「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

【3月10日】レオン市ワークショップシリーズその1(サリナス・グランデス地区)

2009-03-10 23:17:21 | 国際防災協力
ニカラグアの古都、レオン市から南西方向に30分ほど行ったところに、
塩田の村、サリナス・グランデスがある。
1992年の津波で大きな被害を受けた場所。
浜辺の、かつては海の家のレストラン&バーとして使われていたところが
今回の会場。

例外はあるのだろうが、
「旅の坊主」の知る限り、
途上国でのワークショップでは食事や日当(?)が出るのが普通である。
ここは日本と大きく違うところ。
実際のところは、それ目当てで来る住民もかなりの率となろう。

何が言いたいかというと、
その日の参加者は、ふたを開けてみないとわからない、ということ。
客層に関係なく、いつも同じようなことをする無様なワークショップはしたくない。
で、この日の参加者は……。

圧倒的多数は女性。しかも中学生(?)もかなりの数がいる。
というので、体験者から若い世代へ、
津波の教訓をどうやって伝えるかに焦点を当てたものにする。
体験者には、その時あなたはどこにいたか、どのような行動をとったか、
何が教訓か、等々を書かせ、
若い世代には、津波について知りたいことを書かせ、体験者がその質問に答える、
という形にした。

参加者の中に、漁師とおぼしき日に焼けた男性と、大柄な警察官がいた。
この二人が大変熱心に参加してくれた。感謝している。
日本から持参の土産物に感謝状をつけて渡したかった。ちょっと失敗。
でも、この地における津波災害については、
相当具体的なイメージを得ることが出来たと思う。

終了後、翌日の会場となるポネローヤ地区を事前調査。
ここも救いがない場所ではなかった。そのことが何より。

ホテルに戻り、ちょっと一息。
今宵の夕食は中央広場近くの「アラモ砦」なるルーフレストランで。
「○○と煙は高いところへ登りたがる」訳で、
ルーフレストランがあればまずそこに行くのがいつものこと。
下では、子供たちが20時近くまでバスケットボールに興じていた。
これが普通の町の姿なのだよなぁ、と思いつつ、
夜間は危なくて外出できない中米の幾つかの町に思いをはせる。

(3月15日 記す)


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