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秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

リゾートしらかみの旅

2011-10-25 23:59:30 | 旅行記
前回、車両の設備やハイブリッドシステムを紹介した、快速「リゾートしらかみ」の新しい青池編成。この記事では、その秋田-弘前間の旅の様子を紹介します。
※gooブログではカテゴリーやジャンルを1つずつしか設定できないので、とりあえず「旅行記」カテゴリー、「青森県」ジャンルとします。


行きは「リゾートしらかみ3号」。秋田11時04分発、弘前15時55分着。快速列車とはいえ、210.2キロを5時間近くかけて走る。
リゾートしらかみ3号に続行して秋田を出発(11時10分)する奥羽本線下り普通列車に乗れば、各駅停車かつ途中の大館で30分待ち時間があるのに、弘前着は14時20分。(距離は148.4キロ)いかに「リゾートしらかみ」がのんびりした旅なのかが分かる。


この列車は、10分前に到着する東京発の始発新幹線「こまち13号」からの乗り換え客も多いようだ。(他のリゾートしらかみ下りは秋田発8時台と14時台)
弁当を買ったり、場合によっては指定席券をまだ買っていない人もいるだろうから、もう少し接続時間が長くてもいいようにも思う。

少し触れたように、10月18日にリゾートしらかみの累計乗客数が100万人を突破した。平日400人、休日500人程度が乗車しているそうなので、我々は100万数千人目の乗客といったところか。
車内はそれなりに埋まっているが、空席もある。
たまにネット上で「リゾートしらかみは指定席を取るのが困難」といった情報を目にするが、それは最混雑期(オンシーズンや格安きっぷ適用期間中の特定列車)だけの話であり、経験上は空いていることの方が多いと感じる。


秋田駅から東能代までは奥羽本線を走って54分。
秋田駅を発車してすぐ、自動の車内放送がまだ流れているうちに、車掌が検札に来た。
首都圏の特急などの車内検札では、各乗客の座席位置や乗車区間を必ず専用の紙に記録しているが、秋田周辺の特急ではきっぷを見るだけで、記録はしないのが普通。
しかし、リゾートしらかみでは、首都圏同様しっかり記録していた。これは、途中で車掌が交代するため、引き継ぎの意味があるのだろう。

車掌は、秋田-東能代だけを秋田運輸区が担当。わずか1時間弱のために車掌を手配するのも手間のように思えるが、5年以上前に3号に乗った時も、同様だった。車掌の配置人数とか他の列車との関係上、こうなっているのだろう。

車内放送では「各車両にパンフレットがあり、それにいろいろ書いてあるから見てね」と言っていた。フジテレビの堺さんの自動放送も、車掌さんも言っていたし、英語の自動放送では各駅を発車する度にそう言っていた。
そんなに口を揃えて言うのなら、ひとつ見てやろうと、展望室のパンフレットを手に取った。
 (再掲)手前に置いてあるのがそのパンフ
JR東日本秋田支社と「五能線沿線連絡協議会」発行の「五能線の旅」というA4版26ページのパンフレット(小冊子?)で、秋田駅などに置いてあるのと同じものだと思われる。(首都圏などの駅や旅行代理店にもあるかもしれない)

このパンフ、観光スポットなどが載った五能線への誘客のためのものだと思っていたが、よく見ると、車内で読まれることも考慮している内容だ。2か月ごとに改訂されているらしく、沿線地図や各列車の各駅着/発時刻が記載されているし、他の普通列車の時刻表(抜粋)もある。
長距離・長時間の列車に乗っていると、今どこにいて、次の駅までどのくらいかかるのか知りたくなるものだが、これを見れば分かりやすい。
また、最初のページにある秋田県北部から青森県のダイナミックな鳥瞰図が美しくて分かりやすいと思った。

ただ、観光スポットの体験メニューや食事については、「乗車◯日前まで要予約」といったものが少なくないので、乗車して初めて見た人は「もっと早く知っていれば…」と残念に思うことがあるかもしれない。
(各駅の観光スポット部分は、JR東日本秋田支社のホームページとほぼ同じ内容 http://www.jreast.co.jp/akita/gonosen/menu/index.html)


列車は途中、追分と八郎潟に停車するが、乗降はなかった模様。昼間の特急はすべてが停車する森岳は通過(他のリゾートしらかみは停車するものもある)。
秋田から東能代までの区間は、五能線目当ての多くの客にしてみれば、海も見えないしあまりおもしろくない、助走のような部分だと思っている人が多いと思う。パンフには、追分の県立博物館とか、八郎潟から大潟村(三彩うどんとか)や男鹿へ行くメニューも掲載されてはいたけれど。
八郎潟駅付近で見える五城目町の「森山」
しかし、車窓を眺めるだけでも、男鹿半島の山、大久保から八郎潟付近の広大な田んぼ、遠くに見える大潟村干拓地や一瞬だけ見える八郎湖の水面、森岳のジュンサイ池など、特に遠方から来た方々には珍しく感じてもらえるものがある。
八郎潟の次の鯉川駅(通過)手前で、一瞬八郎潟残存湖の湖面が見える。その向こうが大潟村と男鹿半島の山々
観光列車なんだから、こういったものを車内放送で案内するとかすれば、より楽しんでもらえると思う。
沿線の田んぼは、9割9部稲刈りが終わっていた。北金岡駅前には稲刈り前の田んぼがあり、黄金色のイネがだいぶ倒れていた。


東能代で列車の進行方向が変わり、五能線へ。車掌は東能代運輸区に交代(おそらく運転士も交代)。
五能線最初の「能代」駅が、能代市の中心部。停車前に「能代はバスケットボールの街です」などと車掌から案内があった。東能代運輸区では、積極的に肉声による観光案内を行なっているようだ。こういう放送が、奥羽本線内でもあれば楽しい。
能代では5分間停車して、ホームではバスケットボールシュート体験と木工パズル体験ができる。

秋田駅を出て約1時間半の12時30分頃、遠くに日本海が見えてきた。
「まもなく海が見えてまいります。これから先、80数キロに渡って、海を眺めながらの旅をお楽しみください」といった車掌の放送があった。
地元の“観光駅長”が出迎える「あきた白神」、「岩館」に停車し、12時50分頃、秋田県から青森県に入った。
「これから先、特に車窓が美しい区間なので、減速して走ります」という放送(自動放送の日本語、英語)が流れ、止まりそうなほどの低速でしばらく走行。
 県境付近の海
新しい青池編成は、窓ガラスが薄い緑色に着色(首都圏の電車などと同じ)されており、見える外の景色の色が若干実際とは異なる。(写真も補正が面倒なのでそのまま掲載しています)
熱線吸収ガラスで、暑くならずに景色を楽しんでもらおうという配慮なのだろうが、できればそのままの色で見たい気もする。従来のリゾートしらかみでは黒っぽいガラスが使われている。
それと、午後の時間帯は逆光になってしまうから、本当は午前中の方がいいのかもしれない。

青森県最初の停車駅が「十二湖」。
五能線と白神山地のブームで脚光を浴びている観光地だけに、秋田から乗っていた乗客が何人も降り、何人かが乗り込んできた。
振り返ると、白神山地が海に落ち込むのが見える
十二湖から10分ほど走って、観光施設や黄金崎不老ふ死温泉の最寄り駅「ウェスパ椿山」(以前の訪問記)。ここでも観光駅長が出迎え、まとまった降車があった。

車内の乗客は秋田発車時に比べるとだいぶ減ったが、まだそれなりに乗っている。
2008年晩秋・初冬に普通列車でここを通った時は、うら寂しいローカル線の風情だったけど、今日は天候のせいか、観光列車に乗っているからか、その時とは違う明るい雰囲気に感じてしまう。

ウェスパ椿山停車中、窓のすぐ外をアシナガバチが飛んでいるのが見えた。
発車後、前方の展望室のガラスに目をやると、
ガラスにハチがくっついてる!(空中を飛んでいるのではありません)
キイロアシナガバチだろうか、停車中に窓に止まったところで発車してしまい、飛び立つタイミングを逃してしまったようだ。
ハチにしてみれば、自分がくっついているのが、走る列車であることなんて知らないから、「強風が吹き付け続けている」と感じているのだろう。飛ばされまいと、必死に踏ん張っていた。
次の停車駅・深浦までは、比較的速い速度で十数分走り続けていた。ガラス上を30センチくらい移動したものの、かなりがんばっていた。
しかし、深浦到着前にいつの間にかいなくなっていた。さっさと飛び立てば、巣に帰れたのに…

五能線内の主要駅であり、ほぼ中間地点の深浦に停車。運転士が交代。
深浦以南では、青森県であっても秋田県との交流が強く、能代市の公立高校への通学もできるらしい。
深浦駅構内の使われているのかどうか分からない線路上に、停止位置を示す菱形の標識があった。
よく見るとなにか書いてある
うっすらと「眺」という漢字が上下逆になっている。
おそらく、「眺望列車」の「眺」で、リゾートしらかみの前身に当たる「ノスタルジックビュートレイン」の停止位置標識として使われていたものを使い回したのではないだろうか。

深浦を過ぎても海沿いを走り、美しい車窓が続く。
 
行合崎海岸かな、海の色もきれいで、山陰で見た海を思い出した。
所々で護岸が固められたりテトラポットが置かれている浜がある。今までなら、なんて無粋な光景かと思ってしまうが、震災後の今は、万一津波が来たら、この程度のもので守れるのか、逆に不安になってしまう。近くの席からもそんな会話が聞こえてきた。


海が見える区間の最後近くにも、絶景ポイントがある。
それが「千畳敷」。1792年の地震により隆起してできた地形で、津軽の殿様が、畳を1000枚敷いて宴会をしたという。
五能線にはズバリ「千畳敷駅」があり、駅の目の前が景勝地。前から興味があったが、列車本数が少なく(1日5往復)、行く機会はないだろうと思っていた。

ところが、リゾートしらかみの中で、この3号だけは、千畳敷駅に停車する。(上りは徐行して通過するようだ)
しかも、15分間停車するので、その間に散策ができるのだ。
冬や雨の日を考えると、全列車を停車させるわけにもいかないのだろうが(3号は冬期運休)、これこそ観光列車ならではの演出だろう。
千畳敷駅ホーム。ぞろぞろと降りる
特に誘導などはなく、各自勝手に行ってくださいという感じだが、「発車3分前に汽笛(正確には警笛だけど)を鳴らしますのでお戻りください」と放送があった。
駅はホーム1本だけの無人駅だが、リゾートしらかみ運行開始に合わせたのか、きれいに改修されていて、スロープがある。
【27日追記】昨年の今頃、千畳敷駅ホーム改修工事の告知を見かけたのを思い出した。ということは、改修されてやっと1年経つところのようだ。
列車後部
列車進行方向に向かって右には小高い丘(段丘)があり、崖になっている。冬はしみでた地下水が凍り、氷のカーテンを作るという。
左側はホーム、国道101号線、民宿があり、千畳敷海岸が広がっている。
海岸へは、国道を横断しないと行かれない。駅の前が横断歩道(信号機なし)になっているが、交通量が多いので注意。(管理する五所川原駅長名で注意書きもあった)
弘南バスのバス停もある
深浦と鰺ヶ沢を結ぶバスが通るが、1日4往復。ポールは海側にしか立っておらず、「深浦方面は向かい側でお待ち下さいませ」と書かれていた。(弘南バスではたまにあるパータン)
国道の高さからは海を見下ろす形
ここを題材にした作品がある、太宰治と大町桂月の碑が立っている。
アスファルト敷きの部分で写真を撮る人が多いが、せっかくなので海辺の方へ下りてみた。
こんな感じ


飛び石のような平らな岩がほぼ同じ高さで並んでいる。海水が流れ込むこともあるらしく、湿っていたり砂がある。
でも、いくら平らといっても、ここに畳を敷いたら不安定で、宴会なんてできそうにもない。
【2015年6月26日追記】NHKの中継によれば、2000年7月に深浦町が千畳敷に実際に畳を1000枚敷いたことがあったそうだ(写真も放映された。見た感じ平らになっていたが、どうやって平らにしたかは不明)。スペースは充分に余裕があり、1万畳ほどは敷けるとのこと。

波打ち際まで行こうかと思ったが、けっこう距離があるのと、滑りそうで怖いのでやめておいた。
国道・駅の方を見る
駅の向かい・バス停前に民宿(?)があるが、営業時間外なのか、静か。
少し離れた所に土産物屋があり、そこではイカ焼きを売っていた。国道・線路沿いにイカを干して、到着する列車に向かって店の人が手を振ってPRしたり、「イカ焼き、すぐ召し上がれまーす」などと大声で呼び込みしたり、列車の乗客獲得に積極的。

列車に戻ったら、ちょうど3分前。
降りた時はエンジンが止まっていたが、戻った時は動いていた。アイドリングではなく、発電してバッテリーへ蓄電中ということか。
長ーい警笛が鳴り響いた。HB-E300系の警笛は、音自体は普通列車の701系電車などと同じやや甲高い笛だが、鳴らし方はまるで蒸気機関車のようなものだった。(従来のリゾートしらかみは、音が異なる)
よその駅でこんなことやったら、何事かと騒ぎになりそうだが、こんなことができるのも五能線ならでは。警笛は前の運転席側ではなく、後部の車掌側で鳴らしたように聞こえた。

千畳敷だけへわざわざ行くほどの場所でもないかと思うが、この機会に見ることができてよかった。
岩場へ下りるなら、滑らない&水に強い靴が必要。僕は靴底に砂をつけて列車に戻ってしまい、後で見たら列車の床に砂をまいてしまっていた。(ゴメンナサイ)


千畳敷を発車すると、そろそろ海岸線ともお別れ。
2008年に大イチョウを見に行った、北金ヶ沢駅に近づく。すると、
前方に岩木山!
弘前市のちょうど裏側ということになり、おそらく五能線でもっとも南(西)から見えるポイントだろう。
いつもと逆方向からのアクセスだけど、岩木山を見るのが「津軽へやって来た」と実感する瞬間だ。
ここから先は位置と形を変えつつ、岩木山を眺めながらの旅となる(ほとんど逆光だけど)。
北金ヶ沢で「停止信号のため」1分ほど停車。この駅では、どのリゾートしらかみも、反対列車がなくても停まることになっているようだ。

鰺ヶ沢駅からは、完全に内陸部になる。さすがに、ちょっと飽きてきたけれど、まだ1時間20分残っている。
鰺ヶ沢の停車時間は2分だが、慌ただしく車掌が交代(たぶん弘前運輸区へ)し、車内イベント「津軽三味線生演奏」の奏者2人が乗り込んだ。
三味線演奏は五所川原駅までの25分ほど。かつては展望室で演奏されていたが、現在は3号車のイベントスペースで行われ、その模様が各車両に“生中継”される。
カメラの位置が微妙…
天井に固定されたカメラと奏者の位置があっておらず、奏者の頭を中心に見ることとなった。
音は車内放送のスピーカーから流れるようだ。昔の列車に比べれば音質はいいが、やっぱり音質はよくない。
また、駅停車/発車の放送が流れる時は、三味線の音が消えて自動放送が割り込む。しがって、三味線が中断して突然メンデルスゾーンの「春の歌」(自動放送前のチャイム)が流れるので、びっくりしないようにしましょう。(じっくり聞きたいのなら、3号車へ行ったほうがいい)

2人の奏者のうち、1人が専門に説明などしゃべっていたが、まったく津軽訛りがない共通語のアクセント・イントネーションだったのが、意外だった。
なお、休日の一部列車では、別に「津軽弁『語りべ』」も行われる。
鰺ヶ沢-陸奥森田(つがる市)辺りの岩木山
岩木山が、きれいな三角形に見える一帯もあるのだそうだ。弘前から見る3つの頂点がある岩木山とは別の山のよう。

鰺ヶ沢から先は停車する駅が多いが、それほど乗降はない。秋田から乗って、十二湖近辺で降りなかった人が引き続き乗っている状況。
五所川原では16分も停車。五所川原から先は、リンゴ畑の中を走る。
展望室からの前方風景
まさに手を伸ばせば届きそう。
やがて、右から奥羽本線が合流して、川部駅に到着。
合流点付近は赤いリンゴがたわわに実る(リンゴ畑の向こうが奥羽線)
東能代から147.2キロの五能線を走破した。

6分停車して再び進行方向を変え、奥羽本線を9分走って、ついに弘前到着。
若干退屈したところもあったが、1度も居眠りせず、風景とハイブリッド車の乗り心地を楽しむことができた。


ついでに、帰りに乗った「リゾートしらかみ6号」のことも書いておきます。3号の折り返しで、弘前発16時12分、秋田着20時38分。

乗客はかなり少なかった。
行きと異なるのは、五能線内青森側での利用が多かったこと。
おそらく青森市で所要を済ませた地元の人や新幹線からの乗り継ぎ客と思われる。川部駅から乗車し、五所川原、鰺ヶ沢など、各駅でちらほらと降りていったのが目立った。後続の普通列車は40分ほど後なので、510円払っても早く着きたいわけだ。

鰺ヶ沢より手前で岩木山に日が落ちてしまい、後は真っ暗。それでも千畳敷付近は律儀に減速して通過。
北金ヶ沢で8分停車して対向列車を待ったほかは、ほとんど長時間停車がなく、車掌の観光アナウンスもなく、淡々と走る。(車掌は鰺ヶ沢まで弘前運輸区、以降終点秋田まで東能代運輸区が通しで乗務)
ウェスパ椿山は18時32分着。夏なら夕日が沈む絶景かもしれないが、今は真っ暗で深夜のようなたたずまい。
物産館「コロボックル」も閉店
それでも、ゼミ旅行の大学生か何かだろうか、若者数名が降り立った。

あとは、乗降がほとんどなく、まるで回送列車のように秋田へ向かった。
真っ暗な中、所々に集落があり、明かりが灯る。自分の住む秋田県とその隣で2番目に身近な青森県であり、今は自宅へ帰る途中なのに、とても遠い所へ来て、もっと遠い所へ向かっているような錯覚にとらわれた。
当たり前だけどどんな場所にも、それぞれで暮らす人がいるのだ。狭いようでも、やはり日本も秋田も青森も広い。

秋田駅到着前の自動放送では「秋田新幹線、奥羽線、羽越線はお乗換えです」と言っていた。しかし、新幹線の最終は30分ほど前に発車しており、接続はない。
最後の車掌のアナウンスの後、バッハの「主よ、人の望みの喜びよ」のチャイムが流れた。ここ15年ほどのJR東日本の車両では、なぜかクラシック4曲の電子チャイムを搭載しているものが多い。


今まで触れなかったが、3号、6号とも全区間で車内販売が乗車。おおむね1時間に1回くらいのペースで回ってきてくれた。五能線内では、途中駅でも自動販売機もないような駅もあるから、車内販売があるのはありがたい。
行きは時間帯もあって弁当類が順調に売れていたようだが、帰りはほとんど売り上げがなかっただろう。それに長時間の運行なのに途中で補充できる駅がないなど、大変そうだ。
でも、おかしいと思ったのは、行きも帰りも案内放送がなかったこと。

JR東日本の新幹線の「はやて」と「こまち」なら、1回の運行で2度(単独走行時と連結時)も、「おすすめ商品は『金萬』でございます。滑らかな白あんを卵をふんだんに使ったカステラ生地で包んだ、秋田の伝統和菓子(?)でございます」とかなんとか聞かされるのに。
冊子「五能線の旅」には、車内販売の内容も少し掲載されており、地元産のリンゴジュース各種、ウェスパ椿山のガラス工房で作ったガラス製品なども販売していることになっている。
そんな個性的な商品を扱っているのなら、ぜひとも放送で案内するべきだ。これでは、商売っ気が感じられない。


観光列車といえば、JR九州のものが有名で、僕も乗ったことがある。
きれいな車両とはいえ普通列車を改造した車両なのに、特急列車として運転されているものが多く、割高感はある。
だけど、観光案内と車内販売を兼ねたスタッフが熱心なのが好印象。見所では車内を巡回して丁寧に教えてくれたり、記念撮影を勧めてくれたり、途中駅にある古い車庫跡へ連れていってくれるようなイベントもある。車内販売のメニューも地元のお菓子などを積極的に扱っている。

でも、九州は「列車に乗ること」自体が目的で、リゾートしらかみは「列車に乗って途中で降りて観光すること」が目的とも思え、これでいいようにも思うが、リゾートしらかみがそっけなく思えるのは事実。
飽きられないためにも、何らかの改善が必要な時期なのかもしれない。

次回以降、青森の話題を随時アップします。※次の記事はこちら

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4 コメント

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五能線 (とびいり)
2011-10-26 23:05:13
昔から見慣れている自分達地元民からすると「何も無い五能線は観光客の方々に楽しんでもらえるのだろうか」という思いがありましたが、逆に何も無いからイイんだと聞いたことがあります。
しかも、記事を拝見するに見どころは案外あるようですね。特に県境あたりの景色は絶景だと思いました。
自分の話ですが、八郎潟近辺で見られる一面の水田には感動した覚えがあります。はるか先にに見える男鹿の連邦もまた水田に映えて綺麗だと思いました。
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当たり前のものこそ (taic02)
2011-10-26 23:17:03
何もないといっても、こんな風景の路線はそうないでしょうし、海岸は次々に変化があって飽きさせません。リンゴ畑の光景も珍しいでしょう。

雪が積もって真っ白な田んぼですら、関東以西から来た方々には、喜んでもらえます。我々が富士山を見て感動するようなものでしょうが、地元では当たり前のものこそ、よその人には感動の元ということでしょうか。
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Unknown (ZIN)
2011-10-27 21:05:20
リゾートしらかみに乗るなら海側!と世論の後押し?で海側が取れないと諦めてしまうという声も聞こえてきます。展望デッキもあるとはいえ、やっぱり足元に絶景の海側に乗ってみたいですよね。

ただし全体の75%は山側若しくは通路側なので、この席にも旨味といいますか山側でもよかったとなればリゾートしらかみにも新しい可能性が…生まれないかな。JRさんの何かに期待したいです。

ブログ主さんの行動範囲と自分の行動範囲がかなり重なっているようです、もしかしたらいつもすれ違ってるかもしれません(笑

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A席 (taic02)
2011-10-27 22:29:03
五能線といえば海、海といえばA席なわけで、そのこだわりもあるわけですね。鰺ヶ沢-弘前では岩木山が見えるD席もいいと思いますが。
今回、行きに乗った時はA席に若干空席もありましたが、C・D席に2組ほど乗っておられました。
改善するとすれば、例えば、どこかの眺望列車でありますが、ひな壇式の窓向きの席にするとか、でしょうか。

基本的に秋田市中心部が主な行動範囲ですが、どこかでお会いしてるかも。秋田は狭いですからね!
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