「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

タマリンドでの津波BOSAIワークショップ(初日)

2011-02-22 23:21:51 | 中米防災協力(プロジェクトBOSAI)
2月22日(火)

珍しく朝食をとる。ただ、1泊90ドル近くするホテルの朝食とは思えないレベル。
1泊20ドル前後のホテルなら納得もしようが……。
ともあれ、朝食の後、8時過ぎに会場へ。こちらは4つ星のホテル。
1部屋1泊で250ドルと聞く。すごい!
確かに施設は充実しているようだが。

ホテルの会議室は、スタッフ+25名の参加者でちょうど良いくらいの大きさ。
昼食込みで750ドルというのは、かかりすぎの感もないではないが、
まぁ、その部分は置いておこう。

今年度の中米防災研修に参加した旧知の2人が講師役。
サンタクルスのドクトルと、CNEのXさん。
ネタ元は短期派遣専門家K先生作の津波BOSAIの資料だが、
しっかり彼らなりの言葉で説明している。大したもの。

「客寄せパンダ」なる言葉は死語かもしれないが……。
外国人の専門家が来る、ということで客を集めてワークショップを行う、
その「客寄せパンダ」に使われたのではないか、という感が、ないではなかった。
だが、少なくとも、9時から16時まで正味4時間のワークショップのうち、
午前中の2時間余、津波と津波BOSAIについての説明は、
(他の人が作った資料ではあるが)しっかりとやってくれた。

今後、少なくともこのサンタクルス市の海岸部で津波防災のセミナーをするならば、
彼らがしっかりしてくれている分、任せておいて問題はない。
そのことが確認できてよかった。

「旅の坊主」も久しぶりに、英西の通訳を介してであるが、
津波BOSAIの話をさせてもらう。

2004年12月のインド洋大津波で大きな被害を受けた、
インドネシア・スマトラ島のバンダアチェを訪問した時の話。

近い場所で起こる津波と遠い場所で起こる津波、
2種類の津波への対応の差の話。

津波から2年後の観光地、タイのプーケット島とピピ島で見た、
津波避難の地図や誘導標識、サイレンの話。

日本の津波防災の最高峰とでも言うべき、
岩手県の田老町の話。

同じく、静岡県下で最も厳しい津波被害が想定される分、
しっかりと取り組んでいる沼津市の話。

等々。

残念ながら、この日はコミュニティの人が対象ということで、
突っ込んだ議論まではいかなかった。その意味では多少の悔いは残ったものの、
最初に話が出てから2週間余という準備時間の短さを考えるならば、
まぁ、上々の出来、というべきであろう。

片づけが終わったのが16時半というところか。
ホテルのテラスで(さすが4つ星、雰囲気は良い!)、
コアメンバーが集ってささやかな「打ち上げ」。

この瞬間こそが、
国際協力の現場にいる者でしか感じられない醍醐味なのだろう。

言葉も文化・風習も違うものだが、
志を同じくして一つの活動に取り組み、
曲がりなりにも一つのイベントを終わらすことが出来た。
で、お互いの努力を讃え合ってのセルベッサでの乾杯。
波の音がすぐそばに聞こえるホテルのビーチバーで、
しかもそのタイミングは、夕日が大海原に沈んでいこうという時。

仕事をやり遂げた後でなければ、単なるオフだが、
こういう時間があってこその、諸々の活動なのだろうなぁ、と思う。
ドクトルが満足げにしていたのが、何よりの収穫であった。

ホテルに戻り、シャワー。(シャンプーすらない!で、スーパーにて買い物!)
その後、昨日と同じシーフード・レストランを訪問、
この日はスズキの類の素揚げをいただく。

最近は、このメニューを頼むことが多くなった。
箸はなかったものの、ナイフとフォークでさばいで食べていたら、
ローカルスタッフDさんが、さも感心したように、食べ方が上手で早いですね、と。
「魚食い」の我が家の話をしたところで始まらないが、
ネコマタギが当たり前であって、ほめてもらうには値しないが、
それも食文化の差、なのかもしれない……。

ホテルの部屋ではインターネットが使えないが、
レセプションの周辺では無線LANが使える。
というので、メール等は一応チェックするも、
なかなか返信が出来ない……。



                            (2月27日アップ)