沖縄県議会は28日の臨時会で、機動隊員による「土人」などの発言への抗議決議に先立ち、議員同士の質疑と討論をした。野党の沖縄・自民は、抗議する人も暴言を繰り返しているなどと指摘し、個人の発言に県議会が抗議するのはなじまないなどと主張。決議案に反対した。これに対し与党は、公権力を持つ行政機関と市民を同列視すべきではなく、警察官の発言内容も極めて侮蔑的だと反論。採決では中立会派も賛同した。

 自民は質疑で照屋守之氏が「個人の発言一つ一つを取り上げて抗議するのが県議会の仕事か」「日本政府も国民も誰も県民を侮辱していないし、差別もしていない」との認識を示した。

 座波一氏、末松文信氏は反対討論で「反対派の暴言も悪質で聞くに堪えず、自制を促す必要がある」「抗議の参加者は4千ヘクタールの基地返還を実質的に阻止している」などと述べ、警察官の問題発言より市民側の言動への批判に力点を置いた。

 与党は、提案者の渡久地修氏(共産)が「圧倒的な権力を持つ警察官と市民の発言を同列に扱うべきではない」「発言内容も非常に侮蔑的だ」と反論。「県民をさげすむ発言には、県議会として意思を示す必要がある」として、賛同を求めた。

 宮城一郎氏(社民・社大・結)は賛成討論で「発言の背景に、本土から派遣された500人とも800人とも言われる常軌を逸した数の機動隊員の導入がある。県警本部長、警備部長が隊員をマネジメントできていないのではないか」と指摘し、警備態勢を縮小する必要性を強調した。