「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

高速道路休憩施設の防災拠点化構想をどう広めていくか

2015-02-20 23:14:04 | 首都直下地震対策
高速道路休憩施設の防災拠点化構想に基づき、整備された常磐道守谷サービスエリア。
先日来、NEXCO東日本の方々と、この構想の拡大について議論しているところ。

本日昼前から夕方にかけ、折り良く来日中の元米国連邦緊急事態管理庁のBさんと共に、
新霞ヶ関ビルのNEXCO東日本本社にてブレスト。

取締役兼常務執行役員らとの昼食の後、廣瀬社長も30分の時間を作って下さった。
3月の国連防災世界会議でのパネル・ディスカッションへの力の入れ具合がわかろうというもの。

基本的な流れは確認・共有出来たし、この活動の社会的意義について、
元FEMAの年長の友人も理解してくれていた。

それにしても、「旅の坊主」もかなり深く関わっているこのプロジェクトであるが、
相変わらず理解出来ないことがある。

施設のオーナーであるNEXCOが、消防・警察・自衛隊・医療(DMAT)・メディア・
電気通信会社(キャリア)・航空測量会社・自動車会社等々を巻き込み、
図上訓練(DIG)や実働訓練、定期的な会議のホストなど、頑張っていることと比較して、
(守谷SA等の活用によって)大規模災害への支援の効率化を担うべき中央省庁、
またそれらによって大きな利益を得ることになる、支援を受ける側の東京都なりの自治体の姿が見えてこない。

この種の活動は、まず担当者の思いがあり、その思いを共有できる人のつながりがあり、
良い意味での「領空侵犯」がなければ進んでいかないことは、自らの経験からしても百も承知。

ただ、本来その役割を担うべき立場の者が顔を見せていないことについては、
何とも言い難い違和感がある。

恩着せがましいことを言うつもりはないが、
「誰の役目なんだ?」「役割を果たしていないのは誰だ?」と、
そのくらいのことは言いたくなる。

ただ、それを声高に言っても進まない、というのが、世の中なのかもしれないが……。

今回のパネル・ディスカッションは、2時間という限られた時間ではあるが、
NEXCO側の大変な努力があり、考えられるベストの人材が集まった。
とすれば、コーディネーターを仰せつかった「旅の坊主」の役割は何か。

こういう構想の意義を語り、しっかりと世に知らしめ、
国の施策として取り上げてもらえるよう、そのお膳立てをすることであろうし、
また、そのためにも、広く仲間を集めていくということ、なのだろうと思う。

今日の打ち合わせで、元FEMAの友人にも、このシンポジウム、
またこの高速道路休憩施設の防災拠点化構想の意義については、理解してもらえた。
あとは、このシンポジウムの存在を、しっかりとPRして、多くのキーパーソン、
この場合は英語表現で言うところのResource Personsに知ってもらい来てもらうこと。

本番まで残り3週間余となった2月20日で大筋の確認が出来たからには、
ここ数日から1、2週間のうちに「旅の坊主」がなすべきことは、
そういうことなのだろう、と、改めて考えている。

パブリック・フォーラムのタイトルは
「東日本大震災における高速道路早期復旧と災害対応力の更なる強化」
パネル・ディスカッションのテーマは、
「東日本大震災を教訓とした、高速道路に望まれる防災的役割」
日時は2015年3月16日(月)17時30分会場、17時45分開演、
場所は仙台市情報・産業プラザ、セミナールーム(2)(6階) ※会場番号28
 (「パブリック・フォーラムガイドブック」23~24ページ参照のこと)
多数のご来場をお待ちしています。


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