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秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

新潟の連節バス

2019-09-25 00:35:49 | 旅行記
新潟旅行記(食べ物カテゴリーの前回の記事)。
今回の旅行で、乗ってみたい乗り物が3つあった。1つはGV-E400系電気式気動車
2つ目に取り上げるのが、新潟市内で運行されている路線バスなのだが、
こんなの

「万代シテイ」バス停にて
タイヤが3軸で、長い車体の中央に蛇腹があるバス。
 
後部には「全長18m追い越し注意」。ちなみに日本で一般的な大型バスは長さ10.5メートル、秋田市に多い中型バスは9メートル。

車体が前後2つに分かれてくっついている「連節バス」というもの。【25日補足・トレーラーではないので、分割しても走行できるとかいうことではない。運転席は前だけにあり、連結部を客が行き来できる。】
日本では、終戦直後にいすゞ製のものが八戸市営バス→弘南バスで使われたのが、純国産の唯一の事例らしい(あの狭い弘前の街のどこをどう走っていたのか気になるけれど、史料は少なそう)。【2024年6月2日追記・2019年5月にいすゞ「エルガデュオ」と日野「ブルーリボン ハイブリッド連節バス」が「国産初の連節バス」として登場していた。納車は2020年の日野製が最初とのこと。】
1985年以降、ボルボのものを富士重工で組み立てた連節バスが何種類かあって、つくば万博などで走行。20年ほど前に幕張で走っていたのは実物を見たことがあった。

その後、新規導入はいったん途絶えたが、2010年代に入ると、全国各地にちらほらと連節バスを導入するところが出てきた。
規制緩和とか公共交通体系の見直しの影響だろうか。車両は完全な外国製(新潟も含めて、なぜか赤い車体が多い)。
制度上は大型免許で運転でき、牽引免許は不要であるものの、牽引免許も取得した(させた)ドライバーを乗務させているバス会社が多いとのこと。


その1つが新潟市で、2015年9月から、新潟駅と7キロほど離れた青山地区を結ぶ基幹路線「萬代橋ライン(路線名)」の快速便に、「ツインくる(連節バスの愛称)」として4台が投入されている。新潟市が車両を購入し、運行を新潟交通が行っている形。
新潟市の街やバス路線事情は、後日取り上げることにして、今回は連節バスそのものにしぼって紹介。
ナンバープレートは1~4
日本では今のところベンツ製の連節バスが多いようだが、新潟のはスウェーデン「スカニア」製シャーシを、オーストラリア「ボルグレン」が架装。車両後部に両者のロゴが出ている。前はSCANIAだけ【25日訂正・前にも両者のロゴがありました。】。この組み合わせでは、新潟が日本初導入のようだ。

萬代橋ラインは「BRT」と称しているが、専用道路を通る区間はない。昼間でも10分間隔程度で頻発しているが、多くは普通の大型バスが走る各停便。連節バスは「快速」便限定で、1時間に2本程度(普通のバスが代走することもあるようだ)。

新潟市街地探訪を兼ねて、乗り降りしながら青山まで行き来してみたが、連節バスには短い区間で3回しか乗れなかった。
新潟駅前の乗り場は、万代口を出てまっすぐ。他路線とは少し離れた0番乗り場。※駅周辺の整備によって、今後変更されるかもしれない。
新潟駅前で長時間待機することはなさそうで、青山から来て降車扱い後、すぐに(せいぜい5分程度待機して)折り返し青山行きになるのが原則のようだった。
新潟駅で乗車扱い中
このバスのドアは、前の箱に2つ、後ろに1つの計3つ。前から出口・入口・入口となっていて、つまり中(+後)乗り・前降り、運賃後払い方式。新潟の普通のバスと同じ。【25日補足・SuicaなどIC乗車券対応で、乗降時にそれぞれタッチ。運賃は駅~万代シテイ間は100円。それ以外は青山までどこでも210円均一】
後ろの箱に乗ってみた。
前方を見る。手前左がいちばん後ろのドア
もちろんノンステップバス。上の写真の床が白い部分が連結部。ターンテーブルのようになっているが、フルフラット。連結部は路面電車の連接車と同じ構造かな。
天井のオレンジ色の部分は、横転した時の非常脱出口だそう。

車内は国産車と似ているようで、違う点も多い。
座席は前向きとロングシート混在。降車合図ボタンは国産のレシップ製【25日補足・その他ワンマン機器もレシップ製か】。
側面には非常口がないようで、窓の上には、
緊急脱出ハンマー。外すとブザーが鳴るとか書いていたか
窓を割って脱出する。昔の国鉄の寝台車にもあったな。
窓の開き方、クーラーの吹き出し口(?)、スピーカーの位置なんかも、国産車とは違う。
上の写真では、オレンジ色のパイプから吊り手(つり革)がぶら下がっている。それが後方では、
天井から直接ぶら下がる
しかも、パイプから下がるものも含めて、つり革自体の作りが違う。
国産では三角か円形のプラスチックの握りがあるものだけど、これは三角形の上2辺はベルト。底辺の直接握る部分だけが、木のようなものでできている。


新潟駅前からはそれほど乗客はいなかったが、(快速便では)次の万代シテイやさらに次の繁華街の各バス停でたくさん乗ってきて、席がほぼ埋まった。普通便の大型バスでは立ち客が出ていることも多く、連節バスが収容力を発揮している。
ただ、長い車体だけに、後ろに乗っていて途中で降りる時は、少々大変。距離が長いだけでなく、2つの入口ドアから乗りこんでくる人の波をかわさないといけないから。

長くてくねくね動くバスでは、道路幅やカーブ角度に制約があるのは想像が付く。萬代橋ラインのルートは、基本的には広くてカーブが少ない道ではあるが、そうではない部分もあった。
途中の白山駅周辺では、幅はあるものの片側1車線で歩道がない道。白山駅のロータリーも、新しいものの旋回がきついかもしれない。
路上駐車とか、積雪時(新潟市はそれほど積もるわけではないそうだが、積もる)はどうなんだろう。
歩道橋から。下りが万代シテイを発車する時はこんなくねり具合
乗り心地は、至って普通。前でも後ろでも国産の大型バスと目立った違いはなかった。居住性としては座席がちょっと狭くてきゅうくつな気がしなくもない。
上と同じ状況を向かい側地上から

正面は真四角
正面のデザインには、かつての国産バスを彷彿させられた。フロントウインドウが1枚のいすゞLVキュービックとか、角張りながらもふっくらした富士重工7Eボディとか。
ヘッドライト部分下の線状に点灯しているのがデイライトで、ウインカーも兼ねている。


さて、我が秋田市でこんな連節バスが走ったら…
路線の距離的には、秋田駅から自衛隊入口や美術大学前辺りとほぼ同じ。幹線道路を選べ(大町経由新屋線では無理)ば、道幅やカーブも大丈夫そう。でも、秋田駅西口のバスのりばがダメかも。東口なら余裕でしょう。
だけど、新潟より積雪は多い。そして何よりも新潟より人口もバス利用者も少ない。中型バスが1時間に数本走れば間に合うのだから。

※旅行記の続きは3つ目の乗り物

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4 コメント

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Unknown (サンダーバード)
2019-09-27 09:24:26
秋田市内で連節バス運用可能だとすれば東口からの広面御所野線かもしくはイオンモールの無料シャトルバス辺りですかね。
新国道や県庁市役所方面にも朝夕のラッシュ時に運用したい所ですが、西口ターミナルや買物広場がネックとなるため無理があるのかな。
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西口が問題? (taic02)
2019-09-28 23:20:15
横金・御所野方面もよさそうですね。
途中の乗り入れや幅寄せが難しいバス停は、新潟のように飛ばすということもできるでしょう(新潟では各停で遅延が多発して、快速化されたようです)。でも起終点の秋田駅西口が、あれでは、なかなか難しそうですね。
返信する
Unknown (Unknown)
2021-04-02 03:14:06
連接バスは難しいかもしれないですが、(快速便を含めた)基幹バスはいくつかあってもいいと思います。

当然、乗り継ぎポイントを作ることと、途中から同じ方向のバスが何台も続かないようにすることが、基幹バスの目的だと思うので、基幹バスの経路に、商業施設や駅、秋田市だと東西南北のサービスセンター、総合病院、といったところをいくつ基幹系統を作ればカバーできるか、というのが、秋田市には必要だと思います。

当然、長崎屋バスターミナルや追分駅、下浜駅が入っても不思議ではない。そこから先の不採算路線は、マイタウン・バスに繋げやすくすることで、対応すればいいし、基幹バスの乗り換えも場合によってはあるのかもしれません。
下浜周辺の方を、下浜駅に来るマイタウン・バスへ乗ってもらい、電車で新屋や秋田駅方面へ誘導するのも方法ではあるはず。

秋田市の場合は、鉄道駅のアクセスと、そこから商業地や総合病院のアクセスを強化すれば、基幹バスになるだろうし、そこから外れる人のための、基幹バスに接続する枝線バスやマイタウン・バスなどができると思うので。
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乗り継ぎ (taic02)
2021-04-03 20:02:03
新屋は駅と市民サービスセンターが近く、バス路線網もそれなりに形成されていますから、いくらか改善すれば便利になると思います。
土崎は駅へのバス乗り入れ体制と、駅と市民SC/厚生医療センターとの方向や距離感が微妙なので、なかなか難しいですが、もっとスムーズにできるでしょう。
バスどうし、または鉄道とバスを乗り継ぐという習慣が、秋田市ではあまりないですが、連携を強めることはできるはずです。
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