「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

首都直下の地震をイメージさせる災害図上訓練DIGの方法論について(その1)

2017-09-16 23:55:08 | 首都直下地震対策
15日(金)夜、東京・御茶ノ水の損保会館にて、
損保協会主催による防災リーダー講座 in TOKYO(東京防災講座)の一環として、
首都直下の地震をイメージさせるDIGを行った。

首都直下の地震(南関東直下の地震?名称は問題ではない)対策という課題、
重要性は百も承知の上で、どこからどう手をつけたものやら、手を出しかねているところがあった。
幸いにも8月中に2回、東京消防庁災害時支援ボランティアのコーディネーター
(注:相応の研修は受けているという意味)フォローアップ研修の講師を務める機会をいただき、
「多分、この辺りではないか」というDIGをぶつけてみることが出来た。

今回は、この2回を経験を踏まえ、首都直下の地震(とそれへの対策)をイメージさせるための
DIGパッケージのいわば概成形のお披露目、となった次第。

与えられた時間は2時間30分。
通常は6時間を要するDIGだけに、かなりの努力はしたものの、やる側としても相当の駆け足であり、
参加者に消化不良感&もやもや感を抱かせたままで終わってしまった感は否めない。
その不完全燃焼感が次に繋がればよいのだが。

ともあれ、それでも「このテーマでDIGをやるならこうだ!」という十分な手応えがあったことは嬉しい。
これからは、これで行ける!
これから先、このテーマに取り組むに当たり、恐れることはなくなった。

今回のDIGで特筆すべきは、住宅地図メーカー「ゼンリン」特製の、
首都直下の地震対策用に特化した地図を作ってもらえたこと。

マクロな全体状況把握用は5万図で版面はA0版×4枚(横長の田の字型)。
ミクロな地域密着型災害対策検討用は1/1500で版面はA0版。

しっかりと写真を撮ることを忘れていたため、この場で示すことが出来ないのが大変申し訳ないが、
多分、このマクロとミクロ、この縮尺の2つの地図を同時に使いつつ、
被災イメージや支援イメージ作りを行う、というのが、首都直下地震対策の基本になると思った。

この課題、先行の取り組みは幾つもあるはずなのだが、あまりパッとするものを聞いたことがない。
今回のパターンがどこまで知名度を得られるかはこれからの努力次第だが、
この地図の出来は、モノを考える&考えさせる材料として、大変素晴らしいと思う。
作成に携わったゼンリンさんとスポンサーである損保協会さんには、ただただ感謝の一言。

(その2につづく)



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