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秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

半額いなほの旅

2019-08-28 19:54:24 | 旅行記

新潟旅行記本編(前回の記事)。
ここ2年ほど、夏に青春18きっぷで旅行していた。今年はどうしようかと考えていた時、「お先にトクだ値スペシャル」の発売が発表された。

JR東日本の予約サイト「えきねっと」では、たまに期間・列車限定で乗車券・特急券込みで半額の商品を売り出す。これまでは、○○新幹線開業何周年といった名目で、座席数も多くはなかったらしく、すぐに売り切れになって、取れたためしがなかったのだけど。

今回は、首都圏-新潟の上越新幹線と、新潟-山形県庄内の特急「いなほ」が対象。
「6月18日に発生した山形県沖地震により落ち込んだ観光需要の回復及び2019年10月1日から12月31日まで実施される「新潟県・庄内エリア デスティネーションキャンペーン」に向けた機運醸成を図るため」という名目。地震の被害が大きかった新潟県村上発着もあればいいようにも思うけど、ない。
7月30日から8月8日、19日から31日の乗車で、乗車20日前までの発売。お盆は除くものの繁忙期に半額とは太っ腹。
上越新幹線は例によって一部列車限定だが、いなほは全列車で発売。
※この後、キャンペーン本番中の10月19日から11月27日乗車分でも、同じ内容で半額が実施された。

新潟方面も旅先の候補にあったので、秋田から酒田まで別払いで行って、これを使っても、だいぶ安く付く。
予約状況を確認してみると、売り切れの列車はあまりなく、△と○の列車が多かった。発売数が多いのか、売れ行きが悪いのか。これは使える!


この商品は、新潟と鶴岡、余目、酒田の庄内地方3区間で設定されていて、微妙に価格が違う。【30日追記】「いなほ」への通常のトクだ値は今年春から発売されているが、それも同一の3区間。
一方、秋田から庄内へ通常のきっぷでは、酒田でも余目でも、乗車券も特急券も同額。したがって、余目を境にきっぷを分割するといちばん得。
秋田-新潟を繁忙期にいなほ指定席で乗り通すと7410円のところ、
秋田-余目いなほ自由席 + 余目-新潟トクだ値で5790円、
秋田-余目を普通列車 + 余目-新潟トクだ値で4450円となる。

ダイヤの制約もある。行きは秋田発でいちばん早い8号だと、時間が遅くてもったいない。
秋田を7時前の普通列車で発って、接続する酒田始発の6号にした。この場合は酒田で接続する普通列車がないので、酒田からのトクだ値にして、計4670円。
帰りは秋田行き最終の7号。これは余目と酒田で普通列車にうまく接続するので、トクだ値を余目までとした。当日、普通列車に乗る気分でなければ、自由席特急券を買い足して(余目から自由席へ移って)、そのまま秋田まで乗り通すこともできる。
トクだ値50(乗車券つき)
今年の春からだそうだが(例外あり)、JR東日本の車掌用の検札スタンプ(スタンパー)の日付が廃止され「入鋏済」に変わった。

座席位置の希望をせずに予約したら、偶然にも行き帰りとも、3号車11番D席になった! D席は山側だけど、半額なんだからぜいたくは言いません。
別に半額だから山側席にされわけでなく、通常どおりの予約順の割り当て(前方から左右窓際互い違いに)が行われたようで、あくまで偶然。また、行き帰りとも、乗車率は特別多くは感じなかった。


行きは、前夜からの雨が上がった頃。
秋田から順調に進み、乗り換えたいなほ6号は、新潟県の間島駅で停車。
「この先、大雨により線路が影響を受けており、この先の運行を打ち合わせ中」との放送。そう言えば、新潟県ではかなり降るという天気予報だった。運行情報サイト「どこトレ」を見ると、遅延の表示で運休にはなっていないので、ひと安心。
「(2駅先の)岩船町駅まで速度を落として運転」するとのことで、9分遅れで発車。

車窓から見る限り、道路・集落や田んぼそのものが冠水しているような場所はなさそうだったが、
小さな水路があふれた?
徐行運転に遭遇したのは、20年以上前に、奥羽本線の秋田・青森県境(白沢か陣場-碇ケ関間かな)以来。
個人的には、新潟到着後に急ぎの予定もなかったので、のんびり構えていたけれど、乗り継ぐ人や踏切で待たされている人は、落ち着かなかったことだろう。

間島駅の次が、停車駅の村上。この間に、電源が交流50ヘルツから直流に切り替わる「デッドセクション」がある。架線に電気が流れていない部分があり、そこを余力(惰性)で通過している間に、車両側で切り替えを行う。その場所であることに気付いたら、若干気になり出した。
いつもより遅い速度で通過するわけで、途中で力尽きて止まってしまわないだろうか。デッドセクション内で止まったら、自力で動き出すことはできない。

そのタイミングで、車掌から「まもなく電源切り替えのため、車内の照明が消えます。通路の自動ドアも使えません」と放送。
あれ? 485系では、セクション通過中は照明が消えていたけれど、E653系になってからは消えなかったはず(以前の旅行記にも、空調は止まったが照明は点いていたと記してある)。
今回は通過に時間がかかる分、バッテリーが持たなくて消えるのか?
たしかに照明が消えた。もちろん空調も止まる
あと通路の自動ドアも使えなくなるとは初めて知った。トイレに急ぐ人は大変だね。
通路ドア上の文字情報装置や村上到着の自動放送は、セクション通過中でも作動。

結果として、徐行でもデッドセクションを無事通過できた。そりゃそうでしょうね。

ところで、帰りのデッドセクション。徐行はしていない。
やはり車掌から照明が消える旨(自動ドアは言及なし)の放送が入った。なお、行きも帰りも酒田運輸区の車掌だった(秋田行き7号でも、酒田までは酒田運輸区担当とのこと)。
また消えた
停電中でも、予備灯と呼ぶのか、最小限の明かりは灯るようになっている。485系では、家庭用灯具の常夜灯(ナツメ球)のような蛍光灯でないものがぼーっと灯っていたが、E653系ではごく一部の蛍光灯が残る仕様になっていた。
E653系なのに、通常の速度なのに、車内照明が消えた。どうして?
E653系は、フレッシュひたちで常磐線を走っていた頃は消えなかったが、いなほに転用されてからは消えることもあるらしい。バッテリーが劣化したの??


岩船町駅を21分遅れで通過。あとは快調に飛ばす。
所定では新潟駅で10分で接続する上越新幹線がある。いなほは新幹線接続が大事な使命だし、新潟駅では同一ホームで乗り換えできるようになった。接続は後で案内するとのことだったが、上越新幹線はそんなにダイヤが密でもないし新幹線を待たせるかなと想像。

ところが、所定の新幹線には接続しない、次に乗れとの放送。高崎より先、大宮より先のダイヤの都合もあるだろうけど、昼間の上越新幹線は1時間に1本しかないわけで、「次」と言われても…
冷酷な宣告をされても、3号車では特に反応なし。驚いたり落胆したり怒ったりする客はいなかった。村上より先の各駅から乗った人には、乗車駅で断りがあったのかもしれないが、我々酒田や鶴岡から乗った客は、車内で初めて知ったのに。我慢強い東北人だとしても、多少のため息ぐらいは出そうなのに。

遅れは取り戻せず20分遅れで新潟に着いたので、新幹線が出たのは10分前。次の新幹線まで66分待ち。
新潟駅の新しくなったホームに初めて降り立った。
左側が新幹線ホームで間に乗り換え改札口
隣のホームに新幹線の姿はなく、乗り換え改札口も閉鎖されていた。
指定席券振り替えの窓口に行列ができたが、思ったよりは短い。いなほから新幹線に乗り継ぐ人より、新潟で降りる人のほうが多いのかな。


今年大幅に縮小された車内販売について。いなほでは新潟-酒田間で、ペットボトル飲料やお菓子程度が残った。7月からは「JR東日本サービスクリエーション」という新会社が実施している。
販売員の制服はNRE時代と同じ。車販の代名詞とも言えるワゴンはなくなっており、透明な肩掛けバッグでひっそりと車内を巡回する。男性の販売員でバッグを2つ使う人もいた。乗務前後に駅構内を移動する時は、肩掛けバッグとともに黒いキャリーバッグ状のものを押していて、ワゴンよりかえって大変そうに見えた。
発車後の販売員による車内放送は、行き帰りともなく、車掌からのみ。
肝心の売り上げは下りでは、新幹線から乗り継いだ客だろうか、新潟発車後最初の巡回でちらほら売れていた。それ以外ではさほど…
車販以外で酒田駅では以前と変わらず売店も自販機も貧弱。新潟駅の新しいホームも、新幹線と乗り換える人には駅弁も自販機も買いづらそうな構造(後日)。新潟駅はおいしい駅弁が豊富(これも後日)で、かつては乗換通路に駅弁の出店があったのに。一考の余地がある。

新潟駅はまだ工事が続いている(これも後日)。
現状では、市街地側の万代口から新幹線や新しい在来線ホームまでがとても遠い。改札口からホームまで徒歩3分以上は見ておくべきだろう。下りのいなほでは、発車間際に駆けこむ人が複数いた。

帰りは普通列車に乗り換える気分になれたので、余目と酒田で乗り換えて普通列車で秋田へ。
やはり在来線特急、特に「いなほ」の旅には、新幹線とも普通列車とも違う、独特の楽しさがある。

※旅行記次は新潟駅について


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5 コメント

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Unknown (秋田市のho)
2019-08-28 22:25:13
管理人 様


特急いなほのE653系電車、
グリーン席にフットレストかレッグレストが装備されておりましたら、
モアベターでありましたけれども。(^・^;)

今からでも、
非固定式の踏み台のようなフットレスト等を追加して頂けましたら、
モアベターでありますけれども。(^・^;)
返信する
もう2年・・月日は早く (あんなか)
2019-08-29 22:26:19
いなほは2017年9月にこまちが満席で新潟回りで上京した時と違ってかなり使いづらいダイヤ時間になりました。
あの時はデットセクションでもアナウンス無く空調が止まりました。
それにしても新潟駅のホームは乗り換えがスムースで使いやすそうですね。
秋田駅(の周辺)も絶えず工事してますね。
地元民は気づかないのですが首都圏の親戚に「去年も工事していたような気がする」と言われました。
返信する
コメントありがとうございます (taic02)
2019-08-29 23:28:27
>秋田市のhoさん
とてもゆったりして快適と評判のいなほのグリーン車ですが、なるほど。フットレスト・レッグレストなかったのですね。
JR東日本の新幹線ではどちらも標準装備のようで、以前E4系のグリーン車でレッグレストを使って、なかなか良かったです。

秋田から新潟までグーリン車に乗ったら、ぜいたくであり、コストパフォーマンスもいいでしょうね。

>あんなかさん
今回、8号が遅くなったことを身を持って実感させられました。酒田以遠も含めて、その是非はどうなんでしょうね。
新潟駅同一乗り換えは、乗り換えだけならとても便利ですが、ホーム上の売店や自販機が少なく、飲食の補給は物足りなそうでした。在来線ホームの幅が少々狭く、もう少し余裕があれば…とも感じました。

たしかに秋田駅周辺はいろいろとやっています。ずっと空き地のまま放置よりはいいですが、形としてできあがるとまた見方が変わるでしょう。
返信する
Unknown (いつも安くチケット購入して東京から新潟周りで酒田へ)
2023-01-30 10:09:58
東京から新潟迄は何本も新幹線が走ってるので、簡単に行けますが、在来線いなほの本数が極めて少なく、新潟迄行っても1時間以上在来線いなほを待つ事があって、アクセスの悪さ田舎だから仕方ないのか…と毎回思います。
新幹線と在来線いなほ半額が無ければ、往復4万に数100円のおつりしか来なかったので、現在は半額販売を購入して行くようになりました。

私は小型犬を連れて酒田帰省してますが、都内や新幹線を乗る前に駅員の方に犬のチケット購入を依頼すると、何十年も前から、『ペットケージやバッグに入れてるのでチケット購入不要です。そのままどうぞ〜』と言われ乗ってました。
2022年10月にいつものように東京から新幹線で新潟へ行き、在来線いなほに乗った際に、酒田車掌の若そうな方から、『犬用のチケットも出して下さい。』と言われたので、上記説明をしましたが、『犬を乗せる以上チケット購入不要と言う乗車規程は無いので、チケットを持ってない。買わない。のでは、乗せられない規程となっています。何故動物を飼育していて、乗せる以上知っておくのは当たり前ではないのか?それが飼主としての常識ではないのか?乗車規程知りながら犬用乗車チケット代をケチって乗車させて、都内駅や新幹線乗車を無賃で乗せて来たのか?今すぐ乗せないのか、どうするのか?』等満員社内でトウトウと責められました。すぐ、謝罪し犬用乗車チケット290円を支払い購入しましたが、それでも、まだ、何か言いたくて執拗に次回からも犬用チケットを必ず買え、無賃乗車させるな!と言われながらチケットを渡してきました。自分が悪かったとはいえ、都内、新潟駅ではいつも、動物用チケット購入はしなくて良いから、早く乗りなさい。と言われて甘えて乗っていたので、頭固い融通きかない、他人に対して弱い部分を執拗に突いてくる人が居るのだと学びました。
在来線チケットも全てスマホから購入してます。
そんなことを言うのであれば、スマホからペット用チケットも同時に購入出来るシステムにして欲しいものです。

酒田チケット窓口の方々も男女誰でも、不親切で顔から滲み出てるから、昔は穏やかで聞いても色々親切丁寧に調べて教えてくれたのになぁ…今の30代は…と思ってしまう。

タダでさえ、在来線いなほはアクセス悪いし、今も社内電気消えたり、新幹線から乗り換えると冬場は暖房ついてないくらいに寒いのでダウンやマフラーは外せず、膝に苦渋の選択でマフラーを掛け新潟から酒田まで2時間チョイ過ごすので、冠婚葬祭以外、11月から3月迄使わない。帰らないように気をつけてます。

田舎の在来線だから全てに於いてこんなんだろう…と思って使うしか無い。発展しないハズだなぁ…と思います。

ペットは家族と言うけれど、まだまだ、貨物扱いです。
日本人は考え方を見直すべきだし、規程ばかり重視しか出来ない小さな人間でも、他人が自分の行動、言動にどう思うか?を考えて仕事した方が良いと思います。
返信する
改善を求めては? (taic02)
2023-01-30 20:30:07
おっしゃりたいことは、以下の3点だと拝読しました。
1.ペット同行に手荷物料金(手回り品料金)が必要なのはおかしい。
2.手回り品料金についての、いなほ車掌の対応への不満。
3.いなほ沿線は田舎。
以下、見解を記させてもらいます。

1.
海外ではそのままペットを乗せられる土地もあると聞きます。
日本でも、ペットよりも大きな、キャリーバッグや折りたたんだ自転車が無料で持ちこめ、それが車内で場所を取っているのは、たしかに不公平かもしれません。
ご指摘のように日本人の考え方もあるでしょうし、変えるとすれば時間がかかることでしょう。
一方で、「大切なものだから無料で乗せさせて」というのは、どうでしょう。同じように大切な子どもや家族だって、相応の運賃・料金を払わなければ乗車できません。「ペット料金」を支払うのは、仕方がないことかもしれません(となると、上記大型カバンや自転車とはやはり不公平なままですが)。
ネット予約でペット分料金も支払えたらというのは、もっともなことだと思います。

2.
これは明らかにおかしいです。
1)現行制度としてペット同伴に手回り品料金が必要な以上、該当者は誰もが支払わねばなりませんから、それを不要とする根拠はありません(客としては、要らないと言われたら支払う必要はないでしょうけれど)。東京側の駅もJR東日本の駅なのだとすれば、1つの会社内で対応が異なることにもなって、不公平です。
2)いなほの車掌から、書かれたような発言があったのならば、規則や接客態度云々以前に、客相手にそのような言動をする社員がいるのが問題です。自社内で統一が取れていないことで起きた問題を、お客の責任かのように扱っています。
この2点については、JR東日本へ苦情を伝えられたでしょうか。状況を伝え、改善策を検討させて、説明を受ける権利があると思います。
JR東日本のほか、監督官庁である国土交通省(各運輸局)や、直接的な関係はないですが総務省「行政相談センター」でも対応できると思います。いずれもホームページから送信でき、個人情報は名前とメールアドレスだけ伝えれば、返答はもらえるはずです。

3.
これは否定はできません。利用が少ないから本数、料金、設備が充実しないのも、一定の事実でしょう。
ただ、村上付近で照明が消えるのは、設備上やむを得ないものです。車内が寒いのは、地元民にしてみれば寒くないのかもしれません。車掌に申し出れば暖房を強くしてくれるかもしれません。
一方で、こう衰退した因は、地元住民の多くが普段鉄道を利用せず、国や地方自治体も積極的に関わらず、鉄道に対してある意味“無関心”だったことにもあると考えます。鉄道は公共性の高い存在ですが、日本では営利が必要な民間企業が運営するという、相反するような位置付けになってしまっています。したがって、鉄道会社だけを責める気にはなれません。
また、酒田や羽越本線沿線に限らず、今の地方都市はどこでも、現状も将来も先細りの厳しい環境下にあることは、地方ご出身の方ならばお分かりいただけると思います。この先地方都市では、鉄道以外にもあらゆるものが、同じように衰退の道をたどらざるを得ないのが、哀しく寂しい現実のはずです。都会にお住まいでもそのことを忘れないでほしいです。

ともかく、1番目、3番目については、各人の見解が分かれる問題でしょうが、2番目はそうはならないでしょう。今後のためにも、あったことを伝え、改善を求めるべきだと思います。
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