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2024.9バス廃止とその先

2024-07-05 23:34:14 | 秋田のいろいろ
2024年4月25日に「第41回秋田市地域公共交通協議会」が開催され、その開催報告が秋田市のサイト(ページ番号1042487)に5月10日付でアップされた(実際のアップはもっと遅かった気がしなくもないのですが…)。

この協議会でいつも気になるのは、路線の廃止。
運行会社(秋田中央交通)が、協議会に対して廃止を申し出て、市の意向を含めて協議会で協議して(協議しないこともあるようで、違いがよく分からないのだけど)、廃止を承認するという手続き。

2023年9月は乗務員不足を理由に多くの路線・系統が廃止されたが、そのほかにも、廃止したかったけれど廃止見送りとされたものがあった
それは、廃止代替対応が困難だとか、一定の利用者がいるといった理由で、廃止を再検討するということであった。
要は先送りであり、2024年9月には、今度はそれらが廃止対象となるのか…、あるいは新たな廃止もあるのか…と思っていた。実際は?
※「路線」と「系統」の違いや数えかたの定義がよく分かりません。誤解しにくいよう、ここでは市の資料とは違う表記もします。

結論をまとめると、昨年廃止が見送られた9系統のうち、今回は3系統が廃止。そして、新たに5系統が廃止。
計8系統が廃止されるが、思ったほど多くない。いずれも、平日に1日1往復または片方向1本のみ運行。
○前年の見送り(協議なしの報告)
1.大野線(系統番号531) 西口~牛島旧道~大野口~大野四区
2.南大通り経由 日赤病院線・牛島小学校経由(560) 西口→日赤
3.南大通り経由 日赤病院線・城南中学校経由(561) 日赤→西口
○新たな廃止(協議なしの報告)
4.赤沼線 中央道路経由(342) 大川反車庫~(中央道路地下トンネル・城東十字路)~南団地~大学病院 ※秋田駅発着系統は存続
5.桜ガ丘線 中央道路経由(423) 大川反車庫~(中央道路地下トンネル・城東十字路)~桜ガ丘~大平台三丁目 ※秋田駅発着系統は存続
○新たな廃止(協議あり)
6.広面御所野線 御所野学院経由(401) 東口~日赤病院~御所野学院~イオンモール秋田~中央シルバーエリア ※学院に入らない系統は存続
7.8.茨島環状線 大町回り(600)、茨島回り(601) 西口~通町・大町~茨島~秋田大橋~三皇神社~卸センター~有楽町~西口

1~3は、本数が減らされ、存在意義も小さくなっていた。ただ、将来的にはそうでもなくなる可能性もあるのだった。後述。
【7日追記・1~3関連の廃止バス停】
・城南中学校前経由(上り便のみ残っているため、上り側のみ)
牛島東三丁目、楢山愛宕下、金照寺山公園東入口(表記揺れ:金照寺山公園前。路線の変遷と合わせてこの記事にて)、城南中学校前、石塚谷地、城南中経由専用の牛島小学校入口、牛島東七丁目
・牛島小学校前経由(下り便のみ残っているため、下り側のみ)
なんぴあ別館前、牛島小学校前、牛島小学校入口
※反対側のなんぴあ別館、牛小、牛小入口、東七丁目は二ツ屋福島線用として存続。
・南大通り経由日赤病院線 両経由共通(上下で道は異なるが、バス停名は共通)
一ツ森公園南入口、荒巻、中荒巻、上荒巻
・大野線
下り側大野線専用の市道上の大野口(国道側は存続)、小中島入口、大野、大野一区、大野二区、大野三区、大野四区(この記事など参照)
【12日追記・南大通り経由日赤病院線の運用について】
西口14時10分→牛島小→日赤14時35分、日赤14時45分→城南中→西口15時14分というダイヤなので、1台のバスが往復する運用だと思っていた。
ところが、7月12日に確認した限りでは【9月28日補足・いつもそうらしい】、往復で違う車両が運用に入っていた。効率が悪そうだし、だったらあえてこの時間帯に設定する意味もない(往復それぞれで、より利用が見こめる時間帯に設定すべき)のではないか。何か事情があるのだろうか。(以上追記)

4~5は、秋田駅を介さずに、駅東西を直行する通勤用系統。【7日追記・秋田中央道路を通る路線バスはなくなるが、廃止バス停はなし。】
議事録には、ある委員(おそらく中央交通側)の発言として、
両系統の利用者は「10名程度だと思う。20名までは使っていないようだった。」
「昨年の水害により(注・長期通行止めによりトンネルが)使用できない期間中、乗客には他の路線を使用して頂き、問題なく運行できた。このことから従来いくつかあった直通路線はすべて乗換えとし(※)、区切ることで検討している。区切ることで運行頻度が確保できる。」
※「直通路線」の定義が不明だが、赤沼線の、トンネルに入らず明田地下道を経由する、大学病院→南大通り→県庁→大川反車庫の343系統は、今回廃止されないらしいので残る。
分割しても定期券利用者なら運賃は通し計算で「問題なく運行できた」のだろうが、そうでない人には初乗り運賃を2度取られることになる。将来的には運賃制度も変える計画があるようではある。【6日補足】例えば大学病院→県庁市役所は通しだと350円(西口に立ち寄る系統でも同額)、分割すると220円(東口)+210円(西口)=430円。同様に大平台三丁目→県庁市役所は通し420円、分割290+210=500円。

6は、通常系統の経路から、学院へ立ち寄る部分の廃止。通常系統が通る「御所野学院入口」バス停が近くにあり代替可能だし、特に下校時は1本しかない立ち寄り系統に合わせるのは難しいだろう。資料では、廃止停留所の1便当たり平均乗降者数は下り0.6人、上り0.2人。廃止距離0.2km。

7、8。運行時刻が大きく動かされたことがあり、“免許維持路線”ではないかと思っていたが、ついに路線ごと廃止。
(再掲)大町回り 茨島環状線
新屋線、卸町経由新屋線などと重なる区間が多いので、重複しない廃止距離は2.1km(実際は方向によりルートが一部違う)。廃止されるバス停は、(茨島回り用が新屋線とは別の位置にある)秋田大橋、茨島六丁目、茨島団地前、三皇神社前、牛島変電所前。
廃止停留所の1便当たり平均乗降者数は、大町回り・秋田大橋→牛島変電所前5.4人、茨島回り牛島変電所前→1.6人。
思ったよりは多い。茨島回りは西口10時20分→西口11時04分。そんな時間帯に、ここで乗り降りする人が1.6人「も」いるとは。
大町回りは西口15時30分→西口16時10分。廃止区間は知らないが、大町付近と有楽町付近では、見かけたり乗ったりする機会がたまにある。新屋線と重なる秋田大橋までは、新屋線の補完としての利用があり、座席の半分かそれ以上は埋まる。有楽町側では1~5人程度の乗車(10分以上遅延することがある)。5.4人も多いが、大町側から乗って、廃止区間で降りるということだろうか(下記の小学生の利用があるかも)。
環状線の場合、廃止区間をまたいで利用する人がいる可能性もいて、廃止により影響を受けることになるが、1.6人、5.4人にそれは含まれない気がするけれど、いいのでしょうか(いても多くはないでしょう)。

茨島環状線は、旭南小学校のスクールバス(児童限定の路線バスみたいな位置付け)とも重複している。秋田大橋バス停が、茨島回り側だけ裏道にあるのも、児童が県道横断をしなくて済むようになのかもしれない(憶測です。交差点右折の都合かも)【7日追記・それと茨島南側で、行って戻って複雑なルートをたどるのも】。免許維持かと邪推したのも、スクールバスとの絡みがあるのではと推測したから。一般路線と重ならないスクールバスが運行される所もあるから、違うのだろうか。じゃあ何で今まで残っていたのか。
【9月28日追記・この記事で軽く触れていたが、前身である茨島牛島環状線は1971(昭和46)年11月運行開始(1958年には存在したという情報もあるが、詳細不明)。当時は秋田銀行牛島支店~国道13号牛島跨線橋下~羽後牛島駅前の道路がなかっため、はるばる二ツ屋下丁・南高校前まで遠回りしていた(1980年頃まで?)。茨島牛島環状線は2016年9月で廃止され、同年10月から牛島旧道を通らず、卸町を経由する現在の茨島環状線となっていた。】

昨年は楢山大回り線が廃止された。茨島環状線廃止により、秋田市内に残る環状線は泉八橋環状線のみになる。


さて、これら廃止に伴う代替便は設定されるのか。そして、存続する路線でさらなる減便があるのではないか。気をもむが、上記、中央交通側と思わる委員が次のように発言している。
「運転士不足については、昨年より状況は改善された。今後急激な退職がなければではあるが、今年10月には廃止する系統の効果も含めて、総運行本数は市の交通局と合併してから初めて増加に転じる予定である。」※秋田市交通局(秋田市営バス)の中央交通への移管は段階的に進められ、2006年3月完了。
新ダイヤはまだ確定していないだろうし、「急激な退職」がないことを祈るが、減りはしないようだ。昨年まで近年が「減らしすぎた」ことの裏返しでもあろうから、果たして何本増えるのか。→2024年10月改正の詳細にて


話を最初に戻して、昨年は、廃止したくても廃止できなかったのに、今年は廃止の申し出に含まれなかった、生き残った路線。
二ツ屋福島線、手形山西町経由手形山団地線、南ケ丘線、仁別リゾート公園線、添川線
なぜ廃止を免れたのかは分からないが、推測すると、運転士に余裕ができたからか、さらに先送りしただけなのか。そのほか、もう1つの理由もあるようだ。
また、今回廃止される大野線や南大通り経由日赤病院線は、「路線」廃止級なのに、その下の「系統」廃止扱いとされている。それについては、議事録に理由が書かれている。

秋田市は、市内全域のバス路線網再編を計画進めている。その案(あくまで検討中の案)では、上記の廃止される/廃止されそうな路線が、実質、復活することになっているものがあった。大野、日赤両線については「再編後の路線として位置づけられる可能性があることから、路線廃止ではなく系統廃止とすることとしたものである」と明言。路線と系統の違いでどういうメリットがあるのかよく分からないが、こういうのこそ免許維持路線(走りはしなくなるが)の意味合いなんだろうか。
再編案全体を見ると、“大改革”と呼んでいい改変で、本数は今より増えるそうだが、どう評価していいのか戸惑ってしまう。※繰り返しますが、あくまで案です。
その再編は2026年度にも、段階的に始まる予定なのだった。続く

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11 コメント

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Unknown (とき)
2024-07-06 09:55:43
Akica利用者に限り乗り継ぎで生じた初乗り運賃割引くらいはしても良さそうですが、判断が難しいのか…。
秋田駅着に変更されたけれど、回送にならずに
長崎屋経由なり県庁市役所経由のになるのでそちらに行きたい人らは2重に払ってる感じで難しい。

今回のは重複区間がある代替が効く路線が廃止になった感じがしますね。

私の利用する路線がちょくちょくキャパ超えてる時あるから、できれば増便を願っています。
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やはり南部狙いうちか… (FMEN)
2024-07-06 18:18:37
旭南自体が統合の可能性あります茨島や明らかにあまり必要性を感じなかった中央道路線はあれだとしてもこれ以上南部減らしたら楢山牛島で積み残しがでます。
そして気になるのが「サテライトクリニック経由組合病院線」。
これは神田を過ぎたら田んぼ道の空走が多い(無駄が多い)乗客も少いのに毎回減便や廃止を免れ続けてる聖域系統。
病院アクセスと言いながら日赤、大学、組合でも土崎周りは悲惨なわけで。
もう減便が始まってきた時期に新設されてあれだけの優遇は腹立たしい話。
アレに忖度してるとしか思えないんですが、アレのせいで南部に行く貴重な人員や車がなくなり犠牲を強いられてるとなりゃ。
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乗り継ぎ運賃 (taic02)
2024-07-06 18:18:42
今回の議事録にも、ICカードによる乗り継ぎ割引を検討していくという話は出ているので、期待はできそうです。ただ、実施は路線再編時になるのでしょうか。
運行を駅で分割する前にやってほしかった。順番が逆だと思います。
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>FMENさん (taic02)
2024-07-06 19:01:33
大野線は下り10時台、上り14時台、牛島経由日赤病院線は14時台の運行です。通勤通学通院には使えない設定で、誰のために走らせているのかよく分からない、存在意義が低い状態になっています。この廃止分を、利用が見込める区間に振り向けることができ、やむを得ないと考えます。
廃止便の時間帯に、代替として、利用が多い牛島旧道区間の路線が増便される可能性はあるでしょう(それ以外の時間帯・曜日も)。新ダイヤが出ていない現段階で、とやかく言うのは尚早だと思います。
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Unknown (とき)
2024-07-06 21:03:29
運行を駅で分割より先に値引き、いつ実現するのかわからないですが期待してみます。
バス路線改正までドキドキです。
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2024年10月期 バスダイヤ改編 (網地 耕部、)
2024-07-09 16:05:00
次の2024年10月期のバスダイヤ改編では、最後まで残った秋田駅西口経由各地行きの太平線と仁井田御所野線と赤沼線(加えて秋田温泉線・仁別リゾート公園線の臨海発着)も西口発着に短縮して、秋田市街のバス路線は全て秋田駅西口発着に統一し、各地からの営業所行きの直通便は、平日朝の一便のみに減便して、あとは駅発着でもいいと思います。

手形方面からのバスは、2年前に松崎団地線と手形山線の大川反車庫行きが駅発着に短縮したのに、上記の路線は未だに変更なしなんてもったいないと思います。

つまり、西口通過後の県庁市役所経由と長崎屋バスターミナル経由の大川反車庫行きの系統は廃止となり、手形方面・御所野方面から大川反車庫行き路線に乗車とした場合でも秋田駅西口が終点となり、以降は一部ダイヤは買物広場などでの待機、車庫行きは西口到着後に系統選別変更された際、「140」「142」と単独で各地へ運用すると言った感じです。

また一部の路線では系統番号の変更もあり、駅発着移行後は、太平線(岩見三内)は「302」、赤沼(大学病院)線は「344」、仁井田御所野線は「513(以前も四ツ小屋駅経由で使用した時期あり)」になるでしょう。

一方で、直通臨海営業所ゆき(蓬田上丁発)も今回廃止されないので残るのは何だかなと思いました。
ここは直通なので、手形山崎通過後は千秋城下町交差点右折し、千秋トンネル~矢留町~通町橋~秋田中央警察署前を経由して、二丁目橋交差点から右折し以降は、現行の直通ルートへ復帰と言った感じでも良かったのに。
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駅分割 (taic02)
2024-07-09 20:42:34
中央交通としては、分割したい意向のようで、近い将来の路線再編も乗り継ぎを前提としています。
一方で、現状では運賃制度は乗り継ぎに対応しておらず、駅を越えて乗り通す乗客も実際にいます。そんな中ですべて分けてしまえば、不満が出るでしょう。
少なくとも現状維持を期待しています。
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駅分割の定期券への影響 (sattong)
2024-07-31 17:18:29
 昨年のAkiCA導入に伴い、秋田駅西口と秋田駅東口はそれぞれ別のバス停扱いとなったため、秋田中央道路経由の路線がそれぞれ秋田駅東口・西口発着に変更となった場合、AkiCA定期券も通しの距離による運賃計算ではなく、路線に応じて分割して購入する必要があるのではないでしょうか。
 実際はAkiCA1枚に2区間定期を乗せることができるので定期券は1枚で済みますが、実質値上げです。
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どうなるでしょうか (taic02)
2024-07-31 22:48:28
運賃・定期券制度はまったく知らないので、どうなるか分かりません。
大学病院~県庁は、存続する明田地下道経由や西口経由と、同一区間なら同じ運賃が適用されています。それにより、中央道路経由が廃止(分割)されても、とりあえずは、引き続き運賃は変わらないような気がするのですが。
路線(系統)を部分的に廃止した場合、その部分の運賃体系は存続できる、みたいなことがあり得るのか。どうなのでしょう。
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2024年10月改正 概要 (網地 耕部、)
2024-08-28 16:03:30
本日、秋田駅西口でバスを待っていたら、来る2024年10月1日(火)からの一部バスダイヤ改正のお知らせが貼られていていて、最後まで残っていた秋田駅西口経由大川反車庫行き(赤沼線・太平線・御所野線)は、全ダイヤ秋田駅西口の起終点になってしまいました。私の予想が的中です。
また、これの改編を以て、大野線と茨島環状線と南大通り・日赤病院線は路線系統廃止(一部は再編後に復活あり)になっています。
なお、本日の時点では、秋田中央交通の公式ウェブサイトでは、まだ改編のお知らせ関連は、未だに非掲載でした。
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