「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

「400キロを突っ走れ!」

2011-02-14 23:07:24 | 中米防災協力(プロジェクトBOSAI)
(今日のタイトルは、かの「ウルトラセブン」へのオマージュであるが、
さて、何人の人がわかってくれただろうか……。
ちなみに、本当のタイトルは第28話「700キロを突っ走れ!」)

中米6か国の中では唯一、パナマが1時間早い。
昨日は24時過ぎにはベッドに入ったものの、
エルサルバドル&他の中米各国時間では23時ということで、
なかなか寝付かなかった。

ともあれ、6時半過ぎには動き出す。
メールチェック、シャワー、軽い朝食などののち、チェックアウト。
8時にホテル発、パナマ運河にかかるパンアメリカン橋を通り、
運河の西側、米軍基地跡にあるパナマの防災機関SINAPROCへ。

SINAPROCに間借りの「プロジェクトBOSAIパナマ」のオフィスに顔を出せば、
「非公式情報だが、SINAPROCのBOSAI担当者、Jさんが解任された」との、
現地コーディネーターZさんからのいきなりの情報。

聞けば、SINAPROCの長官と衝突した、とのこと。
こういう国ではままある話とは聞いているが、それにしても、
再開を楽しみにしていたJ氏がいきなり解任されていたとは……。

このような出来事に比べれば、日本の公務員&その制度のはるかにまともなこと……。
いろいろと批判があることはもちろん知っているが、
日本の公務員(特に中央省庁のキャリア)は優秀でしっかり働く。
彼らの努力量のすごさなり、忙しさなり、優秀さなりを知らない者は、
好き勝手に批判をするのだろうが……。
もちろん、トップとの衝突でクビになるようなこともない。
安定していればこそ良い仕事も出来ようというもの、と思うのだが……。

ともあれ、J氏の仕事は二人が分担することになるだろう、とのことで、
国際協力担当のFさんと、プロジェクトBOSAI担当のMさん、
この2名の就任予定者と、短い時間ながら顔合わせ&打ち合わせをする。
プロジェクトの主旨と今回の来意については、理解してもらえた模様。
さて、これから先、5年計画の最終年度に向けて何をすればよいか。
そこについては、新任の担当者には厳しかろうが……。
まぁ、そこをフォローしてナンボの専門家である。

その後、11時過ぎになってしまったがSINAPROCを出発、
400km余離れた、パナマ西部のチリキ県ダビ市へ向かう。

同行はプロジェクトで雇用している現地コーディネーターのZさんとJさん、
そしてSINAPROCがつけてくれたドライバーのJさん。
車両はダブルキャブのピックアップ。6時間の陸路移動となる。
途中、サンチャゴの町で、(昨晩に引き続き!)中華の昼食。

今回の出張から、ノートPCを2台(いずれもLet’s Note、ただしサイズが違う)、
持って動くことにした。
データの移転等をしていないので、
今のところ、2台目は原稿書き用のタイプライター代わりだが、
何せ12時間持つという大容量バッテリーゆえ、
長距離移動間の仕事には大変心強い。

ノートに書けば字は乱れるし、下手をすれば車酔いは必至。
だがパソコンであれば、風景を見ながらタッチタイピングすればよい話。
これは何とかなる。ありがたい話であった。
(まぁ、陸路移動=睡眠不足の解消、という訳にはいかなくなったが。)

今宵の宿、パナマ第三の都市であるチリキ県の県都ダビ市には
17時20分着というところか。
400km余を、昼食休憩込みの6時間で突っ走った。ふぅ。
それにしても、なぜ、こういう場所にプロジェクトのサイトを選んだのだろう……。
必要性があることは認めるとしても、どこかの段階で、
もう少し目の届きやすい場所を選ぶという発想はなかったものなのか……。

かつて多くの専門家が泊まったというダビ市のHotel Puerta del Solに投宿。
なるほど、きれいでリーゾナブルなホテル。ネットもちゃんと使える。
道中で書きためたメールを送信。

19時半にホテルロビーに再集合。
4人そろっての夕食を、El Fogonなるレストラン&バーで。
うるさい音楽がおもてなし、と思っている筋がラテンにはあるが、
中には静かに語りたい者もいる。
この店のオープンエアのテーブルにはBGMもなく、
語りにはもってこいだった。
カタコトのスペイン語とZさんの通訳で、いろいろと語る。

パナマの3回の独立、東側のコロンビア国境近辺での麻薬絡みの暴力沙汰、
すべてが政治的に解釈されてしまうという「貧困」さ、
パナマシティとそれ以外の場所の格差、等々。

カタコトのスペイン語+αで語るにはかなり重いテーマであり、
どう考えても「バレンタインデー」(当地ではそのままずばり「愛の日」)の
ディナーの話題に相応しいとは思わないが、それでも、
こっちも少しは勉強しているのだよ、ということは、アピール出来たと思う。
彼らの信頼を勝ち取ってナンボのプロジェクト専門家なのだから。

さすがはパナマ第三の都市。24時間開いているスーパーもあった。
諸々の買い込みをしてホテルに戻り、睡魔が訪れるまで仕事。