「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

大規模災害時における物資支援の受け取り方はどうあるべきか

2015-03-09 23:49:10 | 首都直下地震対策
先日来何回か話題に出している、首都圏内某県の大規模災害時の応援受け入れ計画づくりについて、
図上訓練明けの今日午前中、東京・新宿にある受託業者オフィスで県の担当者も交えて2時間ほどブレスト。

外部からの支援物資をどのように受け入れればよいのかについて、
応援受け入れ計画にどのように記述すべきかに議論は集中。

やはり、大原則は、都道府県と市町村とを問わず、行政は物資管理には携わらないということ、
このことを再確認し、計画に明記しておかなくてはならない、と思う。

発災直後の72時間は自宅の備蓄でしのいでもらうことが原則。
県としては、それだけでは足りないこともあると覚悟しておいた上で、
(市町村備蓄分とは別に)県内各地に備蓄してある「緊急支援物資」を、
個人・家族単位での備蓄のバックアップとして、たとえば1人に小ぶりのダンボール1つ、
という感じでパッケージ化して送れないか、という話もした。

県内全域が同時に震度6強以上の被害を受けるような事態は、幸いにも考えられない。
支援側に回れる地域もある訳で、そこの備蓄をまずはプッシュ型で放出させればよい、
そんな方向で議論している。

つまりは、発災後72時間は、県内にある「ありもの」でしのいでもらうこととして、
4日目からは「善意の主に末端のニーズのある場所まで送り届けてもらう」
(=仕分け等に県や市町村は関わらない)を原則とした物の流れを作るべく、
発災直後から動き出すべき、
そのような計画とすべきではないか、と。

現行計画では、支援物資については、県はニーズとシーズの情報には携わるものの、
実際の物資の輸送や仕分け等については倉庫業界+トラック業界+αに有償で依頼、
ということになっている。
議論の中では「ミニアマゾン」という表現も出てきた。

だが、本家本元のアマゾンに比べて、被災後に立ち上げる物流システムはいかにも泥縄的。
わざわざ被災後に(亜流の)ミニミニアマゾンを立ち上げるよりも、
(被災により)多少配送に時間はかかるだろうが、本家本元のアマゾンに依頼するのが効率的であろう、
そんな話も出てきた。
(注:この場合のアマゾンはあくまで比喩・例えとしてご理解下さい。
楽天市場でもアスクルでも、最近はお弁当宅配の「ゴチクル」なるものまであるそうですが、
要は物の話は物流業界に、「餅は餅屋に」という話。)

「被災72時間で口にしたものが飴玉一つ」などという話は、
いくら何でも21世紀も15年近く経った日本ではみっともなさすぎる。
自宅における備蓄の徹底と、ミニマムをパッケージ化したもの(5種程度?)を
プッシュ型で送り込むことでしのいでもらい、
72時間が過ぎてから、被災者の手元に直接届けるような仕組みを
外部の支援者に考えてもらい段取りが出来たところから中に入れる。

その辺りでどうだろうか、と考えているところ。

うーん……、うまく説明し切れていない。
断片的に解釈されると、ろくなことにならない予感がある。
もう少しうまく説明出来るようにならなくては、と反省。


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