玉城デニー知事は19日、2018年度の観光収入が前年度比5・1%(355億5200万円)増の7334億7700万円だったと発表した。入域観光客数の増加や国内客1人当たりの消費額が増加したことにより、6年連続で過去最高を更新した。7千億円台は初。
観光客1人当たりの県内消費額は0・7%(502円)増の7万3355円となった。一方、平均滞在日数は3・59日で前年度の3・68日から0・09ポイント減った。
19年度の観光収入の目標は、18年度実績比9・1%増の8千億円と設定した。一方、県は観光振興基本計画で21年度までに1・1兆円とする目標も掲げている。
玉城知事は「目標達成に向け、引き続きアジアのダイナミズムを取り込み、官民一体となった効果的なプロモーションを展開する。人材の育成や消費環境の整備など受け入れ態勢の強化に向け、関係機関と連携しながら全力で取り組む」とコメントした。
★
少し古い記事だが2011年5月4日付琉球新報もこのようなデタラメな記事で翁長・デニー路線の沖縄県を応援している。
基地ある恩恵受けず
■基地収入5%
米軍から返還された土地も確実に経済成長に結びついている。
那覇市北部にあった「米軍牧港住宅地区」は87年に返還され、「那覇市新都心地区」に生まれ変わった。
大型ショッピングセンターなどが進出、経済波及効果を表す生産誘発額は874億2千万円に上る。米軍普天間飛行場(宜野湾市)などの返還予定地でも、合計1兆7千億の生産誘発額が見込まれている。
「基地がないと沖縄は食べていけない」。本土では、半ば常識のように語られる見方が、沖縄県職員として振興計画の策定に深く川割ってきた副知事の上原良幸は「まったく逆、基地がある恩恵は受けていない」と反論する。
08年度の軍用地料、基地従業員給与などの基地関連収入は2084億円で県民所得に占める割合は5・3%。 本土復帰時の72年の15・5%から3分の1に減った。
米軍基地に土地を貸している全地主約4万人のうち、53・8%は年間年間500万円未満。年間500万円以上を得る地主は全体の8%にすぎない。基地従業員9014人は県内就業者約60万2千人の1・5%にとどまる。「軍用地主や基地従業員の問題はあるが、声の大きな少数派にすぎない。トータルでは基地が無い方が間違いなくいい」。上原は基地と振興費のリンクはなりたたないと主張する。
突っ込みどころ満載だが、上原副知事の言いたいことはこういうことだ。
「基地がないと沖縄は食べていけない」というが「まったく逆、基地がある恩恵は受けていない」、「トータルでは基地が無い方が間違いなくいい」・・・などとイデオロギーによる「基地撤去」を露骨に示している。
具体的に言うと、記事は基地収入の県民総所得に占める割合は5・3%であり、県経済に大きな影響はない、というような印象を与えている。
そしてまず気になるのは、「経済効果」という数値で測れない期待値を「生産誘発額」と同じ意味で書いている点だ。
だが、生産誘発額は数値で測れる県内総生産とはまったく別の概念だ。
読者が「生産誘発額」と「県内総生産」を混同するような印象操作をしているが、これこそ記事の思う壺である。
上原副知事は「軍用地や基地従業員の問題はあるが、声の大きな少数派にすぎない。トータルでは基地がないほうがいい」と主張する。
上原副知事が主張するする根拠が「那覇新都心」の生産誘発額(≠県内総生産)が874億2000という目くらましの数字だ。
この数字は計測可能な県内総生産ではなく、単なる期待値にすぎない。
いや、ピザパイ分割の理論で言えば幻想だ。
記事によると「那覇新都心」を参考に米軍普天間飛行場が返還されたら1兆7000億円の生産誘発額が見込まれるという。
もし県の主張するように基地返還が県全体の経済発展に繋がれば素晴らしいことだが、現実はそんなに甘くはない。
県経済というピザは、根拠なく自動的に大きくなるものではない。
ピザパイ分割の理論で言えば「那覇新都心」に大型ショッピングセンターなどが進出して売り上げを伸ばしたら、その分だけ那覇市内の別の地域や浦添市の売り上げが落ちているは目に見えている。
■普天間基地返還は那覇新都心と同じ経済効果?
県は普天間飛行場が返還されたら合計1兆7000億円の生産誘発額が見込んでいるというが、米普天間飛行場跡に那覇新都心のよう街ができても宜野湾市は那覇ほどの経済力もなければ人口も少ない。
しかも交通も那覇新都心ほど便利ではない。
加えてピザ分割の理論で言えば、普天間飛行場跡の新都心の売り上げが伸びた分だけ、隣接する北谷町、浦添市、中城村、西原町などの売り上げが落ちる。
結局、普天間飛行場を返還しても那覇新都心ほどの経済成長は期待できない
基地返還による「生産誘発額」について最悪のケースを紹介しよう。
「読谷飛行場」は2006(平成14)年に完全返還されたが、読谷飛行場跡地は畑と雑草が生い茂る荒地、他に読谷村役所があるだけである。
やはり生産誘発額は幻想だった。
読谷飛行場跡
■「一坪反戦地主」による基地細分化
>米軍基地に土地を貸している全地主約4万人のうち、53・8%は年間年間500万円未満。年間500万円以上を得る地主は全体の8%にすぎない。
大部分の軍用地主は年間500万円以下で、大した経済効果はないと言いたいのだろう。
記事は敢えて触れていないが「一坪反戦地主」の存在を考慮すると、軍用地主の実態は大きく違ってくる。
軍用地主のなかには、いわゆる「一坪反戦地主」と呼ばれる反基地活動家が多く含まれ、琉球新報、沖縄タイムスら地元紙の編集長などの関係者が「一坪反戦地主」に加わっているのをよく知られた事実である。
「反戦地主」は数が多い方が良い。
ノィジィ・マイノリティになれるから。
「一坪反戦地主」は「一坪」から更に細分化し、「絵葉書反戦地主」やテレカの時代には「テレカ反戦地主」まで微細化する有様だった。
「一坪反戦地主」なかには、本土の左翼学者やメディア関係者もいると言われている。
こうなると、軍用地主の細分化は加速され、「年間500万円以上を得る地主は全体の8%」がもっともらしく聞こえる。