広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

町内のクリスマス会場

2022-12-23 22:37:11 | 旅行記
JR東日本パスの旅、+クリスマスにちなんだ話。
静岡鉄道に乗った後、翌・3日目にかけて静岡市清水区(旧・清水市)を歩いた。
ただ、清水港や三保の松原などはこれまでに訪れているので、今回は行かない。
清水と言えば、次郎長、サッカー、はごろもフーズ等々いろいろあるけれど、やっぱり「ちびまる子ちゃん」。

中学生だった1990年1月に放送が始まったアニメで作品を知り、特に初期作品で強い、シュールな世界観に惹きつけられた。
その舞台である、清水という街の存在も、ほぼ初めて知り、港があって富士山が見える暖かい土地として、印象付けられた。以前の記事のように2001年に初めて訪問し、その後も何度か訪れることになるきっかけは、「ちびまる子ちゃん」。

ちなみに、この旅行で先に訪れた長野県諏訪市と岡谷市も舞台となった、教育テレビの「たんけんぼくのまち」。岡谷の前年度・1989年度は、清水市が舞台だった。まる子よりひと足早く放送されていて、僕も多少見たはずだが、「清水」はあまり意識していなかったと思う。


今回するのは、いわゆる聖地巡礼。
忘れてはいけないのは、ちびまる子ちゃんは、完全フィクションではないが、ノンフィクションでもないこと。作中と同じ町が広がるわけではない。例えば「巴川」は、川田さんひとりできれいにできるような河川ではない。
また、反対に作中と同じものがあったとすれば、それは実際に生活する人がいる町の一部であるわけで、観光地気分で深入りするべきではないとも思う。※この点から、この記事中では、具体的な町名や施設名の文字での記載を避けることとします。【と思ったが、実際には公表されていた。末尾リンク続きの記事の後半参照。】
それでも、この街で暮らした人があの作品を作り、作中のあれのモデルがこれかと思うと、想像が広がって楽しい。

ちょうど先日、一般社団法人 アニメツーリズム協会が「訪れてみたい日本のアニメ聖地88(2022年版)」を発表した。その1つに「ちびまる子ちゃんランド 」が選ばれている。これは、清水港の商業施設内にあるミュージアムで、その名の通り、作品ありきの施設。ここが舞台になったわけではない。


作者・さくらももこが生まれてから高校まで過ごし、ちびまる子ちゃんの舞台でもある土地は、清水区の中でも、静岡鉄道の入江岡駅~桜橋駅にかけての一帯。旧東海道が通る。
JR清水駅~静岡鉄道新清水駅周辺の繁華街や、海とは、若干距離があり(遠くはない)、古くからの住宅街+ちょっとした商店街といったところ。港町や宿場町を象徴するようなアイテムは多くなく、どこにでもありそうな街並みでもある。
さくら先生の生家(以下、さくら家)は、実は青果店。入江岡駅からほど近い所にあったが、だいぶ以前に店をたたんで、父ヒロシら家族は引っ越している。昔は生家の場所を知らせる看板(公的なものではなさそう)があったようだが、今はなくなっていると思う。知らなかったが、建物は今も残っているそうだ。


さて、アニメでは1990年12月23日に放送された、51話「まるちゃん町内のクリスマス会に参加する」の巻 というのがある(後年のリメイク版もあるはず)【原作漫画については末尾の追記参照】。
町内主催の、ツッコミどころが多い、子ども向けクリスマスイベントのお話。

その会場からしてツッコミどころで、神社の「社務所」。
「まるちゃんたちの町内では、町内のあらゆる行事を社務所で行う。クリスマス会とて例外ではない」みたいなナレーションが入る。節分の豆まき大会もやったんだっけ?【末尾追記の原作の内容についても参照】
その社務所のモデルが実在するらしい。

ちびまる子ちゃんの聖地巡礼をした人たちによる訪問記を、ネット上でいくつか見ることができる。社務所については、複数の説が存在していた。
作中での「町内」とは、町内会=自治会か町内子ども会だとすれば、「町内」に所在する「神社」だろうから、数は限られ、特定は難しくはなさそう。

作中では、まる子の家は、架空の町名「入江町(いりえちょう)」にあることになっている。
実際の清水の町名には、「入江○丁目」や「入江南町」は実在する。また、大正時代に清水市が発足する以前は、この一帯は「入江町(いりえまち)」という自治体だった。
さらに、まる子もさくら先生も通った小学校は「入江小学校(現・清水入江小学校)」であり、地域の総称(小学校の通学区単位)として「入江地区」と呼ばれるようだ。

実際のさくら家があった住所は、「入江」が付かない町名。そこの町内会はどういう区割りなのか。【1月15日追記・アップ当初は町名を文字にしないことにしていたが、地域の案内地図に生家の位置が記され、町名を特定できることが分かったので記載します。新富町】
秋田市などでは、住居表示実施後も、実施以前の町名単位のまま町内会が組織され、地図上の町名と町内会の名称・区域が一致していないケースもあり、よそ者には把握困難。
ところが、静岡市では、市民局 市民自治推進課運営のサイト「ここからネット(https://kokokara-net.jp/map/story/list)」に、「自治会・町内会マップ」があり、市内の町内会の区割りと名称(さらに小学校区も)を調べられた。
それによれば、さくら家一帯では、町名と一致するエリアと名称で、自治会が組織されていた。

以上を手がかりに、ネット上で挙げられている“候補”に当ってみる。
1.淡島神社
虚空蔵尊も祀り、大きなクスノキがある。
1997年放送「こくぞうさんの木」の巻の舞台で、まる子ファンにはよく知られる。僕は青森にいて見ていない時期だけど。
したがって、クリスマス会会場とは「別の神社」であることは明白、ということになっているようだ。時々、混同してしまう人がいる程度で。
場所は入江岡駅の近くだが、さくら家とは道路の向かい側で、その道路が町境界なので「町内」でもない。

2.淡島神社の北の住宅地にある八幡神社(入江南栄町公園)
淡島神社同様、町内が異なる。
Googleマップストリートビューで見る限り、社殿のみで、「社務所」に該当するような建物はなさそう。

3.白髭神社
大きめの神社で「しらひげ神社通り」も存在。ここがクリスマス会会場だと思っている人は多いようだ。
だけど、町内会を調べる以前から、違うと思っていた。なぜなら、一帯の道路配置と町の構造を踏まえると、同じ町内とは考えにくい位置関係にあるから。さくら家の町内とは、旧東海道で隔てられている。新興住宅地ならともかく、古くからの町で、こんなに広範囲で、まとまりが悪そうな町内会は考えにくい(上記の通り、実際に違う町内会であった)。
神社の所在地が“入江”一丁目であること、隣接する幼稚園・保育園にさくら先生が通っていたという説(実際には別の園らしい)があること、この神社も作品中には登場するらしいこと、などから誤解されやすいのだろうか。

4.【1月15日追記・アップ当初は名称を文字にしないことにしていたが、地域の案内地図に記載されていることが分かったので記載します。若宮八幡神社】
さくら家の町内会のエリアにある、唯一の神社だと思われる。さくら家とこの神社は、町内のほぼ対角線上に位置する。
4番目の候補を否定する理由がないので、そこを現地確認。
この大木もクスノキか
過去に何度か通ったことがある大きい道路からも、見えることは見える。
だが、その入口は小路からさらに入った所に所在し、ストリートビューでもほぼ見えなかった。民家の間からおじゃま。

神社の格や名称を示した、石柱などは見当たらない。鳥居は、境内(敷地)の入口というよりは、社殿の直前にちょこんと立っている。小さめの木製の鳥居で、赤く塗られているが、2021年頃までは無塗装だったようだ。
石灯籠は歴史がありそうだが、社殿は、まだ新しそうでコンパクトながら立派。賽銭箱前の格子戸はアルミサッシで、無人の神社なので閉まっている(規模からすれば当然)。格子戸に開いた穴から賽銭を投入できる。雪国の者からすれば、瓦屋根なのが珍しいが、こちらでは当たり前か。

その左側に、別棟で、新しくはない建物がある。同じく瓦屋根で、社殿に接するように入口(玄関)があって、きゅうくつそう。これは、
「(町名)公民館」
ここで言う公民館とは、職員や管理人が常駐する市町村の施設ではなく、町内会館、自治会館、町内の集会所のこと。
ほかに建物も見当たらないし、これこそが、町内のクリスマス会の会場のモデルに違いない!
そして、ちびまる子ちゃんの設定年である1974年時点でも、同じ建物だったに違いない(社殿は違う建物だったことになろう)。

秋田市でも、町内ごとの稲荷神社などに隣接して、この規模の町内会館が建てられていることがある。竿燈まつりに参加する町内では、練習や準備の拠点にもなる。
考えてみれば、無人の神社に社務所はさほど必要ではない。町内のよりどころとして存在する無人の神社の管理を、町内会で行うのと、ある意味引き換えに、その敷地に町内会館を建てさせてもらっているような感じか。
作中では、分かりやすく、かつツッコミやすくするために、「社務所」としたのだろう。【末尾追記の原作の内容についても参照】
それでも、キリスト教の行事を、違う宗教施設の敷地内で行う(しかもほとんどの参加者が仏教徒)のは、シュールかもしれない。だけど、その寛容さが、日本らしくもあろう。

玄関前のきゅうくつさは別として、町内の広さを考慮すれば、一般的で妥当なサイズの公民館だと思う。
でも、作中のクリスマス会では、かなり大勢の子どもが参加していたが、この建物では収容できなそう。

鳥居の外というか横だけど、境内は駐車場として貸しているようだ。これも秋田でもある
自治会と八幡神社による看板
車が通行できる幅の出入口もあり、そこの注意書きは、自治会と神社の連名だった。
遠慮して、境内のクスノキのあるほうには行かないでしまったが、位置によっては富士山が見えるはず。

周りの道路も含めて、作中とはちょっと違って、下町っぽいというか歴史がある町の雰囲気があった。そんな違いを感じるのも楽しかった。もう1つ、まる子の舞台を訪れたので続く

【2023年6月4日追記・原作での描写・表記について
原作本は、第1巻「その5『まるちゃん町内のクリスマス会に参加する』の巻」。「りぼん」では1986年に掲載されたようで、最初期の作品。
クリスマス会場について、姉が「せまい町のくせに会場は思いっきりはずれにあるのよね……」と発言しており、実際の若宮八幡神社の位置と一致する。
アニメでのナレーションに相当する説明では「町内の神社にある集会所を“社務所”といってクリスマスの会場もそこである」。社務所の絵は、社殿とは別の建物として描かれ、実際にどことなく似ている。
したがって、作中ですでに、社務所は通称であって、神社本体とは別物であることが説明されていたのだった。そして、それが若宮八幡神社の実情と一致しているととらえることができよう。
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21年ぶりの静岡鉄道

2022-12-13 22:33:11 | 旅行記
JR東日本パスの旅。新静岡駅から、2001年以来21年ぶりの静岡鉄道に乗車。
静岡鉄道の鉄道路線は、現在は新静岡と新清水(旧・清水市)を結ぶ「静岡清水線」のみ。バス部門の子会社「しずてつジャストライン」が、静岡市周辺の路線バスを独占している。
新静岡駅同様、新清水駅も、JR清水駅とは別の場所にある。静岡駅~新静岡駅よりも、清水駅~新清水駅のほうが距離があって700メートルほどで、道も分かりにくい。

21年前は、全線を乗り通した(たぶん新静岡→新清水片道)だけだった。今回は、最初に新静岡→新清水、翌日に新清水→桜橋、桜橋→草薙と3回乗車できた。
新清水→桜橋で乗ったのが、先にアップしたハロウィン電車。そのほかをまとめてこの記事で。

21年の間に、新静岡駅が新しくなり、車両が新しくなり、ICカードで乗車できるようになった。
2001年は、「ちゃっきりフリーきっぷ」だったか、鉄道とバスのフリー乗車券を使用。磁気情報のない紙のきっぷで、ほかの乗客が皆、自動改札機を通過する中、有人通路に回った。
今回はSuicaをタッチするだけで、運賃がいくらかも気にせず(フリーきっぷでも同じだけど)、気軽に乗ってしまった。新静岡~新清水は330円、JRの静岡~清水は240円。

車両は、1973~1985年に導入された「1000形」を、2016~2023年にかけて「A3000形」に更新途中。新旧とも2両編成×12本。
2001年撮影。たぶん新清水駅付近
↑写真の1004-1504の第4編成(1004号編成と呼称するようだ)。この編成が、いちばん最初に廃車された。
また、清水でロケされた1985年の映画「ビー・バップ・ハイスクール」の、走行中の電車から川(巴川)へ飛び込む【19日訂正】投げ落とされるシーンでは、1004号編成と1010号編成が映るようだ。どちらの編成から飛び込んだのかは、よく知らないので不明。

1000形は、地方私鉄にありがちな大都市圏の中古車ではなく(理由の1つは後述)、自社発注のオリジナル。角張って窓が大きい正面のスタイルは独特。ただし、東急車輌製造が手がけたため、側面や車内は東急の車両に似ている点が多い。
A3000形も、製造元自体は同じだが、企業は2011年にJR東日本系列に替わって「総合車両製作所」となった。

A3000形は、7本は「shizuoka rainbow trains」として、1本ごとに静岡にちなんだ7つの色で塗装(ラッピングシール?)されている。
ハロウィン電車だったのは、みかんをモチーフにしたBrilliant Orange YellowのA3004号編成。
最初に乗ったのは、水色の電車。富士山にちなんだClear BlueのA3001号編成。これがいちばん最初に導入されたA3000形(この代替で、上の1004号が廃車)。
新清水駅到着後、折り返し待機中
正面下のスカート(排障器)右側に、白い文字が書いてある。
ドア横にも
「Laurel Prize 2017」。
A3000形は鉄道友の会による「ローレル賞」を2017年に受賞している。車内には、友の会から贈呈されたであろう、その旨のプレートが貼られるのが通例で、A3000形は水色にも、みかん色にもあったはず。車外の白い文字は、静岡鉄道独自かと思われ、A3001号以外の編成にはなかった。


7色でない残り5本(3本導入済み、2本未導入)は、無塗装でラッピング広告に対応するそうで、よく考えている。そして、銀色だとまた印象が違う。
A3010編成
↑広告主はトヨタユナイテッド静岡。静岡県最大手のカーディーラーで、静岡鉄道の関連会社とのこと。
無塗装の編成とすれ違った時、一瞬、リゾートしらかみ(HB-E300系)とかE233系とか、JR東日本の車両と錯覚しかけた。フロントガラスの傾斜なんかが、似ていると思う。

車内は各編成とも共通(ハロウィン電車の記事も参照)で、青いロングシート。「全席優先席」ということになっている。
荷棚
今どきの標準的な車内だが、荷棚(網棚)が、ロングシートの中央部分にしかないのがおもしろい。
吊手(つり革)
紐を束ねる部品(?)は、レインボートレインの7色が並んでいる。無塗装編成ではどうなっているだろう【15日追記・ネットで調べると、静岡鉄道100周年記念のラッピング編成では、この部分に「ありがとう」のシールが貼られていた。広告と連動させることが可能なようだ。また、何も貼らないグレーのままの写真もあったので、それもあるのかも】。
東急系の電車のこれと言えば、広告が入っているもの(弘南鉄道譲渡車)。1000形にも地元の広告が入っていたが、A3000形ではやめたということか。

握る部分の形がユニーク。全国初の「2段つり革」。個人の身長や手の大きさに合わせて、いろいろつかめるということらしい。
ドア付近は、一般的な三角形(おむすび型)。

また、上の写真奥のドア付近天井際で、吊手の支柱のパイプが、壁とつながっている。これが、今の総合車両製作所のステンレス車両の特徴で、衝突事故時の安全性を高めている。


A3000形の座り心地、乗り心地は、まあ普通かなと思っていたのだが、最後の桜橋→草薙で、1000形に乗ることができ、それと比べると、やっぱりいい。
1000形は加速がガクガクするし、座り心地は悪くはないが「古い」。確実に進歩している。
草薙駅。1000形とA3000形
冒頭の2001年の1000形には、サイドミラーというかバックミラーが付いていて、スカートはない。現在はミラーがなくなり、スカートが付いた。ミラーは2011年に撤去、スカートは2008年から設置されたらしい。
写真の1000形1012号編成は、キリン午後の紅茶ミルクティーのラッピング広告。廃車になったが、午後の紅茶レモンティーの編成もあったとのこと。
黄緑のA3000形は、山葵(わさび)をモチーフにしたFresh GreenのA3008編成。詳細は不明だが、清水エスパルスのヘッドマークが付いていて、運転室内にマスコットのパルちゃんと旗がある。お茶モチーフは、別に濃い緑のNatural Green編成がある。


前日は、残る1000形のもう1本・1011号編成、ピンク色のちびまる子ちゃん(アニメ仕様)のラッピング編成とすれ違った。清水港の「ちびまる子ちゃんランド」とのコラボレーションで、まる子による車内放送もある(時間帯による)とのこと。
A3000形(A3009号編成)にも、「ちびまる子ちゃん静岡音頭」として、3DCGのまる子たちが描かれたラッピング編成(静岡市による?)があった。各編成の運用は、静岡鉄道のサイトで公開。


新静岡~新清水は、11.0キロ、途中13駅を23分で結ぶ。昼間でも8分間隔で運行。
JR東海道本線の静岡~清水は11.2キロ、途中2駅を11分。
両端の駅は、静岡鉄道とJRで別なわけだが、途中2キロほどでは、ぴったり並行する。上のトヨタのラッピング編成の隣を、JRの貨物列車が走っているように。
桜橋駅新静岡行きホーム
↑左側2本が東海道本線。中央奥が新清水行きホームだが、こちら側とズレた独特の配置。
並行区間にJRの駅はないため、ここで乗り換えはできない。乗り換えできる駅は、長沼駅~JR東静岡駅と草薙(くさなぎ)駅~JR草薙駅。
草薙駅での乗り換えが便利なので、今回最後の下車駅が草薙駅だった。それでも、駅がつながっているわけではなく、100メートルほど歩いて横断歩道を渡らないといけない。
草薙駅新静岡行きホーム
↑構内踏切を渡った向こう側が駅出口で、その左方がJRの草薙駅。ちなみに「くさなぎ」のアクセントは平板ではなく、「宮崎」と同じ。
車内放送では、JRのほか、しずてつジャストラインの路線バスと乗り換えられる駅で案内放送が入った。そこでは「ジャストライン各路線(はお乗り換えです)」と言っていた。よそから来た人には、ジャストライン=バスとは思われなそう。


大都市静岡。沿線の家並みが途切れることはない。下町というほどではなさそうだが、生活感がある街が続く。スーパーマーケット「しずてつストア」や静鉄自動車学校もあって、しずてつグループは静岡市の生活に欠かせない存在のようだ。※しずてつストアは沼津駅前などにも店があって、県内広範囲で展開。
今回乗った限りでは、両端のターミナルでの乗降ももちろんあるが、途中駅から乗って、途中駅で降りる人がだいぶ多く感じた。地方の小都市の鉄道やバスでは、中心市街地と沿線各地の単純な行き来がメインになってしまうが、そうではないのは、やはり大都市だからだろう。そして、たった8分前に前の電車が行ったばかりなのに、何人も列車を待っている。【19日補足・2度しか経験できなかったが、始発の新静岡や新清水発車段階では、ガラ空きだった(それで車内を撮影できた)。時間帯にもよりそうだが、途中駅からの乗車が相当ある。】

駅には頻繁に停まることになり、対向列車とも頻繁にすれ違うが、複線なので待たされることもなく、きびきびと進む【14日補足・ワンマン運転だが、各駅に自動改札機類が完備され、車内で運賃収受を行わない「都市型ワンマン」方式】。駅に近づくたび、運転席でぷーぷーブザーが鳴っていたのは、誤通過防止装置のようだ。
静岡鉄道では、停車駅が少ない「急行」が運行されていた。新型コロナによる利用減を理由に廃止されたが、急行対応として、装置が搭載されているのだろう。駅通過時などに鳴らすミュージックホーンも搭載。


これまで、静岡鉄道は、弘前市~大鰐町の弘南鉄道大鰐線とちょっと似ているかなと思っていた。本数と利用客数の差は別として。ちなみに、輸送量(本数)としては大鰐線の7.5倍。
ターミナルがJR駅と別の位置にある(中央弘前駅)、距離や駅数が近い(13.9キロ、途中12駅、約30分)、東急系列の車両(初代7000系中古)、2両ワンマン運転(車内収受方式)など。
でも、新しい電車で、各駅の乗り降りが盛んなところを見てしまうと、あんまり似ていない。【14日補足・最高運転速度は静鉄70km/h、弘南60km/h(実際は55km/h?)と大差ないが、弘南鉄道は揺れる揺れる。線路の規格や保守体制の違いによるのだろうけれど、この点でも違う。】

それに電化方式(電圧)。弘南鉄道は、JRや大手私鉄でも主流の、直流1500ボルト。
静岡鉄道は、今は少数派の直流600ボルトなのだった。だからこそ、中古車入手が難しく新車を入れたのかもしれない。高頻度運転路線の最新車両が600Vなのが意外だった。

今度訪れた時は、ほかの途中の駅でも降りて、市内をいろいろ回ってみたい。
今回は、清水の街をうろついた。続く
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21年ぶり? 新静岡駅

2022-12-06 22:37:41 | 旅行記
JR東日本パスの旅。東日本エリアを飛び出して、静岡駅に降りた
静岡市内でも清水区(旧・清水市)にはわりと訪れているが、旧・静岡市の駅の外へ出るのは、かなり久しぶり。旅行記番外編・エクセルワードビルの記事の通り、初めて静岡県に来た2001年や2003年以来のような気がする。
と言っても、翌日改めて来ようかと思ったもののかなわなかったため、今回も短時間歩いただけなのですが。

この時は、特急ふじかわに終点まで乗り通したくて静岡まで来たようなもの。さっそくだけど、宿泊地の清水区興津に向かって戻る。
JR東海道本線の普通列車で戻るのもおもしろくないので、私鉄の静岡鉄道で清水まで行ってから、JRに乗り換える。

静岡鉄道の駅は、JR静岡駅から400メートルほど離れた、新静岡駅。
地図を軽く見て、20年前のおぼろげな記憶とすり合わせて、移動。エクセルワード静岡ビルの1本隣、御幸通りを進んで、曲がると新静岡駅。
その向かい側が、駿府城公園の外堀。
新静岡駅ビルを背に撮影
↑右奥が静岡県庁。その別館21階に「富士山展望ロビー」がある。以前行ったことがあるし、甲府とふじかわで存分に眺めたので、今回は行かず。
また、以前はその向かい(上の写真には売っていないが、左側)にある静岡市役所 静岡庁舎新館・葵区役所の17階にも、以前は展望ロビーがあったが、2015年で廃止されたらしい。

写真左、外堀沿いの歩道から、デッキが堀の上にせり出している。
2021年できた「SUMPU HORINO TERRACE(駿府ホリノテラス)」。歩道の拡張と、出店やイベントスペースにする目的。
秋田市でも、千秋公園の外堀にデッキを造ったから、流行りかもしれないが、ホリノテラスは歩道が広々と歩けるのがいい。
ただ、以前は対岸の石垣と対比できるような味わいのある道路で、シダレヤナギが植えられていて(下の写真参照)、それらがなくなってしまったのは、ちょっともったいない気がしなくもない。

反対側から。奥左に新静岡駅ビルが写っている

戻って、新静岡駅へ。
新静岡駅ビル
今の駅ビルは、2011年にできた「新静岡セノバ」。
それ以前は、1966年開店の「新静岡センター」。JR静岡駅ビル・パルシェよりも歴史がある。

2001年に撮影していた。
右が今のホリノテラスで、ヤナギがある
左手前のビルは「静岡県教育会館」。これも建て替えられて「静岡県教育会館すんぷらーざ」となったようだ。

新静岡センターは、大きなセイコーの時計が特徴的で、細かい窓など昭和の趣あふれる建物だった。
センター、セノバとも、駅自体よりも駅ビルやバスターミナルのほうが大きい。
上の写真で見ると、セノバよりセンターのほうが大きなビルのように見えるが、実際にはセノバのほうが大きい(と感じる人が多い?)らしい。また、センター時代はビルと駅が直接はつながっていなかったのだとか(そう言われれば、なんとなく記憶があるようなないような)【7日コメントいただき訂正・駅は地上にあるのに、センターの地下売り場を通らないと、改札を出入りできない構造だったとのこと。】。

セノバの中は、しゃれたお店が連なる、今どきの商業施設。少し歩いて荷物を重く感じたのと、人が多いので、そそくさと電車乗り場へ向かうことにした。続く
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静岡駅前Officeビル

2022-11-30 20:31:00 | 旅行記
JR東日本パスの旅。久しぶりの静岡駅に降りたところで、番外編。珍名アパートシリーズのビル編でもあります。
実は、今回現地で確認しようと思いつつ、忘れてしまったので昔の写真を使います。Googleマップストリートビューで、現在も変わらないことを確認しています(細部は不明)。

初めて静岡に行ったのは、21年前・2001年11月。その時、おそらく事前にネットの地図で見付けて、そのビルの写真を撮っていた。その後、2003年1月に再訪した時も撮影。

静岡駅の表・北口の真向かいにある、大きくて高いビル。
14階建てのテナントビルで、エステサロンなども入るが、大部分はさまざまな大手企業の静岡支社/静岡支店。「オフィスビル」というやつだ。
さすがに20年も経つとテナントの入れ替わりは多い。2003年も2022年も入るのは、キリンビールや大日本印刷などわずか。

このビルの名前は…
正面玄関
「エクセルワード静岡ビル」!
ワールドじゃなくワード。
エクセル、ワードと言えば、Microsoft Officeを構成する表計算ソフトとワープロソフト?
じゃあ、二重の意味でオフィスビルだ!
でも、マイクロソフトの商品名だから、文句を付けられそう?

塔状(?)のテナント一覧には、英語で表記されていて、
奥の白い建物は静岡駅ビル・パルシェ

「EXCEL WARD SHIZUOKA」
マイクロソフトワードは「Word」。
こちらは「Ward」だから、マイクロソフトとは関係ないことになる。

Wardは「〔郡や市の行政〕区」だろうか。
ビルの所在地は静岡市葵区だが、静岡市が政令指定都市になったのは2005年だから、ビルのほうが先。

カタカナで表記すると「ウォード」に近いかも。「EXCEL WARD」としては、「優れた区域」みたいな意味???
やっぱり、マイクロソフト製品を意識して、命名したのでは…


エクセルワード静岡ビルの竣工は、1994年3月。
ほかの「エクセルワード○○ビル」は、静岡県内にも県外にも存在しないので、そのタイミングでの命名と考えられる。また、大家は地元なのだろう。
Windows95でパソコンがブームになる、1年以上前。
一般的には、ワープロは専用機のほうが主流で、表計算なんて何それという人も多かった頃だと思う。大企業だと違ったのかもしれないが。
また、現在では、オフィスソフトの代名詞となったエクセルとワードだが、2000年頃まではそうでもなかった。表計算はLotus 1-2-3(ロータス ワン・ツー・スリー)、ワープロはジャストシステム一太郎とシェアを競い合い、MS-Officeでなく、その2つがバンドル(プリインストール)されたパソコンもあった。それに当時は、「オフィスソフト」という概念はあまりなく、エクセルとワードそれぞれ単体のソフトという認識のほうが強かったかと思う。アウトルックやパワーポイントの存在感は低かった。
結果的には、マイクロソフトがOSと抱き合わせのようにオフィスをバンドルして、シェアを奪ったわけだが、エクセルワードビルのオーナーは、1994年時点でそれを見通せていたのだろうか。「123太郎ビル」とかにしなくてよかったですね。先見の明あり。


ちなみに、秋田県にかほ市には「ホテルエクセル キクスイ」という宿がある。元々は宴会場「菊水会館」で、ホテルになったのは1992年辺りらしい。マイクロソフトエクセルを意識したとすれば、さらに早い。

あと、エクセルワード静岡ビルの、外観、特に1階の雰囲気に見覚えがあると感じた。それは、
(再掲)このビル
秋田市大町三丁目の竿燈大通りに面した、8階建てオフィスビル。「マニュライフプレイス秋田」だったが、今は「NLP秋田ビル」になっている。1992年4月竣工だから、その頃のオフィスビルの流行りのデザインだったのか。


エクセルワード静岡ビルの名前について、ネット上では、けっこう取り上げられている。
例えば松坂屋静岡店の公式ツイッターでは、今年9月1日に「松坂屋の隣のビルはエクセルワード静岡と言いますが、パワースポットかどうかは定かではありません。」と投稿。それに「パワースポットでなくパワーポイントでは」とか「いいアウトルックですね」と返信が付いた。
ただ、ワードが「WARD」であることの言及は少ない。


あと、東京には「コマンドプロンプト広尾」があるとのこと。2020年にできたオフィスビルで、当初は「イルヴィアーレ広尾」だったのが、2021年8月頃に改名。
コマンドプロンプトは、商品名ではなく、「画面上に表示する「コマンド入力待ち状態」であることを示す表示(Wikipediaより)」。
とすると「入居待ち」との連想? それだと常時、空きテナントがあるようなイメージだな…

アパートもそうだけど、あまりヘンな名前の建物だと、入る店子が躊躇しそう。だけど、エクセルワード静岡ビルには、一流・大企業が入っているところを見ると、そうでもないのだろうか。
旅行記の続き
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ふじかわの車窓

2022-11-28 23:23:22 | 旅行記
JR東日本パスの旅。甲府駅から身延線の特急「ふじかわ」で、静岡へ
身延線は、甲府→富士が上り。甲府駅を出てすぐは、中央本線上り方向と並走して東へ進むが、すぐに右カーブして、あとはおおむね南へ進む。
甲府市を出ても、しばらくは家と田畑が続く。
国母→常永間
車窓左には富士山。甲府駅周辺よりも3~4キロ近付いた。それに手前の山の稜線が変わって、わずかにより下まで見えるようになった。
この付近で、リニア中央新幹線と交差することになるらしい。その「山梨県駅」は、身延線よりも少し東側に造られ、身延線がアクセス路線とはならないとのこと。

この後、富士山は、手前の山の形により、また上しか見えなくなる。
そして、甲府から15分ほど、2つ目の停車駅・東花輪駅付近を最後に、まったく見えなくなってしまう(甲斐岩間駅付近で、少しだけ見える)。
身延線は、富士山の西側を周り、距離としてはどんどん近くなるのに、そんなに富士山が見える路線ではない。山梨県側では。

ふじかわは、山梨県内では停車駅が多い。甲府を出てから5~10分に1度は停まる。
甲府からの折り返し列車が多い鰍沢口(かじかざわぐち)、路線名でもある身延、武田信玄の隠し湯・下部温泉(しもべおんせん)の各駅は知っていたが、あとは初めて聞く駅ばかり。初代・市川團十郎の出身地という市川大門(いちかわだいもん)、内船(うつぶな)など、由来や読みかたが興味深い駅も。
この時点では、列車の速度は速いとは思わないが、そんなに遅いとも感じなかった。停車時間も含めた平均速度である表定速度では、甲府→内船は48.4kn/h。停車駅の多さも原因だが、速度もそんなに早くはないようだ。身延線の最高速度は85.0km/hとのこと。

徐々に家が少なくなって、低い山が迫り、トンネルもある。人家がまったくない区間もあるが、少し走れば、少しは家がある。その繰り返し。山深いというより、中山間地域といった感じ。身延線でないと見られない車窓ではないが、典型的な日本の田舎の風景かもしれない(北東北は地形や雪対応で、典型的ではない田舎だと思う)。

反対側なので最初は気付かなかったが、下部温泉を出て少しした所から、右・A席側に富士川が寄り添う。D席側は山が迫って、風景はあまりおもしろくない。
そして、カーブが多くなる。気が付けば、速度がかなり遅い。悪天候や工事のため速度規制がかかっているかのように。後部運転台の速度計をのぞいたら40~50km/hほど、最高でも60km/h程度のようだった。

甲府→静岡は、乗車時間では内船付近、距離では内船の少し先で、中間地点。さらにその先で、山梨県から静岡県へ。
内船の次は富士宮。30分間ノンストップだが、相変わらず遅い。内船→富士宮は23.4kmで、表定速度46.8km/h。車窓も引き続き富士川沿い。
稲子→芝川間
富士市の河口近くでも同じだが、富士川は水量は多くなく、河川敷の大部分が白い石で埋まっている。

やがて富士川から離れる。まもなく富士宮。
身延線上り列車では、進行方向左側に富士山が見えるのが基本。しかし、ここでも反対側に富士山が見える区間(この直前に見た、中央本線新府駅などのような)がある。それが富士宮の手前であることは知っていたので、右側の空席に座ってスタンバイ。
沼久保駅を通過する時に、右前方にちらりと見えた。相変わらずのくもり空だが、今まで見えていたのより、ずっと大きい。

すぐに見えなくなって、写真は撮りそこねた。富士宮市内に入れば、今度は左側で存分に見られるし…と考えていたら、前の運転席へ行っていた車掌から放送が入った。
「まもなく、進行方向右側に富士山がご覧いただけます。この区間から見える富士山は、身延線内でもっとも美しいと言われております」
まだ右側に見えるのか。※この区間でも線路にカーブが多く、放送時点では、進行方向正面に富士山が位置し、すでに運転席からは見えていたのだと思う。

再び右側へ行って、ほかの乗客も目を向ける。線路が左にカーブすると、
でーんと
甲府を出て以来の大きな街である富士宮市街地を見下ろす後ろに、すそ野までくっきりと、富士山が大きくそびえていた。
線路が、市街地より少し高い所を通っているので見晴らしがいい。今は線路際に建物が連なるが、それがない昔は、より見遠せたとか。

右前方に見えたのは、1分ほどだろうか。
突如現れる雄大な富士山に感動した。日本三大車窓に含めてもいい絶景だと思う。
下り甲府方面行きだと、富士宮市街地通過中にすで富士山を見てしまっているので、突如現れる感動は味わえないことと、やや後方で少し見づらそうなので、上り列車で見るべきでしょう。

今度は右へ大きくカーブして、ほぼ180度進行方向を変える。そして、定番の左側の富士山を見ながら、富士宮駅到着。
富士山本宮浅間大社 一之鳥居。左に少し写るのが2017年にできた静岡県富士山世界遺産センター

残りの区間でも、街並みの中に富士山が見え続けるわけだが、前に見たことがあるし、距離的には富士山から遠ざかっている(富士宮駅がいちばん近い)し、何よりさっきの絶景の後では…
でも、久しぶりの静岡県の車窓を楽しむ。

身延線を走破して富士駅で4分停まって、東海道本線の下り列車となる。運転士、車掌とも交代。
進行方向が変わるが、座席転換については特に放送もなく、誰も回転させなかった。上り甲府行きでは、始発静岡の時点で、身延線内に合わせた反対向きにセットされているという。「こまち」と同じ。

富士から静岡まで34.0km、30分弱。
最高速度は110km/hに上がり、途中停車駅は清水だけだが、そんなに飛ばさないようで、富士→静岡の表定速度は75.5km/h。
なお、身延線のみ甲府→富士は49.1km/h、全区間通しでは53.2km/h。身延線内で、下りふじかわと2度行き違ったはずだが、長時間停車して待たされることはなく、ダイヤは考えられているようだ。
ちなみに、奥羽本線・秋田~青森の特急「つがる」は、69km/h程度。

東海道本線では、右・D席側に富士山、左・A席側に駿河湾と一部区間でわずかに富士山が見える。
富士川を渡る
今回、どちら側の車窓を見るかで悩んだものの決め手に欠け、えきねっとにお任せしてD席が取れた。富士宮手前のあの富士山が見られるし、富士川も見えるから、A席を取ったほうがいいかもしれない。

今夜の宿泊先・興津へは、富士か清水で降りるべきだが、その先の静岡まで乗車。
富士~静岡の東海道本線は何度も乗っているが、普通列車だと混雑しがちで退屈で冗長に感じる。今回は特急でゆったりできるのがうれしくて、乗り通した。
甲府から122.4km、2時間19分(奇しくも、前日乗ったあずさ25号の新宿→岡谷200.1キロと同じ時間)。JR東海の数少ない在来線特急電車の旅も楽しかった。かなり久しぶりに静岡駅に降りた。続く。→次の記事は番外編・駅前のビルの名前。 旅行記本編の続き
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甲府駅の特急ふじかわ

2022-11-25 23:36:12 | 旅行記
JR東日本パスの旅。乗り換え時間で甲府駅周辺を見た後、JR東日本エリアを出て、身延(みのぶ)線の特急へ。
ここからは、別途購入した乗車券・指定席特急券を使うので、JR東日本パスは翌日までお休み。
昼食は車内で。甲府駅を拠点とする駅弁業者はなく、小淵沢駅の「丸政」の売店「MASAICHI」が改札内にあると聞いていた。この時は看板商品「高原野菜とカツの弁当」はなく(甲府では売らないのか。これのおかず部分だけは新宿で売っていた)、あんまりパッとしないのでやめておく。
改札内にNewDaysもあった。秋田や青森のNewDaysでは、輸送網の関係か、おにぎりやサンドイッチは、NewDaysブランドでなく地元メーカーの商品が置かれる。甲府ではもちろん自社商品なので、どれも目新しい。パンと野菜を食べたくて、価格と緑色に惹かれてBLTサンドを購入。Tが苦手なトマトであることを忘れて(でもおいしかった)。

乗るのは、甲府始発、身延線経由静岡行きの特急「ふじかわ8号」。
身延線は、地理や鉄道に詳しくない人にはマイナーな存在かもしれない。富士山の西側、富士川(「ふじがわ」ではなく、列車名の通り濁らない「ふじかわ」のほうが一般的らしい)沿いを通って、静岡県富士市の富士と甲府を結ぶ、88.4キロのJR東海の路線。
沿線には、日蓮宗の総本山・身延山久遠寺のある山梨県身延町、富士山と焼きそばの街・静岡県富士宮市がある。
特急ふじかわは、富士から静岡までは東海道本線に入って(富士川を渡って)、静岡~甲府間122.4キロを結ぶ。
首都圏を経由せずに甲府と静岡を結ぶ点、あまりイメージがない富士山西側一帯を通る点で、興味深い路線であり列車であった。これまで、静岡県側で普通列車本数が多い、富士~富士宮では何度か乗ったことがあった(2010年の記事)が、山梨側まで乗り通す機会はなかった。
JR東日本パスのおかげで、ついに乗ることができた。JR東日本のサービスで安く移動できた分で、JR東海を儲けさせてしまうことになるけれど…

特急ふじかわは、1日7往復(3両編成)も運行されている。競合する高速バスもある(新型コロナで変則運行中)。
秋田~青森という地方県庁所在地間には、高速バスはなく、特急「つがる」は1日たった3往復(4両編成)なのと比べると、人の行き来が活発なのかと思った。
ふじかわは、普通車指定席が1両、自由席が2両、グリーン車なし。指定を取るかどうか。ネット上では「指定席より自由席のほうが空いている」という声も、「自由席が満席だった」という声もある。おそらく、曜日や時間帯、それに区間によって、差が激しいのだと思う。昔、富士→富士宮のわずかな区間だけ自由席に乗った時も、同じように短距離利用の人で、ほぼ満席だった。
そうそうない乗車機会だから、今回は指定席。えきねっとでは、シートマップ(座席表)で空席状況を確かめつつ予約できるのだが、JR東海の列車は(実は東海道新幹線も)対象外。「窓際限定」と指定して、進行方向左側・D席が取れた。


甲府駅は1~3番線が中央本線。身延線は、1番線の奥にある、行き止まりの4・5番線。
甲府駅自体はJR東日本の管轄。そこにJR東海の身延線が間借りして、隔離されたような構造。秋田駅の1番線、酒田駅の0番線みたいに似た構造のホームはちらほらあるが、国鉄時代からそうだったのだろうか。
1番線から身延線ホームへ向かう途中
9月30日で発売が終わった普通回数券についての告知。
2社分が並ぶ
↑JR東海のほうに「ご不明な点は駅係員まで」と書いてあるが、甲府駅だとJR東日本に押し付けることになる。ちなみに、甲府市内、身延線の南甲府駅には、JR東海の駅員がいる。

JR東海といえば、オレンジ色のラインが入り、国鉄時代からの流れを汲む「すみ丸ゴシック」「JNR-L」で記された、ホームの駅名標。甲府駅身延線ホームのは、
違う
薄型横長でモリサワ「新ゴ」で記された、JR東日本の駅名標の、ラインだけJR東海色に変えたもの。
同じく境界駅である熱海駅在来線ホームでは、JR東海の気配が一切ない駅名標だが、これはホームを2社で分けていないという事情もありそう。甲府駅では、ホームを明確に分けていることもあって、JR東海に多少配慮して、この駅名標なのだろう。
なお、飯田線との境界である、長野県の辰野駅では、JR東日本仕様の駅名標で、隣の駅名表記の飯田線側だけ、線をオレンジ色にしている(興味があれば「辰野駅 駅名標」で画像検索を)。


12時05分着ふじかわ3号の折り返しかと思われるが、発車15分以上前の12時20分頃の時点で車内整備も済んでいて、乗ることができた。
指定席1号車は、いちばん後ろ・改札口寄り。予約した席の通路をはさんだ隣では、すでに座席を向かい合わせて会話に興じている、年配女性グループ。これはうるさい旅になるなと思ったら、その席の指定券を持つ年配ご夫婦が現れた。グループ客は、全車自由席だと思いこんでいたのだった。

指定席は、窓際の席が半分以上埋まる程度の乗車率で、終点までそんな感じ。乗車率としては、さっきの「あずさ」と同じくらい。途中乗降よりも乗り通す人のほうが多かったはず。旅行客もいれば、用務客というのか身軽な地元在住っぽい人もいた。いろんな人が甲府と静岡を行き来するようだ。
自由席のほうは2両とも、甲府時点ではかなり空いていた。
373系電車 特急「ふじかわ」
ふじかわの車両は373系電車。
急行列車の置き換えとして1995年から投入されていて、現在はふじかわのほか、飯田線の特急「伊那路」、東海道本線・静岡県内のホームライナーなどに使用。かつては、夜行快速「ムーンラントながら」や特急「東海」にも使われ、東京駅にも来ていた。
特急から普通列車まで、幅広く使える汎用性のある車両。
373系とE353系。20年の差
JR東海の在来線車両は、どれもステンレスボディにオレンジ色のラインが入った外観だし、373系はそういう存在意義のためか普通列車の電車にも似ている。でも、それなりにデザインされていて、好き。先頭部は、丸みを帯びながら引き締まった凛々しさもあり、国鉄の特急用気動車キハ80やキハ181にも似た顔つき。積雪地でもないのに、前照灯が上にも2灯あるのが珍しい。
今では昔のアイテムとなってしまった、イラスト入りトレインマークがあるのが、特急らしさ。
小さな側面方向幕は国鉄書体
乗降ドアが両開きだったり、デッキとの仕切りのドアがなかったりするのは、普通列車運用を考慮している。
車内
客席は、赤紫色というか小豆色の座席が重々しく、落ち着いてどっしりとした雰囲気。
最近のカジュアルなJR東日本の特急とは大違いだし、1990年代の他の車両ともまた違うと思う。今見ても、そんなに古さはないかとも思ったが、後述の通り細かく見れば…

JR東日本のあずさや新幹線と比べると、荷棚の位置が高い。
2席で1枚の横長窓だが、真ん中の席(1号車では7番席)だけ、1席1枚の小窓。小窓が車端でないのが珍しい。
これは2号車
2022年3月まで、JR東海では在来線特急の各車両・各列車を「ワイドビュー車両」と呼んでいた。この列車も正式には「(ワイドビュー)ふじかわ」だった。
窓下のシールは、座席下の暖房装置の注意書き
座席の座り心地も、どっしり。座面が若干ふかっとした感触で、いいと思う。これまで短時間座ったことはあったが、今回の長時間乗車でも、別段気になる点はなかった。
座席に詳しいかたのサイトを見ると、普通列車兼用だけに、座り心地はそれなりと評価されていることもあるが、そうとも言えないと思う。

前の座席背もたれには網袋だけ。テーブルは肘掛けの中に収納された、インアームテーブル。面積が狭いのと、初めてだとテーブルがないと勘違いしそうなのが難。
跳ね上げ(跳ね下げ?)式フットレストも装備。E3系こまちの後期製造分に付いていたのと同型だと思う。固定機能があるという情報もあるが、それがヘタったのか足を載せていないと戻ってしまう。これは、小さくてあまり意味がない上、元に戻る時に、前の席の人に振動が伝わる(子どもが遊んでガチャガチャして迷惑だった経験あり)のが難。
当然、充電用コンセントはない。
気になったのはこの程度。

落ち着いた雰囲気で座り心地が良いと言っても、やっぱり2022年の感覚では「ちょっと古い列車」の雰囲気は否めないかも。上記のほか、荷棚の下がルーバーになっていたり、窓枠の造りとか。
373系は、目立った改造やリニューアルはされていないはずだが、まもなく30年。何らかの手が入る頃かもしれない。

自動放送は搭載。
東海道新幹線や東日本の新幹線ではカットされた、英語放送の「Ladies and Gentlemen」、それに最後の「Thank you」は、「あずさ」同様残っていた。
日本語放送は、首都圏の私鉄で多く起用されている西村文江さんという人の声。加藤みどりさんがサザエさんっぽくなくしゃべっているような(?)雰囲気がある。

最近は、同じような場所ばかり旅していたから、「初めて乗る路線(区間)」を「初めて乗る在来線特急で」乗るのは久しぶり【26日言い訳・富士宮~富士間に限れば、上記の通り乗車経験がありました…】。どんな所を通って、どんな車窓が見られるか。続く
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甲府駅周辺散策

2022-11-21 23:11:24 | 旅行記
JR東日本パスの旅。列車乗り継ぎの1時間20分で甲府駅周辺を探索。甲府市役所から富士山を眺めた続き。
市役所を出て、駅から来た道と反対、市役所の裏・東側へ。
「風林火山」は信玄公祭りののぼり旗
商店街や歓楽街の一帯で、「紅梅通り」とともに「コミュニティー道路」の表示もあった。歩行者優先を意図した、一方通行の狭い道。
秋田市の仲小路とよく似た状況で、仲小路も昭和の改修時にはコミュニティ道路と呼ばれていた。ここも仲小路同様、歩道と車道の段差も縁石もない(車止めは一部設置)ため、路上駐車を誘発し、安全とは言えないのではと、やはり思ってしまう。

上の写真向かい側の、ボコボコしたビルは「ココリ」。2010年にできた、マンション、県立宝石美術専門学校、商業施設からなる、複合再開発ビル。
商業施設は振るわず、出たり入ったりを経て、この時点では閉鎖状態。2023年3月からは、近くにある地元百貨店「岡島百貨店」が移転する予定とのこと。

ココリの東隣はアーケード商店街「オリオン・スクエア(2020年まではオリオン通り)」。
アーケードの通りと交わる
紅梅通りをストリートビューで見た時も、市役所から歩いて来た時も、気になるモノがあった。上の写真にも写っている。
謎の球体
金属の骨組みに、青い帯が巻かれただけで、何も書かれていないが、何か痕跡はある。オリオン・スクエア東隣の角地のビルのてっぺんに設置されている。
調べたところ、かつて「地球堂」という宝飾店が入っていた、「地球堂ビル」。球体は、ネオンサインが点灯(金属枠も青白く点灯)する、「シチズン」の広告塔だったとのこと。

ここで、オリオンスクエアへ入って北へ向かってしまったのだが、このまま東へ進めば、すぐに岡島百貨店(の裏口)があった。
オリオン・スクエア
地方都市のご多分に漏れず、シャッターが下りた店が少なくない。
アーケードでココリの反対側へ抜けて、駅方向へ。県道6号の東を並行する、県道31号を北へ。
山梨県庁はこちら面が正面のようだ。元々は甲府城の堀。
1930年竣工の山梨県庁別館。6号側には同じ造りの議会議事堂も
その斜め向かいが舞鶴城公園。道路は石垣に沿った上り坂になる。
振り返って
公園内を全部回る時間はないし、疲れそうなので、ちょっとだけ拝見。

甲府城時代の建物は現存せず、復元されたもの。天守台は残っているが、天守はそもそも存在したのかさえ見解が分かれるらしい。

県道へ戻って、そのまま線路方向へ進むと、トラス橋のオーバーパスに出てしまった。戻らないといけないかと思いきや、ヨドバシカメラの裏と線路の間に階段があって、駅正面へ出られた。
城跡は、線路向こうにもまたがっていて(というか線路によって分断され)、門が復元されるなどしている。


ヨドバシカメラは、新しそうで大きなヨドバシカメラだと思っていたが、違った。
「ヨドバシ甲府」という複合商業施設で、山梨交通系列の「山交百貨店」として1989年にできた建物。2019年の閉店後改装して、2021年にヨドバシ甲府としてオープン。ヨドバシカメラのほか、石井スポーツが入り、飲食店街の構想もある。

市内の路線バスは山梨交通独占。
一般に、地方都市で、公営でなく民間事業者が幅を利かせる街では、駅とは別の場所に、商業施設と一体化した大規模なバスターミナルが存在することが多い。弘前市とか山形市とか。秋田市は、小さな長崎屋バスターミナルがあるが、元々は市営バスがあったので駅前がメイン。
甲府市は、民間独占なのに、珍しく駅前がバスターミナル。駅前に山交百貨店があったこともあるのだろう。

国際興業グループなので、車両はほぼいすゞ製。その中で珍しいのが、
EVバス
2021年10月に2台導入された、中国の「アルファバス」製。

20年以上前に製造が終わった、大型バス・キュービックや中型バス・ジャーニーKも、何台も見かけた。北東北ではほとんど見なくなっており、山梨交通のほうが多い。
EVバスとキュービック
↑写真のキュービック・C702号車はLVでなく、短いLTで、1991年製、国際興業の中古とのこと。行き先表示が方向幕のままだが、車体はきれいでまだまだ走れそう。

駅とヨドバシの間に、山梨交通ビルという小さいビルがあった。かつて運行していた路面電車の駅の跡という石碑があって、その横に、
いすゞのバス?!
…をデザインした、自動販売機。
左のほうが幅が狭く見える気がするけど、たぶん左右同型
左が縦2灯の路線車だから、少し前のモデルのエルガまたはエルガミオ、右が貸切・高速車だからガーラ。側面もデザインされ、ヘッドライトやワイパーの配置も、忠実に描かれる。
2021年6月のストリートビューでは設置されていない。だったら、エルガ/エルガミオは、とっくに1灯×2のツリ目ヘッドライトにモデルチェンジされている時期の設置。台数がまだ少ないから、あえて旧モデルを描いたのだろうか。
タイヤは実際より前寄り

1時間強でどれだけ回れるかと思ったが、テキパキ動けたようで、駅まで戻っても、まだ1時間経っていない。
駅ビル「セレオ甲府」をのぞいてみようと、フロアガイドを見ると、
「富士山が見えます!」
↑ 下にうっすら見えるロゴは、セレオになる前・2015年3月までの旧称「ECLAN」=エクランらしい。
屋上を開放しているという。ただし、天候により閉鎖することもあり、16時で終わってしまうそうなので、市役所のほうが時間は長い。

駅ビルの屋上に出られるなんて、珍しい。6階の上の屋上へ。
もちろん高い柵が設置
多少ベンチが置かれるものの、あとは何にもない、典型的なビルの屋上。南側だけで、北側は塔屋なのか出っ張った建物があって展望できない。
富士山は…頭を雲ならぬ、
ヨドバシの上に出し
屋上は東西に長いので、エレベーターと反対・西側へ行けば、位置関係が変わって、ヨドバシの横に見える。

甲府からは、富士山の頭しか見えないのは事実ではあるが、それでも見えるのは限られた土地の特権であり、誇りだろう。市役所や屋上を開放してくれたのは、きっと、そういう思いによるもの。
駅前も見下ろせる
甲府市全体としては分からないが、市街地に限れば、駅・役所・商店街・公園がコンパクトにまとまって、それによる活気がある街だと感じた。
定番だけど、いつかまたじっくりと訪れたい。

発車まで30分を切ったので、余裕を持ってそろそろ入場。続く
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甲府からの富士山

2022-11-20 20:26:06 | 旅行記
JR東日本パスの旅。上諏訪を後に、甲府まで「あずさ」に乗車
行きと反対側の車窓を見ようと、進行方向左側のA席を予約。くもり空で絶景と言えるものはなく、ぱっとしないな、などと思いかけた頃。
右にカーブしながら、小さな駅を通過した時、左前方に、雪をかぶった大きな山が、くっきりと現れた。カーブで向きが変わって、すぐに見えなくなった。撮影する乗客もいたが、僕は間に合わなかった。
この山って???

形からすれば富士山?
だけど、中央本線上り列車では、右側に見えるはず。
それに、甲府市内から見る富士山って、頭がちょこんと見える程度。今見えたのは、もっと下まで見えていた。
しかも、こんなくもり空で見えるものか? 今朝、諏訪からは見えたけれど、昼近くなれば見えなくなることが多いものだし。

キツネにつままれたような気持ちで、しばらく過ごすと…
竜王→塩崎間。川は塩川
今度は右側に!
拡大
明らかに富士山。
甲府の手前だと、甲府市内より下のほうまで見えるのか。それにしても、一面のくもりの日にくっきり見え、10月下旬でこんなに雪があるのは、珍しいと思う。

帰ってから調べると、左側に見えたのは、韮崎市の新府(しんぷ)駅のようだ。線路が高い位置あって見晴らしがいい。左に見えたのは、カーブの大きさのせい
旧東海道や東海道本線、東海道新幹線(過去の記事)では、(意識する進行方向に対して)反対側に見える富士山を「左富士(下り基準)」として珍重する。
新府駅も、それに匹敵するのでは。中央本線の車窓を取り上げたサイトでは、新府駅から見えること自体は取り上げていても、見た限りで、反対側に見えることを言及するものはなかった。
なお、下り列車では、右後方に振り返ることになるため見づらく、気付きづらいかもしれない。※この後乗った、身延線の静岡側でも反対に富士山が見えた。

甲府の隣・竜王駅通過直後。下の雪が積もっていない部分は隠れた
徐々に下のほうが、低い山に隠れていく。こういう控えめな富士山も悪くない。
富士山までの距離は、中央本線では甲府前後がいちばん近くて35キロ強。

空いたA席に移って予想外の富士山を眺めるうちに、甲府到着。
甲府駅の改札を出るのは初めて。というか、山梨県で駅の外に出るのは初めて。考えてみれば、これをもって、JR東日本エリアのすべての県庁所在地の駅で、改札の外に出たことになる(宇都宮はただ出ただけだけど)。

次に乗る、身延線の特急の発車まで1時間20分ほど。
乗車変更によりできた空き時間を、どうつぶそうかと考えていたが、富士山があんなにきれいに見えるのなら、行くべき場所がある。
初期の計画では、甲府も観光するつもりだったので、軽く調べておいたのが役に立った。コインロッカーに荷物を預けて、外へ。
甲府駅

駅を背に正面の通り
甲府駅周辺の街並みも、事前にネットの写真や地図、ストリートビューで見ていたが、実際に見ると印象が違うもの。思っていたより大きく整然としていて、活気がある。
正面である南口からまっすぐに伸びる広い道(山梨県道6号)を進む。左側すぐが山梨県庁。
その2ブロック先が甲府市役所。駅から500メートルほど。
2013年にできた建物
その市役所に入る。
エレベーターに乗って、最上階10階へ。

10階の西辺と南辺が「展望ロビー」として開放されているのだ。
西方向。うっすら雪をかぶった南アルプスの山々
そして、南方向。
左に!
甲府盆地の街を見下ろすように、
ちょこんと富士山
繰り返すけれど、これだけくもっているのに、ほんとうにくっきりと見える。晴天だったら、昼は逆光で見づらいかもしれない。

展望ロビーは、窓際の廊下のような幅ながら、ベンチも置かれる。【20日追記・訪問時はベンチに座る人が2人、景色を眺めに来た人がもう1組いた。】
建物内側の壁にドアはないが、小さなのぞき窓のようなのがところどころにある。失礼すると…
議場!
10階の展望ロビー以外は、議場と議会局(議会事務局とは呼ばないらしい)のフロアで、立入禁止。議会開会中ものぞいていいのだろうか…

エレベーターホールの窓から、北~北東方向も。

左の茶色い縦格子のビルが県庁の「山梨県防災新館」で、その向こうが甲府駅。中ほどに見える石垣が、甲府城跡・舞鶴城公園(つまり、駅を出て左に行ってすぐ)。
甲府は、県庁も市役所も城跡も、駅の近くに固まっている。

甲府市役所のように、庁舎の上の階を展望のために開放してくれる自治体はけっこうある。旅行する時は、ホームページでフロアガイドを調べておくと楽しめるかも。
まだ30分ほどしか経っていないので、遠回りして駅へ戻る。ほかにも富士山が見られる高い場所もあった。続く
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上諏訪駅前'22

2022-11-18 19:25:05 | 旅行記
JR東日本パスの旅。2日目最初に予定していた、諏訪大社上社参拝を、あきらめた(?)続き。
上諏訪駅前に来た。甲府へ行く指定券を取った「あずさ」は約2時間後。
空いた時間で、昨夜入らないでしまった、駅前の新しいスーパーをのぞく。全国旅行支援の共通クーポン券も使えるので、消費するために。
アーク諏訪2階から上諏訪駅舎
上諏訪駅は、諏訪湖・温泉街と反対、国道20号に面する東口(霧ヶ峰口)が正面。
その真向かいに「まるみつ百貨店」と「スワプラザ」という2つの商業施設があったが、閉店。2016年に訪問した時は、スワプラザが解体途中だった。その跡が再開発され、2019年に複合施設「アーク諏訪」ができた。
アーク諏訪
諏訪湖口への自由通路~国道の歩道橋と2階がつながっている。
時計の下には、地元SEIKOの大きなロゴ
貸館やイベントスペースからなる公共施設「駅前交流テラス すわっチャオ!!」、放送大学長野学習センターと、商業施設からなる。
商業施設はマツモトキヨシなどが入る。「霧の駅」という表示があったので、道の駅みたいなのだと思いこんで気に留めなかったが、そうでなく、霧ヶ峰高原にあった同名のドライブインにあったソフトクリーム店だそう。
核テナントはスーパーマーケット「ツルヤ 上諏訪店」。諏訪市中心部では唯一のスーパー。本社は小諸市にあり、長野県と群馬県に展開する。今回まで知らなかったが、たいへん評判の良いスーパーで、長野ならではの商品、ツルヤならではの商品があるのが理由。

店内は、広くて、白かった。
他社では、節電要請を受けて、冷蔵ケースの照明を消す店舗が多いが、ここは煌々と点灯していたのが気になった。10月末時点では、節電要請がなかったかもしれないし、LEDで消費電力は少ないのかもしれないけれど。
ちょっと高級感もあるが、価格はそうでもないと思う。
プライベートブランド商品は、CGC商品もあるが、自社ブランドもあって、地元産ヨーグルトなど安くて質が良さそう。「おやき」もあるらしいが、見逃し・買い逃してしまった。【2023年4月15日追記・「半生製法」のドライフルーツを買ったらおいしかった。長野市川中島平産白桃などもあり、手軽なお土産になる。】
お土産になる商品もそろっていて、距離的に遠い諏訪ではあまり売られていないはずの、「小布施堂」の栗菓子も。【12月31日追記・一方で、松本駅などでは売っている、もなかの皮であんずゼリーをはさんだお菓子(長野市「あんず姫」?)などは見かけなかったと思う。】
ポイントカードはなく、電子マネーは使えず(クレジットカードは使えた)、セルフレジも(フル/セミとも)なく、独自の方針があるようだが、安いだけのスーパーではなかった。
秋田市の各スーパーも悪くはないけれど、こんなスーパーが市街地にほしい。


前日訪れた岡谷市では、御幣の代わりなのか、複数色の荷造り用ビニール紐を束ねたものを、沿道に渡した紐からぶら下げていた。
アーク諏訪の前にも、それと同じ目的と思われるものが下がっていた。
「ようこそ、諏訪の国へ。」
メタリックテープと呼ぶらしいが、キラキラしたテープを、1か所から2本ずつ下げていた。色は赤のみで、岡谷であった「御柱祭」といった短冊はなし。
諏訪大社では、白じゃダメとか、色や光沢があったほうが目立っていいとかいう風習でもあるのだろうか。

とりあえず思い残すことはなくなって、上諏訪駅へ。
2016年に来た時、上諏訪駅舎の隅のほうに「JR東日本上諏訪駅カルチャー教室」という表示が出ていた。社員向けだろうか。

2022年時点でも変わらず、曜日別のラインナップも同じ。

岡谷駅、下諏訪駅と同様、新しくはない地上駅舎だが、上諏訪がいちばん大きい。

改札口の上、ではなく右上にある、フルカラー発車標。
「あずさ」に注目


E353系電車の正面のイラストと、「あずさ」は国鉄型車両の絵入りヘッドマーク(トレインマーク)の文字だ(本来はもう少し線が太くて、傾いていないが)。英語は通常の文字。
2020年9月頃から使われ、ホームの発車標も同じらしい。E257系による臨時列車のあずさでは、イラストはなく、文字は明朝体になるとのこと。


予約したあずさまでは、まだ1時間以上ある。しかも、実は上諏訪の次の茅野駅発で予約してある。※パスの4回分の無料指定枠は、他の列車で使用済み。今回乗る中で、ここがいちばん短距離なので、その指定券を別途購入した。
そこで、1本前の列車の上諏訪発に乗車変更(料金は同額)することに。えきねっとチケットレス特急券なので、待合室からスマホで手続き。
この段階では、券売機にきっぷを挿入して変更したほうが早いような気もするし、ほんとうに正しく手続きできているのか、ちょっぴり不安になった。新幹線をSuicaで乗るeチケットの時もそうだったが、列車名と席番を記した実体がないと。いずれ慣れてしまうだろうけど。【19日補足・新幹線のeチケットは、Suicaとの紐付けが必要で、乗車券込み。在来線のチケットレスは、予約するだけで成立し、紐付け不要。乗車券部分は別途必要。】

前照灯が5つ点灯するハイビーム状態
直前の予約でも、座席上のランプ(行きの乗車記)が、ちゃんと緑色に点灯していて安心した。
今回の長野県訪問も、中途半端ではあるが楽しめた。また来ます。
上諏訪から甲府まで67.8キロ・42分。甲府からJR東海エリアへ出るので、この日にJR東日本パスを使うのは、ここだけ。続く
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幻の上社参拝

2022-11-15 20:18:21 | 旅行記
JR東日本パスの旅。2日目午前、上諏訪の宿をチェックアウトした後、どう過ごすか悩んだ。諏訪大社上社参拝を考えるも、結局、あきらめた。
それでも、いつか行ってみたいので、今後のために、上社へのアクセスについて記しておく。※以下、2022年10月時点の情報です。

諏訪大社の上社は、「前宮(まえみや)」と「本宮(ほんみや)」の2つ。下社と違って、神様が季節で移動するわけではないようだ。
前宮が茅野(ちの)市、本宮が諏訪市にある。どちらも、JRの最寄り駅は、上諏訪駅ではなく隣の茅野駅のほうが近く、おそらく徒歩数十分。
タクシーで上諏訪駅や上諏訪温泉街から向かうにしても、いったんJRで茅野駅まで移動してからタクシーに乗ったほうが、トータルでも安く上がると思う。
Googleマップに加筆。地が白い部分が諏訪市、赤い線を境にグレー地が茅野市

茅野駅~前宮/本宮の路線バスはない。
ちなみに、茅野市のコミュニティーバスは、2022年9月で廃止され、AI乗合オンデマンド交通(要事前登録・予約)に変わってしまって、よそ者には敷居が高い。

上諏訪駅・温泉街~本宮の間では、諏訪市の150円コミュニティーバスが、多少運行されている。
なお、諏訪・茅野の市境、中央道諏訪インターチェンジ近くに「諏訪ステーションパーク」という、イオン系ショッピングモール(運営はOPA)があり、そこから歩くとすれば、本宮も前宮も多少近いのだが、上記、諏訪市のコミュニティーバス以外のバスはない。
※余談だが、諏訪ステーションパークそばには、峠の釜めしの荻野屋の工場&ドライブインがあり、麺類なども食べられるとのこと。ここに行ってもいいかも。

ということで、
・上諏訪駅、上諏訪温泉などから本宮には、諏訪市のコミュニティーバスがある。
・茅野駅からは、本宮、前宮とも徒歩またはタクシー。
となる。本宮~前宮の間も、徒歩またはタクシー。


諏訪市のコミュニティーバスについて。
※時刻表や最新情報は、諏訪市サイト(https://www.city.suwa.lg.jp/site/bus/1804.html)参照。
(再掲)上諏訪温泉近辺のコミュニティーバスのバス停
岡谷市、下諏訪町と合同で運行する「スワンバス」は、本宮には行かない。
ここで取り上げるのは、諏訪市独自のコミバスなのだが、その中に種類や路線がさまざまあって分かりづらい。全便が諏訪大社本宮へ行くわけではなく、しかも上諏訪駅の乗り場が駅の両側にある。時刻表を丹念に読みこむしかない。
大きく分けると、小型バスの「かりんちゃんバス」、ワゴン車の「かりんちゃん子バス」、大型・中型バスの「かりんちゃんライナー 有賀・上社統合線」になるらしい。
かりんちゃんライナー以外の各路線は、諏訪市内をぐるっと回るルートで、上諏訪駅~本宮は1時間近くかかる。
かりんちゃんライナーは、上諏訪駅諏訪湖口(西口)~本宮20分。湖畔に出たり、あちこち立ち寄ったりしない(赤十字病院にも入らない)経路のため早いようだ。ただし、参拝に使えそうな時間帯では5~6本しか運行されない。

さらに、かりんちゃんライナーは、「たんけんぼくのまち」の舞台を通る路線だった!
チョーさんが修行していた、おじさんの食料品店は、諏訪市豊田地区にあるとは聞いていた(お店はやめられたが、建物は現存)。そこを東西に抜ける。
上諏訪駅側から 文出西~小川(こがわ)~豊田小学校前~有賀(あるが) と停車する。
そのうち、小川バス停付近で交わる道、すぐの所がお店だそうだから、車窓に目を凝らせば、一瞬見られそう。
なお、有賀バス停は、中央道有賀バスストップに近いようだが、アクセスは調べていない。【16日補足・中央道有賀に停車する高速バスは、新宿~上諏訪便の1日3往復のみ。】

また、かりんちゃんバスの市内循環線(上諏訪~本宮も利用できるが、上記の通り50分かかる)は、 文出西~小川~小川中~小川下~有賀 と運行するので、お店の前を通ると思われる。
※諏訪市の豊田は広範囲な地域名のようで、小川や有賀も、地名としては豊田小川、豊田有賀。


以上が、次回、上社を参拝する時のための情報。
以下、旅行記。

前回の通り、上社参拝を思い立った大きな理由が、全国旅行支援の長野県独自事業でもらえる、交通クーポン券の消費。だけど、1000円分(3000円分の共通クーポンも、タクシーに使えたようだが、せっかくならお土産を買いたい)だから、往復ともタクシーはむろん、片道でも足が出るはずなので、タクシー利用は最低限にする必要があった。

初期の計画では、宿を出て上諏訪→茅野をJRで移動。茅野駅~本宮は、往復どちらかをタクシー、もう一方は徒歩を考えていた。茅野駅からあずさに乗って甲府へ向かう。
その後、かりんちゃんライナーを知った。そこで、上諏訪→本宮でかりんちゃんライナーを利用し、本宮→茅野駅でタクシー。これなら歩かず、交通クーポン消費&最低限の出費で済みそう。しかも、チョーさんの舞台を軽く眺めることもできる。
交通クーポンをもらえないことが分かってからも、だったら本宮→茅野駅は歩こうと考えていた。

ただ、帰りにタクシーに乗る場合、本宮付近でタクシーを拾えるかという不安はあった。歩く場合は、時間が足りなくなるおそれも。
反対に、時間が余ったり、悪天候だったりした場合は、本宮そばにある諏訪市博物館を訪れようとも考えた。
いくら計画を立てても、初めての場所で、後ろの時間が決まっている今回は、最後まで踏ん切りが付かず、悩み続けたのであった。


ここでチェックアウト前の話。前回は、ホテル屋上からの諏訪湖の眺めを紹介したが、6階廊下というか風呂上がりのお休み処から南東方向の眺め。

チョーさんの豊田がこの方向。写真の赤い↓の建物が、長野県諏訪合同庁舎。その奥、右方向が豊田小川か。
そして、青い↓。
縮小前の元画像を見ると、くもり空の中、ひときわ白くなっている箇所があるように見えた。トーンカーブなどを加工すると…
富士山! 距離は100キロを切る
諏訪から富士山が見えることは聞いていたが、方角が分からないし、ましてこんなくもり空で見えるとは思わないから、現地ではまったく気付かなかった。

チェックアウトして、上諏訪駅のほうへ向かう。
もたもたしてしまって、上諏訪駅前(諏訪湖口)のかりんちゃんライナーの発時刻にはギリギリ。
でも大丈夫。かりんちゃんライナーは湖岸に出ず、赤十字病院と線路の間の道路を通るので、宿から駅へ向かう途中で、つかまえられる。そこにある、駅前の次の次のバス停「日赤病院入口」から乗れば間に合うはず。
だけど、事前学習が不充分だった。同じような太さ(細さ)の道路が複数あり、どれがバス通りなのか、どこにバス停があるのか、分からない。
駅の近くまで来てしまい、そのタイミングで、かりんちゃんライナーらしきバスが、思いもしない方向へ進んでいくのが見えた。歩いているうち、バス通りを、バス停が見えない部分で横断して、通り過ぎてしまっていたのだった。
なお、泊まった宿からなら、日赤病院入口の次、「長野日報前」バス停でも同じくらいの距離だったようだ。

これも運命、というより、最後まで踏ん切りがつかない部分だったからと思い、潔く(?)見限ることにした。再訪する理由もできたし。続く
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下諏訪・上諏訪 再訪

2022-11-14 19:48:21 | 旅行記
JR東日本パスの旅。長野県岡谷市の釜口水門を見学した続き。
岡谷から上り普通列車で1駅。下諏訪で下車。2016年に続いて2度目。
前回は意識しなかったが、車掌の放送などの「しもすわ」のアクセント。平板ではなく「し↓も↑すわ」と、「肝吸い」と同じだったのが意外。「上諏訪」もそう発音する人もいたが、平板で発音する人もいたと思う。

諏訪大社には、計4つの社(2社4宮と数えるのか)が分散する。
下諏訪町には、下社春宮と下社秋宮があり、どちらも下諏訪駅から徒歩圏内なのだが、特に秋宮はすぐそば。前回はその便利さを口実に、秋宮だけ参拝した。
下社の神様は、季節ごとに2つを行き来される。前回は夏に来たので、不在の秋宮に参拝したことになった。今は秋宮にいらっしゃる。
なお、10月は全国の神々が出雲に集まる月だが、この日は旧暦ではギリギリ9月。さらに、諏訪大社の神様は、特例で出雲に行かなくて良いことになっているという伝説があるそうなので、おそらく問題なし。ということで、再訪のごあいさつ。

前回は、参拝しているうちに日が暮れて、いい雰囲気ではあったが、周辺のお店などは閉まっていた。季節と天候により、今回もまた、暗くなってしまった。前回以上に…
今回も明かりが灯る時間になってしまった
境内には「菊花奉献大会」として、愛好家が育てた菊が展示されていた。


秋のたそがれ時の境内
下社秋宮には、手水舎とは別に、湧き出す温泉を使った「温泉手水」がある。前回、事前に知っていたのに、実物を見落としてしまっていた。
今回もやっぱりないじゃないかと帰りかけた途中、発見。外から見て正面の鳥居に向かって右の、駐車場に行くほう。徒歩では見付けられなかったのも無理ない。
「御神湯」「飲用できません 熱いのでお気を付け下さい。」
屋根なしで、龍の口からチョロチョロ流れ出るタイプ。以前はひしゃくが置かれていたようだが、たぶん新型コロナ対策で撤去。看板の通り、熱めのお湯。
なお、駅から来る途中の「大社通り」交差点角、以前医院だった跡に、「四ツ角湯けむりひろば」という公園+屋根付き足湯ができていた。
また、上社本宮にも温泉手水があるとのこと。


下諏訪駅に戻って、また上りに1駅乗って、宿泊地の諏訪市・上諏訪駅へ。
上諏訪駅前に新しくできたスーパーで、おやつと土産を物色しようかと思ったが、日がとっぷりと暮れてしまったので、気が急いて宿へ向かう。
前回は駅からすぐのビジネスホテルに泊まった。今回は、全国旅行支援に目がくらんで悩んで、湖畔のホテルを予約した。
前回の土地勘はある。駅から湖畔は歩けなくないが、バスがあれば乗ってもいい距離。宿の送迎は時間を決めて予約しないとならず、きゅうくつ。150円均一のコミュニティーバスがあるが、路線網が複雑で、上諏訪駅の両側から発車していてややこしい。それも面倒で、結局15分ほど歩いた。
※岡谷~下諏訪~上諏訪と諏訪湖沿岸を結ぶ「スワンバス」もあり、それでも150円。時刻が合えば、それがいちばん楽だったかも。

上諏訪の温泉地の中では端に位置し、宴会場などもあるシティホテル。なかなかにぎわっていて、外国人団体旅行客を久々に見た。
夕食はホテル製弁当、朝食バイキングが付いて、全国旅行支援の半額【14日訂正】40%引きで6000円(3000円分の地域クーポン付き)。
長野県では、旅行支援にプラスする独自の制度で、1000円分の交通クーポン券も先着順でくれるとのことだった。タクシー、私鉄や一部のバスで使えるのだが、翌日午前中に使わないとならないわけで、今回の行程では使いどころが難しく、もらう前からあれこれ悩んでいた。
ところが、すでに配りきってしまったようで、もらえなかった。ちょっと安心したが、一方でアテが外れた気分にもなった。明日午前、どう動こうか…(後述)

新館3階のシングル【19日訂正】ダブルの部屋でも、道路越しに諏訪湖が望めた。新館6階の屋上が開放されているので行ってみると、雨はやんだものの、湖からの風が強くて寒く、退散。そのため、露天風呂に入る人も少なめ。
湖の対岸で、岡谷の街の明かりがちかちかときらめいていた。
温泉は共同源泉なのでどこも変わらないと思うが、前回同様、クセがなくて肌触りがいい。蔵王温泉のような強烈なお湯もいいが、これもいい。


2日目。
翌朝はくもりで、相変わらず風が強くて寒い。それでもまた、屋上へ。高い位置から諏訪湖を眺めるのは初めて。思ったより小さい湖だと感じてしまったが、まさに「一望」、気持ちいい眺め。冬の結氷も見てみたい。
南~西方向
手前の湖岸はヨットハーバー。遠方、向こう岸まで続く湖岸は、ほとんどが岡谷市のようだ。鉄道は通っていないエリア。右端の対岸が釜口水門・岡谷駅付近のようで、岡谷ジャンクション付近の高架が見える。

北西方向
対岸右側の建物が多い一帯が、中央本線沿い、岡谷市~下諏訪町。【15日追記・対岸までの距離は、ざっと3キロ。】

北東方向。下諏訪町~諏訪市
ホテルの隣は、諏訪赤十字病院。駅からのコミュニティーバスがそこそこ便利なのは、この存在もあるのだろう(地方路線バスあるある)。
ところで、建物が秋田赤十字病院と似ている。外観、特に色合いがそっくり。形状は秋田のほうは壁がゴツゴツしているけれど。
設計者は秋田が日建設計、諏訪が横河建築設計事務所で異なるそうだが、どちらも8階建てで、病床数もだいたい同じ。竣工は秋田が1998年、諏訪が1999年(ともによそから移転)と1年違い。
【ホテルから南方向の風景は、次の記事で紹介しています。】


2日目は、甲府まで戻って、身延線に乗り換えて静岡へ。身延線は甲府発お昼の特急を予約し、それに接続するあずさの指定(全席指定なので)も取っておいた。
問題は、チェックアウト後、あずさに乗るまで。今回の旅行の計画で、いちばん悩んだ部分で、当日朝になっても、宿を出ても、まだ決めかねていた。
当初は、早めに諏訪を離れ、未訪の甲府市を見ようと考えていたが、上記、長野県の交通クーポンを知った。
じゃあ、ギリギリまで長野にいようか。
となれば、アクセスが悪く行きにくい、諏訪大社の上社を参拝しよう。タクシーを使って。
などと考え、念のため、交通クーポンがもらえなくても、上社に行く方法も考えてはいた。

ただ、初めてで、距離感と時間配分が読みづらい場所に行くのに、その後の列車の時刻が決まっていて動かせない(いわゆるケツカッチン)というのは、どうも不安。ドタバタしたくないし、乗り遅れは絶対避けたい。
後ろの時間に制約がない、昨日のうちに訪れるべきだったのだが、それだと交通クーポンはもらう前なわけで…

結論としては、上社参拝はあきらめた。今回も、下社秋宮だけの参拝になってしまった(2社4宮に、優劣や参拝順の作法はない)。
ただ、やっぱりいつか上社に行きたいし、今回いろいろ調べたアクセス手段を忘れないようにしておきたい。だから、続きの記事でまとめておくことにします
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天竜川の始まり釜口水門

2022-11-12 17:45:07 | 旅行記
JR東日本パスの旅。長野県の岡谷(おかや)駅で下車した続き。

JR中央本線は諏訪湖の西岸~北岸をほぼ半周する。駅名では東京側から上諏訪~下諏訪~岡谷、自治体では諏訪市~下諏訪町~岡谷市。
2016年に訪問した上諏訪と下諏訪は、諏訪大社があり、温泉地であり、諏訪湖と同じ地名でもあり、認知度は高いと思う。
個人的には、秋田にも諏訪神社があることによる親近感に加え、上諏訪は、かつてNHK教育テレビで放送されていた、小学校3年生社会科の学校放送番組「たんけんぼくのまち」でチョーさんが最初の2年を過ごした町でもあり、リアルタイムで対象学年であった僕は、昔から知っていた。

対して、岡谷の認知度は高くないと思う。人口は諏訪市とほぼ同じで、他の近隣市町と同じく精密機械、さらに製糸や味噌作りも行われているのに。
実はチョーさんは岡谷にも住んでいる。8年間で6か所に暮らしたうち、最後から2番目の1990年度。
僕はその頃は中学生だから、番組はちらりと見る程度だったが、岡谷が舞台の年があったことは覚えていたし、それで初めて岡谷を知った。諏訪編は、DVDや再訪番組が作られ、(自分でもやったけど)現地を訪問するファンもいるのに対し、岡谷編はそれらもない。
だから、たんけんぼくのまちとは関係なく、ネットで見付けたおもしろそうな場所を“たんけん”する。


ところで、子どもの頃、川の源流=「川の始まり」を見ることにあこがれた。
身近な旭川(雄物川水系)をさかのぼって、最初の1滴がしたたり落ちる場所を見てみたいと。
それに、ちょうど30年前、高校生の時、秋田朝日放送が開局した当初、CMの穴埋めの自社宣伝スポットの1つとして、「ニュースステーション」の中で時折放送されていた、「立松和平 心の水紀行(※)」から抜粋した映像が流れていたのも印象深い。その1シーンに、川の最初の1滴の映像があり(撮影地は不明)、立松氏の「この川はひとつの生命体だねえ。水は(川は?)生きている」という声が流れていた。【2023年3月15日補足・話がそれるが、おそらく水紀行シリーズで「知床の海で天使に出会った」としてクリオネを見せるスポットもあった。それで初めてクリオネの存在を知った。】
※Wikipediaでは「心と感動の旅」とあるが、少なくともAAB開局時点では「~水紀行」であったと記憶する。立松氏は1993年に盗作が発覚し、テレビ出演はほぼなくなっていく。
大人になっても、最初の1滴を見に行くような実行力はないのだけど。

今回の旅行の計画時、岡谷にあずさが停車することを知り、何か見どころがないかと、観光サイトや地図を眺めた。
すると、岡谷駅のすぐそばに、「川の始まり」があることを知った!
それも、日本9位・長さ213キロの一級河川・天竜川の。

期待させては申し訳ないので、ここで断っておきます。天竜川の始まりは「最初の1滴」ではないスタイルなのです。国が「ここから天竜川」と決めてしまえば、そこが始まりなわけで…(「最初の1滴」としては、八ヶ岳に行き着くらしい。)


岡谷駅は、昔ながらの地上駅。線路の北側に駅舎があり、そちらが市街地。山が迫った地形的な制約か、駅前広場も駅前の街もこぢんまり。

上の写真左・タワー状のオブジェには、地元企業・セイコーの時計があったらしいが、「故障中」で針が取られていた。
駅前広場の右側に、いかにも「昭和の総合スーパーが撤退した」っぽいビルがあった。
「lala OKAYA」
1984年に地元の松本電鉄(現・アルピコ交通)などが建て、イトーヨーカドー岡谷店などが入居。施設名は当初から「ララオカヤ」だった。2000年代初めにイトーヨーカドーや食品スーパーが撤退し、以降は上のフロアは閉めて、公共施設やイベント会場として使われてきた。
2021年には、岡谷市がララオカヤ全体の所有権を取得し、解体する方針を決めたが、具体的な動きはなさそう。訪問時点では、1階部分(ほとんど通路?)に入ることはできたようだ。


天竜川のある駅南側へ行きたい。ララオカヤ側に自由通路があったので渡る。
広くて明るい

西側を眺める。前回最後の写真もここから撮影
駅の西側に高く架かるのは、長野自動車道。このすぐ南(左)に、中央道との岡谷ジャンクションがある。

南側は、地方都市によくある「駅裏」の風情。新しそうな西友がある。
駅から200メートルも歩くと、川に突き当たる。これが天竜川。
対岸までの距離は50メートルちょっとで、予備知識がないとこれが大河・天竜川とは分からない。そういえば、「天竜川」の河川名看板は見当たらなかった。

※以下、橋の情報は、「信濃路の風・信濃路の橋(https://hiro66.sky-zet.com/index.html)」サイトを参考にさせてもらいました。
そこ架かる駅南天竜橋(一部地図サイトでは駅前天竜橋)を渡っても良さそうだったが、渡らずに、右岸の川沿いの道を、流れをさかのぼる東方向へ。車は多く通り、途中から歩道がなくなり、古くからの家が建てこんでくる。
「天竜町二丁目」
地名の天竜といえば、浜松市天竜区が有名だが、ここにもあった。川の始まりだから、おかしくはない。
150メートル強の間隔で、橋が2本架かっている。どちらも長野県道16号所属のようだ。下流側が「天竜橋」、上流側が「釜口橋」。
天竜橋は、赤いトラス橋? アーチ橋?、っぽいけれど桁橋。トラスっぽく見える鋼鉄の赤い構造物は、高欄をデザイン化した「飾り」のようだ。

中央にはステンドグラスまで埋めこまれる。1988年竣工だから、バブルの産物か。


釜口橋は桁橋ではない。上辺が弧を描いているからアーチ橋かと思いきや、これもトラス橋の一種で、ボーストリングトラス(ボウストリングトラス)というタイプ。
この長さ(81.9メートル)なら、桁橋で充分のはずだけど、1932(昭和7)年に架けられたとのことで、当時の技術的制約だったのだろう。
トラスは鮮やかな赤。Googleストリートビューでは2012年~2015年の間に塗り替えられている。
【13日補足・釜口橋がこの付近ではいちばん歴史がある橋のようで、明治43年の地形図でも(先代の)釜口橋が存在する。】

そして、釜口橋の170メートルほど上流が、目的地。
釜口橋トラスのすき間から
「釜口水門」である。水門というか「堰」なのか。その水門の向こうは諏訪湖。
天竜川は諏訪湖から流れ出る唯一の河川であり、釜口水門がその始点とされているので、ここが天竜川の始まりとなる。
一方、諏訪湖への流入河川は31もあるため、かつての諏訪湖は氾濫を繰り返しており、江戸時代から治水が行われていた。1936年に、諏訪湖の水量を調節する釜口水門が造られ、現在は1988年にできた2代目水門。

右岸から行くと、立入禁止看板の横から唐突に公園が始まり、湖岸と水門につながる。
岡谷駅と反対・左岸には、長野県諏訪建設事務所の出先機関・釜⼝⽔⾨管理事務所がある。
一級河川の本流は国土交通省直轄なので、各支流~諏訪湖~水門までが長野県管轄という区分なのだろう。
対岸が管理事務所
↑管理事務所手前(右)にゲート状の構造物がある。現地で気付かないでしまったが、これが初代水門「舟通し(後述)」の遺構だそうで、どうも展望台のように上れる感じ。ただし、ストリートビューでは2022年4月までは開放されているが、最新の2022年9月では、封鎖されている。
釜口水門
この時は、6つあるゲートのうち、中央の1つだけが開いていた。これが平常時のようだが、それだけでもけっこうな水量で、見ていて怖い。左端は魚道。

「危い!!」「すいもんでみずをながしかわのみずがふえることがあるからきをつけよ」
各地にある、ダム放流時の警告看板。
以前見た、盛岡市の北上川水系中津川の看板と言い回しは酷似しているが、微妙に異なる。
「ダム」を「水門」と言い換え、「放流予告サイレン」もある。中津川では「50秒」鳴って「休止10秒」なのに対し、こちらは「約1分」と時間を示さない休止。
「この川の上流0キロメートルのところに釜口水門があり」というのは、杓子定規。
それと「上流」に「かみのほう」とふりがなを当ててある。ほかにも「左記(のとおり)」に「つぎ」、「危険」に「あぶない」。中津川では「じょうりゅう」「きけん」。
看板の脚に「元年10月長野県」のシールがあるので、1989年設置と思われる。
今、災害時の外国人向けでもてはやされる「やさしい日本語」の概念があるけれど、それに通じるものがある。ただ、「かみのほう」で分かってもらえるか、また「放流直前」などにはふりがながなく、不完全。
というか、平常時でも、ここで「河原に降り」ようとする者はいないでしょうし、放流時にはものすごい轟音と水しぶきのはずで、近づけないでしょう。
あと、1ゲート開いた状態でも「放流」には違いないと思うのだが、看板が言っているのは全開にする時ってことなのだろうか。
ここから天竜川が始まる

右岸左岸どちら側も、諏訪湖沿いが公園として整備され、遊歩道がある。水門の湖側は橋(橋名板は「釜口水門」)になっていて、遊歩道で通り抜けられ、散歩の人や学校帰りの自転車が、水門の上を通っていた。
左が諏訪湖・右が天竜川

水門の上から、雨に煙る諏訪湖
向こう岸は上諏訪の街。岡谷からは諏訪湖越しに富士山が見える(距離は100キロほど)そうで、釜口水門から見えるとすれば、位置的には上の写真右側のはず。
激しく水が動く水門と打って変わって、諏訪湖は穏やかな水。その一部が水門を通って、天竜川の水となって、太平洋へ向かっている。
おそるおそる水門の上から天竜川

水門の諏訪湖側。水が天竜川に入っていく様子はよく見えない

上記の通り、水門の右岸側の端は魚道。左岸側は「舟通し水門」、すなわち先代の遺構の現役版。
水門の上から。手前の枠のほうが川より水位が高いかな?
諏訪湖と天竜川には3.5メートルの水位差がある(諏訪湖が高い)ため、水門を行き来する「漁舟(と看板に表記)」を通す施設。ゲートで仕切って水位を調整するパナマ運河方式。
【13日追記】「信州・市民新聞グループ」2018年10月27日「釜口水門「舟通し」を探検  「あってもいいな夢工場」体験乗船」によれば、舟通しは「幅4メートル、長さ17・5メートルの水路」。「昔は多くの漁業利用があったが最近は年1、2回ほどという。」。

霧雨が強くなって、小雨になった。
管理棟併設の「水の資料室」で雨宿り。あまり新しい資料はないが、模型や建設時の写真の展示、ダムカード配布がされていた。

うまい具合に雨が収まり、列車の時間もちょうど良さそうなので、岡谷駅へ戻る。
今にして思えば、旧舟通し水門や、少し離れた場所から湖越しに水門を見たかった気もするが、いいものを見られた。
昔、長良川河口堰を見に行った。長良川のほうが新しく大きいけれど、あちらは川の終わり。こちらは歴史があって、川の始まりということで、感慨深かった。人が暮らす以上、川に手を加えることは避けられないのだとも思った。


新宿で引き出し損なった千円札を入手しようと、コンビニかATMを探す。釜口橋の通りの街の中に、岡谷天竜町郵便局があり、遠回りもせずに駅正面へ出られそう。
駅から水門までの行程も、少し前なら、パソコンで印刷して持ってきたものだが、今やスマホを持っていれば済む(パソコンで予習はします)。そのほか必要な時に必要な情報をその場で探せるようになったし、コンビニATMで現金が引き出せるし、便利になったものだ。そして、いつの時代も、旅先でゆうちょATMは心強い。

ところで、釜口水門の「釜口」って何だろう?
水門と橋の名前だけで、少なくとも現在は地名にはなっていない。それ以外では、郵便局の通りに「釜口医院」というクリニックがあった程度。
諏訪湖を釜に見立て、その出口ということなのだろうか。

風が強くなってきた
釜口橋~郵便局の通りには、家々の軒先などに紐を渡して、複数色の荷造り用ビニール紐(いわゆるすずらんテープ)をまとめた、吹き流し状のものがたくさんぶら下がっていた。
ところどころに「御柱祭」「おんばしら」の短冊も下がっていたので、諏訪大社の祭事にちなむものだろう。諏訪の隣の岡谷も、諏訪大社の“エリア”内。2022年は御柱祭の年で、新型コロナ対応で縮小開催。6月ですべての行事が終わっているようだけど。
秋田などでは、神社の祭礼の際、周辺の町内会ごとに、同じような形で紙の御幣を下げているのは見かける。御幣代用のビニール紐ってことだろうか。上諏訪では、また別の形のものを見かけたので、後日

郵便局を出て、帰宅する高校生の流れにまぎれて歩くと、「丸山橋」というオーバーパスで線路を越えて、ララオカヤの横へ出られ、階段を使わずに済んだ。※道路配置が少々複雑なので注意。
距離的には、駅裏から川沿いをたどったほうが少し近いと思うが、どちらも1キロ程度。


薄暗くなってきたけれど、上諏訪の宿に入ってしまうのはもったいない気もする。1駅乗って、下諏訪で降りることにした。続く
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あずさ25号

2022-11-09 20:29:38 | 旅行記
JR東日本パスの旅。秋田から新宿へ行って、13時00分発「あずさ25号」で長野県の岡谷へ向かう。
狩人の歌で認知度が高く、在来線特急が減った現在ではその代表的存在とも言える「あずさ」。
これまで3度(往復乗車も1度とカウント)乗っている。E351系(スーパーあずさ)とE257系。なお、あずさ/かいじから引退したE257系は「踊り子」に転用されていて、この旅行3日目で乗車する。
2016年は長野県側でE257系に少しだけ、ほかも片道だけといった乗車が多くて、新宿駅からあずさに乗ったのは、25年以上前に最初にあずさに乗った時の1回だけだった。狩人の「あずさ2号」の印象は強く、あずさといえば「新宿駅00分発」で、それを体感してこそあずさ乗車みたいな、思い入れ(?)があるにもかかわらず。
今回は、2017年に導入されたE353系電車に初乗車であり、2度目の新宿からの乗車となる。降りるのは途中の岡谷、帰りは甲府までと、また変則的な形だけど。

新型コロナの影響により、短い9両編成のあずさが増えたそうで、25号も9両(1~3号車なし)。先頭12号車を予約。
停止位置は12両編成と同じなので、12号車はホーム端ギリギリ。正面に表示器がないので、あずさ/かいじの判別はできない
E353系は、E6系こまちと同じく奥山清行氏が内装・外装ともデザイン。外観はE6系ほど奇抜ではないが、ちょっとした未来っぽさがあって、好き。
隣の11号車

英字の行き先表示は独特の書体。E653・E751系のとは微妙に違う?

普通車車内
普通車の車内は、明るくてさわやか。E257系ほどカジュアル感が強くなく、適度な落ち着きがある。
南アルプスと梓川の「きよらかさ」などをモチーフにした、水色の座席、LED間接照明の天井、それに壁がとても白いのが印象的。
おなじみ上下スライド枕も装備。枕カバーも水色でE353ロゴ入り
座席は、形状も座り心地も、E5系新幹線電車(過去の記事)のものによく似ている。E6系よりもクッションが硬いような薄いような感じだけど、座りやすい。
JR東日本の在来線特急車両は、デザインも座り心地、乗り心地も良好なものが多いと思っているが、E353系もそうだった。

今や標準装備になった充電用コンセント。E6系などでは窓際の壁に1つしかなかったが、E353系では、前の座席の下(網袋の下の金属部分)に2口設置。緑色LEDはないこともあって、初見だとこれがコンセントとは分かりづらいかも。
在来線特急らしい大きな窓
荷棚の下=頭上。
黒いものは、車やバスにもあるような、向きを調節できる空調吹き出し口。2つあるので1人に1つ。E257系にも付いていた。
緑や赤に点灯しているのは、座席の予約状況を示すLED。
列車が今走っている位置において、ランプの下の席が予約済みであれば緑、空席であれば赤、まもなく予約された区間に入る時はオレンジ色に点灯する(※)。ただし、乗車直前に予約が入った時は、赤からいきなり緑になる。
※上の新宿発車前の写真で、オレンジ色に点灯している席がある。1つ手前の停車駅時点でオレンジ色になるのかもしれない。
普通列車のグリーン車では、Suicaをタッチする部分があって、そのグリーン券情報に応じて点灯色が変わるが、これはタッチ不要。

あずさは全席指定席で、自由席もなければ、はやぶさ・こまちのような自由席相当額の特定特急券制度もない。
ただし、指定券と同額の「座席未指定券」なる特急券を買えば、空席に座ることができる。座席未指定券利用者は、赤ランプの席に座ればいいことになる。なお、今回のパスでも、指定を取らなれければ(無料4回分のうち1回、もしくは別途購入)乗車できない。
指定を受けて座っている者としても、次の駅で隣に人が来ないか気になり、来るのであれば荷物を片付けたりトイレを済ませたり準備しておきたいもの。このランプがあれば、心の準備ができ、精神衛生上よろしい。
こまちの特定特急券利用時には、どの席に座ればいいか迷うし、途中駅から指定券を持った人が来たら、互いに少々気まずくなる。新幹線にもランプがあってもいいのでは(なくてもいい装備だとも思うけど)。


13時ちょうど、ミュージックホーンを鳴らして発車。東京の電車が、発車時に警笛を鳴らすとは思わなかった。
この後は、一部のトンネルに入る時に、普通の笛を鳴らす程度。また、別のあずさが、長野県内の下諏訪駅通過時にミュージックホーンを鳴らしていた。

弁当を食べているうちに、立川に停車。次の八王子で、新宿から30分。
八王子を出てまもなく、神奈川県境の小仏トンネル(下りは新小仏トンネル)。トンネルを抜けると、それまでの都会の風景から一変して、急に「山に囲まれた田舎」みたいな風景になって、それが続く。
東京近郊の中央本線の車窓を眺めるのは、初めて同然。東京から東海道本線や東北本線で移動する時とは違う、“激変”なので驚いた。

霧雨が降り、しっとりとした車窓が続く。
やや減速して通過した小さな駅の駅名標が読み取れた。「四方津(しおつ)」。
急に思い出した。
通っていた幼稚園で、希望者に販売する月刊誌があった。「サンチャイルド」ブランドだった気がするが、今も「チャイルドブック」として続いているようだ。毎号1つのテーマについて、フルカラーで説明してくれるような本(自然科学・社会科学のシリーズだったかも)。その中でお気に入りだったのが、庭に来る鳥類の号と、国鉄のとある駅の日常をルポルタージュした「ちいさなえき」というタイトルの号だった。
山あいに位置し、クリーム色と青の普通電車が停車し、トンネルを抜けて183系「あずさ」が通過する写真が載っていた。
幼児向けにはどこの駅かの言及はなかった(駅名標の写真はあったはず)が、保管しておいて小学生になってから、保護者向け解説文に、取材先が中央本線四方津駅である旨の記載を見付けて知った。
子会社委託ながら今も駅員はいて、今年6月に駅舎が新しくなったとのこと。

椅子の座り心地だけでなく、列車の乗り心地も良好。速度は速いのに、揺れは少なく快適。
E351系スーパーあずさは、カーブを高速で走行できる振り子式車両だった。車体が大きく傾き、人によっては乗り心地が悪く感じる。
E353系は、振り子より簡易な、空気ばね式車体傾斜装置で対応。E6系同様、揺れを減らすアクティブサスペンションも搭載。

鳥沢→猿橋間、川は桂川
猿橋駅の次、ちょっと大きい駅を通過したと思ったら、三遊亭小遊三師匠でおなじみの大月駅。それなりの規模の町だが、やはり山あい。
この辺りで新宿を出て約1時間。
勝沼ぶどう郷→塩山間。手前はブドウ畑?
左側が開けて、甲府盆地へ。
八王子を出てノンストップで55分、甲府着。いくらか下車して、それより多い人が乗ってきた。
韮崎に停まって、再び山間部。人家は少なくなって「田舎」ではなくほんとうの「山」っぽい景色。右には八ヶ岳が見える。

甲府から先では、天候によっては車窓に富士山が見える。この時は見えなかったが、翌日の乗車時には見られたので、その時の記事にて。
小淵沢に停まった後、いよいよ長野県。諏訪湖沿岸の茅野(ちの)、上諏訪、(下諏訪はこのあずさは通過)、岡谷とこまめに停車。下車していく人もちらほら。
宿泊する上諏訪では降りず、よそを少し観光しておこうと、岡谷まで乗車。

9月に乗った東北・山形・秋田新幹線では、英語の自動放送冒頭の「Ladies and Gentlemen」を言わなくなっていたが、あずさではまだ言っていた。最後の「Thank you」も。
しゃべる人は同じでも、列車ごとに搭載する音声データは違うから、一斉に変えたわけでもないのか。

秋田を出て7時間8分、15時19分岡谷着。居眠りもせず、退屈もせず、快適で楽しい移動だった。
初めて降り立つ岡谷。
自由通路から上りあずさ。左は飯田線のJR東海213系電車
【10日補足・E353系の前照灯について。この記事の新宿駅と岡谷駅↑の写真では、左右とも上寄りに3灯ずつ点灯している。これはロービーム。ハイビーム時には、下にさらに2灯が点灯する。】
天気予報を見て、到着時には雨は上がっているはずと、傘は持たずに来たのだが、まだ霧雨。ウインドブレーカーのフードをかぶって、最初の目的地へ。
そこは、岡谷駅徒歩圏内にある「大河の始まり」。続く。
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鉄道開業150年記念 JR東日本パス

2022-11-06 20:04:22 | 旅行記
唐突に小出しにしてしまっている(前回の記事)、2022年10月下旬の旅行記。改めて最初から始めます。

2022年は、日本で鉄道が開業して150周年。鉄道記念日の10月14日を中心に、各地・各社でさまざまな企画が行われた。
我らがJR東日本では、その1つとして「鉄道開業150年記念 JR東日本パス」を発売。
14日~27日のうち連続する3日間、JR東日本エリア(+いくつかの私鉄・3セク)が新幹線・特急の自由席も含めて乗り放題。4回までは指定席も利用可能。それで大人2万2150円【19日補足・半端な150円は150周年に掛けているという話も】。
利用開始日の3日前まで、予約サイト「えきねっと」限定販売(窓口や券売機での受け取りはそれ以降でも可)。枚数制限等なし。


今では信じられないが、2000年頃までは「ウィークエンドフリーきっぷ」等、(自由席)特急料金込みで、東日本乗り放題のきっぷがほぼ常時発売されていて、何度か利用した。
しかし、いつの頃からか、乗車券部分のみの乗り放題(自由席でも特急券が別途必要)になったり、北東北が対象エリアとなるものが少なくなったりして、遠ざかっていた。
一方で、一定年齢以上対象のクレジットカード「大人の休日倶楽部」会員対象の、指定付き乗り放題きっぷは頻繁に発売されていて、うらめしく思っていた。

そんなところへ、久々のフリーきっぷ。
JR発足30周年であった2017年には、「JR東日本30周年記念パス」という、乗車券部分だけのフリーきっぷだったから、このタイミングで指定込みのフリーきっぷが出るのは、意外だった。
「『日本の』鉄道150周年」なのに「『JR東日本エリアだけ』乗り放題」なのは、なんだかとも思うが、充分トク。

1か月前に7年ぶりに本格的に新幹線で旅したばかりであったが、これを逃せば、次は150年後かもしれない【12月27日追記・2023年3月2日~15日を利用期間とする第2弾「鉄道開業 150 年記念ファイナル JR東日本パス」が発売されることになった。この記事参照】。利用することにした。
期間終わりの平日3日間を確保。

JR東日本秋田支社では、このきっぷをわりと宣伝していて、「秋田から東京へ、こまちでおトクに」などと言っていた。東京までなら、えきねっとトクだ値の30%(往復で2万4920円)と大差ないし、びゅうのパック旅行もある。せっかくのフリーパスを東京行きだけに使うのはもったいない。
新型コロナウイルス感染症が落ち着いて、宿泊割引などの「全国旅行支援」も始まり、JR東日本を利用しない旅行客もかなり増えているらしい。ネットには、新幹線やローカル線の只見線など大混雑との話も。
そういえば、2003年の完全民営化(日本鉄道建設公団保有株の放出)記念でも、「JR東日本パス」が発売され、利用した。その時は土日に水戸まで行ったが、「こまち」の指定は確保できず北上線を回るなどした。【19日補足・JR東日本パスは、東日本大震災復興支援として2011年にも発売されているので、今回が3度目。毎回、利用日数や価格は異なる。】
混むのは尻ごみするけれど、やはり絶好の機会だし。

行き先は…
首都圏に興味はない。できるだけ遠くへ。でも新幹線を使って距離と時間をかせがないといけないから、まずは東京か。
信州かな。車両が新しくなった「あずさ」に乗ってみたい。松本か、未訪問の山梨や小海線か→その方面は宿が次々埋まっていて混雑しそう。
静岡にもご無沙汰だった。以前、3連休パスでやったように、熱海までJR東日本で行って、足を伸ばすのもいいか。
そうだ! 甲府から静岡へ抜ける、身延線がある。これも乗ってみたかった。
と悩んで、長野県南部と静岡を目的地に決めた。過去に行ったことがある土地がほとんどになってしまうが、再訪もいいだろう。

では、長野が先か、静岡が先か。各列車の指定席は、とりあえず余裕がありそう。むしろ、長野の宿が危なそうだったので、先に確保して、それに合わせて行程を決め、座席指定を取った。
秋田→東京・新宿→岡谷→上諏訪(泊)上諏訪→甲府→静岡~清水→興津(泊)興津→清水~静岡→熱海→東京→秋田
4回の指定は往復の「こまち」と、新宿→岡谷の「あずさ」、熱海→東京の「踊り子」。予約は当然、えきねっとでできる。

フリーパスだけでは足りない分。
「あずさ」は全席指定で、しかも「こまち」のような特定特急券制度はない。短距離の上諏訪→甲府で利用するので、別払いで指定席特急券(チケットレスなので券ではないけど)を購入。
さらに、エリアを飛び出るJR東海区間、甲府→静岡の特急「ふじかわ」の乗車券・指定席特急券を購入。帰りの静岡方面→熱海は100キロに満たず、どこで乗車や途中下車するか不確定(静岡鉄道乗車、天候、気分による)なので、乗車券は用意せずSuicaで乗車することに。【6日補足・以前はJR東海TOICAエリア~熱海のIC乗車はできなかったが、2021年から対応。】

平日だからか、東京から地方とは逆方向であるためか、不安に反して、座席指定はどれも窓側席が難なく取れた。
乗ってみても、往復の仙台~東京はビジネス、熱海→東京は観光と思われる乗客(パス以外での利用も多そう)が多いとは感じたが、それでも隣席に人が来ることはなかった。ただ、それ以外の区間でも、通路をはさんだ隣や前後の席には人がいることが多く、旅行する人がコロナ以前並みに戻ったことは実感した。

パスを指定席券売機で発券すると、4枚の指定券もいっしょに出てきた。
赤の「指定券発行開始済み」と、その回数を示す★も発券時に印字済み
券面には「150年分の感謝の気持ちをこめて ステキな3日間をお楽しみください」とのメッセージ入り。

JR東日本パスには、系列店舗で提示すれば受けられる特典もある。よくあるレンタカー割引のほか、今回はコンビニNewDaysで10%引きとか、駅弁屋(JR東日本クロスステーション運営)で1000円以上購入で10%引きがあって、利用させてもらった。
秋田駅ビルや東北各地のJR系土産物店でも特典があったが、長野や首都圏方面ではあまりなかった。
NewDays秋田ぽぽろーど店と、新宿駅の駅弁屋頂のレシート(抜粋)
NewDaysは「JR東日本パス10%引」と記載。甲府や熱海も同じ。NewDaysは、大人の休日倶楽部パスなどでも提示で10%引きをやっているが、今回のパス専用の表記(レジのボタン?【2023年3月21日補足・ボタンでなく専用のバーコードをレジ周りに置いて読み込むのかも】)を設けたようだ。
駅弁屋は「鉄道150年記念割引」表記。東京の駅弁屋祭も同じ。これでは誰でも割引になりそうな言い回し。


小雨が上がった朝の秋田を出発。
鼻先の水滴は雨か朝露か
秋田8時11分発、東京12時04分着「こまち14号」。先月、7年ぶりのフル規格区間の速さに驚いたが、1か月ぶりだとそれほどでもない。
2021年から、大宮~東京の最高速度が110km/hから130km/hに上がっているが、それも気にならなかった。しかも、なぜか大宮駅で5分も停車するダイヤで、むしろ所要時間は増大しているのでは。【6日追記・いただいたコメントによれば、大宮5分停車は、列車による荷物輸送サービス「はこビュン」で積んできた荷物を降ろすための時間とのこと。】

新宿に行くなら、大宮で降りたほうがやや早いが、あえて東京まで。久々なので東京まで乗り通したいのと、東京駅の駅弁屋 祭を覗きたかったから。
昼時だけに、駅弁屋は大混雑。すき間からラインナップをチェック。あと、仙台の祭で「萩野屋」と誤記されていた木札は、こっちは「荻野屋」であることを確認(運営会社へ指摘したが、今の仙台はどうなっているだろう)。

中央線快速ホームへ上がりかけた時、発車して行く電車が。その車両が、E233系へのグリーン車組み込み作業中の車両不足を補うため、2本だけ運用されている209系1000番台だった! 撮影できなかったのが惜しい。
次発はもちろんE233系。導入から15年ほど経ち、座席のモケットが詰め物と分離してしわしわで、だいぶ汚くなっているのが気になった。男鹿線EV-E801系の座席と似ていると思いこんでいたが、見かけがちょっと似ているだけで、造りはまったく別だ。
先頭車に乗ったらガラガラ。昔乗った時もそうだった。それも神田までで、御茶ノ水と四ツ谷からたくさん乗ってきた。良くも悪くも東京だと思いつつ、新宿で下車。

13時ちょうどの「あずさ25号」へ。
新宿には「駅弁屋 頂(いただき)」というのがある。東京駅の祭とは入荷商品が異なるそうなので、それもあって、祭は見ただけにしておいた。
あと、出発前に千円札を用意するのを忘れてしまったので、ATMも探さないと。

頂は地上の南口コンコースにあることを事前に調べていたのに、うっかり地下へ下りて無駄に歩いてしまった。
頂は小さめの店(仙台駅の祭より小さい)で、混んでいなかった。小淵沢の丸政「高原野菜とカツの弁当」を期待したが、そのカツ+α(ごはんなし)の「丸政のチキンカツ」なるものしかなかった【7日補足・3日目昼時の甲府駅改札内の丸政の売り場にも(弁当も、ごはんなしも)なかった。2007年には夜でもあったのに】。横浜の崎陽軒の初めて見る弁当を購入→後日改めて

頂の斜め向かいに、ビューアルッテが2台だか3台。東京でも改札内にあるのは珍しいらしい。誰も使ってなかったけど。
「10千円」と入力すれば千円札×10枚出るかと思ったら、1万円札が出てきてしまった。この後、岡谷の郵便局まで、千円札なしで過ごすことになる。Suicaで用が足りるけど。

結局、首都圏では改札の外へ1歩も出ずに、長野へ向かう。【7日補足・新幹線が関東地方に入った頃から、ところどころで雨。東京もぱらついたり路面が濡れたりしていた。】次の記事はこちら
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静鉄ハロウィン電車

2022-10-30 20:32:06 | 旅行記
10月31日は、ここ数十年で日本に定着してしまったハロウィン(最近のマスコット【31日訂正】マスコミはハロウィーンと伸ばすことが多い)なので、便乗記事。
唐突ですが、先週、静岡などへ旅行してきた。旅行記はおいおいアップするとして、その中から。

静岡市中心部と清水(旧・清水市)を結ぶ私鉄が、「しずてつ」「静鉄電車」こと静岡鉄道。
JR東海道本線とおおむね並走するが、途中駅の数は多く、両端のターミナルはJRの駅とは別の場所に、新静岡駅、新清水駅として所在する。
静岡には何度も訪れており、しずてつのバス部門「しずてつジャストライン」にはそこそこ乗ってきたが、鉄道は、2001年に乗って以来、21年ぶり2度目のはず。
その間に、Suicaで乗車できるようになり、新静岡駅ビルと車両が新しくなった(車両は導入途中で2023年度完了予定)。※車両については後日改めて


新しい「A3000形」電車は、現時点で2両編成×10本。うち7本が「shizuoka rainbow trains」と称して、それぞれ静岡にちなんだ7色の車体。
今回は3回乗って、うち2回目の乗車時。新清水駅の改札を入ったら、ちょうど黄色い「A3004号編成」が到着し、折り返し新静岡駅行きになるところだった。
新清水駅にて
行き先表示に、カボチャのジャック・オー・ランタンがいるのが目についた。
側面の表示。前面と同じかな

正面左には「ハッピーハロウィン」のヘッドマークも。電車だから反対側=テールマークもあるわけだが、絵柄が異なるとのこと。見ないでしまった。
新清水側クハA3500のマーク
↑写真右上・運転席内にも、プラスチックのランタンが。写っていないが、白いランタンもあるようだ。

車内は、
天井にオバケ


吊り手の支柱や壁には、カボチャや花。窓ガラスには、子どもが描いたオバケ。

全体的にはおとなしい車内
控えめで見過ごしそうだけど、ハロウィン仕様の車両だ。ローカル私鉄・3セクでは、行事に合わせてもっと大々的に装飾する列車もあるけれど、都市の輸送を担う静鉄電車では、この程度に留めておくのが無難か。
他の編成ではやってない(行き先表示も文字のみ)から、この編成だけなのだろう。

後で調べた公式サイトによれば、10月9日から31日まで運行している「ハロウィン電車」とのこと。
窓に貼ってあるのは、「ワークショップにて子供たちが描いたカボチャやオバケでデコレーション」だろう。
10月30日・日曜日には、乗車した子どもがお菓子をもらえるダイヤもある。

A3004号編成が、ハロウィン電車に抜擢された理由は不明だが、黄色い車体色がカボチャっぽいからかもしれない。ほかに黄色系統の車体色はないし。
ただし、この色は「Brilliant Orange Yellow(ブリリアントオレンジイエロー)」で「みかん」をモチーフ、「暖かさ 幸福感」をイメージしたもの。たしかに、旧国鉄のいわゆる湘南電車のオレンジ色よりも、ミカンに近い、β-クリプトキサンチンの色合いだ。

新静岡を発車すると、すぐに巴川を渡り、「ちびまる子ちゃん」の世界へ。
後部運転席越し
【12月13日追記・1985年の映画「ビー・バップ・ハイスクール」の伝説的シーンと言われる、走行する電車から川へ落ちるシーンが撮影されたのが、この橋でもあった。】

2駅目・桜橋駅で下車。右に東海道本線が並走

旅行記として続く
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