「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

打ち合わせ、打ち合わせ、打ち合わせ!

2010-11-24 23:42:30 | 中米防災協力(プロジェクトBOSAI)
ゆっくり目の朝。10時にJICAオフィスへ。
担当のコーディネーター、Dさんと打ち合わせ。
何だかんだと、昼食をはさんで3時間余り。

担当になって当方はわずか2ヶ月余。
Dさんもこの5月に代わってからの半年ちょっと。
しかも、本来主役であるはずの、
カウンター・パートのプロジェクト・マネージャーは時間がとれず。
JICA事務所の日本人スタッフYさんは出張。

これらの事情は事前にわかっていたものの、
ともかく、何が問題なのか、
何を明らかにしなくてはならないのか、
その確認だけで3時間余の時間が費やされる。
そういうもの、との覚悟はあり、
かつ、おかげで、ある程度は方向性が見えてきた。

幾つかの点については具体的な指示も出す。
Dさんにがんばってもらわないことには、
プロジェクトの先行きは厳しい。
期待するところ、極めて大。

昼食の後、
Dさんの運転するプロジェクトの車で、
パセオ・コロン(通りの名でもあり、また地域の名でもある)の
豊田通商コスタリカへ。
駐在のHさんに時間を作ってもらい、
いろいろとお話をうかがう。

豊田通商の防災の仕事を手伝っていた縁で、
日本の仲間に紹介をしてもらい、
この日の面談となる。
官民連携が出来ればいいなぁ、という思いはあるものの、
豊田通商さんの側からすれば、余計な仕事をもってこられて……、
との思いは否めまい。
そんな中、時間をとっていただいたことに、ただただ感謝。

当方のプロジェクトの概略を説明した上で、
プロジェクトの持続性確保のために、
日系企業の支援を得られるような仕組みが出来ないだろうか
(企業側からすれば、企業の社会貢献という枠組みでの話となる)
その方向で1時間ほど議論をさせていただく。

もちろん、その場で答えが出るような話ではない。
何せ、商売をしている方のところにお願いをするのだから、
それなりのメリットを示さなければ話が具体化するはずもない。
今日のところはご挨拶、というところ。
いつか、一緒に仕事が出来ればいいなぁ、という思いのみ。

それにしても……。
日本の国際貢献は地味だなぁ、と思う。
豊田通商のオフィスからそう遠くないところに、
中国がどでかい国立競技場を援助した。
もちろん、完成予定はずれにずれ、
その後の維持費を出すはずもない。
駐車場の台数も話にならないくらい少ないので、
協議開催日には周辺は渋滞でえらい目に遭うというのが、
今から確実視されている。
建設はすべて出稼ぎの中国人労働者。
かつ、建設後は永住も可という条件で連れてこられたとかいうのだから、
体の好い棄民政策であることは違いあるまい。

だが、間違いなく目立つ。
我々の地味な作業など、吹っ飛んでしまう。
それでもなお、と、我々は言い続けられるだろうか……。

打ち合わせの後、
Dさんの運転でラディソンホテルへ。
言うまでもない、大手ホテルチェーン。
第2回の防災に関する国レベルでのフォーラムが開催中。
300名規模の人が集まっていること、そのこと自体がすごいこと。
そのような活動(イベント)なのに、
なぜBOSAIプロジェクトに声がかからなかったのか。
その意味をしっかりと考える必要があろう。

JOCVのIさんOさんは正規に登録して参加中。
ワークショップの時間になったのだが、
ダラダラの運営であり、また、
スペイン語からの通訳の手間暇を考えた時、
まぁ、パスさせてもらおう、ということに。

で、タクシーでクラウンプラザまで移動し、
プールサイドのカフェで、
2時間ほど、話をきかせてもらう。
今回の会議のこと、フォーラムのこと、
現場での苦労やら、コスタリカ人の活動ぶりやら。

背景を知らず考えず、ただ教わったことを、
「これが普通のやりかた」と理解し、その普及をしてしまう。
原理がわかっているならば、そうはならないはず。
ゆえに、借り物で終わってしまう、等々。

現場の声ゆえ、説得力は大きい。
彼らの声をしっかり受け止めよ、である。

19時、先に話を聞いたHさんが到着。
ホテル2階の日本食レストラン「富士」にて、
4人でいろいろと話をする。

久しぶりに納豆をいただく。
しっかり納豆だった!

                   (11月28日アップ)