「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

「防災教育のあるべき姿と地震津波防災DIG・土砂災害対策DIG」(その3)

2015-10-01 23:48:15 | 防災教育
この日から今年度も下半期に入った訳だが、そんな「区切り感」は一切なかったように記憶している。

ただ、懸案だった「防災教育のあるべき姿と地震津波防災DIG・土砂災害対策DIG」の原稿について、
前日の9月30日に大きな山を越えることが出来、少しホッとして回りを見渡せるようになったか、
そんな1日だったと記憶している。

この日は午前中、静岡赤十字病院の副院長兼看護部長の武田惠子先生を訪問、
来年2月6日(土)に企画中の連続公開講座「防災」について主旨説明と出演のお願いをした。

「災害看護と大学」のテーマの下、
武田先生と、過日も常総市の現地調査に同行いただいた東京医科大学看護学科の山達枝先生、
ご両所にご登壇いただき、基調講演を2本行った後、「旅の坊主」がコーディネーターとなっての鼎談を行う予定。
近くなったら、改めて拙ブログなりfacebookで告知したいと思っているが、
読者各位が手帳なりスケジューラーなりに書き込んでいただけたならば嬉しく思う。

この日の本ゼミから、基礎本としてゼミ生の共通認識を作ろうではないか、というので、
矢部宏治文・須田慎太郎写真の『戦争をしない国:明仁天皇メッセージ』(小学館)を読み始めたのだが、
まぁ、それについては追々ブログでも書いていくことにしよう。

9月29日分、30日分と、拙稿の防災教育論についての引用を続けたところ。
もう少しお付き合い願うことにしよう。

総論部分では、防災教育の体系性についても考え方をまとめてみた。
かつて断片的には述べているものであるが、改めて整理することで、論旨はよりシャープになったように思っている。

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防災教育の体系性(その1):時間軸と空間軸という「2つの軸」

(1)「未来形の防災教育」
時間の観点から防災教育のあるべき姿を冠上げる時、まず問いたいのは、
「10年経てば大人になり20年経てば親になる」という、
成長し未来ある者としての「将来の大人」への教育はどうあるべきか、という問題意識である。

「揺れたら机の下にもぐりなさい」といった「今起こったらどうするか」の災害対応を教える防災教育はわかりやすく、実践事例も多い。
筆者はこれを「現在形の防災教育」と呼んでいる。

ただ、長い人生の安全と安心を獲得するには、
例えば「人生最大の買い物」である自宅購入にあたっては災害リスクの少ない場所を見抜く目とそれを購う経済力が不可欠であるように、
筆者は「将来のための防災教育」すなわち「未来形の防災教育」も必要だ、と訴えてきている。

出前講座において筆者は以下のようなメッセージを発している、と言えば、理解してもらえるだろうか。

今は、個人・家族としても、まちとしても、安全ではないかもしれない。
でも、将来は、安全な環境を勝ち取ってもらいたい。
そのためにはまず、安全な環境とそうでない環境を見抜く目を養ってもらいたい。
次いで、そのような環境を購えるだけの経済力を身に着けてもらいたいと思う。
さらには社会に対して、より安全なまちへと作り変えていくことを働きかけるような、
そのような者になってもらいたい。

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日記は、溜めてしまうと大変だ、ということを、改めて感じているところ。
掟破りのバックデータで格好をつけている「みっともない状態」から、
三連休中に脱することは出来なかったが、何とか今週中には脱却しなければ、であるな。

(10月12日 記す)


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