狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

麻生首相と櫻井よしこ:「日本人よ自信を持て!」

2009-01-02 09:37:57 | 県知事選

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麻生首相:「世界最速で不況脱出」

 麻生太郎首相は1日付で年頭の所感を発表した。米国発の世界的な金融・経済危機に触れ、「国民の景気や生活に対する不安を取り除くため、政府は全力を尽くす。世界で最も早くこの不況から脱出するのは日本だ」と危機脱出に向けた決意を表明した。また、「日本、日本人はその底力にもっと自信を持っていい」とし、持論である「日本の底力」を強調。「望むべき未来を切りひらくために、行動を起こさなければならない」と国民に協力を呼びかけた。

毎日新聞 2009年1月1日 東京朝刊

                 ◇

マスコミは麻生首相が何を話しても、重箱の角を突っついて粗探しに終始する。

<今回の所感は、ここ数年の歴代首相と違い、外交や教育などの個別政策には触れず、「精神論」に比重を置いているのが特徴となっている。(読売)>

年頭の所感では、「精神論」こそ必要なのではないか。

いや、現在のように日本国中が自信喪失しているときこそ「精神論」そして「麻生節」が必要なのではないか。

>「国民の景気や生活に対する不安を取り除くため、政府は全力を尽くす。世界で最も早くこの不況から脱出するのは日本だ

現在の世界経済の動向を、100年に1度の経済危機と認識して、「全力を尽くす」。

それでいいのだ!

赤塚不二夫さん言っているではないか。

>「日本、日本人はその底力にもっと自信を持っていい

年頭の首相所感でやっと麻生らしさが出てきた。

第二次大戦で日本全土が廃墟と化したときも、

資源のない日本がオイルショックに見舞われたときも、

日本は驚異的能力でいち早く危機を脱してきた。

櫻井よしこ氏によると、現在の日本には他国に不足する三つの長所があるという。

<第一は千五百兆の個人資産と外貨準備一兆ドルの健全な資金だ。 

第二に、どの分野にもある世界一の水準の技術。 

第三に、額に汗して働く労働倫理がある。 

金融資本主義の行き過ぎが明らかな今こそ、日本の力を活用し、より公正で、より多くの人々を幸せにする制度設計を日本が行い、世界に広げていく好機である。>


 

昨日のエントリーで、沖縄タイムス掲載の櫻井よしこ氏の論文から「田母神論文」に関連する村山談話の部分を抜粋して紹介したら、沖縄タイムスを購読していない知人より、全文紹介して欲しいとの要望があった。

櫻井氏の論文はその論旨が明快で筆者の下手なコメントは不要と書いたが、正月に免じて敢えて蛇足を書き連ねることお許しいただきたい。

櫻井論文は「サバイバル米中時代」と大きく括っているが、いかにも正月らしく論旨は多岐に渡っている。

論文で触れている今年の問題を拾うとこうなる。

①米中接近により変化する日米同盟の在り方

②中国の平和友好の衣に隠れる鎧の恐怖

③上記引用の日本人の長所

④核保有国の増加に伴う「核保有論議」の必要性

⑤拉致問題と金正日体制と

⑥村山談話の出自のいかがわしさ

⑦最後の麻生、小沢にかんするくだりは、沖縄タイムスの「要望」を受け入れた櫻井氏の、タイムスへの「おつきあい」と筆者は読んだ。

自分を嫌っている新聞に論文を載せるのにはある程度の「おつきあい」も必要なことなのだろう。

④の「拉致問題と金正日体制」については、沖縄タイムスは日頃、あまり触れたがらないし、仮に触れたとしても「援助はすべき」だろう。

何しろ将軍様はこのようにご立腹なのだから。↓

北朝鮮、重油支援巡り日本を批判
北朝鮮の核問題を巡る6カ国協議に参加している北京の北朝鮮大使館幹部は29日、日本が拉致問題を理由に実行していない重油支援について「どの国からでもいい。(肩代わり)できない場合、無能力化を中断する」と日本政府の姿勢を批判した。(30日 07:00) >

だが、櫻井氏は沖縄タイムスにも将軍様にもここでは寸分の妥協も見せない。

12人の政府認定拉致被害者や460人余の特定失踪者をそのままにして援助すれば、日本はもはや国家ではない。

櫻井女史に首相になってもらいたいくらいだ。

以下は2009年1月1日付沖縄タイムスよりの引用です。(太字強調は引用者)

サバイバル米中時代

制度の手本示す好機  自衛力整備で本格論議を

櫻井よしこ(ジャーナリスト)

ブッシュ政権下で中国への接近を特徴とするアジア政策の変化が進行した。 この変化はオバマ次期大統領の下でさらに進み、日米同盟に依存してきた日本の在り方が問われる年になるだろう。ピーターソン国際経済研究所のバーグステン所長は、主要国首脳会議(G8)に代わる米中首脳の提起協議「G2」を提言し、ゼーリック前国務副長官は中国をステークホルダー(利害共有者)と位置づけた。対して、中国は、その軍事力は平和目的であり、中国は多くの人口を抱える脆弱(ぜいじゃく)な国家だとする「平和的台頭」論で、米国の協議への誘いに前向きに答えた

微笑みと軍拡

しかし微笑を外交の全面に押し出す一方で、中国の軍事力拡大路線はいささかも変わらない。彼らは日本、台湾、フィリピンに至る「第一列島線」での覇権の確立を目指し、グアム、サイパンを含む「第二列島線」をさらなる目標とする。 
米太平洋軍のキーティング司令官は、中国海軍が「太平洋を二分し、米国がハワイ以東を、中国がハワイ以西」を管理する分割支配を提案したと証言した。 微笑と軍拡、中国の真意を日本のみならず国際社会は慎重に判断する必要がある。 
福田前政権は対米、対アジア外交でシナジー(共鳴)を目指すとした。 中国が一党体制維持を目指すため、自由も人権も認めず、異民族弾圧を続け、日本などは基本的価値観を異にする人治国家であることに目をつぶり、結果としてそれを許す的外れの発言だ。

三つの長所

日本には他国に不足する三つの長所がある。第一は千五百兆の個人資産と外貨準備一兆ドルの健全な資金だ。 第二に、どの分野にもある世界一の水準の技術。 第三に、額に汗して働く労働倫理がある。 金融資本主義の行き過ぎが明らかな今こそ、日本の力を活用し、より公正で、より多くの人々を幸せにする制度設計を日本が行い、世界に広げていく好機である。
日本は世界に貢献する資格はあるか。「植民地支配や侵略行為」を認めた戦後五十年決議は、衆院で議員が大量欠席したままだまし討ちのように採決され、参院は決議もしなかった。 
そこで当時の村山富一首相は「村山談話」を閣議決定したが、記者会見で具体的にどの部分の歴史を反省すべきかと問われ、答えに詰まった。
社会党時代は一貫して自衛隊を違憲とし、首相就任で一夜にして合憲に変わり、就任後またも違憲と主張した村山氏の談話を、金科玉条とし続けてよいのか。 日本の歴史を間違いも正しかったことも含め見つめることと、村山談話を聖域視することは同じではないと気付くべきだ。

政権は交代

国連安全保障常任理事国に加え、インド、パキスタン、北朝鮮、そしてイランも間もなく核保有国となるだろう。 世界の安全保障体制の質的変化認識せざるを得ない。 その中で日本には、より多くの自己責任と真の自立が求められている。 日米同盟や日本の自衛力の整備を、核の選択も含めて透明な形で議論すべきゆえんである。 
朝鮮との交渉では、どの国の融和策もしっぱいしてきたが。拉致解決には、金正日体制をさらに追い詰めるしかない。 12人の政府認定拉致被害者や460人余の特定失踪者をそのままにして援助すれば、日本はもはや国家ではない。 
麻生太郎首相は保守の政治家と見られているが、実のところ、氏の新年ははっきり伝わってくるわけではない。 民主党の小沢一郎代表は政局を追うあまり、重要な政策さえも政争の具にしている印象だ。 政権交代はあった方がよい。 保守とリベラルというふうに、価値観を基軸とした政党に分かれていくのがよい。(沖縄タイムス 2009年1月1日)

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