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リゾしら くまげら編成

2021-09-25 20:37:13 | 旅行記
秋田駅から奥羽本線~五能線で八峰町方面へ行った道中の話。
行きの奥羽本線は快速「リゾートしらかみ3号」と普通列車がある時間。指定席券は閑散期で200円引きの320円だし、普通列車より空いているだろうと、東能代までリゾしらを利用。
予想通り【26日補足・というか予約時のえきねっとの画面で分かっていたのですが】両手で数えられる程度の乗客、だったのは1~3号車。先頭の4号車は、小学生の団体で満席だった。小規模校の修学旅行?
秋田駅ホームには駅弁の立ち売りもなく(車内販売もなし)、駅員2名が見送ってくれただけ。

今回は「くまげら」編成。ハイブリッド車HB-E300系気動車ではなく、キハ40系気動車(形式は4両ともキハ48形)。
JR東日本では、男鹿線・五能線はじめキハ40系のほとんどが廃車されたので、最後の最後の残党。僕はキハ40系は嫌いなので、今回、好んで選んで乗ったのではありません。たまたま。と言いつつ、名残惜しい気持ちもなくもなく…

くまげら編成は、リゾートしらかみ3編成(他は青池、ブナ)のいちばん最後、2006年登場。※ただしボックス席2号車は1997年改造の初代青池編成からの転用、3号車は2011年の追加改造。
2010年に東能代→秋田で乗って以来、まだ2度目か。

前から思っていたが、エンジンなどは男鹿線用と変わっていないのに、乗り心地は良くなっている。原型と内装が大幅に変わっていて、窓が固定されていることもあるだろうけれど。
加速もいくらか良いような気もするし、減速~停車時に床下からゴリゴリゴリギギギーと振動や音がすることもない。ある程度速度が上がると、左右に小さくゆらゆら揺れる(701系のふわふわとは違う)のも、普通列車では経験したことがないような。

車内。ハイブリッド2編成よりも、このくまげら編成のほうが優れていると思うのが、客席の窓。
窓の外の水田は稲刈り終了
窓が縦方向に広い。ハイブリッド編成も決して小さい窓ではないが、ここまでではない。
(再掲)ハイブリッド青池編成。座席の間隔は同じ
頑丈なキハ40系だからこそ、ここまで大きくできたのか。現場や設計陣の熱意の現れだったのか。
向こうはE751系 特急「つがる」

ネットでいろいろ見て気がついたが、2人掛けシートの1、3、4号車の内装は同一ではなく、床や天井の構造やデザインは微妙に異なるのだった。3号車は改造時期が5年違うから当然として、1号車が車椅子対応ということもありそう(1号車は通路と座席に段差があり、他は客席全体がかさ上げされているようだ)。
3号車にはなく、1・4号車の天井にあるもの。
1号車
初代ブナ編成には、通路部分の照明カバーの中にブラックライトも入っていて、(蛍光灯を消灯し、ブラックライトを)点灯させると星空が浮かび上がる「ファンタジーライト(参考記事)」なる装備があった。作動中の補助光として、座席上の天井に丸いスポットライトのような証明が埋まっていた。
くまげら編成にファンタジーライトはないが、丸いライトはある。
こういうの
凹凸の模様が付いたガラスの中に、小さな球形のオレンジ色の発行体が入っているようだ。イクラを連想してしまったけれど、形・土地からすれば、ハタハタの卵塊「ブリコ」?

3号車と2号車の連結部
キハ40系には「運転席がない車両」は存在せず、リゾートしらかみ改造で中間にされた車にも、運転席が残っている。塗装以外は変更されず、普通列車時代の形そのままで。初期の青池編成では、検査時や閑散期に2両編成に短縮して、その運転席を先頭に営業運転したこともあった。

乗務員用ドア付近のラインの上に記された四角。
搭載された自動列車停止装置(ATS)の種類を示すもので、3号車は「PS」、2号車は「SN」。
今は秋田でもATS-PSが使われていて(いずれATS-Pへ移行予定)、ATS-SNは過去のもの。だから、おそらく2号車が先頭での本線走行はできない。2号車先頭で走る機会は長いことなく、改造不要とされていたのか。

東能代駅3番線
東能代駅構内には、今春、男鹿線・五能線から引退したキハ40系が10両前後だろうか、留置されている。
ほかに土崎の秋田総合車両センターにも留置されている。それらの中から千葉県の小湊鐵道や兵庫県の北条鉄道へ譲渡された車も。
五能線色キハ40 521には「ありがとう」マーク貼付、タラコ色はキハ48 544
くまげら編成自身も同型であり、引退・留置された車と車齢は変わらない。
JR東日本では、リゾート列車に改造されたキハ40系でも廃車が進んでいる。
初代ブナ編成は、2018年に塗装を変更し、秋田港のクルーズ船寄港客輸送用「あきたクルーズ号」となったが、新型コロナウイルスの影響もあるのか、2020年9月付であっけなく廃車(土崎に留置中)。
残るは初代青池だった「クルージングトレイン」、仙台の「びゅうコースター風っこ」、新潟の「越乃Shu*Kura」、そしてくまげら。

JR東日本ホームページでは、2022年3月までのリゾートしらかみの「運行カレンダー」、何号にどの編成が入るかの予定が公表されている。例年、冬場は弘前止まり1往復減の2往復で、週末を中心の運行に縮小されるので、2編成で回せる。
この冬は、2021年12月7日を最後に、くまげら編成が走らないことになっている。
ネットでは「くまげら編成が引退か?」という投稿も見られるが…
※「『来年度の』運転計画に、くまげら編成が入っていない」というのは間違い。来年度の計画自体が未発表。現時点では確実なのは、2021年末から2022年3月までの間でリゾートしらかみとしては走らないということ。

他路線での臨時列車等に充当される可能性もあるので、少なくとも冬の臨時列車発表までは判断できないだろう。【10月15日追記】冬の臨時列車が発表。くまげら編成は2022年2月の冬まつり用として、秋田~大館で運行される。少なくとも2021年12月がラストランではないのが確実に。【2022年1月21日追記】2022年度のリゾートしらかみ運転計画が発表され、これまでと変わらず3編成体制が続くことになった。
また、くまげら編成は、2021年2月に定期検査である全般検査を通っており、大至急廃車の必要もないだろう。一方、今春引退した普通列車用では2020年中に全検を受けた車もあった(それが3セクへ譲渡されたのだろう)ので、廃車は当分ないとも言い切れない。
仮に引退となれば、2編成同様、ハイブリッド化されるものだと思っていた。2016年7月に新しくなったブナ編成では、2015年5月にその旨の発表があった。だから、発表がない現時点では、くまげら編成ハイブリッド化されるのは、すぐではないことになろう。

でも、新型コロナウイルス流行や(コロナ以前から)必ずしもいつも満席ではない利用実態を考えると、くまげら編成を廃止・1往復減らして、2編成・2往復体制にする可能性もなくはないかも。
あるいはJR東日本のことだから、ポストコロナ・ウィズコロナを踏まえた、次世代リゾート列車としての新・くまげら編成を構想中なんてこともあるかも。
現・くまげら編成の先が長くはないのは間違いないはずだが、それがいつで、その後どうなるかはまだ分からない。

東能代からは五能線に乗り継いだ。続く

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