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秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

ゆっくりと新幹線

2015-03-08 00:10:15 | 旅行記
名古屋(前回の記事)を後に新幹線を乗り継いで秋田への道中。
行きは、あまり良くない天候の中を、E6系こまち・N700系ひかりと乗り継いだ。
帰りはその逆ルートだが、天候と乗った車両・列車は違った。

まず、天候は良好。先日アップした通り富士山が良く見えた。
行きは鉛色だった浜名湖も、
いい天気
駅弁について

以下、行程や車両について。
名古屋から在来線で豊橋まで行って、そこから各駅停車の「こだま」号でのんびりと。
なお、同行者にこの行程を強いるのは申し訳ないので、午前中に名古屋でいったん解散、夜に仙台で再度合流することにして、自由行動とさせてもらった。

以前も触れた通り、「こだま」の自由席である最後尾1号車はガラガラ。
車内
少々地味なような落ち着いたような車内。
これは、JR西日本所有の700系だから。
在来線の車両でも同じ傾向だけど、JR西日本の内装は地味なものが多い。
東海道新幹線~山陽新幹線を走る車両は、JR東海とJR西日本が同じ形式を保有し、基本的に区別なく混ざって運用される。乗り入れ分の運賃・料金精算を省くため、車両で按分して相殺する意図だろう。
700系16両編成の場合、3分の1ほどがJR西日本所属。

700系普通車の座席は、JR東海車ではグレーがかった水色(実際には色の違うダイヤ形を組み合わせた鱗のような柄)。
JR西日本車は、このようなネイビーブルーというか紺色に近い青色で、細かい格子状の線と濃淡がある。
テーブルの裏側も紺色(JR東海車ではグレー)。表面(物を載せる側)はベージュ色
JR東日本などでは、まずやらないであろう色づかいで、国鉄時代の特急をも連想させる。落ち着いていて嫌いじゃない。

他にも、床の色・柄も違うかな?
また、車内放送のチャイムが東海車は「AMBITIOUS JAPAN!」、西日本車は「いい日旅立ち・西へ」。
さらに、西日本車では先頭車側面に、
「JR700」と表記

向こうの700系は東海所属らしく「JR700」表示がない


順調に東海道を東へ進み、間もなく品川。
日本語に続き、「Ladies and gentlemen, …」と英語の自動放送が入りかけた時、それが突然中断され、車掌が肉声で「ご案内の途中ですが、ただいま列車内の…」と放送。
今まで経験がないことで、何事かと身構える。

「ただいま、列車内の一部の車両において、停電が発生しております。お手洗いなど水回りも使用できない車両があり、ご迷惑をおかけしております。復旧までしばらくお待ちください」と続いた。
列車は通常通り品川に停まりそうな走り方で、走行不能になって急減速するとか緊急停車するような雰囲気ではない。我が1号車では何の異常も見られないし、熱海などから乗ってきて少し増えた他の客も落ち着いている。

放送の状況からすれば、編成内の一部の補助電源装置が故障したのだろうか。
こんな事態に遭遇するのは初めて。(真冬に暖房が使えなくなったキハ58とか、冷房吹き出し口から雫が落ちる485系には乗ったことがあるけど…)
昼間で明るく、終点が目前だけど、薄暗い客室で水が使えない車両があるままで走り続けるのだろうか。遅れが出たら乗り継ぎに支障が出ないか、少し不安になる。
そのまま品川を停車・発車。
東京到着前に、改めて車掌から説明とおわびがあった。結局復旧しなかったようで、停電したのは10号車から12号車だったとのこと。グリーン車と普通車指定席になっている車両。(ちなみに「B13編成」でした)
その分、東京駅の乗り換え案内はカットされてしまった。おわびを放送した車掌も、途中駅で乗り換え案内を入れていたのとは別の人だった。
当該車両の乗客や車掌さんたちは大変だったのかもしれないが、他の車両の我々は何事もなく東京駅に到着。


後は乗り換えて秋田へ向かうだけだけど、ここでもストレートには行かないことにした。
次の秋田行きは東京17時20分発の「(はやぶさ・)こまち29号」。
その前に盛岡行きの16時56分発「はやて113号」があり、こだまから乗り継ぎ可能。

仙台までの停車駅は、はやてもこまちも同じ。
速度は先発の「はやて」のほうがやや遅いので差は詰められるが、仙台にははやてが18時37分着、こまちが18時54分発なので、仙台で充分乗り継げる。(はやて113号は仙台から各駅停車になり、一ノ関で抜かれて盛岡には後に到着するため、盛岡では乗り継げない)

そこで、東京→仙台をはやて113号、仙台→秋田をこまち29号に乗車することにした。
新幹線は改札を出なければ通しの特急料金で計算されるし、「えきねっと」予約のポイントは1列車ごとに付与されるので倍(+50円相当※2月からは変更)になる。

さらに、今回のケースでは、全区間「こまち」に乗った場合と比べて、特急料金が300円安くなった。なぜなら…
以前から何度か書いたように、「はやぶさ」やE6系化後の「こまち」の盛岡以南では、“速い分の加算料金”込みの高い特急料金が適用されている。
秋田(正確には盛岡)-仙台では210円、秋田(同)-大宮~東京では510円が加算される。
盛岡以南から乗る場合は列車が選べるからいいとしても、秋田・青森など盛岡以北から通して乗る場合は、選択の余地なく高い料金を払わされるのが、いまいち納得いかないでいた。

乗車区間のうち一部区間だけ割増料金適用の列車に乗る場合は、その区間分だけ割増料金が適用される。(当然ですが)
今回の乗り方では、仙台から先(仙台-盛岡)だけに加算されるから210円の加算で済んだ。
使用した特急券。金額の上に注目
特急券の券面には「HS:仙台→盛岡」とある。これが加算料金の適用区間を意味するのだろう。「High Speed」の略かな?


はやて113号は今や懐かしい気持ちになってしまう、E2系電車。
お客はけっこう乗っていて、今回の旅行で乗った列車の中でいちばんの乗車率。運良く2人掛けの隣には人が来なかった。
仙台までなら、「はやぶさ」とほとんど同じ所要時間で、310円(大宮以南-仙台の加算額)安く乗れることを知ってか知らずか、仙台で降りる人も多かった。
仙台到着前の連絡列車の案内では、僕が乗り継ぐはやぶさ・こまち29号の案内もされたけれど、同じように乗り継ぐ客はいただろうか。
仙台では「はやて」の15分後に「はやぶさ(とこまち)」。この先、一ノ関ではやぶさが追い越し、盛岡に17分先着するダイヤ
今回は上手く利用させてもらった形だが、このようにわずかな時間差で同じ停車駅なのに、加算料金が発生しない列車と発生する列車を続行させるというダイヤ設定も、いまいち理解できない。
一方で、時間帯によっては、盛岡-仙台間で各駅停車かそれに近い停車パターンの「はやぶさ」も運行されていて、それに乗っても加算額を取られることになる。
多くの乗客は数百円の加算料金など気にしていないのかもしれないし、宿泊込みのパックや割引きっぷなどトータルで考えればほとんど差はないのかもしれないが、僕はしっくりこない。

というか、10年ほど前の八戸開業の頃は、最速達列車として1時間に1本運行されていた「はやて」だが、現在は1日に3.5往復(東京-盛岡)しか運行されなくなっていたのに驚いた。1年前のダイヤ改正で、「はやぶさ」に取って代わられてしまっていた。
「はやて」は、最速達列車「はやぶさ」と停車駅が多い「なすの」「やまびこ」の中間の位置付けの列車だから、東海道新幹線で言えば「ひかり」に相当しそうだが、東北新幹線の輸送量や需要では必要がないのかもしれない。
なお、1年後の北海道新幹線の函館開業時には、盛岡・新青森-函館の列車名が「はやて」になることが決まっている。ということは、今回乗った東京発着の「はやて」はなくなるのだろうか。(来週のダイヤ改正では、そのまま残る)



朝に発生した停電の影響(による車両運用の乱れ)を引きずったらしく、やや遅れて仙台に到着した「こまち29号」は、降りる人はあまりおらず(はやぶさ側は不明)、車内もガラガラ。無事に同行者と合流できた。
あとは夜の東北新幹線・田沢湖線・奥羽本線を走って、
細かい雪が降りしきる秋田駅に到着(E6系に初乗車した時の「Z4」編成だった)

秋田-名古屋間を早い列車を乗り継いだ行きは6時間かかった。
ゆっくりと移動した帰りでも、8時間。特急料金は、豊橋から乗ったので760円、はやて利用で300円、それぞれ安くついた。


新幹線に関して、細々としたこといろいろ。
●1世代前と比較
行きに乗った、東海道新幹線N700系。内装は700系と違って、保有会社による差はほとんどないようだ。
窓の小ささと座席の明るい青が印象的
E6系と比べると、座席の背もたれがやや低く(開放的に感じて悪くはない)、PETボトルホルダーがないといった違い。

最新型であるこまちのE6系とN700系に乗って、乗り心地は共通するものがあると感じた。
その時はよく分からなかったが、帰りに1世代前の700系やE2系に乗ってみると、E6系とN700系の乗り心地が良いことを実感した。

1世代前の車両も悪くはないが、カタカタという小刻みな振動や、「ゴリゴリ」「しゅーん」というちょっとした音が発生していた。最新型の車両では、それらはほとんど感じなかった。


●車内放送
車掌が肉声で放送する内容は、会社や車掌区によってけっこう違う。今回耳にしたもの。
・東海道新幹線で「座席前のテーブルに、ノートパソコンなど高さのあるものを置く時は、前の客がリクライニングしてきてぶつかることがあるから注意するように」というのがあった。初めて聞いたけれど、たしかにそうだ。

・東海道新幹線では、名古屋など降車客の多い途中駅の到着前に「降りる時は、次の客のために使ったリクライニングを元に戻すようご協力を」という放送を以前からよく耳にしていた。
今回は、東北新幹線(はやて)でも仙台到着前に言っていた。前にも聞いたことはあったが、東日本ではあまり聞かない内容ではないだろうか。

・東海道新幹線「こだま」は、ひかりやのぞみに追い抜かれるため、ほとんどの途中駅で5分前後停車する。(熱海など構造上追い抜きできない駅はすぐ発車。名古屋、新横浜など主要駅も短め)
そういう駅の到着前の放送では、乗り継ぎ列車の案内の後「○○駅の発車時刻はx時xx分です」と言うことが多い。(「何分間停車する」という表現は使わないようだ)これがあれば、次の駅でホームに出て弁当でも買おうかという目安になり、助かる。

ただ、長く停まる駅でも、言わない場合もあった。
今回は、静岡では言わなかった。時刻表(分単位)上、静岡は4分停車。他の時刻の案内があった駅では5~6分停まっている。ということは、5分以上停車する時は発車時刻を案内することになっているのだろうか? むやみに客に途中駅のホームに降りられると、乗り遅れや置き引きを誘発させる恐れがあって、積極的に案内したがらないのかもしれない。
(そんなに降りたいのなら、自分で事前に調べるなり車掌に直接尋ねるなりすれば済む話ではある。下車時は貴重品は身に付けて)

・行きの旅行記の通り、東海道新幹線下り(ひかり・のぞみ)では、三河安城駅通過時に「定刻で運転中で、あと10分で名古屋に到着する」という放送が定番。
帰りのはやぶさ・こまちでは、「新花巻駅を4分遅れで通過しました。あと6分で盛岡に到着します」という放送が珍しく入った(はやぶさ側車掌による、こまち側も含めた一括放送)。遅れていたからか。


●文字情報
客室内通路ドアの上の文字情報について。
・ニュースの内容は、東海道新幹線と東北新幹線で、まったく同一の文面だった。提供元の新聞社が同じで、タイミングが同じならば当然だけど。

・駅を通過する時、駅名が表示される。
東海道新幹線では「ただいま 静岡駅を通過。」、東日本の新幹線では「ただ今 雫石 付近を走行中です。」という文面。(スペースは東海道は全角、東日本は半角)
表示されるタイミングも、東海道のほうが早く、駅のホーム端に入った時には既に表示されていて、東日本では、ホームの中央付近から通過後にかけて表示される感じだろうか。

・フォント
表示装置の書体。
E2系などJR東日本の古い車両は、ドット数が少ない粗い文字。E6系でも2行表示になるとその文字。

700系やそれ以前の東海道新幹線では、
この書体
シャープのワープロ「書院」の初期の24ドット印字の機種で使われていたフォントだ。「jiskan24」だろうか。
昔は広い分野で使われていたようだが、僕はこの書体を見ると、初期書院と東海道新幹線を連想させられる。

(再掲)E6系の文字
大型フルカラー表示である、E6系(E5・H5系やE7・W7系も同じなんでしょう)とN700系は同じ書体。東海道山陽と東日本で書体が揃った。
平成書体になる前のNEC「文豪」のフォント?【2018年11月4日補足】そうじゃなくて、このフォントこそ平成明朝体?【2022年10月19日訂正・やはり、平成明朝体になる前のNECワープロの文字だと思う。】


●桃と赤
仙台駅ホーム床面の乗車位置案内。
E3系とE6系が並ぶ
左下に「桃」と「赤」と背景色名が、なぜか表示されている。※2022年の福島駅にも同じものがあった。
元「こまち」のE3系の一部は今も東北新幹線内(盛岡以南)限定で「やまびこ」「なすの」として運用されている。ダイヤ改正後はどうなるだろうか。
また、一部が上越新幹線の観光列車「GENBI SHINKANSEN」に改造されることが明らかになった。

※旅行記の続き(お土産編)はこちら

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