRとは直接関係なく、ブルボン自身がやっている自販機事業のようだ(ボディにも小さくロゴがあった)。首都圏でも展開していて、Suicaが使えるものも存在するらしい。秋田では、少なくともブルボンばかりの自販機は見たことがない。

細長い「プチ」の包装など、入れるべき枠から少しはみ出していて、中で引っかかって商品が出てこない心配をしてしまうが、大丈夫なんでしょう。この自販機って、入れる商品の形状はかなり融通が利くんだね。

商品名にはなじみがあっても秋田のスーパーでは見たことがない味のものもあり、新潟限定もしくは自販機限定の商品もあるかもしれない。
地元企業の商品を集めた売店代わりにということで、これがN PROJECTなら多少は分かる。県外の者としては、「ブルボンのお菓子販売機」と大々的にしてもらったほうが、目に付いて買いたくなるのですが…

JR東日本新潟支社管内では、酒田駅の自販機もまた独特だった。後日。
※旅行記の続きはこちら(カテゴリーが違います)。
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半額いなほの旅

2019-08-28 19:54:24 | 旅行記

新潟旅行記本編(前回の記事)。
ここ2年ほど、夏に青春18きっぷで旅行していた。今年はどうしようかと考えていた時、「お先にトクだ値スペシャル」の発売が発表された。

JR東日本の予約サイト「えきねっと」では、たまに期間・列車限定で乗車券・特急券込みで半額の商品を売り出す。これまでは、○○新幹線開業何周年といった名目で、座席数も多くはなかったらしく、すぐに売り切れになって、取れたためしがなかったのだけど。

今回は、首都圏-新潟の上越新幹線と、新潟-山形県庄内の特急「いなほ」が対象。
「6月18日に発生した山形県沖地震により落ち込んだ観光需要の回復及び2019年10月1日から12月31日まで実施される「新潟県・庄内エリア デスティネーションキャンペーン」に向けた機運醸成を図るため」という名目。地震の被害が大きかった新潟県村上発着もあればいいようにも思うけど、ない。
7月30日から8月8日、19日から31日の乗車で、乗車20日前までの発売。お盆は除くものの繁忙期に半額とは太っ腹。
上越新幹線は例によって一部列車限定だが、いなほは全列車で発売。
※この後、キャンペーン本番中の10月19日から11月27日乗車分でも、同じ内容で半額が実施された。

新潟方面も旅先の候補にあったので、秋田から酒田まで別払いで行って、これを使っても、だいぶ安く付く。
予約状況を確認してみると、売り切れの列車はあまりなく、△と○の列車が多かった。発売数が多いのか、売れ行きが悪いのか。これは使える!


この商品は、新潟と鶴岡、余目、酒田の庄内地方3区間で設定されていて、微妙に価格が違う。【30日追記】「いなほ」への通常のトクだ値は今年春から発売されているが、それも同一の3区間。
一方、秋田から庄内へ通常のきっぷでは、酒田でも余目でも、乗車券も特急券も同額。したがって、余目を境にきっぷを分割するといちばん得。
秋田-新潟を繁忙期にいなほ指定席で乗り通すと7410円のところ、
秋田-余目いなほ自由席 + 余目-新潟トクだ値で5790円、
秋田-余目を普通列車 + 余目-新潟トクだ値で4450円となる。

ダイヤの制約もある。行きは秋田発でいちばん早い8号だと、時間が遅くてもったいない。
秋田を7時前の普通列車で発って、接続する酒田始発の6号にした。この場合は酒田で接続する普通列車がないので、酒田からのトクだ値にして、計4670円。
帰りは秋田行き最終の7号。これは余目と酒田で普通列車にうまく接続するので、トクだ値を余目までとした。当日、普通列車に乗る気分でなければ、自由席特急券を買い足して(余目から自由席へ移って)、そのまま秋田まで乗り通すこともできる。
トクだ値50(乗車券つき)
今年の春からだそうだが(例外あり)、JR東日本の車掌用の検札スタンプ(スタンパー)の日付が廃止され「入鋏済」に変わった。

座席位置の希望をせずに予約したら、偶然にも行き帰りとも、3号車11番D席になった! D席は山側だけど、半額なんだからぜいたくは言いません。
別に半額だから山側席にされわけでなく、通常どおりの予約順の割り当て(前方から左右窓際互い違いに)が行われたようで、あくまで偶然。また、行き帰りとも、乗車率は特別多くは感じなかった。


行きは、前夜からの雨が上がった頃。
秋田から順調に進み、乗り換えたいなほ6号は、新潟県の間島駅で停車。
「この先、大雨により線路が影響を受けており、この先の運行を打ち合わせ中」との放送。そう言えば、新潟県ではかなり降るという天気予報だった。運行情報サイト「どこトレ」を見ると、遅延の表示で運休にはなっていないので、ひと安心。
「(2駅先の)岩船町駅まで速度を落として運転」するとのことで、9分遅れで発車。

車窓から見る限り、道路・集落や田んぼそのものが冠水しているような場所はなさそうだったが、
小さな水路があふれた?
徐行運転に遭遇したのは、20年以上前に、奥羽本線の秋田・青森県境(白沢か陣場-碇ケ関間かな)以来。
個人的には、新潟到着後に急ぎの予定もなかったので、のんびり構えていたけれど、乗り継ぐ人や踏切で待たされている人は、落ち着かなかったことだろう。

間島駅の次が、停車駅の村上。この間に、電源が交流50ヘルツから直流に切り替わる「デッドセクション」がある。架線に電気が流れていない部分があり、そこを余力(惰性)で通過している間に、車両側で切り替えを行う。その場所であることに気付いたら、若干気になり出した。
いつもより遅い速度で通過するわけで、途中で力尽きて止まってしまわないだろうか。デッドセクション内で止まったら、自力で動き出すことはできない。

そのタイミングで、車掌から「まもなく電源切り替えのため、車内の照明が消えます。通路の自動ドアも使えません」と放送。
あれ? 485系では、セクション通過中は照明が消えていたけれど、E653系になってからは消えなかったはず(以前の旅行記にも、空調は止まったが照明は点いていたと記してある)。
今回は通過に時間がかかる分、バッテリーが持たなくて消えるのか?
たしかに照明が消えた。もちろん空調も止まる
あと通路の自動ドアも使えなくなるとは初めて知った。トイレに急ぐ人は大変だね。
通路ドア上の文字情報装置や村上到着の自動放送は、セクション通過中でも作動。

結果として、徐行でもデッドセクションを無事通過できた。そりゃそうでしょうね。

ところで、帰りのデッドセクション。徐行はしていない。
やはり車掌から照明が消える旨(自動ドアは言及なし)の放送が入った。なお、行きも帰りも酒田運輸区の車掌だった(秋田行き7号でも、酒田までは酒田運輸区担当とのこと)。
また消えた
停電中でも、予備灯と呼ぶのか、最小限の明かりは灯るようになっている。485系では、家庭用灯具の常夜灯(ナツメ球)のような蛍光灯でないものがぼーっと灯っていたが、E653系ではごく一部の蛍光灯が残る仕様になっていた。
E653系なのに、通常の速度なのに、車内照明が消えた。どうして?
E653系は、フレッシュひたちで常磐線を走っていた頃は消えなかったが、いなほに転用されてからは消えることもあるらしい。バッテリーが劣化したの??


岩船町駅を21分遅れで通過。あとは快調に飛ばす。
所定では新潟駅で10分で接続する上越新幹線がある。いなほは新幹線接続が大事な使命だし、新潟駅では同一ホームで乗り換えできるようになった。接続は後で案内するとのことだったが、上越新幹線はそんなにダイヤが密でもないし新幹線を待たせるかなと想像。

ところが、所定の新幹線には接続しない、次に乗れとの放送。高崎より先、大宮より先のダイヤの都合もあるだろうけど、昼間の上越新幹線は1時間に1本しかないわけで、「次」と言われても…
冷酷な宣告をされても、3号車では特に反応なし。驚いたり落胆したり怒ったりする客はいなかった。村上より先の各駅から乗った人には、乗車駅で断りがあったのかもしれないが、我々酒田や鶴岡から乗った客は、車内で初めて知ったのに。我慢強い東北人だとしても、多少のため息ぐらいは出そうなのに。

遅れは取り戻せず20分遅れで新潟に着いたので、新幹線が出たのは10分前。次の新幹線まで66分待ち。
新潟駅の新しくなったホームに初めて降り立った。
左側が新幹線ホームで間に乗り換え改札口
隣のホームに新幹線の姿はなく、乗り換え改札口も閉鎖されていた。
指定席券振り替えの窓口に行列ができたが、思ったよりは短い。いなほから新幹線に乗り継ぐ人より、新潟で降りる人のほうが多いのかな。


今年大幅に縮小された車内販売について。いなほでは新潟-酒田間で、ペットボトル飲料やお菓子程度が残った。7月からは「JR東日本サービスクリエーション」という新会社が実施している。
販売員の制服はNRE時代と同じ。車販の代名詞とも言えるワゴンはなくなっており、透明な肩掛けバッグでひっそりと車内を巡回する。男性の販売員でバッグを2つ使う人もいた。乗務前後に駅構内を移動する時は、肩掛けバッグとともに黒いキャリーバッグ状のものを押していて、ワゴンよりかえって大変そうに見えた。
発車後の販売員による車内放送は、行き帰りともなく、車掌からのみ。
肝心の売り上げは下りでは、新幹線から乗り継いだ客だろうか、新潟発車後最初の巡回でちらほら売れていた。それ以外ではさほど…
車販以外で酒田駅では以前と変わらず売店も自販機も貧弱。新潟駅の新しいホームも、新幹線と乗り換える人には駅弁も自販機も買いづらそうな構造(後日)。新潟駅はおいしい駅弁が豊富(これも後日)で、かつては乗換通路に駅弁の出店があったのに。一考の余地がある。

新潟駅はまだ工事が続いている(これも後日)。
現状では、市街地側の万代口から新幹線や新しい在来線ホームまでがとても遠い。改札口からホームまで徒歩3分以上は見ておくべきだろう。下りのいなほでは、発車間際に駆けこむ人が複数いた。

帰りは普通列車に乗り換える気分になれたので、余目と酒田で乗り換えて普通列車で秋田へ。
やはり在来線特急、特に「いなほ」の旅には、新幹線とも普通列車とも違う、独特の楽しさがある。

※旅行記次は新潟駅について

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GV-E400系乗車

2019-08-26 23:46:58 | 旅行記

新潟へ行ってきたので旅行記を。まずは、営業運行を開始したばかりのJR東日本の新型車両に乗車した話。
来年2020年度、五能線などにも導入される「GV-E400系」電気式気動車。※2015年の導入発表時の記事

この車両は、普通列車用気動車(ディーゼルカー)・キハ40系(キハ40形、キハ47形、キハ48形をまとめた便宜的呼称)の代替。
新潟地区では、2018年度から試験を行い、2019年度に本格導入、2020年春にはキハ40系がなくなる。
秋田地区では2020年度に導入。五能線(リゾートしらかみ以外)のほか、津軽線、秋田以北の奥羽本線の各一部のキハ40系を置き換える。【27日補足・津軽線と奥羽本線では、701系電車に混ざって一部のダイヤに気動車が使われている】
※秋田地区でほかにキハ40系が走っている男鹿線は、今回の導入対象外。
※電気式気動車はリゾートしらかみなどの「ハイブリッド車両」とは別物(だけど通ずる点もある)。男鹿線の蓄電池式電車EV-E801系とも別。


新潟での営業運転開始は8月19日。
JR東日本新潟支社が6月27日に発表したものの、磐越西線のSL運行開始20周年イベントをメインにした文書の中で、新型車両展示会が告知され、営業開始はさらにその中で告知されているという、分かりづらいやり方。
しかも当初の投入ダイヤは現地に泊まらないといけなそうな、よそ者には乗りづらい時間帯。

それでも、運行初日には記念ハガキの配布が行われ、初乗車狙いの人が集まった(立ち客多数)とのことだが、全体的にはさほど注目されていない感じ。
これからどんどん増備され、春にはイヤでも乗れるからということはあるだろうし、新しいものより古いものを好む鉄道愛好家のほうが多いだろうし。
個人的には、あまり好きじゃないキハ40系の後継かつ新技術の車両ということで、期待をこめて早く乗ってみたかった(今後秋田に導入されても、秋田駅まで来るのは1日1往復だけのはずで、乗るのは難しそうだし)。
新潟への旅行を計画していた時に、運良く情報を得て、行程をやり繰りして乗ることにした。

19日から投入されているダイヤは、磐越西線と羽越本線の各一部。所属基地のある新津駅を拠点とし、新潟駅には乗り入れない。
17時台に磐越西線の新津-馬下(まおろし)1往復、新津に戻って羽越本線で新発田へ1往復、再度羽越本線で山形県境の鼠ケ関まで行って滞泊。翌朝9時前に新津へ戻って車庫に入るという運用。
新津も新発田も新潟駅から近いものの、この日は新潟市内の宿はほぼ埋まってしまい、長岡市に宿泊することになった。そのため、少しでも早い時間である磐越西線に乗り、終点の少し手前・五泉(ごせん)駅で降りて折り返すことにした。

運行開始からまだ1週間経っていないものの、新津駅にはそれ目当てで来た人は少なそう。高校がまだ夏休みなのか、新津発はこの時間にしては乗客も多くなかった。戻りの新津行きは、思いのほか行きより乗客が多かった。
両運転台のGV-E400形
GV-E400系は、両運転台・片運転台トイレあり・片運転台トイレなしの3形式があり、それぞれ1両ずつつないだ3両編成での運用。
片運転台トイレありのGV-E401形
GV-E400系はステンレス車体。先頭部がカクカクして「顔」が四角形じゃなく八角形のような斬新で独特なデザイン。「金属の塊から削り出した」というイメージだそう。
事前に写真を見た限り、どう評価していいのか分からない感想を持った。実物を見ても、同じだった。そんなに嫌いじゃないけど、そんなに好きでもない。

キハ40系や最近のJR東日本の普通列車用電車の車体断面は、車体の幅を限界までいっぱいに取って車体上部を広く、下のほうだけを狭めた「裾しぼり」形状。701系電車などはストンと一直線の箱型の断面で、その分、少し車体幅が狭い。GV-E400系は、最近には珍しく箱型。

前面から無塗装の側面にかけて、小さい正方形というかドットが並んで帯状になったものが6段。
そのドットの色は、上下方向に淡い色あいのグラデーション。新潟地区のE129系電車の帯(稲穂の黄色とトキのピンク色)と共通性を持たせている。秋田地区では青系統にでもなるかな?
正面右の帯の部分に「GV-E400」と書いてあるが、401や402形でも同じなので、ここは「形式」でなく「系」を記していることになる。ガラス左上に形式と製造番号を表記。


車内へ。新車の匂いが漂うが、男鹿線EV-E801系(2年以上経ってもまだ多少香っている)とは違う匂い。GV-E400系は川崎重工製造、EV-E801系は日立製作所だからメーカーの違い?
ボックスシートとロングシートが混在するセミクロスシート。オールロングじゃないのは何より。車内の全体的な光景は、最近のJR東日本の普通電車とほとんど変わらない。特に、新潟地区のE129系電車とは、座席布地の柄も同じ(優先席を除く)なので、統一感がある。【28日追記】外観と打って変わって、中はオーソドックスなのに安心。
※以下、写真は両運転台のGV-E400形。
ロングシート部分。左手前は排気筒か何かで出っ張っている
ロングシート部分では、車体幅が狭いことがなんとなく分かる気がする。
ボックスシート部分。右奥はトイレ
天井中央にピンク色の帯が入っている。床面の色が違うことはあるけれど、特に普通列車でこういう天井は珍しい。
ボックスシートは車体の半分弱ほどのスペースを占める6ボックス。片側が1ボックス4人掛け、もう一方は2人掛けでキハ110系と同じ配置。車体幅の狭さを補い、通路幅を確保するためか。
でも五能線のような閑散路線では、両側4人掛けでも間に合う気がする。

参考までに
E129系の車内。3ドアで中ドア向こうがボックス
E129系は、左右とも4人掛け×4ボックス。

客席の窓は間隔がまばらだったり、銀色の太い窓枠が目立ったり、ちょっと古くさい感じもしなくはないけど、特に暗くはなさそう。窓は下側が固定、上3分の1くらいが、内側に倒れて開くという、珍しい作りだそう。例によってカーテンはない。

ボックスシートは、そのまばらな窓割りに合わせて配置されているため、だいぶゆったりとしている。E129系も座席間隔としては同じではないだろうか。テーブルや小物置きはなし。
最近のJR東日本の普通列車の座席は、硬い座り心地が標準。ただ、見た目は同じでも、形式や製造時期によってクッションは別物のようで、微妙に感覚が違う。
仙台のE721系電車のボックスシートに座った時は、もうちょっと柔らかいほうがいいのではと感じた。でも、今回E129系に乗ったら、そんなに悪くないような気もした。

GV-E400系は、ボックス、ロングとも他形式よりもややクッション性・反発感があり、ホールド感が薄いように感じられた【2024年5月6日追記・しっかり座っても、浅く腰掛けているような感覚とも言える】。ロングシートでは、背もたれの角度が急なような若干低いような気もした。気のせいか、新しくてこなれていないせいかもしれない。


ワンマン対応だが3両編成なので車掌が乗務。それでも日本語と英語の自動放送(男鹿線EV-E801系と同じ声か)が流れ、液晶ディスプレイの運賃表示器で駅名を案内していた。
EV-E801系では、ドアボタンがドアの右側にあるところと左側にあるところがあって、戸惑うのが難点。GV-E400系では、車内側はすべてドアの右側で統一されているようなのはいい【27日訂正・左側にボタンがあるドアもあるようでした。片開きドアだからそのほうがいい場合もあるのかもしれない】。車外側では左にあるドアも。


走行。現行では旧車両用のダイヤをそのまま使っているため、新型車両では余力があってフルパワーではないはずなのは踏まえたほうがいいだろう。
詳しい知識はないが、電気式気動車とは、ディーゼルエンジンを発電機として電気を作り、その電力でモーターを回して走行する、「発電機付きの電車」といったところ。
日本では戦前~戦後すぐにも開発されたものの、当時の技術ではうまくできなかったのが、21世紀になって実用化。電車と共通の部品やメンテナンス技術が使えるので、コストダウンになる。ハイブリッド車のバッテリーがないものとも言えるが、バッテリーが高価ということらしい。

座ったのはロングシート部分【28日補足・排気筒? 機器室? らしき出っ張りがある、ボックスシートとの境付近。近くのボックスシートにも少しだけ座った】。走り出すと、エンジン音と振動はけっこうある。変速したりうなったりするようなことがない単調なもの。ツイッターによれば、かすかにモーターの音が聞こえることがあるそうだが、分からず。
速度が出て加速をやめると、一転、とても静か。減速時も目立った音はなかった。
そう言えば、冷房が作動しているが、その音も耳障りではない。
さらに、気動車と言えば駅で停車中にアイドリングしているものだが、それがなかった。【27日補足・停車中に空調などで電力が必要になった時は、起動するのだろうか。】
あと、エンジン以外のレールから伝わる揺れや振動もおとなしい。

つまり、加速時だけがうるさい。加速時だけ意識すれば従来の気動車とあまり違わないけれど、それ以外の場面は電車と同等。
ホームで発車していくのを見送ると、ガリガリゴリゴリとかなりうるさい。小さい子どもの中には泣く子もいるかも。

この翌日、秋田への帰路でキハ110系気動車と701系電車に乗った。
キハ110系は加速が良く居住性も良い、好きな車両であったが、GV-E400系の後だと、いろいろ音がするし、ボックスシートは狭く、ヘタってしまったのかふにゃっと感じられた。
701系は、速いのはいいけれどモーターやレール・車輪の音が車内に響き渡り、とにかくうるさい。冷房もうるさい。そしてふわふわと揺れる。

フルパワーを出せるダイヤや上り坂での性能は気になるものの、第一印象としてGV-E400系は居住性も性能も悪くない。
秋田向けも帯色(と座席の色?)以外は同じものが来るだろうか。ボックスシートがもう少し多くてもいい気もするが、期待できる新車両だと思う。
※予定通り、翌2020年に秋田地区に導入された。

4方向から路線が集まる新津駅。向こうのホームにはキハ110系とキハ47
そのほか新潟方面の話題をおいおいアップします。※次の記事

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最後? の車販アイス

2019-03-20 00:43:54 | 旅行記
3月16日のダイヤ改正で、大幅に縮小されたJR東日本の車内販売。※車内販売を行うのは、JR東日本関連会社の日本レストランエンタプライズ(NRE)。
最終日の模様は、秋田のローカルニュースで大きめに取り上げられた。
見た限り、そのすべてが、秋田駅11時07分発「こまち18号」に乗務した、20年のベテラン社員(39歳女性)を取り上げていた。車内での光景も取材されていたので、JRもしくはNREがマスコミ向けにセッティングしたのだろう。

前回述べたように、公式発表や報道を見ても、3月16日以降、観光快速列車の車内販売はどうなるのか、NRE秋田列車営業支店の存廃とその従業員はどうなるのかが分からなかった。今回の報道でも、それは変わらず。
観光列車については、JR東日本へ問い合わせて、今回の改正で廃止など変更はないとの回答を得た。
【20日追記】↑ところが20日付で秋田支社が「リゾートしらかみ号の販売サービスを見直します ~「ふれあい販売」を拡充して、ワゴン販売を終了します~ 」を発表。3本のうち「ブナ編成」でのカウンター販売は継続するものの、「青池」「くまげら」編成でのワゴン販売は3月31日で終了。代わりに、現在もNREのワゴン販売とは別に、区間を区切って沿線の地元の団体等が行っている「ふれあい販売」という名の車内販売の実施日を増やし、今後もさらに拡充していくという。わずか2週間差でこうなるとは、なんとも…
それにしても、ブナ編成の運用は時期によって違うので説明しにくいし、実施日が増えると言ってもふれあい販売がない日もある。そもそもふれあい販売の販売品目は限られている(スジャータのアイスはないだろうし、コーヒーとか緑茶とかコーラとかも?)し、リゾしらは乗車時間が長く、ホームに自販機がないような途中駅もある。空腹で乗り通すならまだしも、熱中症やエコノミークラス症候群になる客が出ないだろうか。
これで、ほんとうに秋田県内のJRの列車からワゴン販売はなくなってしまう(秋田内陸縦貫鉄道ではやっている)。
【21日さらに追記】リゾしらのカウンターがない2編成のうち、「くまげら」はいずれ新車に更新される可能性が高いので、カウンターが設置される可能性もある。カウンターなしで更新済みの「青池」には、改造してカウンターを設置して、3編成で統一することもできよう。最終的にはカウンターの有無を統一したほうが、客にしてもJRにしても分かりやすい。最悪、ブナのカウンターもやめてしまう可能性もあるけれど。(以上追記)
NRE秋田支店の存廃については、聞くようなことではないから不明。ただ、取材されたベテラン社員について「こまち号での最後の乗務」という言い回しをするマスコミがあったかと思う。これは「こまち号以外では、この後も乗務がある」とも受け取れる。リゾしらは担当するってこと???
※この後、2019年7月で、JR東日本管内すべての車内販売業務がNREから「JR東日本サービスクリエーション」という企業へ移管されていた。ただし、NRE秋田列車営業支店では、サービスクリエーションではなくJR東日本東北総合サービスへ移管され、ブナのカウンターを担当している。この記事末尾参照。


また、本件に合わせてJR東日本秋田支社では、秋田駅での乗車前に駅弁を買ってもらいやすくするための「販売強化」を実施。
具体的には、待合室(改札外)の中の土産物店「おみやげ処こまち苑」でも、新たに駅弁を取り扱うことと、中央改札口横(改札外)のNEWDAYS秋田中央口店のリニューアルを行いレイアウトや看板を変更する。
NEWDAYSは、外から見る限りでは、弁当ケースなどは従来のままで「秋田の駅弁コーナー」「秋田のお土産ショップ」という看板が付いただけ。

この点については、報道で新たなことが分かった。
朝日新聞秋田版によれば、15日以前の「「こまち」は、車内販売用に1日平均100個の駅弁を積んでいた。」。16日以降は、新店舗も含めて「駅全体でこれまでより120個多い440個を並べる」とのこと。

秋田魁新報によれば、「「橋上弁当売店」は、利用者の減少を理由に31日で営業を終了する」。中央改札口の在来線側を入ってすぐ左側の小さいスタンド形式の店。
(再掲)工事途中だけどこの店
NREの経営のようで、年中無休で7時50分から17時00分までの営業。大館の花善の鶏めしも、コンビニタイプのおにぎりも少々扱っていたが、たしかにそんなに売れてはいなそうだった。
なお、駅ビルトピコの関根屋の店は、改札内外両方から買えるが、品揃えはおそらく関根屋のみのはず。


さて、15日のNHK秋田のテレビでは、この話題を6分48秒も伝えた。
3月15日更新のNHKニュースサイトより
そのタイトルは「秋田新幹線一部の車内販売終了へ」。「開業から22年続いた秋田新幹線の一部の区間の車内販売の営業が15日で終わり」と始まる。これには違和感。

最初のほうで、秋田県外や「いなほ」でも縮小されることに触れてはいる。現在の列車本数からすれば、秋田新幹線に重点を置くのはまあ分かる。
でも「開業から22年続いた秋田新幹線の一部の区間の車内販売」が気になる。これでは、22年前に初めて車内販売が始まったかのような言い回し。事実を過小というか矮小化している。

実際には、前身の特急「たざわ」でもあったし、その他&それ以前の列車の多くでも車内販売が実施されていた。
調べてもよく分からないが、おそらく、秋田県内では昭和36(1961)年運行開始の特急「つばさ」「白鳥」までは確実にさかのぼることができるはず。
22年どころか60年近い歴史はあり、それがなくなってしまうのだ。NHKは40年分は無関係だと言いたいのだろうか。


NHKでは続けて「駅弁業者からも惜しむ声が上がっています」として、大館駅の鶏めしの製造元「花善」の状況と社長のコメントを紹介。
花善の「先月までの1年間の車内販売の売り上げは、寝台列車などが走っていたピーク時の昭和50年代よりおよそ95%減っている」「会社の駅弁の売り上げ全体に占める車内販売の割合は小さくなっていて、今回、弁当の車内販売が終わることに伴う売り上げへの影響は、それほど大きくないということです。」。
車内販売よりも、秋田駅や盛岡駅のような大きな駅、秋田県内と津軽のスーパーなどでの販売のほうが量・売り上げは多いのは、想像がつく。

そして、「この会社では、もともと大館駅で駅弁の販売を始め、その後、車内販売を続けてきた歴史があることから、車内販売への思い入れは強いということです。」「社長は、「私たちは弁当屋ではなく駅弁屋だという思いがあるが、車内販売までなくなると、駅弁屋と名乗ってよいものか、悩ましく思っている」と話し、車内販売の終了を惜しんでいました。」。
うーん。よく分からない。
駅売りの後で車内販売を初めて続けたから、車販への思い入れが強いそうだけど、たいていの駅弁業者はその流れで車販に関わったのでは?
なお、以前述べたように、10年くらい前までは、花善自身が鶏めしの車内販売を行っていた区間もある。それは自らやめたことになる。それとは別に、新幹線でNREに委託というか納品して、車内販売してもらっていたのが、今回で終わった。

あと、駅弁屋としてのアイデンティティーに悩んでおられるそうだけど、ホームでの立ち売りをしなくなった今だって、大館駅向かいの店舗とNEWDAYSで買えるのだから、それをもって立派な大館駅弁であると認識する人が多いだろう。悩む必要はない。
それに、そんなことで悩むのなら、自ら決めたであろう津軽や秋田市まで運んでスーパーで売ったり、さらにパリで売るようなことは、駅弁屋としてはどうなのか…ということになるのでは。車販をやめたごときで悩むことではないですよ。


個人的には、車販といえば、駅弁よりもコーヒーよりも、スジャータのアイスクリーム。
NHK秋田のレポートでも、ベテラン販売員が発車前にアイスクリームを勧めて、後で乗車した記者が買う場面があった。
基本的に車内販売以外では流通しない商品らしく、これからはJR東日本エリアでは入手は難しくなる。※観光快速列車では継続。
ネット上には、首都圏の駅の弁当売店だかNewDaysだかで取り扱うようになったとの情報があった。秋田駅では?【23日追記】23日時点のNewDays秋田ぽぽろーど店では、なさそうだった。

実は、15日に特急「いなほ」に乗る機会を得た。絶好のチャンス!

乗ったのは、酒田以北では上り1便の8号。秋田列車営業支店の担当。【20日補足】いなほは1往復だけが秋田担当で、残りは新潟担当。少なくとも新潟担当の下りいなほの車内販売では、土産用の箱入りの笹だんごを扱っていた。この時は秋田の金萬は扱っていたが、笹だんごは不明。ある程度日持ちするので、前日の残りを扱っていたかもしれないが、逆方向の秋田発では土産として買う人はあまりいないでしょう。
以前は、各座席前の網袋に、車内販売メニューが差しこまれていた。今年1月末時点でもあった。それが15日には、既になくなってしまっていた。

スジャータのアイスはバニラのほか、近年は路線・期間限定のフレーバーもあった。
昨年11月22日付の発表では、昨年12月1日から今年3月31日まで、東日本エリアで「キャラメル ヘーゼルナッツプラリネ」があることになっていた。その後で発表された車販縮小と合わせると、3月16日から31日までは北陸新幹線だけで販売されるということなんだろうか。
個人的には、特にこういうプレミアムアイスクリームは、味付きよりもバニラがいちばんと思っているから、あまり興味はないのですが。

ワゴンが来たので「アイスクリームください」というと、「バニラでよろしいですか?」と問われた。キャラメルヘーゼルナッツは、もう在庫がなくなって入荷しないということなんだろうか。もちろんバニラでけっこう。「硬いので溶けるまでお待ちください」的な決まり文句もいただいた。
ちなみに、NHK秋田の映像では、味の確認はせずにすぐにバニラを渡していた。放送上のヤラセというか演出というかなのか、でなければ対応としてはいなほの販売員のほうが親切で適切なのでは?
最後かもしれないスジャータのアイスクリーム 120ml 8%税込み290円
レシートは「めいらくバニラ」。

商品名は「High Quality ICE CREAM」で「北海道産生クリーム使用」。フタは紙製で、アルミシールの中ブタ。
無脂乳固形分10.0%、乳脂肪分15.5%、卵脂肪分1.5%。原材料 生乳、乳製品、砂糖、卵黄/バニラ香料。1カップ279kcal。

参考として、ハーゲンダッツのミニカップバニラは、フタもシールフタもプラスチック製で、110ml、272円+税。
無脂乳固形分10.0%、乳脂肪分15.5%、卵脂肪分0.8%。原材料 クリーム、脱脂濃縮乳、砂糖、卵黄/バニラ香料。244kcal。

思っていたよりも黄色っぽくなくて白い
最近は、ツイッターで「#シンカンセンスゴクカタイアイス」というハッシュタグで、スジャータのアイスクリームの写真を投稿するのが流行っていた。
容器にも「アイスが固い場合は、しばらく待ってからお召し上がりください」と書いてあった。10分やそこらじゃ、まだまだ硬かった。

同時に食べ比べたわけではないけれど、ハーゲンダッツよりもスジャータのほうが濃厚に感じられたし、なんていうか素直なアイスの味がして、さすがにおいしい。改めて実感。【20日補足】両者で卵脂肪分の差が大きく、スジャータのほうが多いからそれに起因するのか。あとバニラ香料の使い方も違って、味の差になっていそう。
JR東日本エリアの優等列車(特急や新幹線)の車内でアイスクリームを食べるのは、これが最後だろう。だけど、スジャータのアイスクリームはこれで食べ納めにはしたくない。と言っても、次に食べられるのはいつになるだろう…


最後に車販アイスの思い出。
初めて車内販売でアイスクリームを売っているのに遭遇したのは、昭和の東北新幹線「やまびこ」。
大宮発着だった開業直後かもしれないし、少し経った上野開業後の1986年頃だったかもしれない。同時期の秋田の在来線では売っていなかった。

ワゴン販売とは別に、男性がダンボール箱を抱えて売りに来ていた。宇都宮辺りで1回しか来なかったか。食べたいとは言い出せずに眺めていたが、次々に買い求める人がいてなかなか売れ行きが良かった。夏休み中だったのか。
買わなかったのでどんなアイスクリームだったかは分からないが、ネット上ではスジャータのアイスクリームは1991年発売開始との情報があるので、別商品だったのか。
何度も書くけれど、2000年代でも「あずさ」では小岩井のアイスクリームが売られていた(この時も箱で売りに来ていた)。これはこれでおいしかったし、かなりのレア商品かも。今もどこかで買えるのかな?

やがて、新幹線でも在来線特急でも、定番商品としてアイスが加わる。スイーツという言葉が広まった頃(2000年代?)には「車内スイーツ」と紹介されたこともあった。
当初は、ワゴンと別にクーラーバッグで売りに来ていたこともあったが、近年はワゴンに小さなバッグをセットして、他の商品といっしょに売ることが多かった。それでも、ワゴンを止めて頼むと、「お待ちください」と準備室に取りに戻ることもあった。
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