「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

沼津市社協で災害ボランティア・コーディネーター養成講座のプログラムを考える

2015-03-24 18:34:41 | 防災ボランティア
昨日の14時過ぎから2時間近く、沼津市社会福祉協議会の建物にて、
6月末に頼まれているボランティア・コーディネーター養成講座の中身について、
沼津市危機管理課の担当者も交えて議論した。

週末の2日間、両日とも9時半から17時まで(=実質13時間)という長丁場ゆえ、
かなりしっかりしたプログラムにすることができる。
昨年の今頃から、何回かの打ち合わせの後、
「多分、これで、どこに出しても恥ずかしくない」というプログラムは出来たと思う。
多少の修正はあると思うが、基本的には昨年度のプログラムを踏襲することになるだろう。
というので、昨日午後の議論を思い返しつつ、整理してみる。

やはり、「敵の姿を知る」というところから、プログラムを始めたい。
沼津で、地震&津波防災を意識した上でのボランティア活動を語ろうというならば、
やはり、駿河トラフ・南海トラフの巨大地震の様相を知ることから、となる。
①駿河トラフ・南海トラフ沿いの巨大地震の全体イメージ理解、
②伊豆半島の付け根に位置する自治体ゆえの、いわばミニ遠野としての活動を意識した上での
伊豆半島の被災イメージ理解
③沼津市内でも被害に濃淡がある訳で、それを意識した上での沼津市内の被害の概観
④市内28ある地区毎の被害イメージの理解、
この辺りから議論を始めることになるだろう。

沼津市による諸々の施策についての説明、これは沼津市危機管理課が絡む以上は当然のこと。
ここで、災害ボランティアと防災ボランティアの違いを理解した上で、
残された準備期間約20年の活かし方について、意識が向いてくれることを願う。
ここまでが初日午前というところ。

初日午後は、岩手日報社がまとめた被災者インタビューを手がかりに、
①被災から2週間、②被災から2ヶ月、③被災から6ヶ月、の各時点における、
被災者が求めるものを読み取るワークに当てたい、と思う。

被災者のニーズとして、具体的なものとして表に出てきたものに対応するのも大切であり、
それとて簡単なものでないことは、百も承知。

その上で、それでも、支援者には、
被災者が求めているものを探り出そうという努力が求められるだろうし、
被災者が求めているものも、時間の流れと共に大きく変わっていくだろう。

そのような被災者ニーズの変化を、たとえ浅くとも、自分の頭で考える、という作業に、
ぜひ、取り組んでもらいたい、と思っている。

1テーマ1時間。これを3本。根を詰めるとクタクタになるだろうが、取り組む甲斐はある。
配慮しなくてはならないのは、全員が全員、ついてきてくれるか、だが、
この部分は、昨年の受講者にも手伝ってもらい、しっかりと考えてもらいたいと思う。

オンはオン、オフはオフということで、出来れば懇親会をはさんだ上で2日目へ。

初日の振り返りの後、具体的な場面を設定して、
防災ボランティアとしての留意事項について、しっかり学んでもらいたいと思う。

一つ目は、安全管理について理解してもらいたい、ということ。
がれき処理ボランティアに赴く際のオリエンテーション、という場面設定が、
ベストとは思っていないのだが、まぁ、これに類するものかな、と。

二つ目は、避難所運営支援に入る際の留意事項かな、と。
今のところは、その辺りのプログラムを考えている。

2日目午後は、もう少し引いた目で、まずは伊豆半島への支援の仕組み作りを考えたい。
沼津・三島・御殿場辺りの社協がチームを組んで、県社協とも情報交換をしつつ、
首都圏のボランティア希望者のうち5%程度を伊豆半島に、
また同じく5%程度を沼津・三島エリアに来てもらうこととして、
それ以外は西へ、つまりは富士市なり、富士川を超えて静岡市なりへと行ってもらう。
まず、そのような決め事を作れるかどうかが出発点。
で、そのことを前提とした上で、沼津・三島・御殿場辺りがチームを組み、
御殿場辺りに?宿営地を置きつつ、伊豆半島への日帰りでの支援の仕組みを具体的に検討する。
(うまくすれば、天城湯ヶ島辺りに宿営地を作れると、もっと効率的な支援が出来るのだが……。)

そんなワークが出来れば、と思っているのだが、
さて、初心者には、いささか?かなり?ハードルが高い、かな?
まぁ、難しい内容であっても、そこをやさしく説明してワークへと導くのが腕の見せどころ。
がんばらねば、である。


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